独立軍描いた映画『暗殺』、朝鮮日報記者はどう見たか

【映画レビュー】『暗殺』
「クール」な独立軍の入場、観客のハート狙う

 韓国映画では珍しく女優がワントップだ。スッピンの暗殺団隊長アン・オギュン役を演じたチョン・ジヒョンは痛快なアクションと射撃の腕、「出生の秘密」と心の内を見事に表現した演技で大きな流れをリードしている。別の生き方にあこがれを抱く彼女の心が一瞬揺らぐ時、観客も一緒に夢を見る。韓国映画は、ウエディングドレスを着たまま引き金を引き、太ももに弾倉を隠し持つ女戦士というキャラクターを手に入れた。

 この映画の登場人物たちは「噛(か)みつけないなら吠(ほ)えもするな」というサバイバル論理と、「まだ戦っているということ知らしめなければならない」という闘争論理のはざまで生きていく。祖国と共に「所属」を失い、生き残るため本音を隠さなければならない世界で、ヨム・ソクチンと「ハワイ・ピストル」も興味深い変化を遂げる。ある意味、2人は一卵性双生児のようだ。金九が臨時政府立法府・司法部・行政部を紹介するシーンはその規模が小さすぎて笑いが込み上げてくる。全員が1つの部屋に集まっているのだが、行政部はちょうど食事中だ。

 うまくまとまっている商業映画だ。139分間のストーリーが重力のように観客を引き寄せる。中国・上海で撮影されたというオープニングの霧が立ちこめるメタセコイアの道からして、180億ウォン(約20億円)という制作費がものを言う。三越百貨店の再現をはじめ、美術にはかなり力を入れている。

 このドラマの出口戦略はややお決まり通りだ。下水道脱出、追悼とろうそくなどにはミュージカル『レ・ミゼラブル』の影響が見え隠れする。メッセージもオ・ダルス演じる男が言う「3000ドル、忘れたらだめだ」くらい弱い。しかし、意欲ばかり先走りして動きの鈍い独立軍の話にうんざりしている観客なら、この映画の軽快なフットワークにかえって引き付けられるかもしれない。洗濯ひもに掛けられた白い敷布が「大韓独立万歳!」とでも叫んでいるかのように風に揺れるシーンは残像が長い。15歳観覧可。

朴敦圭(パク・トンギュ)記者
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