大阪大学が2PW出力のレーザー光発生に成功 17
ストーリー by hylom
チャージ120% 部門より
チャージ120% 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
大阪大学の研究チームが、世界最大となる2PW(ペタワット)出力のレーザー光を出すことに成功したそうだ(朝日新聞)。
1兆分の1秒間というごく短い時間に集中させることで、高い出力を達成したという。「今後は出力を10ペタワットまで上げていきたい」とのこと。
光学素子 (スコア:3, 参考になる)
随分前の、これより3桁ほど弱いレーザの話なので、今回のものとはまた違うのでしょうが、参考までに。
当然途中の光学素子が溶けてしまうので、最終ポイント以外では、空間的にもデフォーカスし、また波長の幅を使って時間的にデフォーカスしていました。
最後の最後に使いたいところで空間的にも時間的にも絞って高出力短パルスを得ます。
最後のラインは巨大な真空チェンバーに入っていて、一部の光学素子には冷却液が通っていました。
デフォーカスしていても、空気中をレーザが走ると、途中の空気を加熱して、中央部の温度が上がって凹レンズになり、勝手に拡散してしまうし、
空気中でフォーカスしてしまうと、空気が電離して何色か表現できない色で光ったり、シャツの裾を焼いてしまったりしました。
もっと高強度になってくると非線形効果が見えてくると思うので、それだけで面白いですね。強磁場と合わせてアクシオンとか生成できないかしら。
レーザー核融合の高速点火用 (スコア:2)
圧縮用レーザーで圧縮した核融合燃料の一部を加熱点火する為のいわば「核融合用スパークプラグ」詳細はこの辺り [osaka-u.ac.jp]を参照。
レーザー核融合の最先端は米国のNIFであるが、実用炉に向いた高速点火に関しては、阪大は浜松ホトニクスと並んで最先端にいる。(浜ホトは圧縮用レーザーを二本に減らしたという点で阪大よりも進んでいる)
ちなみにペタワットの上のエクサワットレーザーともなると、電子・陽電子の対発生すら可能になる。
Re: (スコア:0)
Exaワットクラスのレーザーでも、Schwinger限界はきつくね?
Re: (スコア:0)
レーザー核癒合ではいまだコップ一杯のお湯も沸かせない
パルス幅 (スコア:2)
1兆分の1秒ってことは1ps。大出力なのにえらくパルス幅が大きい気が。100fs以下かと思ってた。
レーザー研のプレスリリース [osaka-u.ac.jp]でも1ピコ秒って書いてあるから間違いではないみたい。
ここまでの大出力パルスレーザーって、これくらいのパルス幅になっちゃうものなのかな?
レーザー作るほうは完全に門外漢だからわからんけど。
パルスあたりのエネルギーは2PW×1ps=2kJか。でかっ。
繰り返し周波数はどれくらいなんだろう?
Re: (スコア:0)
まあ,出力(WじゃなくJの方)的にしょうがないんじゃないでしょうか。
・パルス幅縮めすぎるとエネルギー密度高くなりすぎて途中の光学素子が壊れそう。
・拡張・圧縮の回折格子がアホみたいにでかい(1 mとかあった気がする)ので,誤差もそれなりにありそう。
・出力(Jの方)の要求が高いんで,スペクトル幅よりも出力優先になってそう(スペクトル幅を狭くするとパルス幅を縮められるが,Jの方の出力が下がる)
Re:パルス幅 (スコア:2)
パルス幅縮めすぎるとエネルギー密度高くなりすぎて途中の光学素子が壊れそう。
問題となるのがJの方、つまりパルスあたりのエネルギーだとしたら
・ピークの出力(Wの方)が同じなら、パルス幅を縮めたらパルスあたりのエネルギーも減る。
・平均出力と繰り返し周波数(not波長)が同じなら、パルス幅を縮めたらパルスあたりのエネルギーが同じのままピークの出力が上がる。(論文としてのインパクトがでかくなる)
ので違うと思います。Wの方のエネルギー密度は無茶苦茶問題になるでしょうけど。
出力(Jの方)の要求が高いんで,スペクトル幅よりも出力優先になってそう(スペクトル幅を狭くするとパルス幅を縮められるが,Jの方の出力が下がる)
プレスリリースでWの方を強調してJには触れていないんだから、ちょっと違うような。
拡張・圧縮の回折格子がアホみたいにでかい(1 mとかあった気がする)
これ [osaka-u.ac.jp](レーザー研のLFEXの解説 [osaka-u.ac.jp]の一番下)ですか。これもでかっ。
Re: (スコア:0)
>ピークの出力(Wの方)が同じなら、パルス幅を縮めたらパルスあたりのエネルギーも減る。
いや、これは違う……というか、ピーク出力が同じにはならない。
チャープパルス増幅だと(単純化して言うと)幅を広げて増幅しておいて幅を狭めることでワット数を稼ぐから、パルス幅を縮めるとパルスあたりのエネルギーは変わらずにワット数が上がる。
だから、エネルギー的な意味で高出力のもののパルス幅を短くしすぎようとするといろいろ大変。
>プレスリリースでWの方を強調してJには触れていないんだから、ちょっと違うような。
よく読むんだ。
プレスリリースに
>これまで、
Re:パルス幅 (スコア:2)
パルス幅を縮めるとパルスあたりのエネルギーは変わらずにワット数が上がる。
これは承知していて、リリースでピーク出力(W)が強調されているので、
エネルギー(J)の方が制約となってるのならもっとパルス幅縮めて出力あげられないのかな、という意味で書いた。
なので
だから、エネルギー的な意味で高出力のもののパルス幅を短くしすぎようとするといろいろ大変。
これはWの方が大きくなりすぎて大変ということ?それだと非常に理解しやすいです。
それはそうとして
プレスリリースに
これまで、比較的小さな出力(〜数十ジュール)でこのペタワットが実現されてきましたが、大阪大学ではその何十倍もの出力(1,000ジュール以上)のレーザーを世界で初めて完成させました。
完全に見落としてた。Thanks
というか、「本研究成果のポイント」だけしか読み直してなかった。
自分で計算してパルス2kJ、うえっってなってたはずなのにね。
もしかしてこの研究の肝ってJの方の大きさを維持したままパルス幅を絞れました、
その限界が今のところ2PW・1psということ?それなら腑に落ちる。
#そこらへんの背景知らないと無茶苦茶なコメントしてしまうな。
#非線形光学に使うくらいしか知らんからWは大きい方がいい、Jは小さい方がいいという感覚しかない。
Re: (スコア:0)
アメリカ軍の [wikipedia.org]は75kWっつってたっけっか。
ガンダムに例えると? (スコア:2)
どのくらいの威力なんでしょう?
初代ガンダムの頭のバルカン一発ぶんくらい?
まさか戦艦並ってことないですよね?
Re:ガンダムに例えると? (スコア:2)
メーサー砲が作れるまでどのくらいでしょうね。
これがあれば、ゴジラには勝てないけど、
パトリオットとかいらないし…。
Re:ガンダムに例えると? (スコア:1)
阪大レーザーの方は「1000J以上」と大まかだけど具体的な数字があるので、弾丸や砲弾は重さと速度を仮定すれば計算できそう。炸薬とかまで考えるとめんどくさいけど
うじゃうじゃ
Re:ガンダムに例えると? (スコア:2)
1000J以上というのはパルス一発あたりで、実際は繰り返し周波数の分だけ続けてパルスが出てくる。
機銃の威力は弾丸1発の威力だけでなく連射性能も影響するように、繰り返し周波数がわからないとなんとも。
ところで、兵器としてのレーザーってパルスである必要があるんだろうか?重要なのは平均出力×目標に当て続けられる時間だよな。瞬間出力あげてうれしいかな?貫通力は上がるかもしれんが。
#バトルテックだと命中率あがったけど・・・
トゥールハンマーの倍の出力! (スコア:0)
田中芳樹著銀河英雄伝説に出てくるイゼルローン要塞主砲「雷神の鎚:トゥールハンマー」は9億2400万メガワット≒約10億メガワット=1PWに対し、今回の大阪大学のレーザーは2PW、つまり倍!
但し銀河英雄伝説に放射時間が具体的な記述が無いものの、雷神の鎚は数秒~10秒程度だろうに対し、今回の阪大レーザーは1ピコ秒。
これは銀河英雄伝説がSF(スペースオペラと称している)小説にも関わらず、雷神の鎚の出力をジュール他の単位で書けない、弩文系の作者田中芳樹(私立学習院大学文学部国文学科卒)が悪い。
Re:トゥールハンマーの倍の出力! (スコア:2)
トゥールハンマーがCWであるのなら、単位はWだけで十分ですよ。
でも連続照射できる時間が限られている(そんな描写だったよね)なら、その時間を掛けてJの次元(TNT換算でもいいかも)で表記すべきというのは正しいか。
1回10秒なら9.24PJ。1メガトンが4.2PJくらいなんで、およそ2メガトンちょい。
あれ?トゥールハンマーってたいしたことない?小型水爆程度。
Re: (スコア:0)
時代が出ますよね
百万馬力の巨大ロボもワットに直すと700MWにしかならない。
デロリアンでも1.21GWだというのに。