抗議続く台湾の「改定」教科書、あすから使用開始の見通し

【社会】 2015/07/31 19:34

(台北 31日 中央社)台湾では現在、日本の学習指導要領にあたる「課程綱要」(課綱)の改定をめぐり、生徒らの抗議活動が続いている。そうした混乱の中、予定日の8月1日から歴史などで改定教科書の使用が開始される見通しとなった。一部の市民が今月上旬、使用の見送りを求める仮処分を台北高等行政法院(裁判所)に申し立てたが、31日に棄却された。

教育部(教育省)は昨年1月、微調整を行うとして国語と社会の課程綱要を改定。だが、一部の公民や歴史の教科書で、戦後長らく続いた政治弾圧「白色テロ」や日本統治時代に関する記述が削除、変更されたことなどから、野党や民間団体のほか、中高生にも抗議の動きが拡大している。

31日未明には改定撤回などを求める生徒らが教育部の敷地に突入。与党・国民党に対して立法院(国会)の臨時会を開くよう呼びかけた。

これを受けて、臨時会の召集について話し合う与野党協議の場が持たれたが破局に終わり、決定は来月4日の会合に持ち越された。

(陳至中、劉世怡、戴雅真/編集:杉野浩司)