むか〜し昔ここの吉備津の辺りの山の裾の方におじいさんとおばあさんがいました。
おばあさんは川で洗濯をします。
すると桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。
この桃を2つに割ると中から元気な男の子が生まれました。
おう。
桃から生まれたので桃太郎と名前を付けました。
吉備津彦命はこの小高い山の上にある墓に眠っておる。
わしはこの墓の管理を一手に任されておる氏子じゃ。
およそ1,800年前吉備の国を荒らす鬼を退治したのが吉備津彦命じゃ。
その活躍が桃太郎伝説として語り継がれていったんじゃ。
詳しく見ていこうか。
わしは夏の神社が好きじゃ。
新緑と青い空その中にそびえ立つ神社のたたずまいは格別じゃ。
吉備津神社の境内は400メートルの長い回廊で結ばれておる。
回廊をしばらく進むと見えてくるのが南随神門じゃ。
ここには犬とキジのモデルとなった人物が祭られておる。
東側には犬のモデルとされる犬飼健。
戦に用いる犬を調教していた犬飼部じゃ。
西側にはキジのモデルとされる中田古名。
鳥飼部といって弓で鳥を狩る名手だったそうな。
門を抜けると本殿にたどりつく。
本殿の隅には猿のモデル楽々森彦が祭られておる。
軍師として活躍した事から知恵の象徴である猿に例えられたようじゃ。
そして日本一の桃太郎こと吉備津彦命は本殿の中央に祭られておる。
実はこの地を治めるために大和朝廷から遣わされた天皇の皇子だったんじゃ。
一方鬼のモデルは大陸の百済からやって来た温羅という身の丈4メートルの大男じゃったそうな。
鬼を退治した吉備津彦命はその後もこの地を治め続けた。
全国で2番目の大きさを誇る本殿は命の住居でもあったそうじゃ。
以来千有余年にわたり命の魂はこの地を見守り続けてきた。
江戸時代にはその御利益にあやかろうと全国からも参拝客が相次ぎ町ににぎわいをもたらした。
吉備津神社にはおよそ1,400世帯の氏子がおるんじゃ。
大丈夫?せ〜の!その氏子たちが行う大切な風習がある。
はいどうぞ!毎日交代でお供えをする氏子日供じゃ。
旬の野菜に果物。
氏子それぞれが籠に入れて持ち寄る。
お供えに使った籠は翌日の当番に届けるのが習わしじゃ。
おはようございます。
おはようございます。
吉備津神社のお籠が回ってまいりました。
すいませんけど明日よろしくお願いします。
じゃあ明日は何を入れるかまた。
そうですね。
いつもタマネギばっかり…。
いいがいいが。
家にあるものをね…。
私のとこは今日はミカンとねミカンとカブラ持ってっときました。
お野菜植えてるからね。
そうそう…。
かつて吉備津は五穀のひとつキビの一大産地だったんじゃ。
冷えても硬くならないため兵糧としてダンゴにしていたようじゃ。
吉備津の語源もキビから来ておるそうな。
さすがに今の時代キビを作る事はできんがわしが籠でお供えをする時にはキビと同じ穀物であるお米を供えるようにしておる。
吉備津彦命は五穀豊じょうの神としても慕われておる。
わしの田んぼや畑も神社のある山が台風から守ってくれるおかげで収穫を続けてこられた。
お待たせ致しました。
収穫の喜びを吉備津彦命と共に分かち合う。
吉備津ではそれが当たり前の光景なんじゃ。
新年を迎えると変わった神事が行われる。
なんと鬼が主役なんじゃ。
実はこの地域では鬼はただの悪役ではないんじゃ。
ガオ〜!鬼が出てきました!鬼は悪い事をするんだな。
たたいたり殴ったり人のものをいっぱいとったりして悪い事をする。
百済からやって来た鬼は神社から北西10キロの山の上に居城を構えた。
後に鬼ノ城と呼ばれるようになった場所じゃ。
略奪を繰り返し吉備津の民を困らせた。
そこに鬼退治の命を受けた吉備津彦命が現れるんじゃ。
温羅は長い髪を振り乱して襲いかかる。
命は得意の弓矢を仕掛けるが温羅も弓矢で応戦する。
両者の実力はきっ抗しなかなか決着がつかない。
熾烈な闘いの末ようやく温羅は打ち倒された。
しかし吉備津神社の本殿には敵であるはずの温羅が祭られておる。
温羅の首は御竈殿の下に埋められた。
ところがいつまでもうなり声を上げ続け命たちを悩ませた。
13年後うなり声は突如鳴りやんだ。
温羅は命の夢枕で言った。
それはなんと吉備津の繁栄を占う大事なお告げじゃった。
命は鬼に告げられたとおり熱く煮えたぎる釜の中で玄米を振るった。
すると釜から温羅のうなり声が鳴り響いた。
響きが豊かであれば平穏が訪れ荒々しい時は災いに備えよと言うんじゃ。
この儀式は後に鳴釜神事として根づき吉備津を繁栄へと導いたんじゃ。
わしらは吉備津彦命と同じように温羅も大切にお祭りしているんじゃ。
春には一年で最も盛大な神事が行われる。
鬼を退治して宝物を持ち帰った吉備津彦命をお祝いするものじゃ。
七十五膳据神事と呼ばれ氏子の代表が2日がかりで準備する。
わしも20年以上前からこの役を担っておる。
とっちゃんとうとうここもとっちゃんの持ち場になったな。
そうじゃな。
久々に来させてもらってな。
楽しいよ。
ワキさん新人じゃ。
一生懸命力入れよるけどどんな?まだ作業に精いっぱいで。
ハハハハハ…!神にささげるお米は御盛相と呼ばれておる。
お膳の数が75である理由は吉備津彦命が凱旋した時お祝いに駆けつけた村の数が75であったからとされておる。
神事が佳境を迎えるお昼頃には町じゅうから人が集まる。
桃太郎の伝説が息づく吉備津神社。
わしらの誇りじゃ。
それじゃ皆さん行きますか。
わしらの中では吉備津神社に心と体を預けるという気持ちが根づいておる。
じゃからいつも心穏やかに生きていけるんじゃ。
・「桃太郎さん桃太郎さん」・「お腰につけたキビダンゴ」・「ひとつ私に下さいな」・「あげましょうあげましょう」2015/07/27(月) 15:28〜15:55
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 国宝 吉備津神社「地域が受け継ぐ桃太郎伝説」[字]
岡山市の西部にある桃太郎伝説の舞台とされる「国宝 吉備津神社」。神社と周辺に住む氏子と呼ばれる人々の強い結びつきを、一年かけて記録した。
詳細情報
番組内容
桃太郎伝説 発祥の地として名高い岡山。岡山市西部には、伝説の舞台となった「吉備津神社」がある。国宝に指定されている吉備津神社と周辺に住む氏子と呼ばれる人々の強い結びつきを、一年かけて記録した。
出演者
【語り部】吉備津神社氏子…坂田富司
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
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