1先人たちの底力 知恵泉 落としどころの見極め方「小西行長」 2015.07.28


裾合わせがうまくいきますとあとの着付けはとても楽にできますよ。
あっちを立てればこっちが立たず。
人生難しい選択を迫られる事ありますよね。
(石井)いやですから焼き鳥は絶対に塩なんですよ。
いや何言ってるんですか。
絶対タレでしょうそりゃあ。
いらっしゃい。
塩以外ありえないです。
何でどうしてタレだと思うのかの意味が分かんないです。
いらっしゃいませ。
あ〜大将。
どうしたんですか?随分もめて。
いや実はねこれね焼き鳥は塩かタレかこれでもめてたんです。
僕は塩派なんです。
僕はタレ派なんです。
島田さんはタレ派だと。
ああこちら島田さんです。
はじめましてタレ派の島田さん。
タレ派の島田です。
塩派の石井という事で。
これもうね折り合えないんですよ。
大将どっちですか?塩1票タレ1票ですからもう大将で決まるんですから。
そんな迫られたら余計答えづらい。
ここはきちっと大将決めてもらわないと。
いやこの板挟みの状況といえばですよ。
今日ピッタリの知恵をね仕入れてあるんですよ。
こちらほい!「落としどころの見極め方」。
落としどころこの塩タレ論争にピッタリじゃないですか?お〜なるほど。
いいですね。
頂いちゃいましょうか。
そうですね。
お願いしますよ。
じっくりその知恵味わっていこうじゃありませんか。
あまたの武将が覇権を争った戦国時代。
戦乱の世を終わらせ天下統一を果たした…その偉業は有能な家臣団なくして実現しませんでした。
優れた行政手腕を発揮した…名軍師…「賤ヶ岳の七本槍」として数々の武功をあげた…そんな皆さんもおなじみの面々に匹敵するほど秀吉から重宝されたのが本日の主人公…キリスト教を信奉する大名である一方秀吉の部下としてさまざまな難問を解決してきた類いまれな才能。
それは……と命じられた若き行長。
大海原を自由に生きる荒くれ者を見事まとめた説得術とは?秀吉がキリスト教の弾圧を開始。
行長は仲間の安全と上司のむちゃぶりとの板挟み。
やがて苦悩の末に編み出した板挟みを解消する方法とは?秀吉が始めた朝鮮半島への果てなき大戦争。
そのさなか行長が敵に求めた驚きの内容。
裏切りかそれとも?行長究極の落としどころとは?どんな難問でも落としどころを見極め解決する小西行長。
戦国交渉請負人の知恵に迫ります。
今回行長の知恵を読み解くのは…ある世界的な組織から「最も影響力のある交渉官10人」に選ばれた交渉の達人です。
なんと20代前半からコソボや東ティモールイラクといった激しい紛争地帯での交渉を経験。
国連などの依頼を受け対立勢力の間に立って停戦合意や復興プランに参加してきました。
近年では活躍の場を環境分野に広げ温室効果ガスの削減交渉にも参加。
日本政府を代表して世界各国のタフな交渉人を相手にしのぎを削っています。
現代の交渉の達人が読み解く天下人の交渉人小西行長。
話し合いが行き詰まった時いかに落としどころを見つけるのか?互いの知恵が響き合います。
小西行長という人物は実は秀吉たちがいた時代に活躍した人物なんですけれどもその知恵をじっくりと見ていきます。
島田さん国際交渉人という響きがまたかっこいいんですけれども具体的にどんなお仕事をされているんですか?争っている関係者の間に入って「まあまあまあまあまあ」という形で一度座らせて皆さんの話を聞いて収めるという間に入る方ですね。
先ほどのマスターのような方で大将のような方ですね。
塩かタレのはざまですね。
小西行長板挟みの状況ってちょっと紹介しましたけれども。
ものすごくシンパシーが生まれますね。
私自身も仕事をしてる時って大体誰かと誰かの間に挟まってどうしようかなという事が多いもんですから。
そういった意味ではほんとにほんとにいろんな利害に絡みながら落としどころを見つけていくというのは行長は大変だっただろうなというのは思いますね。
さあその行長はですね円滑に物事を進めるための交渉力をいかにして身につけていったのか?まずはそこからですね。
よっ!ひもといていこうと思います。
お〜。
どうぞ味わって下さい。
いただきます。
今から460年ほど前行長は現在の大阪南部商業都市堺の有力者の家に生まれます。
当時の堺は町人たちが自分自身で治める町。
たとえ戦国武将が武力で圧力をかけてきても交渉によって立ち向かいその介入を防いでいました。
町の自治を巧みな交渉で守り抜く町人たち。
行長はその姿を目の当たりにしながら成長します。
やがて23歳の頃織田信長の配下羽柴秀吉が中国地方に進出するとその家臣として仕え始めました。
直属の上司は名軍師…この交渉の達人のもとで行長は実力をつけていきます。
若い行長にまず命じられたのは海の戦力水軍の整備です。
当時海上交通の要衝瀬戸内海には村上水軍や塩飽水軍など有力な水軍衆が割拠。
彼らは通行税の徴収や海上警護などを基盤に独自の勢力を築いていました。
強大な武力や輸送力を誇る一方で利害関係しだいであらゆる戦国大名と結び付く一筋縄ではいかない相手です。
秀吉が勢力を西に広げるためにはこうした水軍の協力を取り付ける事は重要課題でした。
水軍の面々に秀吉の配下に入るよう説得していく行長。
果たして彼らは言う事を聞いてくれたのか?行長は秀吉の側近にこう報告しています。
行長は必要とする水軍を見事秀吉の軍勢に編入。
秀吉が中国四国九州へと進出するための多大な功績となりました。
地元のですねそういう…スムーズにそういった物資とか兵力を運ぶ事ができないと戦争にもできませんのでそういった意味ではまさしく…行長は28歳で初めての領地小豆島1万石を与えられ大名へと昇進。
ここから何度も驚くべき交渉力を見せつけていきます。
もともと武士とかじゃないんですね。
そうなんですよ。
商人の町の人なんだ。
堺といえばですね私…あの辺りは交渉人がたくさん輩出される地域なんですか?確かに…そうですか。
あっいらっしゃい。
こんばんは。
こんばんは。
どうもこんばんは。
いいところに来て下さいました。
佐島顕子さん。
福岡女学院大学の教授で小西行長について深く研究されているんですよ。
あ〜是非是非!どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
お掛け下さい。
失礼します。
いやいやいいところに来て下さいました。
でもどうして小西行長の研究をされてらっしゃるんですか?それなんですよ。
大河ドラマで「黄金の日日」ってあったのを覚えていらっしゃいませんか?78年…。
…ぐらいに小野寺昭さんが小西行長をやりましてその時にファンになったんです。
日本ではあんまり有名ではないんですけれどもポルトガルとか…中国韓国ヨーロッパそれぞれに手紙を書ける相手がいるわけなんです。
こういうような人間関係を持ちながら豊臣政権を支えていこうとする人物って面白いんじゃないかなあって思ったんです。
行長はあっちでこんな事を画策しこっちでこんな演出をし一体この人何考えてたんだろう。
それが魅力なんです。
今ちょうど水軍相手の交渉のところまで見てきたんですけどやっぱりその交渉というのは大変だったんですか?やっぱり大変だったと思います。
とにかく相手が陸の大名と違うんですよね。
船団ですから何かあればサッと消えてしまいます。
私自身恐らく…国と国同士の紛争調停もするんですけども最近はやっぱ相手がゲリラだったりよく言われるテロリストだったりしますので。
彼らの信頼を得て「じゃあお前とだったら話をしてもいいよ」と言ってもらうまでにはかなり時間かかりますね。
大変なお仕事ですよね。
私がまず一つこだわってるのはですね…えっ着ない?着ないです。
こういうものを着てきてると「信頼してますよ」と言ったところでも「いやいやそれをじゃあ一回脱いでみろ」ってなるのでもう初めから着ていかないと。
私の命はあなたに預けてますという形でしょうね。
例えば会う前から何かその交渉に向けて交渉相手の事を考えてできる事って例えばあったりします?ありますね。
やはり私がよくやるのはですね…「はじめまして」がなし。
相手が誰であってもですが前日までに必ず飲みに行くか食べに行くようにします御飯を。
ほう。
真剣に。
真剣に雑談します。
例えば相手がサッカーファンだったらサッカーの話を仕入れておきますし例えば相手がオペラ好きだという話になったらできれば彼が好き彼女が好きなオペラというのを先に見ておいてそれで一応その感想をひたすら述べるわけですそれも真剣に。
そうなると関係が出来上がるんですよ。
その国際交渉人っていって国際的な事になるともっとこう何かシステマチックなものなのかと思ったら結局は人と人なんですね。
人と人ですね。
秀吉の配下でぬきんでた交渉力を発揮していく行長ですけれどもその武器の一つがですね実はキリスト教とのつながりだったんです。
小西行長を語るうえで欠かせないエピソードが彼がキリスト教徒だった事です。
キリシタンだった父のもと生まれて間もなく洗礼を受けました。
大名になった行長は領内で積極的に布教活動を行います。
小豆島では僅か1か月で1,400人以上の島民がキリスト教徒になったという記録も残っています。
実は当時キリシタンである事は海外貿易を行ううえで重要な役割を持っていました。
貿易の窓口を外国人宣教師が兼ねていたため交渉する際にキリシタンの方が有利だったのです。
行長は宣教師との信頼関係をもとに秀吉側の貿易窓口として地位を確立。
秀吉にとって貴重な重臣となります。
ところが行長にとって重大な事件が勃発します。
それが天正15年秀吉が打ち出した…「宣教師は二十日の間に帰国せよ」。
キリスト教の布教禁止と宣教師の国外退去の命令です。
このころ秀吉は西日本の各地で起きる集団改宗や長崎で宣教師たちが要塞を築いているという状況を知り危機感を覚えました。
次第に増えていく秀吉に従おうとしない勢力を秀吉は伴天連追放令で抑え込もうとしたのです。
上司である秀吉の命令に従うか仲間のキリスト教徒を守るか。
行長はまさに板挟みの選択を迫られます。
その決断のエピソードがイエズス会の史料に残されています。
行長は秀吉の命に従い自分の領地にいる宣教師に対し退去するよう交渉に乗り出します。
すると行長が尊敬する宣教師オルガンティーノがこう諭したといいます。
「私に退去を求めるなら私は京都や大坂に行き布教活動を続けるつもりだ」。
信仰のために死ぬ覚悟でした。
宣教師側の記録ではこれを聞いた行長は泣きながら一人で部屋に閉じ籠もるほど追い詰められたといいます。
やがて行長は宣教師に伝えます。
「上司である秀吉に逆らってでもキリスト教徒を守る。
もしとがめられた時には命を投げ出す覚悟だ」と。
実は行長はこの板挟み状態を解決する落としどころを見いだしていたのです。
ここで伴天連追放令の内容を改めて見てみると少し妙な項目があります。
「外国人との商売については話は別。
今後も自由に売り買いしてよい。
仏教を妨げない者は誰でもキリシタン国と自由に行き来してよい」。
秀吉はキリスト教勢力の拡大については危機感を抱いている。
しかし海外との貿易はこれまでどおり進めたいようだ。
行長はこの秀吉の相反する2つの思いがこもった命令から本音と建て前を見極めようとします。
秀吉行長話し合いの時。
キリスト教の信仰を捨てるよう命じる秀吉に行長はこう答えます。
「あなたのお望みのままに」。
ところが行長は信仰を捨てるどころか陰に隠れて宣教師を保護。
伴天連追放令を無視していました。
その一方で宣教師との絆を生かして海外貿易を盛んに進めその利益を秀吉政権に還元していきます。
秀吉の本音は海外貿易でもうける事。
「御意次第」「お望みのままに」という答えは「貿易でもうかりさえすれば宣教師を保護しても文句は言わないでしょう?」という意味も含んだ落としどころだったのです。
そこで行長にしかできない役割というのはやはり……というところが自分の生きる道だというふうに考えたのではないかと思います。
行長は宣教師をかくまっている事をとがめられもせず31歳の時には小豆島1万石から南肥後14万6,000石へと大出世を遂げます。
上司の言葉から…この知恵が出世の大きな原動力となったのです。
これはすごいですね。
すごいですね。
「お望みのままに」。
はい「御意次第」。
…と言ってかなり好きなようにやってる。
だから「あなたのお望みはちゃんと貿易はする事ですからお望みのままにしておりますよ」という事ですもんね。
うそではないですよね。
微妙!うまいですねやっぱり御意次第という事でどこさえとっておけば自分は安全だという事を分かってたというのはすさまじくクリエーティブですしものすごく知恵が働いたなと思いますね。
大体この伴天連追放令の時ですけれども「秀吉様の命令を無視しません」と。
ちゃんと「恐れ入りました聞いております」と。
その上で教会を建ててこそこそキリスト教を伝えてそういうのを秀吉も浅野長政などの大名を通じて調べはついてるんですね行長かくまってるなって。
それは知ってるんですか秀吉も。
ええ。
「隠れてるって事をしてるって事は一応僕の意図はくんでるんだね。
じゃあまあいいよ。
じゃあその落としどころでOKですわ」という感じでいたという部分もあるわけですね。
そうですねあうんの呼吸といいますか。
ここは外せないでもここは大丈夫というのを見分けていたんだと思います。
ですから交渉しても調停してもそうなんです。
やっぱり一番気をつけるところは……という策を考えるんですね。
そういった意味ではほんと小西行長はものすごくクリエーティブに策を練ったなと思いますね。
やり取りがたくさん行われてそれが文面とか行動にたくさん出ているわけですね。
そこを読み解いていくと交渉のテクニック落としどころの技術が僕らも身についてくるんですか?見えてくると思います。
他に何かないですか?他にはまず相手が話している事を一旦繰り返すオウム返しをやってみようかというのがあるんですね。
オウム返し。
はい。
例えば「石井さんがおっしゃってる事はこういう事ですよね」って返していく。
その上である程度話がまとまってくるもしくはその場ができてくるとこに初めて自分の意見を「という事はこういうふうにも言えるじゃないですか」というふうにかぶしていくというとこだと思うんですね。
全部一足飛びにこうしてしまうんじゃなくてステップバイステップで…これは絶対押さえとかなきゃいけないところでもここは多分やっても大丈夫というところをうまく見極めながらやっていくんですね。
なるほど。
まず積み上げていくわけですね。
それができる空気を積み上げるテクニックとしてオウム返しがある。
はい有効だと思います。
いろいろと交渉のエピソードを伺ってきましたけれどもなかなか簡単にはいかないものばかりですよね。
実は行長も手痛い失敗をしたそうした経験があったんです。
続いてはそちらをご覧頂きましょう。
秀吉は小田原の北条氏を倒し天下を統一。
しかしその後も秀吉の野心はとどまる事を知りません。
その野望は世界有数の大国明を征服するという途方もないところまで膨らみます。
その手始めとして引き起こされたのが朝鮮半島に攻め込んだ…小西行長は先ぽうに任じられて朝鮮半島を北上。
やがて朝鮮を助けに来た…行長は明の5万を超える兵力の前に大苦戦。
一旦は占領した城を放棄して撤退を余儀なくされます。
多くの部下を失う消耗戦。
行長は「明を武力で屈服させる事は現実的ではない」との考えに至ります。
戦いを終わらせるため和平交渉に臨むべきだ。
行長は決断します。
やはり圧倒的な兵力が足りませんしやはり地元の反発ですねゲリラそういった事もあって道が寸断される兵糧の確保が難しい。
そういったやはり問題というのが現実的にたくさん起きてきて…やがて行長は秀吉から明との本格的な和平交渉を進めるよう命じられます。
この時秀吉が求めていた和平の主な条件は「日本が占領している朝鮮八道のうち四道を割譲する事」「勘合貿易を再開する事」というものでした。
行長と明の交渉の末戦争の停止が決定。
実はこの時行長には秀吉に隠している事がありました。
これまでの交渉で…合意のめどは立っていませんでした。
まずは停戦と貿易再開を優先するため秀吉と使者の面会が行われたのです。
この極秘の約束が秀吉の耳に入らないよう…そのため秀吉への面会時には領土問題が議題にあがる事はなく…これで和平が実現する…。
ところが事態は急転します。
行長は安心したのか大坂城で明の使者と別れその後の…一方全てが自分の思いどおりになったと思い込み上機嫌の秀吉は接待役の僧侶を通じて明の使者にこう伝言します。
明の使者は思わず行長からの口止めを無視してしまいます。
これを聞いた秀吉の様子が記されています。
秀吉にとって占領地の割譲は議題にあげるまでもない当然の課題。
これを解決しないまま交渉を進めた行長の判断が秀吉の逆鱗に触れたのです。
領土問題が交渉の核心と理解しながらも手をつけずやり過ごそうとした行長。
その真意が使者に十分理解されなかったため和平交渉は決裂。
落としどころを見誤った行長の手痛い大失敗でした。
ちょっとドジっちゃいましたね。
やっちゃった。
ほんとにそういう感じですね。
ほんとに。
交渉のプロから見るとそのプロセスというのは実際どうだったんですか?よかれと思ってやったんだと思いますが交渉人はやはり交渉人なんです。
だから基本的に今回の場合秀吉が決める人ですから「こういう事を考えてますけれどもどうでしょうか」と多分そういうふうに相談していたら秀吉の方としてもいきなり出し抜かれたというよりは自分の味方から一応その話は聞いていたと。
領土問題は難しいらしいなあという事が分かっていればその話が出たとしてもここまで憤慨はしなかっただろうと。
本当はそこでひと言入れておけばどちらの結果が出たとしてもその場で首切られる事はないですから。
そうですよね。
もう秀吉もカンカンに怒ってまして「小西呼び出せ。
首をはねてやる」というんでまあ小西平伏。
もう一人行長がかわいがってた後輩で寺沢広高という大名がいます。
長崎代官なんですけどこの時に一番若い寺沢広高が「実はこの交渉というのはこういう経過でこのようにしてやってまいりました」と報告するわけです。
すると秀吉も非常に冷静になりまして「最初からわしにそう話していればわしだってそれに応じた事をしてやってたのになぜ言わなかったのだ」という事でとりあえずおとがめなし。
言えばよかったんですねやっぱり。
そしたら秀吉は理解してくれてたんだという。
そうですね。
ちなみに島田さんにもそういう大きな失敗というのはありましたか?いろいろとあったんですが紛争調停の時は実際に自分で走ってしまいましてこれがいいこれがいいこうすべきだああだと。
基本的に全然思い込み違いで…というのがまあいくつかユーゴスラビアの時もありましたしアフリカのいくつかの紛争の時もありました。
手痛い失敗を経た行長ですけれどもそのあとも実はギリギリまで交渉の場を見つけようと奮闘するんです。
ご覧頂きましょう。
和平交渉決裂後…しかし行長は和平と貿易復活こそが秀吉そして日本の利益になると考えていました。
そこで行長は戦争再開を避けるべく…朝鮮半島近くの海上にいた島津家の軍勢が異様な光景を目撃しました。
それは数十隻もの朝鮮水軍の艦隊。
驚いた島津は後方の部隊にこのような報告書を送っています。
この時出現した…今回「知恵泉」に来店して頂いている佐島さんは昨年朝鮮の歴史書を詳細に研究し行長が朝鮮と日本の双方に策を施していた記述を発見しました。
これは行長が自分の意向を朝鮮側の武将に依頼している記述。
更に行長は日本側の武将たちに向けて…。
「敵が目の前に現れて我が軍は狼狽しているぞ」と噂を流していたというのです。
行長は敵国であるはずの…ただプサンの前を行ったり来たりする事で「朝鮮水軍強いぞ。
うかつに手を出すとやけどするぞ」。
「そちらも気をつけるように」と言っていると見せたかったわけです。
当時秀吉が再び戦争に意欲を燃やす一方日本と朝鮮双方の武将は疲れ切っていました。
行長の極秘交渉は彼らの思いに応えるものでもあったのです。
優れた交渉の才能を主君を裏切るという道に生かした行長はどのような心情だったのでしょうか?すごい事しましたね。
大胆ですよね。
見つかっちゃったら大変な事ですよね。
戦争をそれだけやめさせたいというのはやはりそれだけの疲れだったり兵たちの思い状況というのがあったという事ですか?はい。
この戦争もう7年目になってくるわけなんですけれども参加した…行って手弁当で駐留して味方の自分の百姓たちをどんどん失って。
大名から下っ端の侍連れてこられた荷役の百姓たちまで帰りたい帰りたいって願っているわけですね。
その思いをくみ取っていたんですね。
今回ね佐島さんのその調査で明らかになった事実なんですけれどもその行長像というか行長のあこんな一面もあるんだとそういう気付きというのはありました?行長というのが秀吉をさんざんだましてたように私見てたんですけども…忠義心を感じました。
それは…?すると秀吉様のために必死になって朝鮮まで行って戦争しようかと思う…という事で行長は戦争を終わらせるために秀吉も説得する朝鮮側とも話をして内通する。
一方で大名たちにも自分の米などを分けてあげてケアをする。
こういうような形をとって…いやほんとにそうだと思いますね。
ものすごく豊臣家豊臣家豊臣家そして日本の行く末というのを考えてたゆえで…朝鮮水軍に対して手紙を送って「千隻出してお願い」というのは多分誰も考えつかないような手だと思いますがそういう事もやったというのは実はそれで考えつかなかったようなちょっとウルトラC的な…島田さんって最後にニコッとほほ笑まれるんですよね。
この笑顔です。
それも何かちょっと作戦なのかな。
違いますか?いや作戦ですね。
もともとニコちゃんなんでニコニコ笑ってるんです子供の時から。
ただ特にかたい事を言う時ほど最後にやはりニコッと笑うと場は和らぐんですが一番実は怖いスマイルだと言われてるのは「本当にこれでいいんですね?これでよろしいですか?」と言う時のこの笑顔なんですね。
それで「うん」と言った瞬間からこの笑顔が引いて「分かりました。
まあ合意は合意だからね。
もう二度とここからは一切変更なしね。
だってうんって言ったじゃん」。
だから最後の「これでよろしいですか?」というこの笑顔の最後のニコッというのが実は悪魔の笑顔です。
怖い。
怖い!いや〜でもすごい勉強になりました今日。
でもせっかく勉強になったのにこの塩タレ焼き鳥の塩タレ論争落としどころ見つけられてないんですよ。
これです。
タレか塩かの決着をつけるのはこちら。
えっ?何ですか?第3の案を提示させて頂いたという事でちょっと召し上がって下さい。
いただきます。
あおいしい。
ありですね。
うんおいしい。
落としどころ…。
(拍手)すばらしい。
ありがとうございます。
「悪魔のほほ笑み」も頂いたところで…。
2015/07/28(火) 12:00〜12:45
NHKEテレ1大阪
先人たちの底力 知恵泉 落としどころの見極め方「小西行長」[解][字][再]

天下人・秀吉を支えた小西行長。朝鮮への出兵や禁教政策で秀吉の命令と現実の差に苦悩しつつ、難局を打開していった。行長の生涯から、落としどころを見つける知恵を学ぶ。

詳細情報
番組内容
天下人・秀吉に重用された戦国交渉人、小西行長。その生涯をひもとくキーワードが「落としどころ」。行長は朝鮮への出兵やキリシタン政策などで常に、秀吉の無理難題ともいえる命令と現実とのはざ間で苦慮を重ねてきた。その中で、秀吉の命令に盲従するのではなく、現実的な「落としどころ」を思案し実現することで、自身の出世と信仰を守り抜いていった。番組では、小西行長の生涯から、「落としどころ」を見つける知恵を学ぶ。
出演者
【ゲスト】国際交渉官…島田久仁彦,福岡女学院大学教授…佐島顕子,石井正則,【司会】近田雄一
おしらせ
[NHKワンセグ2]一部地域では高校野球を放送するために、放送をお休み、または放送時間を変更する場合があります

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ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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