アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二期が始まりました。てか、とっくに始まってます。一期とは随分趣きが異なるので気になりますね。どうなっちゃうんでしょうかね。
やっぱりサプライズは掻き回し役の美城常務でしょうか。登場していきなり全プロジェクト解散宣言です。
すげーな、美城常務。うちのクライアントにきて全プロジェクト停止してくれないかな。
— coilcoils (@coilcoils) 2015, 7月 17
でも不思議と「やっぱりそうだよな」とも思いました。アイマスの世界なのでツッコミは禁物ですが、346プロの過剰な設備には何だか不安を感じてしまうのも正直なところです。
346プロを蝕む固定費
勝手な想像ですが、765・961・346の支出がどのような構成になるか図にしてみました。適当ですよ。適当。
346というと、やはり目立つのが社屋の豪華さです。しかも色々な設備も完備しています。プロデューサー専用の部屋なんて贅沢ですね。維持費も気になるところです。それ以外にも気になるのがトレーナーやマッサージ師といった間接部門の人件費です。正社員か契約社員か分かりませんが。あと広告もそれなりにお金をかけているようです。
961プロも派手な自社ビルを持っていましたが、346と比較するとたかだか自社ビル1棟の中堅に過ぎなかったということでしょうか。961の場合は大鑑巨砲主義なので優秀なユニットを絞って広告やステージに金を注ぎます。個人主義なのでアイドルの管理費も346よりは低く、玲音のような完璧主義者のアイドルにとっては居心地がよいわけです。
さて、ここでやはり目立つのが765プロの固定費の低さです。雑居ビルに居を構え毎月支払に頭を痛めるような固定費は思い付きません。竜宮小町プロジェクトはマネジメントからトレーニングまで秋月律子が一手に請け負っており、765プロの生産性の高さの象徴と言えるでしょう。
こうした三社の損益分岐を考えると、やはり346が損益分岐点売上高を達成するのは大変そうです。ただ、会社の規模がありますので、安定したアイドルの供給元として業界から評価され、期末までには予算を達成していたのではないかと思います。(損益分岐分析は適当なサイト見てね)
アニメで見る限りでは、346の仕事の中心はテレビ番組やイベントにアイドルを供給することなので、市場規模と受注率をパイプライン管理できていれば、経営に支障をきたすことはなかったでしょう。アイドル市場なんてよく分からないけど、アイマスの世界だと管理すべきパイプラインは、番組とかイベントとかに参加表明する入札、どんなアイドル出して何するか中身の提案、コンペとしてのオーディション、そして受注獲得と多分こんな感じかしら?
ちなみに961ですが、アニマスで不動産にも手を出しています。これはおそらく賭博的に大型アイドルを投入するだけではリスクが高いので、安定的な収入源を求めての多角化だと思います。不動産収入を全てアイドル事業の変動費に充ててくれていたらよいですけどね。このように投資リスクを分散したり、自ら地方に行脚しアイドルを発掘していた黒井社長は、経営者として再評価されるべきなのかもしれません。
765プロの脅威
美城常務が出向したころは346プロも順風満帆だったのではないかと思います。ところがここ一年足らずでアイドル市場の状況が一変しました。原因はこいつらです。
※ラッツアンドスターではない
みなさんお待ちかね765プロです。アイマスの世界の市場規模がどの程度か分かりませんが、事務所単独で大箱ライブを成功させたり、テレビにレギュラー番組を持っていたり、芸能界のタイトルに選ばれるアイドルを擁する765プロの躍進は、間違いなく他の事業所の脅威であったはずです。
たかが弱小事務所が中堅事務所に成長したぐらいで最大手の346はびくともしないと思われますが、実は収益のラインがギリギリであったと考えると、これは深刻な問題になってくるわけです。例えば今までオーディションの勝率を30%程度と見込んでいたとしましょう。そこに765プロのような新興プロダクションがアグレッシブに挑んでくるわけです。自然と勝率は下がってしまうでしょう。勝率が20%ぐらいになってしまうと、いろいろと計算が狂ってくるはずです。
そうすると残念ながら仕事が減ってしまいます。当然ながら採算がとれなくなります。固定費が低い765プロなら笑ってすませられるかも知れませんが、固定費が多い346にとっては一大事です。
アニマスとデレアニの世界が繋がっていればという仮定の上での話しですが、決定打は準大手961プロの経営破綻だと思います。アメリカ出向中にこのニュースを聞きつけた美城常務は最新の受注率を反映したレポートの再作成を部下に命じたのではないかと思います。
(ちょっと想像が入ります。)主力アイドルを765プロに潰された961プロは、不動産投資による収益安定の努力もむなしく資金ショートに陥ります。黒井社長は架空の不動産投資を持ちかけ当座の現金を獲得しようとしますが、あえなく御用となります。大手メディアに資本投入を要請すればよかったと思うのですが、プライドの高い黒井社長は犯罪に走ってしまったというわけです。あ、やっぱ黒井社長駄目だわ。再評価はナシで。
そうして最新の損益分析を見た美城常務。損益分岐点さんが行方不明です。
経営課題に正面突破で挑もうとする美城常務
収益が見込めないプロジェクトが乱立している状況を目の当たりにして、帰国直後に為すべきことはただ一つ、全プロジェクトの即時停止による出血の最小化というわけです。
こうして受注確度の低下から端を発する改革ですが、近代的な考えを持つ美城常務は問題の根源を断とうとします。それはライバル事務所に負けないアイドルの市場投入です。この受注確度の向上という重要施策が「346ブランドの確立」というスローガンにつながります。他に削減すべき経費があるだろうとかいろいろ意見はありそうですが、彼女が考える最重要経営課題はこの点に位置付けられているようです。
誰かが笑えば誰かが泣く。なんだかんだでアイマスはサバイバルの世界というわけです。
どうする?武内P!
さて、美城常務の強引な改革に頭を痛める武内Pはどのような手を打つでしょうか?それはみてのお楽しみですが、もしかするとライバル事務所の765プロの新事業が手本になるかも知れません。
仮にデレアニとグリマスの世界が繋がっていればの話ですが、初代アイドルで現金を得た765プロはすかさず765プロライブ劇場への再投資を行いアイドルの増員に着手します。
これはゲームのご都合主義だけではなくて、ある程度のまとまった土地を獲得するわけですから、投資としても悪くはないと思います。しかし、一番の魅力はアイドルの安定稼動にあります。
入札案件のようなアウトバウンド(外回りで稼ぐ)だけではなく、お客様に来てもらうインバウンドの収益源を持つのは事務所としても魅力的です。当然、他社との競争が格段に楽になるわけですから、チケットさえきちんと売れれば、見通しが立ちやすい安定した収入源となるわけです。ここで育ったアイドルをアウトバウンド市場に投入してゆけるわけですから、一石二鳥ですね。
継続的に足を運んでくれるファンの獲得が成功の鍵になりそう
おそらく武内Pが考えているシンデレラ舞踏会(仮)というのは、このようなインバウンド戦略じゃないかなと思っています。もう一歩踏み込んで言うと、テレビ局やイベント主催者に対するBtoBから、直接ファンにアクセスするBtoCへの転換です。美城常務も事業的には重複しないので、見逃してくれるというわけです。765プロにはなんだかんだで765プロっぽいアイドルが揃っていますが、尖った個性を集めた346プロのシンデレラ舞踏会(仮)はきっと765プロライブ劇場と戦ってゆけると思います。
余談:346プロがフランチャイズ制導入?
アイドル事務所で可能なのか分かりませんが、一番手っ取り早く経営課題を解決するのには、346がフランチャイザーになってプロデューサー達に独立してもらい、損失のリスクをプロデューサーに押し付けることです。346はアイドルの調達と育成を担当し、プロデューサーはフランチャイジーとなり346プロに加盟料を支払い、プロジェクトに合わせてアイドルを供給してもらうというわけです。アイドルは公平に供給されなくてはならないので、フランチャイジーが事務手数料を支払った上でくじ引きか何かで決めるというのはどうでしょうか。あれ、これモバマスだ。
では、残念ながら競争に敗れ、加盟料や事務手数料を346プロに支払い続け、借金だけが残ったプロデューサーはどうすればよいのでしょうか?ここはフランチャイザーの346プロに支援を申し込みましょう。受付には独立前まで共に仕事をしていたちひろさんが待っています。
……生き残りましょう。
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