今週は何かいい事ありましたか?私ね思うんですよ…。
滾々と湧き出る水。
いやあ清らかですね。
この水はうちぬきといって名水百選にも選ばれています。
地中深くから噴き出すうちぬきは町のいたるところで見られます。
こちらでもたくさんの人が水をくみに来ています。
ハハハハ…。
どう?おいしいですか?おいしいんだ。
この町では生活に欠かせない水なんですね。
そのうちぬきをくみにやってきたこちらのお二人が今日の主人公です。
ご紹介しましょう。
登さんやえこさんうちぬきの味どうですか?私は飲んだらまろやかだなって思いますから多分やわらかいのね水がね。
軟水と硬水…軟水のね…飲むとわかりますけどね。
お二人はこのおいしい水うちぬきのふるさとでみんなのよりどころとなる場所を作りたいとお店を始めました。
それがこちらのお店すだちです。
いやあ風情あるたたずまいですね。
早速お邪魔してみましょう。
こんにちは。
自宅の納屋を改装した店内ですね。
落ち着いた雰囲気で居心地がよさそうです。
ところでこのお店なんのお店だと思いますか?そうです甘味処です。
白玉団子あずきのせでございます。
いやうまそうなものが運ばれてきました!こちらはやえこさん特製の自慢のあずきを手作りの白玉団子にたっぷりのせました。
はあ〜!きなこもたっぷりかかっていやあうまそうだな!いかがですか?お味は。
これはやばい。
やばいんだうまいんだ。
食べたい?ぜひとも食べたいです。
うんめっちゃおいしい。
ねえ。
ハハハ…。
あっ僕にくれるんじゃないんだ。
すごいさっぱりしててすごい好き。
食べやすい。
いやあさっぱりしてるんだ。
あとで私にもお願いしますね。
トマトうわなぁ。
登さんとやえこさんは料理を出し終えるといつもお客さんとの会話を楽しみます。
すぐ仲良くなれちゃいますねここに来ると。
昔の感じのなんか懐かしいような部屋の中なんで靴も脱いで上がるしね。
そんなのがいいのかしら。
初めて来た時この2人を前にしてえっ…えっ?どうしてどうして?嬉しくて。
ああ嬉しかったんだ。
(やえこさん)ホント?ありがとう。
どこか懐かしくてホッと出来る場所。
そんな甘味処すだちのある今日の舞台桃ちゃん教えてくださいな。
はい。
今日の舞台は瀬戸内海に面した西条市のシンボルは西日本最高峰標高1982メートルの石鎚山。
日本七霊山のひとつに数えられています。
その石鎚山を源流とする加茂川の水が地下に浸透してたまり圧力を受けて噴き出す名水うちぬきが有名です。
そんな海と山に囲まれた西条市で自宅の納屋を改装し甘味処を始めた浅木さんご夫婦。
ところで登さんこの納屋はどれぐらい前に建てられたものなんでしょうか?100年ですか!いやすごいなあ。
ここの一番メーンの…中心になっている梁もやはり樹齢からいうと…樹齢100年ぐらいの松を使ってるからちょうど合わせるとね200年近いですね。
ああなるほどね立派な梁ですね。
趣があります。
2階にもこんなスペースがあるんですよ西田さん。
おおホントだ。
いいですね。
西条市出身の登さんは高校卒業後東京の大学に進学。
広告代理店に就職しました。
東大阪市出身のやえこさんは塾の講師をしていました。
お互いに結婚と離婚を経験し2人は大阪で出会います。
登さん57歳の時1人で暮らす父親の介護のため西条市に帰る決意をしました。
今このまま誰かに任しててそのままにしてね…したらホントに俺は一生後悔するなってそんな風に思ったんですよ。
その時に彼女がねすごく背中を押してくれたっていうか。
「帰ろう」って。
もうそのひと言ですね。
やえこさんの言葉で一歩前に踏み出せた登さん。
そしてお父さん近三郎さんと3人の生活が始まりました。
朝も夜も夜中もずっとやっぱり介護をしながら…。
24時間だもんね。
ずっとね。
父と一緒に過ごすっていう風に決めた時に2人ともが外に出てしまうとなかなか父の面倒を見る事が…世話をする事が出来ないので父の面倒を見ながら出来る事って思ったらそれがお店であって甘味処だったというところに行き着きますね。
2008年8月納屋のリフォームが始まりました。
そして翌年の5月甘味処すだちをオープンしました。
お父さんの近三郎さんにとって思い出の詰まった場所がみんなが集う楽しいお店になったんです。
ものすごく嬉しそうな顔してました本当に。
嬉しそうだしちょっとうっすら涙もためたりしてましたね。
嬉しいんだろうなって思いましたね。
というわけで本日は父親の介護のためふるさとに帰りみんなが集う場所を作りたいと甘味処を始めたご夫婦のお話です。
夫と妻そして地域の皆さん三位一体の…いや甘味一体の物語で〜す!今日の舞台は愛媛県西条市。
古くから地下水が豊富で水の都とも呼ばれています。
午前11時浅木さんご夫婦の甘味処すだち開店です。
庭先にはみずみずしい果実を実らせたすだちの木があります。
登さんのご両親が植えたものだそうです。
お店の名前はこのすだちから取りました。
小さい頃から料理好きだったやえこさん。
特製のあずきを作ります。
厳選した北海道十勝産のあずきを丁寧に煮ていきます。
入れるのは水と砂糖だけです。
ほどよい甘さとつぶつぶとした食感がポイントです。
(登さん)あっいらっしゃい。
どうぞどうぞ。
(やえこさん)わーっ!
(登さん)キナリちゃん。
(やえこさん)久しぶりね。
この間来てくれたね。
アハハお客さんいらっしゃいましたね。
オープンして4年常連さんも増えました。
小さな常連さんが大好きなのはこの白玉ぜんざいです。
やえこさん自慢のあずきと手作りの白玉団子が入っています。
あっ白玉いった。
おいしいんだ。
でもう1つ白玉。
アハハ…。
あっまた白玉いった。
ホントに白玉ぜんざいが好きなんだね。
キナリがあんこ好きなので…。
はいすいませんお待たせしました。
すだちには甘味以外に1つだけ食事メニューがあります。
この涼麺です。
夏仕立てのにゅう麺の事で関西風のダシが決め手です。
北海道産の昆布大分県産のしいたけ。
瀬戸内のいりこは1つずつ丁寧に頭とはらわたを取り除きます。
こうする事でおいしいダシが出来上がります。
焼いたお餅にじゃこや地元の海苔をトッピングしました。
うーん!いやうまそうですね〜。
やえこさん特製の涼麺いかがですか?とてもおいしいです。
いりこのダシがすごく利いててすごくおいしいです。
喜んでくれてますね。
おいしい料理はもちろんなんですがお二人はお店の雰囲気作りも大切にしてます。
お客さんからの目線にも気を配っているんですね。
(やえこさん)あの花もうちょっとこっちに…。
花びらがちょっと巻き込まれてる…。
こう?
(やえこさん)それぐらい。
もうちょい…もうちょっと左。
(登さん)こう?よろしゅうございますか?はい結構です。
また偉そうに…。
(登さん)おかみの方が偉いから。
いや店ではですよ。
家では私そんな事ひと言も言えませんねん。
ハハハハ…いや〜この夫婦漫才のような絶妙な会話もすだちの魅力です。
ここは知らないお客さん同士が楽しく集えるコミュニティーになってます。
私よそものですからお友達がなくて。
あったかく迎えてくださるし…。
また色んな情報交換も出来るしその辺が一番…安くて。
2〜3時間はいると思います。
食べてすぐ帰る事はないです。
でしょうね。
長居しちゃうんですよね。
気に入ったら泊まって帰ってくれてもいいし。
それは…。
まあまあそのぐらいの気持ちで。
西田さん。
はいはい。
「甘味処すだち」という名前には飾らない等身大の素の人たちが出会う場所という思いも込められているんですよ。
なるほど「素の人たち」で「すだち」ですか。
ああいいなあ。
今では人が集う憩いの場所になったこのお店は元々は納屋でした。
登さん納屋を片付けた時懐かしいものがたくさん出てきたんですよね?ああ出てきましたよ。
あのねその1つはこれですね。
父親が近三郎いうんですけど。
「近」って書いてますでしょ。
あっお父さんの名前書いてあるんだ。
わからないかな…。
知ってますよ知ってますよ。
私もちっちゃい頃使った事ありますもん。
刈り入れをした時のね米をここに入れましてまだそこに殻が付いてるんですよ。
それを飛ばすためのね…こうして入れて。
登さんはお父さんの思い出が詰まった昔の道具いつも大切にそばに置いてます。
見るたびに思い出しますね。
やっぱりだから何十年前の事がねフラッシュバックしてきますね。
登さんのお父さんは95歳で亡くなりました。
このお店を始めてから1年後の事でした。
その頃やえこさんにはつらい出来事が続けて起きました。
父が亡くなってしまって。
それから数か月後にホント4か月ぐらい先に私の実の弟が亡くなって。
それからまた数か月後に私の姉が亡くなってしまって。
その時に本当に心にぽっかり穴が開いてしまったところをどうやって埋めればいいのかわからなくて。
落ち込んだやえこさんの心を癒やしてくれたものがあります。
お客さんが持っていたオカリナです。
やえこさんは独学でオカリナの練習を始めました。
その音色に癒やされて少しずつ少しずつ元気になっていく自分がいたなって今振り返って思いますね。
やえこさんの心を癒やしてくれたオカリナは新たな音楽仲間との出会いを作ってくれました。
去年甘味処すだちで行われた音楽会がきっかけで結成された楽団です。
この日は介護施設ふたばの森で演奏会が開かれました。
登さんは高校以来遠ざかっていたギターを手にしました。
バンドの名前は風の楽団。
お揃いの青いシャツいやあかっこいいですね。
おお『コーヒールンバ』。
団員は20代から60代まで10人。
クラシックから童謡まで幅広く演奏しています。
日頃生の音楽に触れ合う機会のない皆さんのためボランティアで行っているんです。
(演奏)「忘れがたき故郷」
(ウインドチャイム)楽しかった?また来ますね。
元気でいてくださいよ。
(登さん)またねありがとうございました。
お店の定休日夫婦揃ってお出かけです。
こんにちは。
元気ですか?どうもこんにちは。
ねえ登さんこちらはどなたですか?僕こっちに帰ってきてね出会った親友と呼べる…。
勝手に思ってんだけどね心の友の…親友って。
平井秀和さん。
陶芸家の方です。
ああ陶芸作家の方ですか。
いやあそんな雰囲気ありますね。
お店で使う食器のほとんどはもう平井さんの…。
(平井さん)ありがとうございます。
食器なんですよね。
ありがとうございます。
(登さん)平井さんの食器が優しいのよ。
優しい食器ですか!見てみたい。
はい。
こちらが平井さんの工房兼ギャラリー和窯聴流荘です。
日用品やオブジェ漆を塗った陶器など多くの作品を展示しています。
手や口に触れた時に優しさを感じられる平井さんの作品がお二人は大好きなんです。
そんな優しい器でおもてなしをする甘味処すだち。
(登さん)暑い中…どうぞどうぞ。
(やえこさん)どうぞどうぞ。
こちらは常連のゴウダさんです。
今日は何を注文するんだろう?あっクリームあんみつだ!はい。
平井さんの器に盛り付けられています。
季節の果物にあずきと白玉が入ったすだちのクリームあんみつがゴウダさんは大好きなんです。
(登さん)ああそうですか。
ありがとうございます。
(やえこさん)平井さんのあたたかさの…あたたかい器に私の作ったそれとがマッチングしてお客様にお出ししてるっていう。
そういう思いですかね。
平井さんの器は店内にも飾ってあります。
優しい器とご夫婦の優しい気持ちが重なってます。
お二人には他にも素敵な仲間がいます。
この日は西条市内の竹林に向かいました。
(2人)おはようございます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
登さん今日はこの竹林で何をするんですか?伐採。
切ります。
お二人は2年前から西条市の「竹林をよくする会」に入会。
ボランティアで放置竹林の整備をしています。
竹は放置したままでいると増え続け光を遮るなどして自然環境に悪影響を与えてしまう事があるんです。
竹を一生懸命切ってるのは登さんです。
登さんは優しいだけじゃないですね。
力仕事もします。
そして登さんが切った竹を運ぶのは…やえこさんです。
いやあこっちも結構な力仕事ですよ。
ご苦労さまですやえこさん。
伐採した竹は細かくチップ状にして堆肥にしたり消臭や湿気を取る効果があるといわれる竹炭にします。
なるほど。
前さんに色々ご指導願って教えてもらって。
枝の落とし方とかねノコでの。
こんなの生まれて初めてですよ。
まだまだ勉強中です。
教えてもらってます。
竹林をよくする会の先輩前さんご夫婦です。
お二人の働きぶりいかがですか?
(登さん)掛け声だけ?ハハハ…。
言われちゃったね。
無口で…。
そうですかありがとうございます。
うーんとかちっちゃく言われたら…。
そうそう余計危ないですもんね。
いやあ大好きなふるさとの美しい自然いつまでも大切に守っていってください。
子供たちが大勢やってきました。
この日竹林をよくする会が主催する恒例のイベントが行われました。
竹林について知ってもらおうと子供たちと一緒に竹を切ります。
手ごわかった。
ハハハハ…手ごわかったか。
でもいい体験だよね。
食器や箸も作りました。
そして竹を使ってこんなものも作りました。
長さ20メートルを超える流しそうめんです。
やえこさんも登さんも童心に帰ってもう楽しんじゃってます!こっち来いこっち来い!流れて来い!あっ来た来た来た来た!来たね〜!おいしい?おいしいですか?
(登さん)食べるの必死だね。
食べるの必死だね。
どうですか?うまいか?おいしいですツルツルしてて。
田舎へ帰ってきたからねこういう事が出来るんでね。
考えられないですよ。
大阪のねビルの間ではこんな事出来ないもんね。
すごい嬉しいです。
田舎だからこそ持てる素敵な時間です。
夕暮れ時登さんとやえこさんは毎日のように散歩します。
登さん西条市に帰ってきてどうですか?ちっちゃい頃からね自然の中で…まあ18ぐらいまでですけども育ちましたのでね。
なんかな…ホッとしますよね。
やえこさんは登さんのふるさといかがですか?小さい時に母や父にね田舎を買ってって言った事があるくらい田舎に憧れてたんです。
(やえこさん)海があって山が見えてそういうところに今自分が住んでいるっていう事が幸せだなって感じますね。
(登さん)よかったね。
ありがとう。
いや…そんな言われると照れちゃうね。
いやあ登さん素敵なふるさと持っててよかったですね。
父親の介護のためふるさとに帰る決意をした登さん。
その決意を力強く後押ししてくれたやえこさん。
ふるさとはそんな2人を優しく迎えてくれました。
そういえばすだちのお客さん言ってましたよね。
「初めて来た時思わず号泣してしまった」って。
亡きお父さんの思い出の品々優しさを感じる器そして優しく語りかけるご夫婦の人柄。
お客さんが涙してしまう気持ちわかってきました。
登さんやえこさんこれからも優しさあふれるこの場所ですだちを大きく育てていってください。
応援してまーす!楽園通信です。
桃ちゃん西条市の最上級のものを教えてください。
はい。
陶芸作家平井秀和さんの工房兼ギャラリー和窯聴流荘。
その名のとおり川のせせらぎを聞きながら陶芸体験も楽しめます。
いやあ風流ですね。
そして浅木さんご夫婦が営む居心地抜群の甘味処すだち。
自慢のあずきと手作りの白玉団子をぜひどうぞ。
もちろんちょうだいします!2015/07/26(日) 15:55〜16:30
ABCテレビ1
人生の楽園[再][字]
新しい人生を選択し、夢を実現した人がいます。「人生には楽園が必要だ」で始まるこの番組は、“新しい生き方”を提案する大人のための「いい人生の歩き方」発見番組です。
詳細情報
◇番組内容
楽園の舞台は愛媛県西条市。主人公は父親の介護のため大阪から西条市にUターンし、自宅の納屋を改装して甘味処をオープンした。妻のやえこさんが、北海道・十勝産の小豆を丁寧に煮て作る「白玉ぜんざい」や「クリームあんみつ」が人気。店の温かな雰囲気がお客さんを和ませている。
◇出演者
【楽園の案内人】西田敏行、菊池桃子
◇おしらせ
☆番組HP
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ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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