長崎平和宣言骨子:安保審議に要請
毎日新聞 2015年07月31日 13時52分
長崎市の田上富久市長は31日、長崎原爆の日(8月9日)の平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表した。安倍晋三政権が今国会での成立を目指している安全保障関連法案について日本政府と国会に向けた安全保障のあり方をめぐる審議について要請すると言及した。
市議会の各派代表者会議で説明した。田上市長は「被爆と戦争の実相を継承し、核兵器廃絶への被爆地の思いを発信する」と述べた。
宣言では他に、日本政府に核抑止力に頼らない安全保障の検討や、被爆者援護充実と被爆地域拡大を要請。被爆と戦争の記憶の次世代への継承を呼びかける。決裂した核拡散防止条約(NPT)再検討会議にも触れ、各国首脳に被爆地訪問を求める。
平和宣言の文案に参考意見を述べる起草委員会(15人)では、安保法案への強い懸念を示すべきだという意見が相次ぎ、田上市長も安保法案に言及する考えを示していた。【大平明日香】