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 沖縄県の翁長雄志知事は31日午前、首相官邸で菅義偉官房長官と会談した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐり、政府が埋め立て本体工事に着手する前の手続きとして県に提出した協議文書の取り下げを求めたが、歩み寄りは見られなかった。

 翁長氏が設置した第三者委員会が前知事の埋め立て承認手続きに「法的瑕疵(かし)」があったとする報告書を提出した後、両者が意見を交わすのは初めて。翁長氏は報告書にも触れたが、会談は約15分で、双方の考えを確認するにとどまった。

 翁長氏は会談後、記者団に「これからも対話は続けていかなければならない」と語った。8月上旬には安倍晋三首相との会談も予定しており、夏以降にも埋め立て本体工事に着手する方針を示している政府に対し、引き続き移設反対を訴えていくとみられる。(泗水康信)