岩崎生之助、島康彦
2015年8月1日05時04分
終戦を伝えた昭和天皇の「玉音放送」からまもなく70年。宮内庁は「歴史的な史料を多くの方に知っていただきたい」と原盤の音声を初めて公開した。あのとき、そしていま。昭和天皇の声をどう受けとめたのか。関係者に聞いた。
■教訓として知らせるべき 日野原重明さん
聖路加国際病院(東京都中央区)の旧館ロビー。70年前、名誉院長の日野原重明さん(103)はここで玉音放送を聴いた。集まった職員約250人は頭を下げ、すすり泣いた。
「天皇陛下は朗々としたお声で敗戦の実情を語られた。『戦争は終わった』と実感してね。今でもあの時を忘れられない」
いま、平和への願いが薄らいでいるように思えるなか、終戦のシンボルの玉音盤が公開されると聞いて心待ちにしていた。「(放送は)国民が再起するために必要なセレモニーだった。戦争はすべてを壊す。陛下の言葉を次の世代に教訓として知らせるべきだ」。そう訴える。
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