(恭子)私再発しちゃったの。
(三崎)律たちはそのことを知ってるのか?
(恭子)路加君のことが落ち着くまでは他の心配事は抱えさせたくなくて。
(調)律兄ぃ。
誕生日おめでとう!
(路加)これ僕とママからのお誕生日プレゼント。
僕とお揃いだよ。
(恭子)路加君の笑顔をちゃんと守って。
離れることがつらくないわけないのに。
(真也)お仕事落ち着いたら迎えに来るからね。
(路加)ママ。
頑張ってね!
(恭子)ごめん。
大輔君。
(恭子)私手術はできないわ。
(花山)えっ?できないって…。
俺の説明が足りないからか?だったら他の先生紹介するから。
大輔君のことは信頼してる。
切ってもらうなら他の誰でもなく大輔君に切ってもらいたい。
でもたぶん大きく切除することになるのよね?大輔君もホントはそう思ってるんでしょ?右肺の3分の1くらいは覚悟してほしい。
オペに踏み切る一番の理由は再発を防ぐことだ。
それが医者としての俺の判断だ。
やっぱり。
恭子ちゃん。
不安はあるかもしれないけど俺は切った方が安心できると思う。
分かってるの。
再発のことを考えれば手術が一番だって。
でもその結果あの子たちを守れなくなるなら意味がないの。
二十歳になるまでは働ける状態でいたい。
カナが二十歳になるまで。
抗がん剤が効けば何の問題もないならそっちに懸けたいの。
恭子ちゃん。
考えが甘いのは分かってる。
でもお願い。
そうさせて。
分かった。
(律)路加大丈夫でしたか?
(真也)心配ないわ。
すぐになじんでたから。
(律)そうですか。
(真也)これから仕事なの。
話がそれだけなら帰って。
(律)でもお店は夕方からじゃ…。
(真也)スーパーでパートも始めることにしたの。
(律)えっ?
(真也)もう路加もいないし他にやることもないから。
ここも近々引っ越すつもりよ。
(律)引っ越すって?
(真也)一人で住むには広過ぎるし家賃もバカにならないから。
(律)それ嘘ですよね?
(律)何でそんなに路加から離れようとするんですか?これ…。
(真也)路加の学費。
これだけは私が用意するって決めたの。
でもそれは一柳さんが…。
(真也)私がそうしたいの。
こういう形でしかあの子とつながっていられないから。
(真也)この先路加がどんな道を選んでも何とかなるだけのものはためるつもり。
そのために家賃の安いところに住み替えるの。
ここに居続ける理由ももうなくなったしね。
えっ?あっ…。
あなたにずっと聞きたかったことがあるの。
やっぱりまたにするわ。
とにかく路加のことはあなたが心配することじゃないの。
こっちに任せておいて。
(路加)うわぁ。
これパパが作ったの?
(隆)路加も作ってみるか?
(路加)うん。
(隆)よし。
じゃあここに座って。
ほら。
ほい。
(路加)わあ。
(隆)じゃあこれでまずこの線に切って。
(路加)うん。
(隆)手気を付けてな。
(路加)うん。
《路加のことどうかよろしくお願いします》
(志穂)路加君。
お姉ちゃんも交ぜて。
(路加)うん。
いいよ。
(志穂)何作ってるの?
(路加)見てのお楽しみ。
(志穂)えーっ?四角が4つだから窓かな?あっ。
前みたいに抗がん剤で治療してもらうことになったわ。
(絹江)それで大丈夫なのかい?大輔君は手術した方がいいって言ってたけど。
でも前だって抗がん剤で治ったしね。
それでお母さんに相談があって。
(絹江)入院中のことは何の心配もいらないよ。
今度は私がちゃんと手伝えるから。
あんたは何の心配もせずに体のことだけを考えてればいいんだよ。
このことは圭介たちには私から話しておくから。
ごめんねお母さん。
何言ってんだよ。
で律たちにはこのこと?今日伝えようと思って。
あの子たちならちゃんと受け止めてくれるさ。
うん。
(奏)《四つ葉のクローバーは幸運や真実の愛の象徴っていわれてるんだよ》
(真也)《あなたにずっと聞きたかったことがあるの》・
(ドアの開く音)・ただいま。
おかえり。
律。
路加君どうだったって?すぐに向こうのうちになじんでたみたい。
そう。
あのね。
お母さん。
何?ううん。
何でもない。
晩ご飯僕がやるから。
ねえ。
調たちは?遊びに出てる。
すぐに戻ると思うけど。
そう。
律。
後でちょっと話があるの。
(調)ハァー。
(奏)ごちそうさまでした。
(調)ごちそうさまでした。
ごちそうさまでした。
(調)いやぁ。
うまかったな。
ちょっと待って。
(調)えっ?話があるの。
(調)何?お母さんねまた入院することになったの。
ちょっと気になる数値があって。
前と同じように抗がん剤で治すことになるけど家のことはおばあちゃんも手伝ってくれるって言ってるから。
今度もまた長くなるの?分からないけど前と同じようにうまくいけばまた1カ月くらいで戻ってこられると思うわ。
そんな顔しないの。
発見だって前より早いし前だってすぐに治ったんだから。
あなたたちにはまた負担をかけちゃうけどきょうだいで力を合わせて頑張ってくれる?分かった。
ありがとう。
(奏)ごちそうさま。
(調)まあちょうど夏休みだし俺たちのことなら何の心配もいらねえよ。
それに母ちゃん最強だもんな。
(調)病気なんかに負けるわけないよな?うん。
負けないわよ。
(すすり泣く声)
(調)カナ。
お前母ちゃんの前で分かりやすい態度取ってんなよ?
(奏)だって…。
大したことねえっつってただろ?もし大したことあったとしても前も治ったんだから今度も治るに決まってんだろ。
(奏)でも…。
(調)「でも」じゃねえ。
笑ってれば悪い細胞は消えるって前に律兄ぃが言ってただろ?だから泣くな。
母ちゃんの前では笑ってろ。
(奏)分かった。
(調)うん。
・
(足音)ごめんね。
黙ってて。
こっちこそ気付けなくてごめん。
路加のことで頭がいっぱいで。
いいのよ。
こっちは大したことないんだから。
ハァー。
それにしても失敗だったな。
えっ?痛恨のミス。
今回の検査のときこのスカーフ忘れちゃったの。
ラッキーアイテムなのに。
お母さん。
でも大丈夫。
これからは肌身離さず持ってるわ。
入院いつから?仕事の引継ぎもあるし少し先にしてもらったの。
決まったらすぐに伝えるから。
分かった。
律。
前にも言ったけどお母さん負けないから。
絶対にまた治してみせるわ。
うん。
(圭介)姉さんが?
(絹江)また同じ場所らしいよ。
(みつ子)そんな…。
であのう。
お姉さんいつ入院なさるっておっしゃってました?
(絹江)それはまだ決まってないらしいんだけど。
そのことであんたたちに相談があるんだけど。
治療費のことだったら心配してくれなくていいよ。
姉さんが嫌だって言ってもうちで出す。
いいよな?みつ子。
(みつ子)ええ。
もちろん。
ありがとうね。
そう言ってくれると恭子も安心できると思うよ。
(圭介)うん。
(みつ子)でもこれでまた律君無理しちゃうんじゃないかしら。
お父さん。
お母さん大丈夫だよね?もしもし。
(環)伯母さんのこと聞いたわ。
であんたが落ち込んでんじゃないかと思って。
お母さんは大丈夫だって言ってたからそれを信じたいけど。
ただ少しでも早く入院した方がいいんじゃないかなとは思ってる。
(環)なるほどね。
(環)でもそのことだったら心配いらないわ。
少なくとも仕事はあしたから休めるようになるから。
えっ?おはようございます。
みつ子さん。
(みつ子)お姉さん。
どうも。
どうしたの?
(環)工場長にお願いしたの。
伯母さんの代わりにママが働けないかって。
(茂木)環ちゃんから聞きました。
入院のこと。
すみません。
またご迷惑お掛けすることになって。
(茂木)何を言ってるんですか。
こういうときは僕らを頼りにしてください。
えっ?
(春奈)そうよ。
恭子さん。
(春奈)工場長他に取りえはないけど人情深いのだけは誰にも負けないんだから。
工場長。
春奈さん。
さっき話して環ちゃんが来られないときは環ちゃんのお母さんが手伝ってくれることになりました。
(茂木)だから早川さんは何も心配しないで治療に専念してください。
ありがとうございます。
みつ子さんも環ちゃんもありがとう。
(みつ子)私もお姉さんのために力になれるのがうれしいんです。
おうちのことはお母さんに。
仕事のことは私に任せてください。
(若月)さすが環さん。
ママさんまで巻き込むなんてやることが強引だわ。
(斎木)しかし人のためを思うが故の行動だ。
見た目はドSだがホントは天使のような人なんだな。
(若月)天使は言い過ぎだろ。
でもお母さんのこと考えてくれててうれしかったよ。
それに…。
圭介叔父さんから聞きました。
お母さんのこと支えてくれてありがとうございます。
別に。
私は何も。
(若月)律。
何かあれば言えよ。
えっ?
(若月)おばさんのこと。
俺たちに何ができるか分からないけど…。
でも俺たちだって力になりたいからさ。
優。
(斎木)放っておくと律はまた一人で抱え込みかねないからな。
(斎木)こういうときに頼られてこそ友達冥利に尽きるというものだ。
斎木も…。
ありがとう。
(斎木)うん。
(路加)パパ。
今日の晩ご飯何がいい?
(隆)えっ?
(路加)僕お姉ちゃんと一緒にパパの好きなもの作ってあげる。
(志穂)路加君の好きなものを聞いたんだけどパパの好きなものがいいって。
(隆)じゃあハンバーグがいいな。
えっ?パパもハンバーグ好きなの?ああ。
路加もか?
(路加)うん。
僕ハンバーグ大好き。
すぐ作るから待っててね。
お姉ちゃん行くよ。
(志穂)はーい。
・
(ドアの閉まる音)
(徹平)何だ?その格好。
スーパーでレジ打ちのパート始めたの。
(徹平)レジ打ち?お前がか?
(真也)そうよ。
悪い?
(徹平)もうすぐ開ける時間だ。
早く支度しろ。
すぐ着替えるわ。
(真也)ハァー。
《真也さんはそれでいいんですか?》《路加を手放してその成長を誰かに委ねてもいいんですか?》《路加が大きくなるのを近くで見たくないんですか?》
(路加)《ママまたお仕事大変なんだって。
だから今度パパのおうちに遊びに来てね》《お母さんねまた入院することになったの》《ちょっと気になる数値があって》《お母さん負けないから》《絶対にまた治してみせるわ》ごめん。
起こした?
(調)ううん。
便所。
なあ。
律兄ぃ。
母ちゃん。
ホントに大丈夫なんだよな?えっ?俺大丈夫だって思ってるんだ。
でもたった2カ月で再発しただろ?だから今回は大丈夫でもこれから先もしかしたらって…。
もし…。
もし母ちゃんが死んじゃったらとか考えちゃうんだ。
そんなこと絶対ないって思いたいけどでも…。
調…。
ごめん。
奏には笑えって言ったのに。
ちょっと向こう向いてて。
すぐ復活するから。
なあ。
調。
お母さんも大丈夫だって言ってたでしょ?きっと大丈夫だよ。
お父さんも天国から見守ってくれてる。
だから心配するな。
うん。
お母さんは最強なんだ。
だから絶対に大丈夫だ。
うん。
・
(切る音)おはよう。
律。
早いのね。
おはよう。
お母さんの退院までは朝ご飯僕が作ろうと思ったんだ。
昨日のうちに言っておけばよかったね。
ごめん。
いいのよ。
律にばかり面倒かけられないわ。
仕事も休んでいいってことになったしお母さんやるわよ。
じゃあお母さんの入院までは一緒に作ろうよ。
そう?じゃあそうしましょ。
うん。
お味噌汁は僕がやるから。
じゃあお母さんは卵焼き。
運動会の日のお母さんの甘い卵焼き大好きだった。
4年生のとき食べ過ぎで100m走の前におなか痛くなっちゃって。
だっておいしかったから。
お母さん。
僕信じてるから。
えっ?お母さんは絶対元気になるって僕も調も奏も信じてるから。
うん。
ありがとう。
うん。
(一同)いただきます。
(調)うん?今日の卵焼きうめえ!よかった。
律が作ってくれた塩こうじ入れてみたのよ。
(調)今度から毎回入れてよ。
そのこうじ。
お味噌汁もおいしい。
これ律兄ぃでしょ?うん。
分かる?
(奏)うん。
お母さんのはもうちょっと薄味だもん。
あら。
濃い方が好き?
(奏)ううん。
どっちも好き。
僕たちは笑顔でいようと思ったんだ
僕たちが暗い顔をしてるより笑っていた方がいいことが起きる
そんな気がしたから
でも不安な気持ちはどうしても消えてはくれなかったんだ
2015/07/28(火) 13:25〜13:55
関西テレビ1
明日もきっと、おいしいご飯 〜銀のスプーン〜 #42[字][デ]
母・恭子(富田靖子)の病気の再発、実父・隆(和田聰宏)との確執、そして実母と実弟の幸せ…。律(高杉真宙)たちと料理が紡いできた、家族の絆の物語。その結末とは…。
詳細情報
番組内容
恭子(富田靖子)は花山(山田純大)に、癌の手術は出来ないと告げる。再発のことを考えると手術が一番なのは分かっているものの、肺を大きく切った影響で子どもたちを守れなくなるなら意味がない、と。恭子の強い想いを秘めた目に、花山はうなずくしかなかった。
律(高杉真宙)は、真也(河井青葉)が新しくスーパーのパートを始め、マンションも引き払うつもりであることを知る。
番組内容2
路加のための学費を真也が自分で出すためだった。そのために家賃の安いところに引っ越すと言う真也。「ずっと聞きたいことがあったの」真也の言葉に律は…。
帰宅した恭子は、律たちに自らの癌の再発を明かす。路加のことが落ち着くまでは律たちに余計な不安を抱えさせたくなくて、これまで黙っていたのだった。それに気付けなかったことを悔いる律。そんな律に今回も恭子は大丈夫だと微笑む。
番組内容3
「母が笑顔でいる間は自分たちも笑顔でいよう」律、調(前田旺志郎)と奏(田附未衣愛)は不安を押し殺し、涙をこらえる。
そんな中、一人引っ越しの準備をする真也。そこには路加が忘れていった銀のスプーンがあって…。
出演者
早川 律:高杉真宙
早川恭子:富田靖子
花山大輔:山田純大
雨宮真也:河井青葉
鈴井 環:岩田さゆり
茂木和彦:木本武宏
・
早川 調:前田旺志郎
早川 奏:田附未衣愛
雨宮路加:山口祐輝
・
一柳 隆:和田聰宏
鈴井みつ子:芳本美代子
小川絹江:藤田弓子 ほか
スタッフ
【原作】
『銀のスプーン』小沢真理(講談社「Kiss」連載中)
【脚本】
中村由加里
【演出】
金子与志一
【プロデュース】
松本圭右(東海テレビ)
西 麻美(松竹)
原 克子(松竹)
竹内絵唱(松竹)
【音楽】
市川 淳
【主題歌】
高橋 優「おかえり」(ワーナーミュージック・ジャパン)
【制作著作】
松竹株式会社
【制作】
東海テレビ
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ドラマ – 国内ドラマ
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