世界の果てまでイッテQ!登山部マッキンリーSP イモト北米大陸最高峰への挑戦! 2015.07.26


世界の果てまでイッテQ!今夜は、2時間スペシャル。
北米大陸最高峰マッキンリー登頂プロジェクト。
昨年4月。
イッテQ登山部は、エベレスト登頂に向け、ネパールで準備を進めていた。
エベレスト、明確に見えるでしょ?
いや、でかいなぁ。
いよいよ来たんだよ、あそこにチャレンジする時が。
今の自分たちの精いっぱいをぶつけてみたいと思います、あそこに。
待ってろよ、エベレスト。
しかしそのさなか、エベレスト史上最悪といわれる雪崩事故が発生。
登頂断念という決断が下された。
ことし絶対登るんだっていう思いが強かった分、そう簡単には…。
それから1年。
ことし3月、イッテQ登山部の新たな展望が発表された。
結論から言うとね、ことしはやめようと。
ふー。
何か喜んでません?
いや、ほっとした感じです。
さまざまな状況を分析し、ことしのエベレストは見送り。
だが、登山部として活動は行う。
せっかくトレーニングしたのがむだになっちゃうんで、やっぱりことしもどっかに行ったほうがいいんじゃないかと。
イッテQ登山部、第6の山に挑む。
振り返れば2009年、最初の登山は、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ。
最高の景色っすね。
やっぱ最高っすね、この景色。
よくとしは、アルプス山脈最高峰、標高4810メートル、モンブラン。
ちょっと、励ましてください。
だめよ!こういう所で泣きを言っちゃ。
雷来た、今。
目まぐるしく変わる天候。
そして、立ちはだかる氷壁。
オッケー!
しかしついにその頂を陥れた。
よかった、諦めなくて。
2012年1月は、南米大陸最高峰、岩の衛兵の名を持つ、標高6962メートル、アコンカグア。
こんなの、耐えきれないよ。
大自然の猛威に立ち向かう登山隊。
しかし。
6890、ここをイッテQの頂上にしよう。
頂上まであと200メートル地点で登頂を断念。
ごめんなさい、本当にごめんなさい。
違います。
違うんです。
違います。
角谷さんは本当に途中もずっと励ましてくださって、角谷さんがいなかったら、あそこまでも行けなかったんで、大丈夫です。
その夏挑んだのは、アルプスの角。
標高4478メートル、天を貫く岩山、マッターホルン。
絶対登るわ、これ。
切り立った岩肌に食らいつき、恐怖心と闘いながら、孤高の頂を目指した。
そして、登頂成功。
イッテQ登山部マッターホルン制覇。
そして、2013年10月、ついにヒマラヤ山脈へ。
エベレストの前哨戦は、世界第8位の高峰、精霊の山、マナスル。
つらい。
1か月に及んだヒマラヤ遠征。
さまざまな苦難を乗り越え、たどりついた標高8163メートル。
自分の足で来ました。
それに続く第6の山は。
北米大陸最高峰マッキンリーです。
はぁ?
マッキンリー。
それはアメリカ・アラスカ州にそびえる標高6168メートルの山で、エベレストをはじめとする、七大陸最高峰、セブンサミッツの一角をなす名峰。
頂上までの道のりは順調にいっても20日間、片道25キロ、高低差4000メートルに及ぶ過酷な登山。
貫田さんは、マッキンリーは登ったことあるんですか?
僕は1976年と。
まだ生まれてねぇな。
いつだよそれ、生まれてねぇな。
あと…。
生まれてねぇな、まだ。
まだ生まれてないですか?
落ちます!
マッキンリーに向け、トレーニングを始めたのは3月。
低酸素室で体を動かし、高所に順応しやすい体を作り上げた。
楽しみです、マッキンリー。
北米大陸最高峰ですから、ちょっとどうなるか分からないですけど、でも、行ける気がします。
てっぺん。
マッキンリー登るぞ!えいえいおー!
目指すは、北米大陸最高峰、はるかなる頂。
たぶん、今まで経験してきた過去の山の中で史上最悪だと思います。
ああ、ここ、クレバスの上!やばい!
登山隊に襲いかかる大自然の猛威。
謎とき冒険バラエティー世界の果てまでイッテQ!
さあ、始まりましたイッテQ、今夜はイッテQ登山部マッキンリー登頂プロジェクトをお送りします。
ワッショーイ!
どうも。
どうもー。
さあ、イモト、ついにきましたね。
きました。
われわれの1か月に及ぶ挑戦のほう、ぜひ見ていただきたいなと思っております。
なんかずーっとテント生活だって聞いてて、これがつらかったらしいね。
しかもずっと雪の上なので、正直、生活面で言うと、今までの登山で一番最悪でしたね。
そうなんだ?
何がつらいかって、マッキンリーって標高自体は6100ちょいなので、言うてもそこまで、8000に比べたら低いんですけれども、緯度がすごい高い所にある、極地にあるので、アラスカの、気圧が低いんですね。
赤道付近の山でいうところの7000メートル級といわれておりまして、その空気の薄さは。
なんで、数字にちょっと惑わされるところはありました。
あと高低差がすごいあって、大体4000メートル登らないと、ベースから登らなきゃいけないという山で。
これっていうのはエベレストよりも多いんです。
多いんだよな。
高低差でいうと。
エベレストよりもたくさん登んなきゃいけないってことだ?
登らなきゃいけないです。
やっぱりもう、僕たちの感覚もだんだんまひしちゃって、イモトが行って帰ってくるのが、ちょっと当たり前になってるけど、これは、そう!
いやいや。
今のそうはなんだろう。
お客さん、ああ、ああって。
実はとんでもないことをやってるわけですからね、ちょっと一回、みんなスタッフも出演者もお客さんも、視聴者も全
6月3日、マッキンリーを擁するは、アメリカ・アラスカ州。
イモトは、アラスカ最大の都市、アンカレッジに降り立った。
さあ、ここアンカレッジからマッキンリーを目指すわけですけども、まずはですね、こちらのアラスカ鉄道を使ってですね、ふもとの町のタルキートナまで行きたいと思います。
アンカレッジからマッキンリーまで、およそ200キロ。
目指すは、登山の拠点となる街、タルキートナ。
この中でマッキンリー登るっていうの、あんまりいないんじゃない?
あれマッキンリー組だな。
マッキンリーへ向かう登山者をはじめ、アラスカを旅する観光客の足として有名なアラスカ鉄道。
本当はね、天気がよければ、ここから山も見えるそうなんですけども、やっぱりちょっと天気が。
目指す頂は、雲のベールに隠され、その全ぼうはお預け。
3時間で、マッキンリーの登山口、タルキートナに到着。
ここは、人口1000人にも満たない小さな町だが、世界中から来る登山者が、ここで準備を整える。
一応ね、2泊の予定なんですけど、例えばもうあした、天気いいよって言った場合は、もう、荷物すぐ今夜中にまとめて。
そのパターンもある?
あります。
現在地のタルキートナから、マッキンリーのベースキャンプまでは、小型飛行機で移動。
しかし、いつ飛ぶかは決められておらず、天候しだい。
というのは、マッキンリーは北緯63度に位置し、北極点、南極点、エベレストに続き、第4の極地といわれている。
そのため、1週間以上天候が荒れることもざらで、チャンスを逃さないというのが鉄則なのだ。
今回の遠征は20日間。
その分の食料や装備を入念に整える。
不備があれば命にかかわる。
ここ、閉まんないんだよね。
あっはははははは。
すごい、まじ?
この間はぎりぎり閉まったんだけど、俺、エベレストよりだいぶ成長してることが分かった。
成長とかじゃない。
エベレストのときはぎりぎり。
ぎりぎりだった?
このとき、石崎は体重100キロ。
果たしてこれで結果にコミットできるのか。
登山者は国立公園の事務所で入山手続きを済ます。
そこで現地のレンジャーから、登山の注意点が説明される。
ことしは非常に降雪が多くなっています。
ヒドゥンクレバスには十分注意してください。
マッキンリーで最も危険とされるのは、ヒドゥンクレバス。
それは雪に隠されているクレバスのことで、ここを踏み落とし、転落するという事故が多い。
実際に2012年、標高3600メートル地点のクレバスエリアで、4名もの登山者が消息を絶った。
もう一つ注意しなければならないのが、凍傷です。
えー。
標高は6000メートル級だが、マッキンリーは過酷な山。
それは登頂成功率にも表れている。
今、436人山に行って。
実際、登れたのは?
102人。
登頂成功率低いですね、37%。
普通50%ぐらいいきますよね。
ちょっと怖くなってきたな。
もっと、みんな登ってると思ってた。
ことしのマッキンリーは、コンディションが悪い。
およそ20日間で100名が登っているが、その100名は天候が安定した3日間にのみ、集中している。
北極に近くなるので、それだけ気象条件も厳しくなるし、実際の6168メートルよりもっと高く感じる。
ヒマラヤ7000メートルぐらいの山だと思ってるとちょうどいいかもしれないです。
過去にも事故もいっぱいあったし、悲しいこともいっぱいあったんで、そんなに甘い山じゃないような気がしてますんで。
ここでもう一度、気持ちを引き締め直す。
ただ1人を除いては。
例によって、石崎がどこでリタイアするのかも、今回の見どころ。
6月5日。
待機2日目の朝でございます。
少しよくなりましたね。
晴れてきましたね。
でも、南が晴れてるんだけど、まだ山のほうは、ちょっと曇ってましたね。
きのうよりはだいぶ天気がいい感じはしますけれどもね。
よくなってきてるね。
天候は回復傾向にあるが、マッキンリー方面は厚い雲に覆われ、出発できるかどうかは五分と五分。
きょう飛ぶっていう可能性もあるんですか?
ありますね。
きょう午後あたり、午後遅く可能性が。
ちょうど夕ごはん食べてるときに出発かもしれない。
ほお。
まあ朗報ですよね。
よかった、よかった。
実はイモト、長い山生活に備え、今夜はバーベキュー大会を画策していた。
じゃ、とりあえず、私はきょう、バーベキューの買い出しにまず行ってきます。
だがイモトが買い出しに出かけた直後、状況は一変。
天候が回復しつつあるため、1時間後のフライトが決まった。
もう50人出ましたから。
50人出たんですか?
何機も行ったんじゃないですか。
まだ全然。
全然ですよ、私、やべぇな。
結局、イモトもスーパーに着く前にUターン。
最悪だよ。
1分でも早く。
そんなレベル?まじ?っていうかさ、もっと早く分かんないのっていう話だよね。
できれば、おいしい食事を楽しみ、お風呂にゆっくりつかり、ベッドでぐっすり眠って、気持ちを整えたかった。
なんでさ、行く前に、15分前よ。
いらいらするよ、バーベキューの気分だったんだから、本当に。
バーベキューからの出発を。
本当に、本当に、最悪よ、これ。
ベッドやシャワーともお別れ。
本当はバーベキューだったんだよ。
やめなさい。
もう今、バって言った時点でぶん殴りそうだから、誰かのこと。
待つってここで待つってこと?
そうだよ。
ここから先、快適とは無縁の生活。
はぁ。
もう覚悟決めるか。
まだ決めてなかったの?私はもうぶっちゃけ、決めてたよ、もう、すでに。
フライトは30分後。
ところがここで再び天候が崩れ、フライトが遅れる。
しょっぱなからほんろうされる登山隊。
飛ぶか?飛ばないか?結論が出ないまま、6時間。
こうなると、行きたくない気持ちのほうが強くなる。
と、そのとき。
ばつってやった、ばつってやってる。
ばつやってる。
えっ?ばつ?ばつってやってます?ばつやった?
俺見た。
本当?本当に見た?
結局、この日のフライトは中止。
何、何々?
何々?
もうだめです。
あぁ、くそー。
くそー!くそぉ、行く気だったのに。
今夜はまたベッドで眠れる。
一方、がっくり肩を落とすロシアからの登山隊。
いやー悔しいなー。
行く気満々だったのに。
こんな隊いねぇよ。
こんな隊、どこにいんだよ。
揺さぶるね、マッキンリー。
いや、本当よ。
まだ行く前からこんなね、一喜一憂させられるとは、もう精神がもたんわ。
6月6日。
ようやく天候が安定。
よし、行こう!
気合いも十分。
試練にその身を置く。
登山に必要な荷物の総重量は、およそ1トン。
これらを小型飛行機に押し込み、いざ出発。
よし、飛びました。
よし、いってきます!
高度を上げるほどに空一面を覆う雲。
それを貫き、姿を見せた標高6168メートル、マッキンリー。
なんかやばくね。
あれ登るんだよ。
アラスカの先住民族は、この山をデナリ、偉大なるものと名付けた。
神が住むといわれる極限の地、その懐に飛び込む。
近づくほどに、圧倒的なスケールを見せる偉大な山。
それに挑み、歩みを進める登山隊。
それはあまりにも小さい存在。
全然別世界なんだけど。
こわっ。
やがて、標高2200メートル、ベースキャンプが見えてきた。
降ります!覚悟決めて。
そこには、滑走路などなく、雪と氷の大地が広がる。
その上に無理やり着陸。
ああ、別世界。
すげぇ。
ここで文明とはおさらば。
ひたすら山と向き合う生活が始まる。
すごいね、いきなりよ、これ。
ここから、約3週間は、ここでの生活ですからな。
それではここで、長い闘いを共にする登山隊のメンバーを紹介していこう。
プロジェクトのすべてを統括するのは、天国じじいこと、貫田宗男。
国際山岳ガイド、角谷道弘。
エベレストをはじめ、8000メートル峰を4座登頂、ムードメーカー、奥田仁一。
そして若手クライマー、中島健郎と、三戸呂拓也。
さらに、中村俊啓と、飯田祐一郎。
チームドクターを務めるのは、マッキンリー登頂経験もある榊原嘉彦医師。
そして、技術チーム3名と、制作チーム3名。
顔見ると安心するメンバーですね。
仲間って感じがします。
日本屈指のアルピニストが全面サポート。
総勢15名で挑む北米大陸最高峰。
マッキンリー登るぞ!えいえいおー!
それでは登山行程を説明しよう。
標高6168メートルの頂上までは、片道およそ25キロ。
高低差は4000メートル。
途中、5つのキャンプ地を経由し、頂上を目指す。
遠征期間は20日間。
その中で山頂を極め、ここに戻ってこられるかどうか。
だがマッキンリーは、今までの登山とは決定的に違う点がある。
シェルパさんとか、ポーターさんとかがいない。
えっ?じゃ誰が荷物運ぶんですか?
全員がポーター。
60キロぐらい持ってって。
え!60キロなんて背負えないよ。
マッキンリーは登山の原点というか、全部自分でやりますと、ガチの登山と。
おもしろいと思いますよ。
これ、見てください、この荷物の量、われわれの。
普通の隊と比べて、機材とかもあるので、普通の隊よりはたぶん荷物が重いんでしょうね。
これをね、ここから全部自分たちで揚げていかなきゃいけないって言う。
ソリをひも解き、1トンの荷物を細かく分けていく。
これ、何キロぐらいあるんです?
60ぐらい。
60キロですよ、腰めげるよね。
では、スタジオでもその重さを体験してみよう。
というわけで、われわれが実際に背負っていた荷物のほう、用意いたしました。
まず、これがそりで引く荷物なんですけど。
大体これが私の、私の装備ぐらいです。
もっとあります。
そうか。
これちょっと中身、ちょっと見てみてもいいですか。
大体こんな感じの。
何キロもありますよね。
何キロもあります。
これがガソリンといいますか、水を作るために雪をとかして、水を作るので。
ガソリンです。
水じゃないの?
水だと思った。
水は作らないといけないので。
で、あちらに見えるのが、真の山男の三戸呂さんでございます。
どうぞ、こちらのほうに。
お疲れさまです。
絶対重い、これ。
これ見てください、これ。
これもう、やばいですよ。
宮川さん、まず。
えっ、うそでしょう。
これちょっと、いいですか。
いきますよ、せーの。
うわ!うそ!うわっ!きっつぅ。
ちょっと放してもらっていいですか。
離します。
うそ。
うそやん。
プラスこれですから。
意味が分かんない。
もう、この平たんなここでしんどいもん。
祐也、どう?祐也もちょっと。
あなた。
せーの、よいしょ。
うわ、まじか。
いける?
ああ。
すごいわ。
これにこれですよ。
これで4000メートル行ってるんですか。
三戸呂さーん。
すごい。
これちなみに、これを背負ったまま、もしスクワットできたら、いっぱしの山男です。
そうなの?
そうなの。
ちょっと。
おっ。
おー。
支えたから。
でも、OK出た?山登れる?
もう。
じゃ、行こう、行こう。
ちゃうちゃうちゃう。
大丈夫です。
6月7日、いよいよ登山が始まる。
私の世界で一番嫌いな作業。
イモトは、寝袋をしまうのが大嫌い。
でもこれで普通はいっぱいなんだもん。
ここでこれが入るかっていう話ですよね。
この時点で結構、絶望を感じるんですよ。
ゆえに朝いちはおのずと機嫌が悪くなる。
くそぉ!くそー。
くそー。
よし!これでストレス発散だな。
一方、石崎もしまえないおなかにいらついていた。
閉まんないよ、これ、絶対。
やばいな。
それで登るんですか?
どうしようかなぁ。
どうしようかな?
ここ凍傷になるよ。
なるよね、これ。
へそに変なほこり、たまってるよ。
取って、取って、取ってよ。
へそに変なほこりがたまってんだって。
取ってよ。
やだよ。
たまってるね。
たまってる、取って取ってって、
あー!やめてよ!ちょっと待ってよ。
出発に先立ち、女芸人から差し入れ。
まいにち、修造!
出た!これ今、めちゃくちゃはやってるんですよね。
できる、できないを決めるのは自分だ。
おおー、いいことばですね。
精神的にだいぶ落ち込んできちゃうから、そのときにやっぱりこれ見ると、元気出るかもしれないですね。
誰、この人?
えー。
松岡修造さん、知らないですか?
全然知らない。
初めて見ました?
初めて見た。
うそ!
きょうの目的地は、標高2400メートルにあるキャンプ1。
じゃ、行きます。
距離にして9キロ、6時間の行程。
なんか孤独だな、いつもより。
石崎さんとももうこんなに遠い。
ばか話しながら、時間を潰すっていうのができなくなったなぁ、これは。
誰とも会話しない、なんか皆で登ってるけど、なんか単独みたいな感じがしてきた。
マッキンリーでは、常にクレバスに落ちる危険性があるため、距離を取り、互いの体をロープで結び合って登る。
こうすることで、もしイモトがクレバスに落ちてしまっても、角谷さんがイモトを支え、引っ張り上げてくれる。
また、落下のリスクを減らしてくれるのが、スノーシューズ。
しかし、これが歩きづらいうえ。
そりがいうこと聞いてくれないね。
序盤は登りもあれば、下りもある。
あー、もう。
そりは自分目がけて突っ込んでくる。
全然、めっちゃこれ、当たってもね。
すごいストレスですけど、当たったら。
あー!大丈夫ですか?
そりを踏んだ。
OK、OK。
慣れないそりに皆が悪戦苦闘。
1時間も歩くと、マッキンリーを覆うカヒルトナ氷河の上に出る。
ここから先は常に氷河の上に行き、氷河の上にテントを張る。
たまたま僕ら落ちてないですけど、トイレ行く間にも、クレバス開いてるかもしれないですね。
それが何十個あるか分かりませんけれども、それをずっと超えて、行かなきゃいけない。
ロシアンルーレットですよね。
落下の緊張は常に付きまとう。
対して、登っていく様子は、このうえなく地味。
何?
まだ?
何?
休憩まだ?休憩まだ?
休憩まだ!
休憩まだ?
もううるさいな!休憩しようか、しゃあないから。
ここでいいですか?
勝ち取ったか、俺が休憩を。
あんな角谷さん、久しぶりに見たよ。
気温は20度。
風呂に入れないのに汗だく。
あぁ、しんどい。
あぁー、もうやだ!あぁー。
ただすごいきれい。
そう、唯一の癒やしは美しいアラスカの景色。
たぶんだけど、きょうの行程、10分いってないから尺的には。
もうやだ、5時間半歩いて、10分にしかならないなんて、ヘビ丸飲みすればそれだけでそれで、ノーカットでお届けできるよ。
てか、そもそもさ、1か月スケジュールあってさ、1時間とか2時間でしょう。
割にあわねえよ。
ワールドツアー3本分でしょ。
4本分ぐらい。
まあ、そうね。
うん。
1か月ってことか。
でもさ、もうこんな話したくないけどさ、4本分もらえんの?出るかな?特別手当。
こうして歩くこと6時間。
標高2400メートル、キャンプ1に到達。
きょうのゴール、C1に到着でございます。
相当疲れた。
あっ。
もうみんな、疲れたわ。
疲れたね。
すぐにでも、体を休めたいが、やらなくてはならないことが山ほどある。
まずはテントの設営。
いいね。
そして水の確保。
がちがちの雪を掘り起こし、ひたすら鍋にかける。
登山隊15名分、コップ1杯の飲料水を作るのに、最低でも30分はかかる。
そして撮影機材の充電はソーラーパネルで。
今のところ調子いいですか?使った感じは。
調子いいですね。
これじゃ、結構できるんですか?充電。
大丈夫です。
スマホとか?
スマホはちょっと…。
足りないかもしれない?
そうですね。
スマホでゲームをしようという魂胆は却下。
電気もなければ、水もない。
これこそが登山の原点といわれるゆえん。
毎日移動して、テント張って、また次の日に移動するということを繰り返していかないと、登れないんで、標高は低いですけども、それがどういうふうな感じになるかというのは、まだちょっと未知数ですね。
ちょっとこの先が心配です。
そりが心配だな。
腰がだいぶきてますね。
ふだんと違う運動なので、結構体がばきばきになってます。
ところでマッキンリーは、この時期、ほとんど日が沈まない。
いわゆる白夜。
いつでも活動できるが、その分、時間感覚がおかしくなる。
だいぶ疲れたから、ちょっともう、おなかも減ってるし、ぱっと食べてね、休みましょう。
さらにですね、夕ごはんに花を添えるということで、出川さんからの差し入れ。
きた!出た、元気のりのりのやつだ。
そう、ご意見番の実家は老舗ののり屋さんなのだ。
出川哲朗の味付けのり、元気のりのり、うまいよ、うまいよ。
これ全員で言っていこう。
食べたい人は全員。
うまいよ、うまいよ。
全然似てねぇ。
うまいよ、うまいよ。
ひどいなぁ。
うまいよ、うまいよ。
ひどい。
似てるでしょ。
いやいや、ひどいよ。
うまいよ、うまいよ。
似てる、似てる。
うまいよ、うまいよ。
うまいなぁ。
分からんしなぁ。
知らない?
知らないですか?
知らない。
えー?
浸透してないな、出川さん。
やばいよ、やばいよ。
6月8日。
天候が一変。
昨夜から雪が降り続き、やむ気配も見せない。
6月8日。
天候が一変。
昨夜から雪が降り続き、やむ気配も見せない。
きょうは、ちょっと出ようかと思ったんですけど、今、ホワイトアウトみたいな状況なんで、どっか迷い込んで、ずぼっということもあるし。
あしたはどうなるんですか?
あした一応ね、予報は雪なんですよ。
その次の午後ぐらいから、よくなるみたい。
10日の午後からよくなるみたい。
だからちょっと、ここステイしなきゃいけない。
この日は待機が決定。
雪がやまないかぎり、前へは進めない。
そんなときは!
絶対に笑ってはいけないイン・マッキンリー。
以前、アコンカグアのときもやったんですけども、皆さんテントにいていただいて、私がテントにわらかしに入ってくるので。
これは極限までにやることのない人間の、ドキュメントでもある。
ハウアーユーアンドユー?ハウアーユー。
アンドユー?アイムファインセンキュー。
アンドユー?アンドユー?
だが、その翌日も、雪で待機。
そんなときは、手越から差し入れ。
カラオケ。
何これ。
祐也、ありがとう、カラオケ、差し入れ。
歌うよ、ミュージックスタート!
そして、天国じじいもカラオケ初体験。
さび?
過去の山の中で、史上最悪だと思います。
私は一気に突っ込みたいね。
突っ込みたい?
きのうもずっと言ってたよ。
私は突っ込みたいって。
上に行きたい?
上に行きたい。
私、今、そういう気持ちです。
4日間もいたらね、突っ込みたくもなりますよ。
冷静な判断ができなくなって。
アンドユー?早く突っ込んで何かしらの結果を出したい。
だめならだめでもいいから。
ここにいることがストレスなんですよね。
だが、その翌日も、雪は一向に降りやむ気配がない。
霧か雷の中を行くか。
きょう行きたいですよ。
ほかの隊どうです?動いてる?
まだ動いていない。
動いてない、これじゃちょっとまだ。
ここで登頂を諦めた隊が下りてきた。
キャンプ3より上は、雪と風がひどすぎた。
10日間待ったんだけど、食料もなくなったから、ことしは諦めるよ。
われわれの来た道は晴れていたが、上のほうは10日にわたって悪天候だったという。
この停滞っていうのは、どうですか?今後。
追い詰められてはないですけども、順調でも全然ないという。
まだ、C1ですからね。
今通った人も1人、クレバス落ちて、スノーシューを落としちゃったんです。
だからこういうふうになって、ホワイトアウトになってしまうと
6月11日。
ようやく晴れた。
きょうは荷揚げ隊のボッカーズが、C2まで食料とかを、上での食料を運んでくださいます。
一度ではすべての荷物が運びきれないため、選抜されたメンバーがキャンプ2まで荷揚げ。
残されたイモトと天国じじいは。
一番短いのにします。
宮川からの差し入れ、バリカンで散髪。
痛かったらすぐに言ってくださいね。
お前、いきなりいくな。
どうしよう。
貫田さん、ちょっとやばくなってます。
イモトがやっちゃいました。
あぁ、でも正面から見ると何にも変わらないですね。
かっこいい。
さらにイモトはサイドを刈り上げる。
その結果。
OK。
オリンピック目指している柔道選手だよ。
結構、入ってるね。
中にね。
あっ、ちょっと。
攻めるね。
貫田さん、攻めるんだよね。
ブラにがんがん手突っ込んでくる。
さすがだわ。
あぁ、ブラしてるねって。
してるよ、ブラ!
ここで最新の気象予報を日本に確認。
きょう、これから気圧の谷が通過するんじゃないの?弱い気圧の谷が、もう通過した?夜?分かりました。
予報では、しばらく天候は安定。
しかし、山頂までは最低でもあと10日かかる。
条件がいいうちにできるだけ進んでおきたい。
出発はあす。
しかし、その前にやらなくてはいけないことが。
これから、たまったうんこを捨てに行くっていう。
登山隊全員の排便は、こちらのプラスチック容器で行う。
これは所定のクレバスに廃棄するのがマッキンリーのルール。
結構重いですよ。
おー、やばい、やばい。
やばいな、これ。
結構片手だとぎりな感じですね。
皆が嫌がる仕事を引き受けたのは、奥田ガイド。
爆弾処理班のような。
あっ、あっ、いける?あー、出たー。
早く、早く、早く!あっ、もうすぐそこに山があったんだ。
こういうのもあぶねぇな。
アルコール綿ありますよ。
奥田さんを拭いたほうがいい。
ばい菌扱い。
6月12日。
日中は夏のように暑いマッキンリー。
しかし、夜から朝にかけては、マイナス10度を下回る。
寒いよぉ。
この極端な寒暖差も、体を疲弊させる。
おはようございます。
おはようございます。
いよいよやっとC1出れます。
長かったですね。
はい。
なまってませんか?
だいぶなまってますね。
ちょっとまた歩いて、体力をちょっとまた戻して。
きょうの目的地は、標高2900メートルのキャンプ2。
4キロの道のりを5時間で登りきる。
OK、行きましょう。
目指すキャンプ2までの高低差500メートル。
積もった雪と徐々にきつくなるこうばいで、そりの重さがずっしりと体にかかる。
登りになると一気にスピードが落ちます。
基本的にはずっとこれが続く感じですから。
あとは風さえやんでくれればな。
高度が上がるにつれ、風が強くなる。
体感温度はマイナス10度。
おー、登ってきたね。
すげぇ、うわっ!風は強いけど天気がいいから、もう、すごいよ。
5000って言ってもばれないよね。
でも、ばれない、8000って言ってもばれないんじゃないか。
これ、でも本当、6000以上の景色だけど、ヒマラヤでいったら。
そんな絶景を皆さんにお伝えするため、空撮に挑戦。
マッキンリーでは、ドローンが禁止されているため、今回はたこカメラでやってみる。
あんま意識しないでいくよ。
え?
あんまり見ないで、カメラのほうに。
そんな初歩的な。
意識しないよ。
自分、結構見るからね。
うそ。
気をつけてね。
私見る?
あんた見てるよ、いつも。
うそ。
しかし、肝心のたこがなかなか揚がらない。
落ちてるよ。
たこ、落ちてるよ。
頑張って。
上がった、上がった。
ああ、上がり過ぎ。
たこは高く揚がったが、肝心のカメラはこの位置。
無理だよね、コントロールが効かないもんね。
そうですよね。
もう今、めっちゃ。
本当?これもう棒、普通のカメラと変わんないんじゃない化。
意味あんのか、これ。
棒でいいじゃねぇか。
みんな、頑張ってんだよ。
いい画を撮ろうと思って頑張ってるんですな。
予定どおり、きっちり5時間、きょうの目的地、キャンプ2に到達。
ご苦労さまです。
C2到着でございます。
登ってきたら、またえらいことになってますな、外の景色は。
まさに修行のような山での生活だが、ぜいたくな景色と降り注ぐ太陽の光にはこまらない。
そんな中、ベッキーの差し入れ、ソーラークッカーでポップコーンを作ってみる。
でもさ、これでもしさ、雪からお湯が作れたらさ。
お風呂入れるね。
顔とか洗える。
確かに、確かに。
それいいな、それ夢だな。
しかし。
あったかいでしょ?
超冷たいんだけど。
熱がおこっても、すぐに風で冷やされてしまい、機能せず。
せめてポップコーンだけ楽しく頂こう。
怖い、怖い、ぱーんってくるよ。
熱いよ。
あー!
やばい、やばい!
お前、しばくぞ!
奥田ガイドの怒りはガチ。
テントの空気は急に重くなった。
なんで破裂したんやろ。
目に入ったぞ、油が。
大丈夫?
すごい楽しい空気だったんですけどね、ベッキーさんの差し入れが悲劇を生みましたね。
夏本番、爆笑納涼祭。
うわっ!ダマされた大賞3時間スペシャル。
水卜アナ、ドッキリ初挑戦。
うわー!
アイムマイクウーマン!
さらに新キャラクター、パンストエンジェル。
うわっ!
あす夜7時、お楽しみに。
きゃー!
6月13日。
山に入って8日目。
きょうは、マッキンリー登山の中間地点、キャンプ3を目指す。
距離は2.5キロ。
今回の登山の中で、最も短い行程。
でもだいぶこの雪のスノーシュー、マッキンリースタイルですか、いわゆる。
慣れてきました。
生活面では苦労するイモトだが、行動中は順調そのもの。
強いですね。
ちゃんと登山者になってきたんだなと、非常に実感しております。
登れると思う。
体力的にも自信あるし、申し訳ないけど、すっといっちゃうかもしれないです。
山をなめんじゃねえよ、お前は。
うるせぇよ。
自分一番なめてんじゃねぇか。
人生マックスで来てさ、体重も。
ズボンも閉まらない体形でさ、よくマッキンリーに入れたよ。
入山できたよ。
だが、楽しく登れるのはきょうまで。
マッキンリーで起こる登山事故、その多くはキャンプ3以降で発生しているのだ。
見てください、あそこ。
…での雪の塊がころころ落ちてきてますね、危ない。
大きな岩ですからね。
下敷きになったら、掘り出せない。
登るほどに厳しさが増す山。
気を引き締め直す。
見えてきました。
あれがきょうのゴールのC3です。
全行程のちょうど半分、キャンプ3到達。
実際、3年前に事故があったのは、ここ?
ここ。
このどの辺ですか?
右、右のほうの斜面です。
何人亡くなられたんですか?
4人。
4人?その4人はもう見つかってるんですか?
いや、クレバスの中です。
4人とも?
はい。
雪と氷で覆われた山、マッキンリー。
この先は、あらゆる危険が待ち構えている。
今まではそんなにリスクなかったけど、今度いろいろ、雪崩だとか、クレバスとか、結構慎重にいったほうがいいですね。
風と高山病ですね。
いくら晴れても風があったら、何もできないですね。
いよいよ、あすから本当の闘いが始まる。
6月14日。
現在地は、標高3400メートル、キャンプ3。
ここから急ぐと、高度障害になるので、きちんと順応してから行きたいと思います。
ここから先は標高に加え、道も険しくなるため、順応が日課となる。
4時間ひたすら登り、再びキャンプ3に戻るという試練。
つらい以外の何物でもないが、これが欠かせない。
というわけで、とりあえずきょうは、荷揚げと、高度順応を兼ねて、兼ねて、約4100メートルぐらいの所まで来ました。
で、またわれわれは、ばかみたいにC3に帰ると。
はぁ。
そういうことでございます。
マッキンリーは、高緯度に位置するため、気圧が低く、ヒマラヤやアンデスの同一標高よりも高山病になりやすい。
気持ちははやるが、今は体を慣らすのが最優先。
何なんでしょうね、この登って下りるってやつ。
意味分かんない。
でも、これが山なんだよね。
この行ったり来たりで、順応、なんか順応っていうのがあるんですって、あるんだとさ、よくわかんねぇけど、やんなきゃいけないんだとさ。
だが、イモトは後に順応がうまくいかず、地獄を見ることとなる。
山に入りすでに10日。
体も髪もべとべと。
シャンプーも何も、水もないから、あるのは雪なので、雪で。
かゆい。
山の生活には、誰よりも弱いイモトのために、テントの外にこんなものを設置。
嫌なことを思う存分吐き出すことができる本音つぼ。
さあ、本音をぶちまけ、すっきりしよう。
なんかごはんのときに、食事してるすぐそばで、めっちゃ山男が鼻かむんですけど、あれちょっと、やめてほしいな。
あと、めっちゃスプーンとかなめるし、それもちょっと、しょうがないですけど、そういうちっちゃいストレスがたまりつつあるかな。
もっともストレスがたまっていたのは、AD藤野。
僕、光栄なことに、天国じじいこと、貫田さんと2人で、テントに入ってるんですけども、朝方、貫田さんがごそごそなんかやってるなと思って、起きたら、おしっこをためるボトルがもれてて、僕の装備全部、じじいの小便だらけになってたんですよ。
ちょっと勘弁してもらいたいなと。
この日の昼食は、内村からの差し入れ、カップラーメン。
やったぁ。
これはうれしいね。
なじみの味がしみわたる。
極地で食うカップ麺ほど、
6月16日。
きょうの目的地は、標高4300メートル、キャンプ4。
ここから先は、斜面がきつくなるため、スノーシューとそりは使えない。
そりなしでは荷揚げ量が劇的に落ちるため、使わない装備や予備の燃料、食料などは置いていく。
雪に埋めるのは、この高度までカラスが来て食べ物を荒らすため。
そこにわれわれイッテQ登山部が荷物を置きましたよっていう印の旗ですね。
で、また、下山のときには、それを掘り起こして、荷下げをするっていう、そういう作業です。
また持って帰らないといけないです。
ここからはアイゼン。
スノーシューより歩きやすいが、荷物を詰め込んだリュックは、これまでで最も重く、10キロ以上にもなる。
さあ、きょうはいよいよC3からC4に上がれますね。
きょうは上り1000メーター。
まずは、3年前に雪崩事故が発生した急斜面を登る。
リスクを減らすため、できるだけ早く通過したいのだが。
結構な渋滞が起こってるな。
やっぱり天気がいいから、ほかの隊もみんなきょう、上がるんでしょうね。
結構続いているわ。
クレバス越えますからね、ちょっと張り気味に。
はい。
ここだね、穴開いてるわ。
穴開いてる、ここ。
こういう所はロープを張っていきます。
見た目は小さな穴だが、深さはビル7階分、20メートル以上。
中は迷路のようになっており、下まで落ちたら、助け出すのはほぼ不可能。
こええな。
わっ。
一気に疲れた。
いつ崩れてもおかしくないスノーブリッジ。
ここから先は、これが至る所に。
口ぱかぱか開けてるよ。
飲み込まれそうですね、怖いよ。
これ、実際私が今、歩いてるこの場所も、穴になってるの、見えてないだけで、実際はもう、乗っかっちゃってる可能性、大だからね。
クレバス地帯では、立ち止まることすらできない。
休憩なしのノンストップで突き進む。
一番急。
たぶん今まで登った坂の中で、ここが一番急なんじゃないかな。
幸いなのは天候。
この調子がどれだけ続いてくれるか。
結構上がってきました。
下はでも、抜けてるね。
雪が、氷河がない所も、結構向こうまで見えます。
よかった、でもきょうもほとんど風がなくて、無風で、すごく歩きやすいです。
しかし、標高3500メートル、富士山よりも低いこの高度で、イモトの体に異変が起こる。
突如、歩みが止まった。
どうした?
おなか、痛い。
ちょっと角谷さん、おなか痛いから、ちょっと待ってください。
ちょっと休もうか、いいですよね。
いや、えーっと、大丈夫です。
ちょっとこうしてます。
おなかに激痛が走る。
高所では、消化機能が低下するのだが、この標高でこれだけの痛みが出るのは、想定外。
でも、どうしようもないから、行って休みます。
行ってから休む?
うん、行って横になる、とりあえずC4まで行って、ちょっと痛かったら、また休みます。
なんか荷物、持ちますわ。
この斜面だけでも。
大丈夫ですよ。
取ったほうが楽だよ。
もっと悪くなっちゃうとあれだから。
そう、道のりはまだ半分ほど。
無理をする段階ではない。
しかし、痛みはひどくなるばかり。
休憩したいが、安全なポイントなどなく、むしろ難所が待つ。
ここからクレバス多いのと、落石多いので、止まらずにしゅっと行きますんで、頑張って来てください。
はい。
マッキンリーで最も落石が多いエリア、ウィンディーコーナー。
辺りには、落ちてきたばかりの岩が散乱している。
うわ。
でか。
ちょっと怖い。
ちょっと切り抜けたいと思います。
そして、山に入って、実に11日目、ついにマッキンリー、その山頂が姿を見せた。
あの、台形の山があって、その奥にちょこっと見えてるのありますよね。
近いようにも見えるが、あそこまでは順調に行っても5日。
ここからあと、頂上までは2000メートルぐらい登らなきゃいけない。
偉大なるものとあがめられるマッキンリー。
氷河に覆われた山肌と、宇宙を感じさせるブルーが美しい。
来たよ。
来た来た。
万全の体調ならテンションの上がるところだが、この状況では不安のほうが大きい。
クレバスを大きくう回しながら6時間。
予定より2時間遅れて、ようやく体を休められるキャンプ4が見えてきた。
C4が見えてきました。
ここですね。
ちょっと一回整えよう、ここで。
すみませんね。
でもよく頑張ったね。
持ってもらってすみません。
いやいやいや、大丈夫。
ちょっとまあ、横になるか。
予定では、キャンプ4には、順応と休息を合わせ、4日滞在する。
その間に回復するかどうか。
ちょっと心配してたんですけど、ドクターに診てもらって。
今のところ、小康状態なので、不安はありますけども、まだいけるかなと思ってます。
体調はもちろんだが、心配なのは気持ち。
頂上より2000メートルも低い所で、高度障害が出た。
このまま山に飲まれれば、行く道はとてつもない地獄となる。
ここら辺まで来るともう、かなり緊張高まってるんで、リラックスしてもらうのが一番の薬だと思います。
そこで翌日、イモトを元気づけようと、男たちは催し物を開催。
その名も、キャンプ4ライブ。
自分の好きな芸人さんのギャグをアレンジして披露。
落ち込んでいるイモトを笑顔にしたい。
まずは天国じじい、貫田さん。
私は、ヘルメットおじさん、ヘブンだ。
はっはっはっはっはっ。
全国のちびっ子たちよ、一緒に山に行こうぜ。
ははははは。
さらに、サムライディレクター、小野寺も、江頭2:50。
がっぺむかつく!がっぺむかつく!
イモト、この山に入って一番の笑顔。
もしかしてだけどぉ。
ガイドチームから技術チームまで、懸命に考えたネタで勝負。
イモトのみならず、隊全体に明るさが戻った。
きょうC4ライブのおかげで、だいぶ気持ちが立て直りましたね。
それはもう、みんながイモトを励まそうと思って、やってくれたんだよ。
そうだよね。
でもそう考えてきたら、途中から泣けてきて、なんかみんな、なんかやったことないのに、ロープとか投げたりとか、音声なのに、にしおかすみこやらされたり。
カメラ撮る人なのに、上半身裸で、なんかピッケルぶっ刺したり、なんか途中から泣けてきて、なんか、申し訳ないなっていう。
すごく皆さんの、気持ちが伝わったから、がんばんなきゃなって。
まあまあ、イモトさんの、ちょっと気分転換になればいいかなと思いますけど。
なかなかでも、いいチームワークに、ますますなってきたなと思って。
こういうチームワークもあるし、実際の登山のときも、ちょっと厳しくするところもあると思いますけれども、そういうのが信頼感になってるなと思いますんで。
だが、ここで予想外の事態が起こった。
それは全力で江頭を演じたサムライディレクター、小野寺。
このとき、ハッスルし過ぎて、足の付け根を負傷した。
一番はやっぱり安静だと思うんで、きょうスライディングとかしたのが、へんなふうに負担かかったんだと思います。
歩くのもしんどい感じなのかな?
アイシングはしてるみたいだけど、結構つらい。
まじか、どうしよう。
本当になんか、申し訳なくなってきた。
がっぺむかつく!
イッテQ登山部、全員登頂の夢に、暗雲が立ちこめる。
ところでなぜ、小野寺がサムライと呼ばれているのか、その理由は、イッテQDVDの本音ぶっちゃけ座談会で語られている。
こちら、プレゼントはエルメスの香水。
うわー、誰、誰、誰?
どういうこと?
私がよくロケに行くディレクターの話なんですけど、私、誕生日のときにロケに行ったディレクターが、そこにいらっしゃる小野寺ディレクター、通称、サムライって呼ばれているものすごく精神でなんでも乗り越えられるっていう、あだ名がサムライっていう。
こんな所にサムライがいたのか。
サムライが。
なんでサムライというかというと、僕、牛追い祭りに行ったときに、こいつが、アシスタントディレクターなんですよね。
ほんで、その中走るいうたら、もう夜も走り込んで、そんで、自分のカメラかなんか、牛に突かれた練習みたいのとか、こういうのとか、本気でやってるんです。
すごい。
あれ何やってんや。
あいつサムライやな言うて、サムライといわれたんですよ。
飛行機の12時間ぐらいのフライトとかでも、一切座席を倒さないんですよ。
本当にびっくりしました。
そこに刀が置いてあるから。
こうやって寝てるときも。
びっくりしちゃって。
その方が私の誕生日にたまたまちょっと飛行機乗るときが、誕生日だったんですけど、2人っきりになる空間ができたんですよ。
そしたら、後ろからすっと来て、袋渡して、誕生日プレゼントって。
ぱっと開けたら、エルメスの香水。
サムライが、エルメスの香水を。
しかもね、すごい不器用なんですよ。
普通にね、おめでとうって言って、渡してくれればいいものを、なんかいちいち、ちょっとお前、なんか、ちょっと、体臭うからさ、こういうのつけたほうがいいよみたいに。
そういう感じで、なんかいちいち、なんか、中学生みたいな、しろっていうみたいに渡して。
いろんな人にプレゼント渡してる。
もらったことない。
本当ですか?スタッフさんとか、女性スタッフさんとかに、よくプレゼントで、ねんりん家っていうバウムクーヘンで、有名な、女子が大好きなバームクーヘンを。
バウムクーヘンを、女子のスタッフの誕生日とかには、毎回あげてる。
で、なんかその、あまりにも、バームクーヘンをあげるもんだから、バウムクーヘンをあげるサムライってことで、バムライって呼ばれてる。
バムライ。
バムライは、不器用な生き方しかできない。
はれたり熱持ったりとかしてないんで、大したことではないと思います。
分かりました。
幸い、キャンプ4滞在はあと3日ある。
バムライは絶対安静で回復に努める。
一方、本隊は順応のため、往復7時間のトレッキングで汗を流す。
これで最後の順応ですね。
次、来るときにはアタックなので、
6月19日。
山に入って2週間。
現在地は標高4300メートル、キャンプ4。
いよいよ登頂スケジュールを決める。
日本に気象予報を確認。
20日にC4、C5。
21日にC5、頂上。
じゃあ、21がアタック。
あす20日に最終キャンプに上がり、翌21日に、山頂へアタック。
山に入って2週間、奇跡的な好天に恵まれ、ここまで来た。
登山はいよいよ佳境に入る。
登れるかどうかは、もはやルートのコンディションではなく、苦難を乗り越える心の強さ。
今回は、何を目的に登ろうと思ってますか?
そうなんですよね。
毎回、そこがね、すごく自分でも悩ましいところなんだよな。
今回はでもイッテQ登山部の皆さんの頑張りを毎日のように見てるので、そこが一番大きいかもしれないですね。
もちろん視聴者の皆さんに、北米最高峰からの景色をお届けしたいっていうのはあるんですけど。
やっぱそれだけだとどうしてもやっぱり、モチベーションが上がらないところがあるので。
だめなの?それだけだと。
もうね私、ごめんなさいね、皆さん、それだけじゃもう登れる体じゃないんですよ。
何?お金?
まあ、お金だな。
正直、お金もあるよ。
あるよ、正直。
でも今回は、それ、お金もあるけど、イッテQ登山部の皆さんが、本当に頑張ってくださってるので、荷物運ぶだったりとか、ここに来るまでの準備もそうですし、そこ、おいしいところを私が持っていくわけであって、結果的には。
そういう責任感で登ろうかなっていう。
そういう思いを一緒にてっぺんまで持っていきたいなと。
あとはお金かな。
近日公開、イッテQ。
ワンモアワンモア、スローリー、スローリー、英語。
出川、はじめてのおつかい第2弾、ロンドン編。
大英博物館をリポートし、大人気のアヒルを購入せよ。
うわー、難しいな。
アヒル、
6月19日、現在地は標高4300メートル、キャンプ4。
試練を前に、恒例、実家へ電話。
もしもし。
アヤコです。
お父さん?あしたの朝、C5に行って、そのままアタックみたいな。
なんで、あしたからいよいよ本格的なアタックになります。
そっちは寒いの?
寒いかな。
そっちは?
あったかいんだからぁ。
あったかいんだ、そっちは。
っていうか暑い。
暑いんだ、もう。
下手くそだね。
やめなさいよ、人の父親に。
しょうがないでしょ、ど素人なんだから。
ちょっと石崎さんの親にもかけましょうよ。
石崎も、実家に近況報告。
もしもし。
史郎ですけど。
あ、史郎?今どこ?
今ね、マッキンリーって山に来てるよ。
あっ、そうなんだ。
どうなのクレバスは?
クレバス、結構あるね。
ある?大丈夫?
大丈夫、大丈夫。
ちゃんとロープつけてるから、大丈夫。
何、笑ってんだよ、お前。
荷物持って大変だね。
もしもし。
あっ、史郎ですけど。
おやじ、クマムシのあったかいんだからって知ってる?
聞いたことある。
聞いたことある?それじゃ、ちょっと今からさ、どっかで、ぶち込んでもらっていい?どう日本、なんか、変わりありますか?
うーん、ここんとこね、涼しい日が続いてるんだけど、イッテQ見たら、とっても、あったかいんだからぁ。
になった?本当?いいじゃん。
あっ、そう。
アタックへの覚悟を決め、眠りに就こうとしていると、想定外の事態が起こった。
予報にはなかった雪が降りだしたのだ。
やばい、これ今、急に雪が降り始めて、ちょっと今、これ、やばいな、結構な雪だな。
長く缶詰になったキャンプ1の悪夢がよみがえる。
下山を考えると、あと4日以内に山頂に挑まなければならない。
さらに、雪のあとは雪崩が起こりやすくなるのはもちろん、ルートも劇的に歩きにくくなる。
でも、ここまで来たら頑張るしかないな。
このテント生活も、もう少しですしね。
6月20日。
おはようございます。
結構積もりましたね。
すごい積もりました?
まあ、2、30センチぐらいですけどね。
角谷さんがルートを確認。
ところどころ、雪崩の跡が見られるが、断念するほどのコンディションではなさそうだ。
まあ、行けそうですね、きょうは。
負傷していたバムライも、サムライ根性で同行を決意。
個人装備をリュックに詰め込み、テントを撤収。
いざ、標高5240メートル、最終キャンプ、C5を目指す。
ちょっとね、きのうも雪が降って、若干積もった感じはあるんですけど。
そうですね、ちょっと心配してたんですけど、まあまあ、大丈夫そうなんで。
本当ですか。
行きます。
行きますか?あと2日ですべての決着がつきますからね。
でもとりあえず、行きますか。
現在地はここ。
高低差600メートル、東京タワー2本分を登り、そこから尾根を歩いた先が最終キャンプ。
きょうの目標は、疲れない。
なるべく温存。
でも、仕事だからな。
しゃべんなきゃいけないんだな、これが。
太陽来た。
いいよ、いいよ。
暖かくなれ。
登山装備を詰め込んだリュックは10キロ以上。
きのうまでとは打って変わって、斜面はきつい。
急!急だね。
深いね、雪も。
サムライ、来てるかな?
サムライ、来てましたね。
よかった、よかった。
不屈の精神だな。
太ももに爆弾を抱えながらも、サムライはアタックしましたね。
目指すは、全員での登頂。
励まし合って進む。
順調なペースで2時間、斜面の半分ほど来た。
そして、この斜面のヤマ場、ユマールポイントが見えてきた。
傾斜がきついため、レンジャーによってロープが設置されている危険地帯。
ちょっと今、ユマールの所で、ユマール渋滞が起きていますね。
1時間以上前からああいう状態ですね。
ここから、ここからユマールです。
イコール今までで一番、きゅうってことです。
斜面に設置されたロープに、ユマールという器具を固定し登る。
痛い、靴ずれが起こりだしたよ。
しかし、イモトはヒマヤラ、マナスルでこれを嫌というほど経験している。
深い雪にも苦戦することなく、尾根まで到達。
ここでようやく休憩。
大丈夫?おなかちょっと痛い?
なんかちょっと嫌な予感してきた。
嫌な予感?
張ってきた。
体力には余裕があるが、とにかく怖いのが高山病。
症状が悪化すれば、突然のリタイアもある。
石崎さんは?頭?
ちょっと頭痛いです。
おなか痛くなったらすぐ言って。
おなか痛くなったらすぐ言います。
よし、頑張っていこう!
ここからは、尾根を登っていく。
傾斜は比較的緩やか。
だが、油断は禁物。
わー、怖い、集中。
結構横切れてます。
気をつけて。
足元見て、アイゼン引っ掛けないように。
かなり細い立地ですね。
足の踏み場も靴一歩で埋まっちゃうくらい細いから、こういう所でアイゼンを引っ掛けないように、慎重に歩きたいと思います。
ここで滑落すれば、ロープで体を結び合っている者どうし、共倒れ。
慎重に慎重を重ね、切り立つナイフリッジをしのぐ。
切れてる。
あっ、われわれがいたC4が真下に見えます。
すげぇな、登ってきた。
これまで乗り越えてきた途方もない道のり。
だが、本当の勝負はまだ先にある。
出発して7時間。
ようやく最終キャンプが見えてきた。
見えてきたよ。
あれが、きょうのわれわれのゴールのC5ですね。
というか、最後の、もう最後の最後のキャンプです、アタックに向けての。
ここでちょっと仮眠、食事と仮眠を取って、いよいよ、いよいよアタックでございます。
だいぶくるね。
さすがにちょっと頭が痛いわ。
重い感じ。
脱力感でしょ。
足を負傷しているバムライは、人一倍苦しげ。
だからといって、これを後悔する気持ちなどはない。
がっぺむかつく。
サムライとは、ただ前を向いて進む者。
行けそう?
はい、行けます。
もうあと一晩だけですから。
きょう、ここさえ乗り切ればね、もう終わりだから、すべてが終わる。
乗り切ってください。
頑張ります。
というか、今まで、乗り切ってきたからね。
たぶん大丈夫です。
大丈夫や。
出発は8時間後。
軽い食事を済ませ、体を休める。
くだしてるな。
下痢でマッキンリーって最悪だよね。
力が入んなくなるんですよね。
高所だからね、そもそも体調は、崩すのは当たり前なんですけど。
そう、万全の体調で登れることなどありえない。
肉体を、精神が超えられるか。
やってくれると思いますよ。
信じてます。
日本をたち20日目。
いよいよ北米最高峰との闘いが始まる。
ここからいよいよ本格的なアタックが始まるという。
本当にここから頂上まで、一気に登りますね。
なるほど。
ついにバムライ、出てきましたね。
出てきましたね。
本当にあれには本当、深い経緯があって、あれってその、石崎さんが、バムライに江頭さんをやらせようというふうにしたんですけれども、でも、最初サムライは、どうしても嫌だと、サムライが江頭なんてできないっていうのを、ずっと言ってたみたいで。
でも、石崎さんがひと言、テントの外から、イモトのためだからって言って、自分の黒いタイツをそっと置いといたら、本番、あのテンションで全力で出てきて、そしたらもう、泣けてくるでしょう。
泣けてくる。
もう本当に…。
なんか美談になっちゃったね。
でもけがの理由が江頭っていうのが。
がっぺむかつく。
伝説のC4ライブ。
U2ライブみたいな感じですね。
6月21日。
最終アタック。
おはようございます。
午前3時半、起床。
寒い!よし。
終わらせるぞ。
マッキンリーと決着つけるぞ。
登れるか、登れないか。
きょう決まる。
静かに燃やす闘志。
いきましょう、いきましょう。
おはようございます。
おはようございます。
現在、朝の5時15分、気温のほうがマイナス20度です。
いい条件ですよね。
そうですね。
いい感じですね。
いよいよこの中、アタックでございます。
マッキンリー最終アタック。
難関となるのは2つ。
まずは最終キャンプを出ると、目の前にそびえる大斜面、デナリパス。
滑落の危険がある氷の急斜面を、トラバースして登る。
2つ目は頂上直下にある心臓破りの坂。
標高6000メートルで、30度以上の急斜面を死に物狂いで登りきらなければならない。
高低差は900メートル、距離は4キロだが、往復で12時間以上かかる道のり。
絶対マッキンリー登るぞ!エイエイオー!
マッキンリー最終アタック開始。
安全第一!始まった。
午前5時20分、キャンプ5出発。
寒い。
やっぱ冷えるなぁ。
体を温める間も与えず、アタックの難関とされる大斜面、デナリパスへ突入。
一歩が重いわ。
蓄積された疲労、体調も万全ではない。
過酷な環境に体の至る所が黄色信号。
手足がしびれだしてきたな。
序盤はとにかく、息切れしないようゆっくり進む。
だが、傾斜は登るほどにきつくなっていく。
すげぇ登ってきた。
後ろはすごい景色です。
山と雲海がえらいことになってる。
ほぼほぼすべての山が下にあります。
急!
30度近い急斜面。
ここからはまっすぐは登れないため、横に登るトラバースという方法を取る。
足場がない。
急斜面を横切るが、足場はおぼつかない。
踏み外せば、100メートル以上滑落する。
うわぁ、もう足場がないから、先頭、嫌だよ。
思った以上に苦戦するイモト。
滑る。
うわー、滑る!滑ります。
雪が乗ってるから、流れちゃうから、ちょっと蹴り込んで。
誰か先行してくれねぇかな。
もう、これ、引っ掛けるやつが。
アタックしてまだ1時間だが、体力も精神力もすり減らす。
しんど、これ。
さらに、この段階で一番恐れていたことが起こる。
角谷さん、おなかが痛いです。
おなか痛い?
はい。
おなか?
どこか、もうちょっとで平らな所になります?
もうちょっと上がってくれるかな?
はい。
あと4本くらい。
そしたら傾斜も緩んで、ゆっくり行こう。
この斜面では、座って休むことはできない。
痛みに耐え、とにかくデナリパスの上まで。
あー、痛い。
もう嫌だなぁ。
ちょっと待ってください。
だめだ。
あまりの激痛に、たまらずひざをつく。
まだまだ先は長い。
心が折れたらそこで終わる。
腹痛くても、気持ち悪くても、やるって言ったんだから、自分が。
登るぞ。
目の前、目の前だけ見ろ。
この先どうなるかは分からない。
だが、今この瞬間だけは、耐える。
頑張ってるなぁ。
みんな頑張ってるね。
苦しいのは自分だけではない。
みずからを奮い立たせ、2時間。
あぁ、頑張ったね。
最初の難関、デナリパス踏破。
ごめんな、やるとこなくてな。
やばい。
結構しんどかったですね。
標高5600メートル。
ここでトイレを済ませ、イモトの体調は僅かに回復。
ここからはもっと平らになりますから。
じゃあ結構、ヤマ場を越えたって感じですかね?
越えました。
よかった。
もうちょい頑張りましょうか。
お願いします。
へい。
気温はマイナス15度まで上がった。
風が弱いので、動いていればちょうどいい温度。
ここから頂上直下までは、辺りが開けた緩やかな斜面。
ぼーっとこの道を歩いていたら、眠くなってきて、やべぇと思った。
なんだろう、すげぇ、まじで意識が飛ぶんですけど、たまに。
極地にあるマッキンリーは気圧が低いため、高山病に強いイモトでも、さまざまな症状に襲われる。
気持ちが悪い。
なってきました。
この高山の感じ、手に力が入らない。
じゃあちょっと元気注入しようか、イモト。
注入して。
あと200だけだから、頑張れよ。
だましだましの5時間半。
ここでようやくマッキンリーの頂上が見える。
頂上見えましたよ。
ちょっと影になってるやつが3つあって、その真ん中の一番高い所。
あのちょこんとなってる所?
そう。
来た!ついに、マッキンリーの頂上を捉えました。
あそこですね。
ここで待ち構える最後の番人、頂上まで伸びる果てしない急斜面。
これまで、数々のクライマーを返り討ちにしてきたイモトの闘志は燃え上がる。
こっから私、しゃべり通していくからね。
あそこに絶対行ってやりたいと思います。
ここまで来たらね、さっきの2時間ぐらい、ぶっちゃけ、記憶がないんだよね。
もうね、すっごい眠気と、たぶん高山病だったのかな。
よし!行くぞ!
登るぞ!
よし!
よし、行くぞ!
登るぞ!
よし!みんなで行くぞ!
おー!
いよいよ、マッキンリー最後の難関に立ち向かう。
しかし、来る者を拒むかのように、天候が変わり始める。
ちょっとここに来て天気が怪しくなってきましたね。
今、山頂にだけちょっと雲がかかってる感じなんですよ。
ちょっとマッキンリー、意地悪なことに、なぜか雲がかかってくるという。
その雲はどんどん大きく濃くなっていく。
かつて、アコンカグアを断念したパターンの再来。
間に合うか、間に合わないか、スピードが勝負。
だが、無理は高山病を悪化させる。
空気が薄い。
吸っても、空気が入ってこない。
なんだここは。
人が来ちゃいけねぇ場所じゃねぇか、本来。
だめだよ、こんなとこ来ちゃ、空気がないよ、ここは。
しかし、まだ運はある。
不気味な雲は流れていく。
体調!励ましてください。
今ちょっとしゃべれませんよ。
空気が入ってこないし。
隊長も結構来てるんだよ。
皆が声さえ出せない中、1人しゃべり倒すイモト。
こうしていないと意識が薄れ、心が折れる。
空気の薄さって、画面で伝わるかな。
伝わってます、見てる人。
いいから登れ!
今、リポートしてんだよ!おめえがしゃべれって言ったから、しゃべってんじゃねぇか。
本当はもう、みんな限界だよ。
絶対負けねぇよ、こんな坂。
頑張れ、頑張れ、頑張れ、頑張れ、前に、足出せ。
絶対にうまいもん食べてやるぞ。
登頂ボーナスが出ると言えば、高山病は治るだろうが、出るか出ないか分からないものは約束できない。
残された力を振り絞る。
一歩。
来た。
来たぞ!
イモト、心臓破りの坂を制覇。
ついに、マッキンリー最後のりょう線に出た。
おい、てっぺんまじかよ。
あそこじゃねぇだろうな。
まさかあそこか?おい!もう登りねえって言ってくれねえか、おい!
完全に様子がおかしいイモトだが、ここから頂上までは、左右の足場が切れるナイフリッジ。
精神の安定が必要だ。
さらにここで、再び雲が出てきた。
急激な速度で辺りを覆い尽くす。
安全を重んじ、イモトを中心とした6名だけでのアタックが急きょ、決まる。
ちょっとみんなやっぱり疲れてるし、心配なんで。
帰りのこと考えるとね。
だが感傷に浸っている時間など、残されてはいない。
ラスト!気引き締めて、てっぺん行こう。
よし!
視界がゼロになる前に、行って、戻らなければならない。
めっちゃ怖いんだけど。
頂上まであと200メートル。
怖い。
気をつけて。
集中。
足元の雪は崩れやすく、一瞬も油断できない。
ばてた。
しんど。
それでも、前へ。
イッテQ登山部の皆さんが、本当に頑張ってくださってるので、荷物運ぶだったりとか、ここに来るまでの準備もそうですし、そういう思いを一緒にてっぺんまで持っていきたいなと。
頑張るしかねぇよ、ここまで、みんなに連れてきてもらったんだから。
よしっ!
頂上はこのとがった氷河の奥、あと50メートル。
頑張るぜ。
そしてついに。
あった!
あった?
頂上の印があった。
来た!来たよ。
来たよ、みんな。
もうすぐそこだ。
ああ、うれしい!ああ、すぐそこだ。
よし、見えたぞ、なんか。
来るよ!よっしゃー!
いよいよ、北米大陸最高峰、6168メートルの頂へ。
あの丸いやつ。
どうぞ、お先に。
いいですか、お先に。
いいよ。
やった!いくよ!一歩、一歩…。
エベレストを見送り、修行に来たマッキンリー。
過酷を極めた2週間を、みずからの足で登りきる。
一歩。
はい、来た。
6月21日午後1時35分、イモトアヤコ、マッキンリー登頂成功。
いやぁ、うれしい!遠かった。
超うれしいな。
すっげぇきつかった。
いや、あぶねぇ。
本当に危ないと思った。
らくしょうで登ってやろうと思ってたけど、全然楽勝じゃなかった。
なんなら、ちょっと今まででまじで一番しんどかったかもしんないと思った、途中。
角谷さんもマッキンリーは初登頂。
タフな山でしたね。
いやぁ、これは、久々にマッキンリー、しんどかったですね。
景色は残念だけど、達成感はあるな。
いやぁ、ちょっとこの瞬間のために登って、もうなんか、嫌だわ、自分が。
あんだけ途中、つらかったのが、またちょっとなんだろうな、また記憶から消されるんだよね。
えー、本隊から各隊へ連絡します。
1時35分、イッテQ登山部、北米最高峰、マッキンリー登頂です。
おめでとうございます。
サムライだ。
サムライ、やべぇな。
これで、涙がとまんねぇな。
こういうのがあると。
本当はなんか、いっぱい荷揚げとかしてもらって、皆さんのほうが、大変だったし、マッキンリーに対する思いも強かったと思うんですけども、代表して先に到着しました。
ありがとうございました。
今からそっちに行っていいですか。
来るんだ。
いいです?
気をつけてね。
ぜひ来てください。
ただ、本当に今、天候も含めてちょっと、道もすごく悪いので、気をつけて来てください、無理はせずで、登頂しましょう、みんなで。
お願いします。
来たよ、3度目の登頂の天国じじいも来たな。
60歳にして。
こうして、登山部全員が見事登頂を果たした。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
唯一の心残りは、辺りが真っ白で、景色をお伝えできなかったこと。
申し訳ないです。
ちょっとね、時間がかかりすぎちゃったのかもしれない。
最終キャンプに帰還したのは、出発から12時間後。
お疲れさまでした。
でもさ、心残りなのがさ、あるよね。
景色が。
頂上からの景色をお届けできないことは残念でしたね、きれいな景色。
でね、健郎さんにもう一回、あした行ってもらおうかと思ってるのよ。
まじ?行ってもらおうかと思ってるんだけどって言ってもさ、一応聞いてみよっか。
聞いてみよう。
すみません、景色のほうがうまく撮れなかったんで、2連ちゃんであした、もう一回頂上のほう行ってもらって、きれいな景色撮ってきてもらえますか?
行きますよ。
すっごい…。
もちろん。
バケモンだな。
というわけで、中島健郎、前代未聞の2日連続アタック。
きょうは、見事な晴天です。
こちらが、北米最高峰からの景色。
当然見上げるものは、一つとしてなく、空は宇宙を感じさせる深いブルー。
以上、撮影、中島健郎でした。
めっちゃきれい。
全然違うわ、うちらが行った日と。
本当に、ありがとうございました。
お疲れさまです。
ちょっとご褒美の。
ありがとうございます。
どうですか?
いや、柔らかいですね。
俺も登ったんだけど。
まじで言ってんの?史郎、登頂、おめでとう。
なんだろう、この感じ。
なんか、家族と、なんだろう。
母親としたみたい。
そして今回のプロジェクトは、イッテQカレンダー6月編の撮影も兼ねていた。
めっちゃかっこいいぞ、これ。
無数に撮った絶景を、少しだけご覧ください。
というわけで、イッテQカレンダー6月は、この山並みが美しい一枚に決定。
登山部の挑戦は、これからも続く。
おめでとう!
ありがとうございます。
すごいね。
本当に皆さんが本当に頑張ってくださったので。
みんなの力でね。
本当にそうですね。
何よりも全員無事の帰還が、本当によかったですね。
はい。
今回は特に、本当に、周りの人との、エネルギーのこの、みんなで一緒にやってる感じが、やっぱり親御さんのお電話の会話でもそうだし、C4ライブでもそうだし、なんか、すごくみんなとイモトが本当に一つになって、登ってて、すごいパワーだった。
すごい、逆にその分、大変だったんだろうなって。
全部の山が違うなと思いました、やっぱり。
それぞれの特色があり、難所があり、本当に一個一個違うんだなっていうのが。
あと、カメラさんとかもまあ、すごいね。
何回も行ってるし。
すごいね、シェルパさんいない、ポーターさんがいない、今回、なんか全員の力を結集したというのが、よりよく伝わったという感じでしたね。
2015/07/26(日) 19:58〜21:54
読売テレビ1
世界の果てまでイッテQ!登山部マッキンリーSP イモト北米大陸最高峰への挑戦![字]

イモトマッキンリー登頂プロジェクト!!6168メートル制覇なるか?1ヶ月に及ぶ壮絶ドキュメント!全員登頂の夢へ…登山部が見せた涙と感動のチームの絆にイモト涙…

詳細情報
番組内容
イモト北米大陸最高峰マッキンリー登頂プロジェクト!6168メートル制覇できるか?
1ヶ月に及ぶ壮絶挑戦!極限ドキュメントSP!!イモトを襲う雪崩・絶壁・滑落の恐怖
お腹の激痛…過去最悪の状況を克服できるか?全員登頂の夢へ…イッテQ登山部が見せた涙と感動のチームワーク、生と死の間に見たものとは…?奇跡&衝撃の結末。
出演者
内村光良
手越祐也(NEWS)
ベッキー
宮川大輔
森三中
イモトアヤコ
出川哲朗
いとうあさこ

ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
バラエティ – 旅バラエティ

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ステレオ
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