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【政治】

新しい民主主義が始まっている 学生+学者安保法案で共同抗議 

安保関連法案に反対しデモ行進する専修大の広渡清吾教授(前列左から2人目)ら学者と学生たち=31日、東京都千代田区で

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 安全保障関連法案に反対する学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」と学者の会は三十一日、共同の抗議デモや集会を国会前などで催し、約二万五千人(主催者発表)が集まった。大規模な政治デモを学生と大学教員らが共催するのは異例だ。

 午後七時半、学生と学者の共同行動らしく「抗議」ではなく「講義」が国会前で始まった。「東ドイツでも秘密警察は『就職に響くぞ』『退学だ』と脅したが、デモからベルリンの壁は崩れた。日本で新しい民主主義がここ国会前で始まっている」。水島朝穂早大教授(62)が演台から語った。

 早大からの参加者は「早稲田からのアピール」と紙を掲げ、東大からは有志がチャーターしたバスで約三十人が訪れた。国際基督教大二年の前島萌子さん(20)と小林詩音さん(20)は「学者の方と意見が一致すれば、ともに行動するのは自然な流れ」と口をそろえた。

 これに先立ち、国会近くで開かれた集会では、学者と学生が交互にスピーチ。佐藤学学習院大教授(64)が「六〇年安保で一部の学生と学者が一緒にデモに出たと聞くが、広がりのある結集は歴史上初めてだろう」と指摘。「シールズ東北」の斎藤雅史さん(19)=東北大二年=は「この道しかないという政権に対し、武力なき平和というオルタナティブ(代案)を模索する努力を続けるのが知識人の役割だ」と呼び掛けた。

 音楽家の坂本龍一さん(63)がメッセージを寄せ、「若い世代の人たちが政治や憲法を身近に考え、行動に移しています。私にとって唯一の希望です」と読み上げられた。

 参加者は集会後、国会前までデモ行進した。

 

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