<JFL八戸>「観客2000人」達成なるか
◎青森初のJ参入目指し条件クリアへ
日本フットボールリーグ(JFL)のヴァンラーレ八戸(八戸市)が今季、J3参入条件の「ホーム戦平均観客動員2000人以上」達成に躍起になっている。15戦のうち9戦を終え、成績は昇格の条件をクリアしたが、観客は平均約900人にとどまる。青森県初のJチーム誕生は、残り6戦の集客にかかる。
チームは昨季の年間9位から一変、今季は第1ステージを10勝1敗4分けで優勝し、J3に参入できる年間2位以内を早々と確保。第2ステージも第5節まで4勝1分けで2位の好位置につける。
チームは2006年の設立で、JFLには昨季入会したばかり。成績の条件を満たすことが、最大の関門とみられていた。伊藤祐チームマネジャー(28)は「J3が一気に現実味を増した。何が何でも今季で参入を決めたい」と意気込む。
戦績とは裏腹に、観客動員は苦戦を強いられている。ホーム9戦目までの合計は約8300人で、残る6戦で約2万1600人以上集めないと平均2000人に届かない。1試合当たり現状の4倍の3600人が必要になる。
青森県五戸町で19日にあったホーム第9戦で、チームは事前に小中学生約1万人に無料招待券を配った。来場者にはリストバンドをプレゼント。次のホーム戦から着用者が連れてきた初めての観戦者は、当日料金を割り引く企画も始めた。
19日は3連休の中日という日取りや雨天の影響もあり、1002人にとどまった。サポーターの会社員男性(33)は「青森初のJ誕生を応援したい」と話す一方で、「チームのアピールが少なく、J3挑戦が知られていないのでは」と情報発信に奮起を促す。
J3参入は第2ステージ終了後の11月ごろに決まる見通し。細越健太郎・ヴァンラーレ八戸社長(35)は「夏休みは子どもたちの来場が期待できる。動員アップの努力を続けたい」と気を引き締める。
[J3参入条件]主な内容は(1)5000人以上収容できるスタジアム確保などを要件とするJ3ライセンス取得(2)成績(3)ホーム戦平均観客動員2000人以上。八戸は来年秋完成する八戸市の多目的運動場(約5000人収容)をスタジアムとする内容でライセンスを申請した。東北では盛岡、福島、秋田の3チームがJ3に所属する。
2015年07月23日木曜日