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目黒区の保育園の開園延期は、誰が悪いのだろうか

PRESIDENT WOMAN Online 著者プロフィール
境 治 さかい・おさむ
コピーライター/メディアコンサルタント

境 治1962年福岡市生まれ。東京大学卒業後、広告会社I&Sに入社しコピーライターになり、93年からフリーランスとして活動。その後、映像制作会社ロボット、ビデオプロモーションに勤務したのち、2013年から再びフリーランス。ブログ「クリエイティブビジネス論」でメディア論を展開し、メディアコンサルタントとしても活躍中。最近は育児と社会についても書いている。著書『赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。』(三輪舎刊)

文=境 治
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住民への説明責任は誰にある?

反対運動の中心人物で、予定地に接した隣に住む角野氏(仮名)にもおそるおそるコンタクトしてみたら「取材にはすべて応じます」と返信がありすぐにお会いできた。小難しそうな人物を想像していたのだが、現れたのは60代半ばの気さくそうな男性だった。反対運動を手伝っているという、フリーライターの女性、中森さん(仮名)も一緒だった。角野氏の話を聞くと、私でも憤るなあということの次第がわかった。

2014年11月のある日、角野氏の家を見知らぬ女性が訪ねてきた、というのだ。「保育園ができるのはこちらですか?」。角野氏には何のことやらわからない。まさか隣に保育園ができると発表されているとは思わなかった。やがて区報への掲載を知り、怒り心頭となった。どうして事前に何の説明もないのか。目黒区に抗議したらすぐに担当課長が謝りに来た。「保育園側が説明していると思っていた、と言うんですよ」と、憤り収まらない様子で角野氏は語る。

その後、西尾社長が謝りに来たり説明会を開催しても、角野氏からすると収まりがつかない。目黒区に対して腹を立てているのに、ブロッサム社が来て保育園をどうつくるかの説明ばかりする。彼としては「どうして開園が前提になっているのか」という気持ちなのだ。かくて、角野氏は西尾社長にも疑問を持ってしまい、ブロッサム社も信頼できないと断じている。

騒音が生活を乱すから周辺住民が反対していると報道されたが、自分たちは住民を無視した目黒区の横暴なやり方に憤っているのだと角野氏は言う。その裏付けとして、同席した中森さんが整えた書類を見せてくれた。この一件の経緯が事細かに書き留められて、私にも事態がよく理解できる資料だ。これを読むと、腹を立てるのは当然だと思えてくる。

角野氏の話を聞いていると、目黒区の担当者に疑問を抱いてしまう。なぜ西尾氏に任せて自分はあまり出て行かなかったのか。そのことが角野氏の不信感を増幅させてしまっている。逃げているのではないか?

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