世界遺産ライブラリー



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チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス

  • 国 名 :インド
  • 分 類 :文化遺産
  • 登録年 :2004年
  • 遺産名(英語):Chhatrapati Shivaji Terminus (formerly Victoria Terminus)

インド最大の商業都市ムンバイにある駅舎チャトラパティ・シヴァージー・ターミナスは、イギリスの植民地時代だった19世紀末に竣工されました。インド伝統の様式を融合させたヴィクトリア・ゴシック建築の壮麗とした駅舎であり、今も現役の駅として使用されています。
「シリーズ世界遺産100」では、駅の過去の歴史と現在の様子を紹介します。かつてボンベイと呼ばれたムンバイはイギリスの植民地政策の拠点であり、ここから全国に鉄道網が敷かれました。駅にはインド中から物資が集まり、駅の裏にあった港へと運ばれたのです。まるで宮殿を思わすような駅舎は植民地支配の象徴であり、大英帝国の権威を示していました。インド独立後の現在、この駅は市民生活に欠かせない存在となっています。1日300万人を超す通勤客で、列車からは人があふれ駅構内は活気に満ちています。その中でユニークなのが、昼前になるとホームの片隅に集まってくる多くの弁当箱。これは、ムンバイ特有の弁当配達システムです。列車があまりに混むため通勤客は荷物を持てません。代わりに業者が、通勤客の自宅から職場まで弁当を配達してくれるというものです。インドの過去の植民地時代と発展する現代、この駅はその両方を象徴しています。