日本経済が活力を取り戻している。大卒の就職率は96.7%と3年連続で上昇しており、高卒の就職率もバブル経済当時に迫る97.5%に達している。一方の韓国は、2014年度の高等教育機関卒業者の就職率が通貨危機(1997年)当時より低い56.2%にとどまっている。このような韓国の現実と比べると、日本の状況には実に驚かされる。経済の回復に伴う結果だといわれるが、筆者は日本経済で新たな形の市民事業、すなわち社会的経済分野(協同組合や非営利組織など)の規模が拡大し、雇用能力が大きく向上したという点に注目している。
2014年度の日本の社会的経済について規模を見ると、企業数20万5000社で日本の全企業数の11.8%に上る(日本の内閣府の報告書)。社会的経済企業の事業利益は60兆円、付加価値額は16兆円で、日本のGDPの3.3%に達する。社会的経済組織の有給職員数は約577万人で、日本の有給従事者全体のおよそ10.3%だ。
日本政府はリーマン・ショック以降の深刻な経済危機の中で、既存の営利企業では解決できない地域社会のさまざまな問題を改善するために、2010年に新たな成長戦略を打ち出した。市民組織、非営利団体(NPO)、社会的企業、協同組合など社会的経済を担う組織が公共財やサービスの提供主体となり、教育・育児・村づくり・介護・福祉などの分野で地域の雇用を創出し、働きがいのある人間らしい仕事(decent work)を実現するというものだ。
経済産業省の「地域新成長産業創出促進事業」には、社会的経済の各組織を成長させるための資金調達、人材育成、事業促進支援、普及・啓発といった政策が盛り込まれた。こうした政策の樹立と実行によって、なんと500万人分の雇用創出が可能になったのだ。
雇用の壁、労働人口の減少、低成長、地域社会の衰退など、韓日両国は共通の課題を抱えている。これ以上、社会的目的と市場経済を別次元のものとして捉えていては解決策は見つからない。利潤の追求だけを目的と考える企業が市場経済の全てだというのなら、韓国社会の未来には出口がないのではないか。
社会的経済の組織が市場経済を補い、地域社会を活性化させるという多様な事例が隣国の日本で立証されている。隣国の変化と革新を目にする一方で、社会的経済基本法をめぐる机上の空論に時間を費やすだけの韓国の現実が見える。実にもどかしい。国連や経済協力開発機構(OECD)、国際労働機関(ILO)なども協同組合をはじめとする社会的経済を奨励している。大韓民国の政府と国会は、こうした国際機関がなぜ社会的経済を推奨するのかしっかりと注目すべきだ。