ロッテの経営権争い、カギ握る「光潤社」

ロッテの経営権争い、カギ握る「光潤社」

 ロッテグループのオーナー兄弟間の対立の狭間に「光潤社」という会社がある。日本の公益財団法人ロッテ財団は2013年3月末の財務資料で、保有する光潤社の株式167株の資産価値を19億9000万円と評価した。本紙が入手した光潤社の登記簿謄本によれば、同社の発行済み株式は4万株で、企業価値は約4兆4000億ウォン(約4690億円)、1株当たり価値は約1億1200億ウォン(約1190万円)という計算になる。

 光潤社は1967年に設立され、会社の設立目的は包装材の製造・販売、日用品、雑貨の販売・輸出入などとなっている。しかし、同社は辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長=日本名・重光武雄=が代表取締役、辛東主(シン・ドンジュ)元ロッテホールディングス副会長=同・重光宏之=、辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長=同・重光昭夫=が取締役を務める資産管理目的の会社だ。実態は従業員数3人、資本金2000万円にすぎない「ペーパーカンパニー」だ。

 しかし、光潤社は韓日のロッテグループ企業を支配する日本のロッテホールディングスの株式27.65%を保有する筆頭株主であり、グループの支配構造の頂点にある。昨年の連結財務諸表ベースで60兆ウォン(約6兆4000億円)もの売り上げがある約200社のグループ企業を率いている。光潤社は韓国ロッテグループの持ち株会社に当たるホテルロッテの株式5.45%も保有している。こうした莫大な保有株式で企業価値が高く評価されている格好だ。

 光潤社の株主構成は公表されていない。しかし、2002年に光潤社が金融監督院に提出した書類によると、株式の50%を辛格浩総括会長が保有していた。その後、辛格浩総括会長は息子である辛東主、辛東彬の両氏に保有株式の相当部分を譲り、現在の保有株式は少数とされる。

 息子2人の持ち株比率は同程度とされる。このため、ロッテホールディングスの株主総会で辛東主元副会長と辛東彬会長が対決した場合、光潤社が保有するロッテホールディングス株による議決権行使の行方は辛格浩総括会長に委ねられているとの見方が出ている。

東京=キム・スヘ特派員
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