国道197号の大分城址公園前の歩道にある街路樹のマツ。再整備に向けて街路樹の在り方も検討する=30日午後 大分市中心部を走る国道197号の歩道や景観を改善する再整備計画の検討が始まった。道路を管理する県は大分市と連携し、市街地の活性化につなげたい考え。整備方針を話し合う協議会が30日に県庁で初会合を開いた。2016年3月までに提言をまとめる予定。県は提言を基にして17年度から具体的な整備を始める方針だ。 対象区間は舞鶴橋西交差点から中春日交差点までの東西2・1キロ。沿道に県庁、大分市役所、オアシスひろば21などが軒を連ね、4月には県立美術館がオープン。JR大分駅から延びる中央通りと交差する。 現状は▽歩行者と自転車の通行区分が混在▽区間ごとに街路樹や照明の種類、形状が異なる▽歩道の舗装が劣化▽街路樹や歩道橋により部分的に歩道が狭くなっている―といった課題が指摘されている。 再整備では、道路自体の拡張は実施せず、歩道の整備やバリアフリー化、街路樹や照明の改修などを検討。道路の特性に合わせた整備のコンセプトを打ち出すことも視野に入れる。 30日に発足した「リボーン(再生)197協議会」は、有識者や沿線の企業の担当者、大分市などの関係機関・団体の代表ら23人で構成。会長に亀野辰三・大分高専教授を選んだ。県と大分市の関係部署が事務局を受け持つ。 会議では委員から「安全性、機能性、景観、付加価値など、どのコンセプトを優先するかが重要になる」「『昭和通り』という名前の変更も検討するのか」「観光客誘致のため大分県の特色が出る道路にすべきだ」といった意見が出た。 県は幹線道路整備で大分市と足並みをそろえることで県都の魅力を高めたい考え。進秀人・県土木建築部長は協議会で「中心部の街のあり方を見直す大分市の動きと、197号の再生は整合を図っていく必要がある」と強調した。