世界遺産ライブラリー



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ダージリン・ヒマラヤ鉄道(インドの山岳鉄道群)

  • 国 名 :インド
  • 分 類 :文化遺産
  • 登録年 :1999年
  • 遺産名(英語):Mountain Railways of India

ダージリン・ヒマラヤ鉄道は、ヒマラヤ山脈の南東にある標高114メートルのニュージャルパイグリから標高2143メートルのダージリンを8時間で結ぶ山岳鉄道です。1879年にインドを統治していたイギリスが、避暑地ダ−ジリンへの道を確保するために敷設しました。
「シリーズ世界遺産100」では、地域の人々の生活とともに走り続けるダージリン・ヒマラヤ鉄道の姿を、世界の山岳鉄道で使われるようになる技術と、イギリスの植民地支配の歴史とともに紹介します。線路の幅はトロッコと同じ61センチ。時速は10数kmでゆっくり走ります。2000メートルの標高差を走るために、ジグザグに敷かれた線路で前進と後退を繰り返すスイッチバック、急勾配なところでは線路に砂を撒き、摩擦を増やして車輪がすべるのを防ぐ技術などが取り入れられました。鉄道の施設は、当時チベットへの勢力拡大をはかっていたイギリスが、その重要拠点であるダージリンへの道を確保するという目的もありました。鉄道はその後、有名なダージリンティーや、ヒマラヤ登山を目指す数々の登山隊を運びました。