長崎県内の公立中学校で昨年7月、平和学習の授業中に被爆体験を語った被爆者が、旧日本軍の加害責任や原発問題に触れた際、校長が「やめてください」と要請し、講話を中止させようとしたことが31日、分かった。
学校側の説明では、体育館で全校生徒約340人が参加し、長崎市の被爆者末永浩さん(79)が語った。約1時間の体験談の締めくくりとして、末永さんは旧日本軍の加害風景とされる写真を生徒に見せたり、東京電力福島第1原発事故の問題について話したりした。
校長によると、事前に被爆体験だけを話すよう要請していたにもかかわらず、末永さんが「原発は良くない」などと話したため、「教育現場で政治的な発言をしてはいけない」と考えたと説明した。(共同)