【コラム】ロッテのアイデンティティーに対する韓国人の疑問

日本で決められる韓国財閥5位ロッテの運命
ロッテグループの謎に包まれたアイデンティティー
はっきりしない日本の持ち株会社の正体
さらに強まる経営者一族の日本色
変わらなければ永遠に韓国人の信頼得られない

 その謎の中心にあるのが日本の「光潤社」だ。従業員3人というこの小さな非上場企業が支配構造の頂点にあり、最上位の持ち株会社の役割をしている。ロッテグループの支配権を左右する核心企業だが、光潤社の所有構造は秘密に包まれている。日本の会社法上、非上場企業は株式公開義務がないためだ。

 28日の取締役会でクーデターが起きた日本のロッテHDも持ち株比率が公開されたことがない。さまざまな憶測が飛び交っているが、格浩氏と2人の息子の持ち株比率がどのくらいかは誰もはっきり知らない。出資の輪の中で重要な位置にある日本のファンド「L投資会社」も謎だらけだ。このファンドはホテルロッテ株を72%も保有しているが、実際の所有者が誰かは分かっていない。正体不明の日本のファンド(L投資会社)と謎だらけの日本企業(光潤社)がロッテグループの支配構造を左右していることになる。

 韓国ロッテの持ち株会社であるホテルロッテの日本側持ち株比率は99%に達する。ロッテグループの運命は全面的に日本側の株主の意向にかかっているのだ。韓日両国のロッテグループはそれぞれ独自に経営していると言っているが、その実体は日本のロッテが韓国ロッテを支配している形になる。

 韓国財界5位という大企業グループの支配構造がこのように日本に依存していてもいいのだろうか。ロッテグループの事業主力は韓国側に移ってきており、韓国ロッテの売上高は日本のロッテの20倍だ。それなのに日本側が韓国ロッテを支配しているのは、どう見ても正常ではない。

 ロッテグループ経営者一族のアイデンティティーも企業同様に不確実だ。長男の東主氏は日本で生まれ育ち、61歳になった今まで日本でだけ活動してきた。成人してから韓国国籍を取得したが、韓国国内には人脈も活動拠点もなく、事実上は日本人だ。もし持ち株争いで東主氏が勝ったら、ロッテグループは「日系企業」になるのだろうか。そうなったら韓国の国民感情はどこまでそれを容認できるのか。

朴正薫(パク・ジョンフン)副局長・デジタルニュース本部長
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