槙グループ、新国立問題計画見直し「初期の目的果たした」
2015年7月30日13時37分 スポーツ報知
2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場について、当初から計画見直しを提言していた建築家・槙文彦氏(86)らのグループが30日、都内で会見し、白紙撤回が実現したことを受けて「我々の初期の目的は果たした」と見解を示した。
政府の決定を「歓迎すべきこと」とした槙氏は「世論がこれだけひとつの建築に向けられたことは、大げさに言うと近代建築史の中でもなかったのではないかと思います。こうであるべきだ、ということを皆さんがいろんな形で発言し、メディアも報じましたから」としながら「仮に(建てられる)新国立が期待の65%程度のものであっても、日本国民の中で意見交換できたことはよかった。これからのガイドラインになっていくべきこと」と、今回の騒動によって得られたものを強調した。
この日をもってひとまず活動を締めくくる槙氏のグループは、政府に対する新たな提言として「五輪会期中の最大約8万人の収容人数を会期後は5~6万人とすること」「どの種目の専用施設とするかを早急に決めること」「当初の建設整備予算である1300億円でも十分すぎること」などの見解を公表した。一両日中に政府に提出するという。
質疑応答では、槙氏がデザインを担当すべきとする声が上がっていることについて再三にわたる質問があったが、当の槙氏は「(コンペに参加する気持ちは)ありません。今までとスタンスを変えるつもりはありません」と、これまでと変わらず、自らが整備計画にかかわっていく考えを否定した。