これでわかった!世界のいま▽中国で人権派弁護士ら多数拘束・なぜいま弾圧を強化? 2015.07.26


株価がいくら下がったって。
日本で爆買いできる中国って、ハオハオ!南シナ海で世界からいろいろ言われたって。
アジアのインフラ投資を引っ張れそうで、ハオ!そんな中国で今。
人権派の弁護士が大勢、当局に連行されている。
チューゴクのゴクチューって、プハオ?こんなんで本当にハオなのか、中国は。
こんばんは。
これでわかった!世界のいまです。
きょうの黒板、すごくないですか。
番組のアートチームが作りました。
すごいですよね。
中国で竜っていろんな意味があるんですが皇帝の権力の象徴でもあるんです。
きょうは番組のために中国共産党をイメージして竜を描いてみました。
早速まいりましょう。
きょうのゲストはパックンことパトリック・ハーランさんです。
きょうは中国ですが、ニュースは気になっていますか。
中国から目が離せない時代がずっと続いていますがAIIBとか、社会に参加するのかそれとも自分の道ばかり走るのか。
分かれ道に立っているんじゃないかなと思います。
その中国なんですが言論の自由や人権に対する締めつけが、深刻化しているようなんです。
鍵がかけられ、閉鎖された北京の事務所。
事務所のあるじは、弁護士の周世鋒氏です。
摘発は、突然のことでした。
警察当局は今月、周氏だけでなく事務所に所属する弁護士ら7人を相次いで拘束しました。
弁護士らを重大な犯罪の容疑者だと伝える中国の国営放送。
しかし、周氏は政府から不当な仕打ちを受けたと訴える市民を支援してきた弁護士です。
また、拘束された弁護士の1人、王宇氏は、権力にひるまず、時に法廷で激しい主張を繰り広げました。
女性の権利の向上を訴える活動家を支援するなど庶民の人権問題に熱心な弁護士でした。
中国当局による弁護士への締めつけが今、全土で強まっています。
人権問題に取り組む弁護士を支援する香港の団体によりますと拘束されたり、取り調べを受けたりした弁護士らは250人以上に上っています。
その1人に話を聞くことができました。
この弁護士は、当局に呼び出され何時間も取り調べを受けました。
取り調べを受けたことはマスコミに話すなと言われた弁護士。
さらに今後、政府批判につながる活動をしないよう強く警告されたといいます。
締めつけはこれだけにとどまりません。
ことし4月、言論の自由を訴えてきた70代の女性コラムニストが国家機密を漏らしたとして懲役7年の判決を受けました。
5月には、著名な弁護士を騒ぎを引き起こした罪などで起訴。
この弁護士は政府に批判的な人たちを司法手続きなしで強制収容する制度の違法性を訴えてきました。
3年前に発足した習近平指導部。
人権や言論の自由に対する締めつけを進めています。
一体、何がねらいなのでしょうか。
国営放送の発表も本当かどうか信じられないですよね。
楽しそうに始まったのに怖くなりましたね。
不穏な動きが中国全土で今起きているんです。
何が起きているのか、きょうの先生を呼んでみましょうか。
番組2回目の登場です。
奥谷デスク。
よろしくお願いします。
暑いですよね。
いきなりどうしたんですか。
きょうのテーマのヒントになることばです。
焦燥です。
あとでまた説明します。
さっきのVTRでも、弁護士が生々しく語っていましたが中国で何が起きているんでしょうか。
当局が発表しないので、中国国外の人権問題に取り組む団体の発表でしかないんですが、拘束されたりおそらく連行されて失踪してしまったりあるいは軟禁されている人たちが25人、このうち弁護士が13人、取り調べを受けたり呼び出しを受けた人が全部で230人。
合わせて250人が対象になっています。
なんでこんなに大勢の弁護士などが摘発されているんですか。
中国の弁護士は日本と同じように裁判に出て弁護士費用をもらって生活しています。
でも、一部の弁護士は、あまりお金がもらえなくても、困っている弱い立場の人を助けてそれで社会的に貢献したいと言っています。
この人数が200人とか300人あるいは1000人ぐらいいるといわれています。
今回はこういった人権派の弁護士が狙い撃ちされたということです。
ねらいは何なんですか。
弱い立場の人たちを助けるということになると、社会問題を取り扱うことがあってですので弁護士たちが、そういう不満を持つ人たちの取りまとめ役になって、それで反政府的な運動が盛り上がることを警戒しているのではないかと言われています。
でも、今までは活動家とか、ノーベル賞をとった方が捕まるということもあったと思いますが、このタイミングでこの人数は何かがあったんですか。
この規模は驚きますよね。
一斉に全国規模ということですのでこれは前代未聞です。
確かに以前にはノーベル平和賞をとった劉暁波さんという人、中国の一党独裁に異を唱えて今刑務所に入れられてしまっているんですが、そういう民主化の知識人を個別にたたくということはこれまでにもありましたが、今は、無名の人たちにも広がっていて、私の知り合いも突然拘束され、1か月拘束されたということがありました。
そういうことで最近は弾圧が強まっているというのがあります。
弾圧が加速って、ほかにはどんなことが起きているんですか。
いろいろあるんですが、まず大学です。
西側の価値観はだめですよという指導があって、例えば司法の独立とか、報道の自由とか普遍的価値とか、そういうことを大学では教えてはいけないという指導があります。
西側というと西洋とか日本など中国以外の当たり前に考えている価値観をなるべく流れ込ませないようにということです。
千里子さん、パックン引き出しを見てください。
英語のテキストなんですが大学で英語をテキストに使ってはいけないというお達しが出ています。
なので没収です。
ノーイングリッシュです。
それは、中学校や高校でも使ってはいけないんですか。
大学のことです。
画像が変ですね。
どうしたんですか。
監視カメラですか。
そうなんです。
実は、今、一部の大学の教室では先生が何を教えているのかというのを監視する監視カメラが設置され始めているということです。
先生用なんですね。
それから宗教への締めつけもありまして教会に十字架がかかっていますがそれが目立ちすぎるということで、強制的に降ろせという命令、一部の教会でそういう動きがありました。
ひどいのがネットの監視が強まっていて削除、検閲を進めて有名なブローカーを別件で摘発してしまうということも起こっています。
ちょっと前は、ネットの声で政府批判も聞こえてきましたが。
確かに数年前まではネットや雑誌とかで政府に批判的な記事も時々あったんです。
ですが、習近平指導部になってからはそういったものがどんどん消えて検閲が厳しくなって今はすごく少なくなっているんです。
なんでこんなことが起こっているんですか。
それがきょうのキーワード焦燥です。
つまり中国共産党は外から見ると盤石に見えますよね。
だけどすごく不安を抱えているんです。
どういうことか、3つにまとめてみました。
まず経済の不安。
これどういう意味かパックン分かりますか。
株も暴落しているし不安ですよね。
私も言おうと思っていたことでした。
経済成長の速度が緩まって、不満を募らせる人が増えてしまうのではないかという不安、ちょうど弁護士の摘発というのも株の暴落が問題になっているときに起きたことがそれを裏付けています。
それから社会を背景とした不安。
長い目で見ると、韓国や台湾でも80年代までは独裁的な政治体制でしたが、経済成長で中間層が膨らむと、民主化されていったということがあります。
当局としては民主化の動きが強まるのではないかという不安があります。
大学の先生とか弁護士、などこういう芽になりそうな人を摘み取るということです。
それから3つ目は、政治を背景とした不安。
習近平指導部は今、汚職の摘発を進めていますよね。
単なる汚職の摘発ではなくて、権力闘争という意味もありまして政敵を粛正している。
そうすると粛正しているほうから見ると、下からの反発がすごく怖いわけです。
ですので大衆の動きというのは民主化を求める動きも含めて、すべて権力闘争に使われないように、封じ込めてしまいたいということです。
竜はいつもびくびくしています。
ちょっと何かあると火を噴いてしまうんです。
共産党が不安に思っているというのは分かりましたが、これだけ取締りが厳しくなると一般の市民の方たちは居心地が悪くなったりしないんですか。
聞いてみましょう。
中継がつながっています。
戸川記者です。
弁護士が大勢連行されているということを中国の人たちはどのように受け止めているんでしょうか。
知識人の間からはですね、ここまでやるのかという怒りと今後の活動の難しさを懸念する声が広がっているんです。
事件直後からインターネット上に書き込まれる批判や懸念の声すら、次々と削除されているのが現状でして、どういう形であれば、拘束されずに活動を続けられるのか弁護士らは、おびえながら模索を続けています。
当局の立場からすれば、知識人をおとなしくさせるという効果が出ているとも言えます。
一般の人はどう受け止めてるんですかね。
中国のテレビや新聞では摘発された弁護士らを犯罪集団だと伝えているんです。
情報統制が行われていますので市民の中にこれを弾圧だと受け止める人は少ないのが現状なんです。
中国ではネットを駆使するなどして海外の情報にも接することができる知識人と一般の人の考え方には大きな距離があります。
多くの人はそもそも言論の自由や政治の民主化がよく分からなかったりですとか、なんとなく分かっていても関わるとややこしいと諦めて自分の生活のことだけを考えようという風潮があるんです。
だからこそ弁護士をはじめとする知識人が一般人との、この距離を縮めて大衆を巻き込んで活動しようとすると、すぐさま徹底して弾圧されているんです。
そして、市民意識の高まりの芽が摘まれてしまうそれが今の中国の現状です。
北京から戸川記者でした。
なかなか厳しい状況が分かりますね。
この状態が続けば、海外に出ている中国人、観光客も1億人を超えているそうですし住んでいる人も何千万人もいるし情報が入ってきますよね。
こういう状態が続くと反発があるんじゃないかと思います。
以前は政府に批判的な意見も多少、寛大なところを見せるところもありましたが、今は習近平指導部になってからは、異論は認めない、力ずくで、ねじ伏せるといった感じがします。
消していいんですか。
今、国力が増大しているので経済成長が続くかぎりはこのままいってしまうのではないかというふうに思います。
そこで注目したいんですが2017年、今から2年後に共産党大会というのがありましてここで指導部の人選をするんです。
習近平さんは変わらないんですが、ほかのメンバーは入れ替えますし、次のリーダーになるかもしれない若い幹部が登用されるはずです。
権力闘争という意味では、まだまだ続くと思います。
その間はびくびくしている不安は続くと思います。
海外に出る中国の方も増えているのに、力ずくで、そんなことをしてみんな言うことを聞くんですかね。
中国の国営テレビに友人がいるんですが、自分が書いたものをおかしいと思いながら発表しているそうです。
なので、見た目には共産党を支持していても心の中は違うという人も増えています。
ただ、経済がいい間は、まあいいかという感じで認めて言うことを聞いている状態です。
経済は今後の大きな注目点だと思います。
当面、締めつけが続いている間は、中国の人々にとっては言いたいことが自由に言えない。
なんとなく居心地の悪い状態が続いてしまうのではないかなと思います。
AIIBとかの設立に向けて情報公開とか透明性とかが大きな課題になっていたと思います。
このタイミングでこういうことをやってしまうと世界からの圧力もかかってくるのではないかなと思います。
私もそう思いますが、とにかく国内の事情が優先、世界にどう思われようが国内が安定しているということが、共産党はいちばん大事に思っています。
ありがとうございました。
奥谷デスクでした。
2時間目にいきましょう。
先月もお伝えしたアメリカ大統領選挙についてです。
共和党の指名争いがある候補の言動で何やら騒がしくなっています。
世論調査によりますとトランプ氏が共和党候補のトップに躍り出ました。
共和党候補のドナルド・トランプ氏。
世論調査では、有力政治家を大きく引き離しました。
トランプ氏は、一代で富を築いた有名な大富豪です。
遊説の移動は自家用ジェット機。
どうしてお金持ちなのかというと。
ここアメリカでは不動産王として知られているんです。
私の後ろにある、こちらの建物。
ホワイトハウスも近い歴史的な建造物ですがトランプ氏が買い取り、近くホテルとして営業される予定なんです。
テレビに取り上げられることもたびたびあります。
そのトランプ氏、過激な発言が注目を集めてきました。
党の重鎮にも遠慮しません。
ほかの候補者との間でもトラブルを招いています。
最近はトランプ氏の過激な発言を批判した対立候補に対して。
支持者に電話をかけるよう促しました。
迷惑電話が殺到したというグラム氏は。
携帯電話を使えなくする方法と題する動画を公開しました。
こうした言動に、この人は。
一方で、その率直な物言いが熱烈な支持を集めています。
ここへきて共和党内でトップに躍り出たトランプ氏。
大統領になったあとについては。
共和党の指名争いに臨む候補は、現在、16人です。
その中で、トランプ氏がひときわ目立つ展開となっています。
何とも言えません。
びっくりしました。
クリントンさんは絶対に勝ったと思っているでしょうね。
過激な言動で目立っていますが、パックンから見て、これはどう映りますか。
トランプ支持は25%ぐらいですが残りの75%はみんな心配です。
このまま続いたら国はどうなってしまうのか。
ディベートは国の政策を決める大事なプロセスなのに自分から遊び半分でやっているトランプ氏がこんなに支持をされていて、プロセス自体が崩壊されているのではないかと心配なんです。
実に見ていて楽しいですけどね。
まだこれから、1山、2山ありそうですよね。
共和党の中には力を持っている方がいっぱいいらっしゃいますし賢くて、成績を残している方もたくさんいますが、その方たちが注目されずに消えてしまう可能性もありますよね。
アメリカの大統領選挙は1年4か月後です。
この番組も久々ですが、音楽の時間にまいりたいと思います。
2人はよく口ずさむ歌はありますか。
ある国で、大ヒットしている曲をMr.シップがご紹介します。
おお、裕貴。
その国はアドリア海を望むクロアチアだ。
この曲はコラック・ポ・コラック。
嫁ぐ娘の幸せを願う父親の思いが込められているんだ。
しみるなあ。
これはクラパという音楽で仲間の集まりっていう意味があるんだ。
生まれたのは大衆食堂。
歌う内容は、愛に、ワインに、アドリア海。
クロアチア人が大切にしているものなんだ。
ふるさとへの思い。
それは遠い異国に来ればなおさら。
どこにいても祖国を感じられる。
心のふるさと、それがクラパなのかもな。
2015/07/26(日) 18:13〜18:45
NHK総合1・神戸
これでわかった!世界のいま▽中国で人権派弁護士ら多数拘束・なぜいま弾圧を強化?[字]

中国で人権問題に取り組む弁護士や活動家が相次いで拘束。なぜ弾圧を強化するのか、習近平指導部の思惑は。現地で何が起きているのか徹底解説。【ゲスト】パックン

詳細情報
番組内容
【ゲスト】パックン,【キャスター】坂下千里子,井上裕貴
出演者
【ゲスト】パックン,【キャスター】坂下千里子,井上裕貴

ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 海外・国際
ニュース/報道 – 解説

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