[PR]

 香川県の男性(57)から「再び始める団塊世代も多いと聞きます」と、アコースティックギターの依頼をいただきました。野外でライブ演奏を楽しむ音楽フェスティバルが多い季節。盛り上がって「自分でも!」と、売り場を訪れる人も多いようです。

 大阪の老舗、三木楽器心斎橋店(大阪市中央区)を訪ねると、平日の昼間にもかかわらず、売り場には結構な数のお客さん。担当の福井崇さんは「男性が多いですが、昨年から若い女性が増えています」という。

 大原櫻子さんら、ギターを演奏する同世代の女性ミュージシャンの活躍が刺激になっているようだ。入門ギターの売り上げは、前年の1・5倍にのぼる。

 福井さんは初めての人には、予算のほか、好きなミュージシャンや演奏したい音楽を聞いて、アドバイスする。選べる色やデザインは年々増えているという。

 初心者が購入するのは3万~6万円のものが多い。歴史があって、品質が安定している日本ブランドの「ヤマハ」や「モーリス」が定番だ。

 お金に余裕が出てきた年配者らが「あこがれだった」と手を伸ばすことが多いのは、米国ブランドの「マーティン」と「ギブソン」。福井さんは「マーティンは見た目がシンプルで、音は柔らかく、かつ芯がある。ギブソンは見た目が華やかで、ワイルドな野太い音」と説明する。

 米国勢では、新興の「テイラー」も人気だ。日本ブランドは「ヤマハ」や「モーリス」に加えて、岐阜県に工房を構える「K・ヤイリ」と「タカミネ」も、世界的に評価が高い。

 夜しか弾く時間がないという人たちに最近支持されているのは、弦をはじいた音を響かせるボディー(共鳴胴)がないギターだ。そのまま弾くと静かだが、ヘッドホンやスピーカーにつなげばきちんとアコースティックギターの音が鳴る。(山村哲史)

■売れ筋ランキング

【10万円未満】

①ヤマハ FS720S     3万240円

②モーリス F-351     3万240円

③フェンダー ソノランSCE  5万6000円