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Another life online~ファンタジーな世界で最強の農家~ 作者:リアルチートが欲しい

見習い農夫編

23/119

22話目 王都到着。

 アルエの村を出て、〈酪農の村ジーナス〉を経由、王都についた。
 流石にジーナスではイベントに巻き込まれるということもなく、何種類かのチーズを買っただけで、村をあとにした。
「…おー。」
「…ふぇー。」
 王都はまさにファンタジーの王都といった感じの石造りの城塞都市だ。中央にそびえる一際デカいのが王城だろう。
「…圧倒されるな。」
「…ふぁい。」
「こう、ワクワクするな!」
………。
「ん?」
隣に居たはずのセリーナが消えていた。
「…迷子とか。」
 ため息が出る。高校生(自己申告)ならもう少し…「テッドさん、テッドさん!」
「…。」
「これ見てください!すごいd〈ゴスッ〉すぅぅー……!」
 とりあえず、拳骨&説教をしておく。
 プルプルして泣きそうなセリーナを見ると、アルエ村での勇姿は何だったのかと、またため息がでるのだった。

「とりあえず、師匠の弟さんに会いにいくぞ。」
「…はぃ…。」
 セリーナは真っ赤になって手を見ている。俺の右手とセリーナの左手だ。現在、俺がセリーナの手を引いて歩いている。
 …勘違いしないでほしい。繋ぎたくて繋いでるわけじゃないのだ。…ツンデレでもないからな?
 つまり、迷子防止だ。すでにやらかしたコイツを信用する事はない。…ハッキリ言おう。セリーナはなんかうれしそうにトリップしてるが、俺は今、すごい残念な気持ちだ。これが、デートとか、もうちょっと良い雰囲気なら違うんだろうが…。迷子になる高校生の子守、って字面でもう残念さがにじみ出てるだろう。
 フワフワした笑顔のセリーナを見てるとちょっとイラッ☆とくる。
「ふう…。」
「?、どうしたんですか?」
「…。」
ぎゅーーーっ!
「たっ!いた、いたいぃいぃぃぃ!」


 師匠の弟さんの家に着いた。近所の人にも確認したから間違いない。
 ドアのノッカーをガンガンと鳴らす。
「すみませーん、フロンティアからきた師しょっ…マリーシャさんの弟子なんですが!」
「はーい!」
 出てきたのはおそらくは二十代半ばらか後半あたりの金髪ストレートの美女。
「あっ、すみません。俺たちは…。」
「いらっしゃい。テッド君とセリーナちゃんね?義姉さんから手紙がきてるから大丈夫よ?」
 散らかってるけど、どうぞー。と言われ中に入る。
 通された部屋は控えめな調度品が置かれた落ち着く内装の部屋だった。
「ごめんなさいね?夫は夕方以降じゃないと帰ってこないの。」
 さっきも思ったが、この人が師匠の弟さんの奥さんか…、若っ!
「いや、大丈夫です。宮廷料理人なんですよね。」
 城の人間がどれだけいるかはわからないが、多く人の食事を用意し、さらには王族の特別料理も作るのだから時間がかかるのは仕方ない。むしろ、自分たちは面倒をかける立場なのだから相手に合わせるのは当然だ。
「ふふ、実は先週から宮廷料理長になったのよ?」「…と、言うことは宮廷料理人のトップ?」
「ええ。」
 なんと、セリーナの師匠になるかもしれない人は、国一番の料理人だった。
 セリーナもぽかんとしている。
「あの人は本当に料理に命かけてるからねー。休みの日もいろいろ研究してるみたいだし。」
「…ふぇー。」
「すごいんですね。ちなみに何の料理を研究してるんですか?」
「ええと…、なんて言ったかしら?…れ、れいこー…?…ごめんなさい、ちょっと思い出せないわ。宮廷の中庭で特別に育てられた何からしいんだけど…。」
「いえ、気にしないでください。」
 しかし、れいこー?アイスコーヒーか?…まあ、違うか。
「そうそう、手紙には平穏無事としか書いてなかったんだけれど、義姉さんと義兄さんは元気だった?たまに手紙はくるのだけど、実際に会うのは2、3年に1、2回ぐらいなのよね。」
 ん?
「テリオスさんに、師匠のご実家とは縁切りしてると聞いてたんですが…。」
「ええ、夫達の実家が商家なのは知ってる?義父さまは夫も義姉さんも商会での立場を与えるつもりだったらしくて…。」
 師匠の弟さんは王家に認められた宮廷料理人で、奥さんのエリカさんも下級とはいえ貴族の出のため、実家としても文句が言えなかったらしい。
「エリカさん、貴族だったんですか?」
「ええ、とは言っても没落寸前だけどね。」
 エリカさんの家族は、「こんな有って無いような家に遠慮するな。幸せになれるなら、それだけを見つめてなさい。」と送り出したそうだ。
「まあ、そんなわけで私達も夫の実家とは仲がいい訳ではなくてね。義姉さん達とは手紙でたまに近況報告してるわけよ。」
 あの家とは普段、何の連絡も取ってないわ。 となぜか胸を張る。ぷるんと揺れるそこに目がいきそうになるが鋼の意思でポーカーフェイスを貫く。
 セリーナから何ともいえない視線が飛んでくるが、バレた訳ではない。…無いったら無い。
 そんな風に世間話をしながら、ジーナスで買ってきていたお土産のチーズケーキをつまんでいると玄関の方から物音がした。
「あら、帰ってきたみたいね。…ごめんなさいね、ちょっと待っていてね。」
 エリカさんは立ち上がり最愛の人を迎えに行った。
エリカさんはヒロインではありません。
修羅場とかマジ勘弁。
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