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異世界とチートな農園主 作者:浅野明

農園を作ろう

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始まり

扉を開けたらそこは異世界だった。

唐突だが冗談でも病気でもなく。

いい歳した大人が何をバカなことを、と思うだろう。他人事であったなら彼女もイタイヒトだなと思う。夢であってほしいが、彼女はあきらかに目が覚めている。

辺りを見回して、わずか数秒前のことを思い返す。

とある事情から6年間自宅(6年前に宝くじを当てて2LDKのマンションを購入したのだ)に引きこもり続けた彼女。いままで生活物品はすべてネット通販に頼り玄関に設置してある宅配ボックスを活用しまくっていたが、ようやく今日、6年ぶりにマンションの外へ出ることを決意し、財布とデイバックを背負い、マンションの扉を開けたのだ。

行動したのは、それだけ。

特別なことはなにもなかった。

だがしかし。そこにはマンションのコンクリートの廊下ではなく、なぜか草原が広がっていたのだ。

しかも、すでに一歩踏み出した後だった。まずいと思って振り返った時すでに遅く、今出てきたばかりのマンションの扉はなぜか跡形もなかった。

一瞬にして彼女は安全なマンションの自宅から見知らぬだだっ広い草原に茫然と佇むという摩訶不思議な事態に陥ってしまったのである。

「・・・・・どうしてこうなった」


★★



引きこもっていた6年の間に、高層マンションの乱立していた周辺が草原になるなど、まず、あり得ないだろう。そもそも自宅はマンションの8階にあったのに、扉を開けたら草原とかなにそれ、怖い。

それはともかく、少なくとも空に太陽が二つあるという目を疑うような事実から考えるに、ここは地球ではないと思える。


彼女の良く読む小説にありがちな異世界転移というやつにちがいない。今流行りだよね。

「外にでたとたんこれって・・・・」

やっぱりあのまま引きこもりしとけば良かった、とガックリ肩を落とす。

とは言うものの、引きこもりな彼女は、元の世界にたいした未練はないのだが。親類縁者もいないとなれば、特別帰りたいという訳ではない。しかし、見知らぬ世界で容易く生きていけるほど適応力も順応性もない。小説にあるように魔物とか出てきたら、スライム相手でも死ぬ自信がある。

ともかくも、ここで茫然としていても仕方がない。先ずは現状を把握しなくては。

今いる場所は、見渡す限り緑の草原で、すぐに危険があるようには思えないので、一旦腰を落ち着けて荷物の確認をしよう。

「あれ・・・・」

先程から妙に違和感がある。が、先ずは荷物の確認か。

着ているのはごく普通のTシャツにジーパン。足に馴染んだスニーカー。銭湯に行こうとおもっていたので、デイバックに中には着替えが一式。それに財布。

「・・・・あれ?」

バッグの底に入れた覚えのない本が一冊はいっていた。

黒地に銀の蔦と金の花の模様の描かれた高級感漂うその本に彼女は見覚えがあった。

「セカンドライフの・・・・・」

【楽しもう!セカンドライフ オンライン】は、6年前に発売された、世界初のVRMMOゲームだ。

その題名通り、セカンドライフを楽しむことを重点に置いたゲームで、RPGのように魔物を狩ってクエストをこなすもよし、釣りや料理を楽しむもよし、一流歌手、スポーツ選手、建築家、鍛冶屋、果ては国王や魔王までなんでもできるしなんにでもなれる、がコンセプトだ。詰め込みすぎているわりにはバグもほとんどなく、マップも広大で人気タイトルのひとつだ。

彼女は発売当初からこのゲームをやりこんでいて、引きこもっていた6年間ひたすらゲームをしていた。そのゲームの開発者のこだわりの一品が、このシステムブックなのであった。

当初はシステムウインドウは、プレイヤー本人だけが見れる形で、空中に半透明のウインドウが開くようになっていたらしいが、操作している光景が凄く微妙と開発者がこの本の形にしたらしい。

システムブックを開くと、ゲームでもあったように目次が出てきた。

「開けたけど、ほとんどないし」

ログアウト、課金アイテム購入、ガチャ、掲示板、通信、チャットなどの項目は軒並み消えており、残っているのはステータス、スキル、アイテムと所持金のみである。

ステータス、スキルに特に変化はみられないし、アイテムと所持金の出し入れは可能のようだ。

アイテムも6年かけて溜め込んだものがすべて残っていた。そもそもセカンドライフではアイテムインベントリに制限がなかったため、クズアイテムから神級装備まで物凄い量が入っている。例えゲーム内通貨が使えなくても、これだけあればある程度は売れるだろう。

よくよく回りをみると、草原に生えている草花の中には、ゲームでもみたポーションの材料なんかもある。

しかしここがゲーム内とは思えない。土の匂いや、風などここまで五感を再現はしていなかったし、そもそも【セカンドライフ】では地球を元にしていたため、太陽は1つだった。

と、彼女はようやく違和感の正体に気づいた。

「こんなことになるなら大人のままにしとけば良かった」

ゲームではアバターは特に理由もなく、10才の少女に設定していたのだが、今の彼女は現実の大人の体ではなく、アバターの子供の姿になっていたのだ。いったいいつの間に。しか着ている服もサイズがぴったりとは・・・。

しかし考えてもさっぱりわからないので、取り敢えずまあいいや、と考えることを放棄した。

その後、スキルや魔法を一通り試し、彼女は歩き出した。

何をするにしても先ずは、人を探してこの世界のことを知る必要があるだろう。





★★★



名前:リン
種族:神人
メイン職:神の農園主
サブ職1:神の料理人
サブ職2:神の調薬士

HP:1430
MP:3400
SP:3050

STR 340
VIT 124
DEF 212
DEX 422
INT 240
MIN 212
RUK 40

装備

妖精の長弓

妖精の帽子
豊穣の女神の衣
リンのコート
韋駄天の靴

月のリング
太陽の指輪
神言の指輪
豊穣の腕輪

スキルスロット:弓術総合80 体術総合80 魔力200 魔術の心得80 料理150 合成術90 錬金術110 調薬92 鍛冶78 生産の心得82 焔の才能66 水の才能94 言語学68 看破77 付加95

待機スキル:風の才能83 植物の才能170 土の才能130 光の才能42 貿易の心得83 商人の心得72 農業の心得183 木工72 細工44 裁縫67 採取120 採掘122 伐採132 解体の心得72 水泳83 召喚94 友好85

パッシブスキル:隠密 全状態異常耐性 無詠唱
魔力消費減少大

称号:緑の指 神に挑みしもの 楽園の管理者 一騎当千

一人だと独り言増えるよね!
ご指摘を頂き少し訂正しました。本編に影響はありません。
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