記事詳細
「中国色」強い学習指導要領 台湾学生ら警官隊と対峙
【台北=田中靖人】台湾の馬英九政権が「中国色」の強い学習指導要領の改定を決めた問題で、改定に反対する学生らが30日夜から台北市内の教育部(文部科学省に相当)に集まり、抗議活動を行った。学生ら約400人は、31日未明に敷地内に突入して徹夜の座り込みを続け、同日午前現在、なお半数近くが警官隊と対峙(たいじ)している。
学生らは今月23~24日にも教育部庁舎に乱入。30日の抗議は、抗議活動で幹部役だった学生(20)が改定阻止を訴えて自宅で自殺したことを受け、「追悼」を掲げて行われた。
学生らは30日夜、教育部周辺に集まった後、付近の立法院(国会)に向かい、改定撤回のための審議を要求。十数人が立法院の敷地内に一時侵入し、呉思華教育部長(文科相)の辞任を求める横断幕を掲げた。
報道によると、立法院での抗議には、柯建銘立法委員ら最大野党、民主進歩党(民進党)の有力者が姿をみせ、改定問題をめぐる与野党協議の開催を王金平・立法院長(国会議長)に求める考えを表明した。
台湾では昨年3月にも、馬英九政権の対中接近政策に抗議する学生らが、「ヒマワリ学生運動」として議場を占拠していた。