地下鉄計画を休止 川崎市、国審議会への提案見送り

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 川崎市は、川崎から新百合ケ丘まで市内を南北に縦貫する地下鉄「川崎縦貫鉄道」計画について、国の交通政策審議会への提案を見送る方針を決めた。市は「必要性はあるが、事業着手できる環境にはない」とし、計画を「休止」するとした。地下鉄計画については、市は2013年度に高速鉄道事業会計を閉鎖している。

 地下鉄計画は、00年の旧運輸政策審議会答申で「15年までに開業すべき」とされたものの、市の厳しい財政状況などから着手が遅れていた。新技術による建設も模索してきたが、13年の市総合都市交通計画では、20年以内に着手を目指す「Cランク」の優先度に位置付けられていた。

 国土交通相の諮問機関である交通政策審議会は、将来、首都圏で整備すべき鉄道網について、来年3月に15年ぶりの答申をまとめる予定で、現在、自治体や鉄道事業者などに新設・改良といった提案についてアンケートなどを進めている。

 川崎市はこれに対し、地下鉄整備の必要性はあるとしながらも、▽地下鉄への導入を前提としている新技術の実用化には長期の時間を要する▽開業を迎えるころには超高齢化・人口減社会を迎え、市民ニーズが変化する可能性がある▽財政負担が大きい-などとして、現時点で事業着手できる環境にないと結論付け、地下鉄計画の提案見送りを決めた。

 今後は同審議会の答申を踏まえ、17年度に見直す総合都市交通計画で地下鉄計画の位置付けをあらためて明確にするとしている。

 一方、市は地下鉄を除く6線について同審議会に提案する。

 提案内容は次の通り。(1)横浜市営地下鉄3号線延伸(あざみ野~新百合ケ丘)(2)川崎アプローチ線(川崎~浜川崎)(3)東海道貨物支線貨客併用化(品川・東京テレポート~桜木町)(4)小田急小田原線複々線化(登戸~新百合ケ丘)(5)東急田園都市線複々線化(溝の口~鷺沼)(6)JR南武線輸送力増強(長編成化)

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