川内原発:重大事故訓練は終了 8月に再稼働方針
毎日新聞 2015年07月30日 19時35分
九州電力は30日、川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の重大事故を想定した大規模訓練を終了した。原子力規制庁は九電の対応に問題があれば訓練をやり直させる方針だったが、大きな指摘はなかったという。また同日、3月から始まった原子力規制委員会による再稼働前の使用前検査もすべて終えた。九電は今後の工程が順調に進めば、8月10日に再稼働させる方針だ。
国内の原発が稼働するのは、2012年7月〜13年9月の関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)以来。東京電力福島第1原発事故の教訓から安全対策を強化した新規制基準に基づいた全国初の再稼働となる見通し。
訓練は全交流電源が喪失し、炉心が溶融するという設定で、今月27日から始まり、規制庁の検査官15人が立ち会った。事故が収束に向かうまでの約26時間を4日間に分けて、52人態勢で訓練した。最終日は格納容器内の圧力を下げるため、容器の空調設備に冷却水を送る手順を確認した。
川内原発は2014年9月に規制委の安全審査に合格し、11月までに地元の同意を得た。九電は今年8月4日から5日間程度かけ、原子炉の圧力や温度を上げて再稼働に向けた最終段階の検査をする。10日に原子炉を起動させ、13日に発電・送電を開始する方針。9月中旬の営業運転開始を目指す。【遠山和宏】