文科省、新国立建設担当者を更迭

2015年7月29日6時0分  スポーツ報知

 文部科学省は28日、新国立競技場建設の担当者だった久保公人(きみと)スポーツ・青少年局長(58)が辞職し、後任に高橋道和内閣官房教育再生実行会議担当室長(54)を充てる人事を発表した。旧文部省出身の山中伸一事務次官(61)も退任し、後任は旧科学技術庁出身の土屋定之文部科学審議官(62)が昇格する。人事は8月4日付。

 久保氏は2012年1月に同局局長に就任。20年東京五輪・パラリンピック招致にかかわった。新国立整備計画の責任者で事業主体のスポーツ振興センター(JSC)や東京都と調整を行っていた。定年まで1年半以上残しており、事実上の更迭となる。

 政府関係者によると、久保氏らが下村博文文科相(61)に「新国立が危機的状況にある」と報告したのは4月上旬。その後、下村氏はゼネコン各社との調整を山中事務次官に任せたが、それでも計画がまとまらず、国土交通省出身の首相補佐官が原案の総工費を2520億円としていた。

 下村氏は会見で久保局長の辞職について「定例の人事異動。後進に道を譲るための勇退で、新国立の問題を考えての人事異動ではない」と強調した。自身の責任については、第三者委員会の検証結果を待つとし「批判は謙虚に受け止めたい」と述べるにとどめた。

 白紙撤回された新国立問題では、政府は内閣官房に省庁横断的な「整備計画再検討推進室」を設置。国交省からは職員6人が派遣された。政府関係者は「計画に文科省やJSCが関与する余地はない。実務のほとんどは国交省が行う」と話している。

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