原田亜紀夫
2015年8月1日02時29分
オスロやストックホルムなど、伝統的にスキーが盛んな欧州諸国の都市が住民の反対で次々と手を下ろした。冬季五輪の招致レース史上初めて、北米と欧州からの立候補都市が一つもない二者択一となった戦いを、小差で北京が制した。
自然の雪を選手に提供することにこだわるなら、アルマトイが有利だった。それがわずか4票差という接戦を生んだのかもしれない。しかし、現代の五輪は、政府の財政面での支援が欠かせない。石油や天然ガスへの依存度が高く、その価格動向に国の経済が大きく左右されるカザフスタンと、世界第2位の経済大国では、「国家保証」の安心感で差があった。
冷え込んだ招致熱に危機感を持つIOCは昨年末、中長期の改革「アジェンダ2020」を採択した。今後は招致の段階から節約、緊縮を推し進めるとし、複数の都市や他国との分散開催も可能になった。
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