7月29日 19時50分
外国人が日本の企業などで働きながら技術を学ぶ「外国人技能実習制度」。発展途上国の人材育成や技術を伝えることが目的の制度ですが、事実上、人手不足の業種を支える労働力として、現在、全国で16万人以上が工場や農業、漁業、建設現場などで働いています。ところが、いま実習生が、実習先の企業から突然、姿を消し、失踪するケースが急増しています。その数は、去年4800人余り、5年前に比べて4倍近くに上っているのです。相次ぐ失踪の実態とその背景について、取材班の1人、社会部・瀬古久美子記者が解説します。
■失踪実習生を追跡
7月末の夜、私たちは、失踪した外国人技能実習生を追跡する民間の特別調査チームに同行して、茨城県の住宅街にある飲食店に向かいました。この飲食店には、夜になると失踪した実習生とみられる外国人が遠方から集まってくるという情報が寄せられていました。特別調査チームのメンバーは、元入国管理局職員や元警察官。情報が確認できれば入国管理局に通報します。
この日は、外国人がオートバイやタクシーで次々と集まってくる様子を遠目に監視していました。 この調査チームを作ったのは、実習生を企業などに紹介している「監理団体」です。「監理団体」は来日した実習生をまず受け入れる民間の団体で、実習生は、監理団体から紹介された企業などで働く仕組みになっています。ところが、いま実習先の企業からの失踪が相次ぎ、企業からの信頼を失いかねないとして、独自に調査チームを作って行方を突き止めようとしているのです。私たちがある企業に取材に訪れた際には、実習生に逃げられた企業からの情報をもとに、元実習生の郵便貯金の口座の動きを追跡し、本国に180万円余りを送金した形跡を見つけていました。
■逃げられた企業は
調査チームは実習生に逃げられた企業を訪れ、聞き取りやアドバイスも行っています。関東地方の板金加工の会社では、実習を始めて2年半で、タイ人の実習生が突然姿を消しました。この会社の社長は、「時間をかけて一人前にしているのにその途中で失踪され、裏切られた気持ちだ」と話していました。
調査チームの聞き取りに対して社長は、「失踪の直前、仕事に集中していないようすが見られた」と説明しました。この会社では、ほかにも6人のタイ人の実習生を雇っていて、調査チームのメンバーは、これ以上、失踪者が出ないよう「知らない人間と頻繁に携帯電話などでやり取りしているようなことがあれば連絡をしてほしい」と話していました。
■闇で仕事を探す元実習生(記事の続きや関連情報はリンク先で)
引用元:NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_0729.html
1 : @Sunset Shimmer @★