礒崎氏発言:公明内で進退論広がる
毎日新聞 2015年07月31日 19時06分(最終更新 07月31日 23時18分)
◇井上幹事長「進退は自ら判断するのが政治家の基本」
公明党の井上義久幹事長は31日の記者会見で、安全保障関連法案を巡って礒崎陽輔首相補佐官が「法的安定性は関係ない」と発言した問題について「(法的安定性を)軽視する発言は看過できない。説明責任を果たしてもらいたい」と批判した。その上で「進退については自ら判断するのが政治家の基本」と語り、進退問題に言及した。礒崎氏の責任を問う声が与党内にも強まっていることで、安倍晋三首相も厳しい判断を迫られる可能性が高まっている。
参院公明幹部も「発言のタイミングも悪いし中身も悪い」と不快感をあらわにした。
当初、集団的自衛権の行使容認に慎重だった公明党は、過去の政府見解などに基づき「法的安定性は保たれる」との論理で限定容認に転じた経緯がある。礒崎氏の発言は、公明党が重視してきた「法的安定性」をないがしろにする発言だっただけに、批判を強めている。安保関連法案への世論の支持をこれ以上失うわけにはいかないという危機感もある。
礒崎氏は8月3日の参院平和安全法制特別委員会に参考人として招致され、自らの発言を釈明する。別の公明幹部は「心から反省しているかどうか、答弁で見極める」と述べた。
石破茂地方創生担当相は記者会見で「(礒崎氏の発言の)そこの部分だけとると適切だと思わない。法制に責任を負う立場の礒崎氏が言うのはよろしくない」と述べた。自民党の谷垣禎一幹事長は31日の党役員連絡会で安保関連法案の審議に関して「発言には十分注意していこう」と呼び掛けた。
民主党の岡田克也代表は記者会見で「発言は非常に問題がある」としたうえで、首相の任命責任を問う考えを示した。【横田愛】