経済産業省が国内最大級の埋蔵量を持つ「南関東ガス田」の本格的な開発を図るため、現地で実証試験を行う方向で検討していることが19日、分かった。天然ガスを含む地下水をくみ上げる際、地盤沈下を起こさないための技術などを試す。導入できれば大幅に増産できる可能性があり、海外との価格交渉力の強化につながると期待される。
南関東ガス田は、千葉県を中心とした関東地区南部に広く分布する国内最大級のガス田。可採埋蔵量は約3700億立方メートルと試算され、国内のガス消費量の3年分以上に相当する。
ただ、ガスが溶け込んだ地下水をくみ上げる際に地盤沈下が起きる恐れがあるため、地元自治体が開発企業との間で協定を結び、採取量を一定以下に制限しているのが現状だ。
経産省は同ガス田の生産量を増やすため、ガスを分離した水を地下数百メートルの比較的浅い地層に戻すことで地盤沈下を食い止める技術や、仮に地盤沈下が起きても陸地に影響が出ないような比較的浅い海域での生産について実証試験を行う考え。時期や場所は現在検討中だが、遅くとも数年以内に実施する見通しだ。