冠婚葬祭だけでなくビジネスの場でも意外と出番が多いのが手書きの文字。
読みやすく洗練された美しい文字を書ければ印象が良くなり気持ちもしっかりと伝える事ができますよね。
タレントの優木まおみさんがそんな美しい文字を書く秘けつを教わります。
自分のクセを知るっていうのがやっぱり美しい文字になる基本なので。
教えて下さるのは京都で活躍する…書の本場中国でも数々の賞を受賞し「今の暮らしに溶け込む書」をテーマに作品を制作しています。
番組ではボールペンから筆ペン筆と日々の生活で役立つ美しい文字を書くポイントを学んできました。
今回は総集編としてそれらをたっぷりと紹介します。
まずはふだんの生活で最も身近なボールペン。
これを使って優木さんが美しい名前の書き方を学びました。
(優木)先生にも見られてるし緊張する…。
はい。
フフフフッ!まあまあまあ…。
最初はこんなもんですよね。
どんな輪郭になっているかというのを文字の周りをこういうふうに。
四角で囲む。
線は紙の端と平行に引きます。
これでどんな事が分かるんでしょうか。
「優」がちょっと横なの。
やたら「優」だけ大きいですね。
この「み」がちょっと長いっていうのが…。
ちょっと主張しすぎですよね。
次に大事なのが文字の中のバランス。
文字の中の配置ですね。
漢字の多くが偏とつくりから成り立っています。
画数の少ない偏は文字の1/3ほどに書くとバランスがいいそうですが…。
半分とかまではいってないけどちょっと人偏大きく感じますねそう言われると。
少し小さくして頂いてこのつくりの部分をもう少し広げても逆にいいというか。
ああ〜。
優木さんアドバイスを受けてもう一度名前を書いてみます。
大きさもバランスもバラバラだった名前が美しく書けるようになりました。
次に優木さんが学んだのはボールペンで短い文章を書く事。
一筆せんなどに書くちょっとしたお礼状に役立ちます。
今日はまず一番よく使うであろう言葉「ありがとうございました」。
確かに。
…という言葉を優木さんに書いて頂こうかなと思います。
必ずメッセージには出てきますもんね「ありがとうございました」。
「ありがとうございました」はひらがなだけの文章です。
漢字が入らない分文字のクセが目立ちます。
ひらがなの特徴としてやわらかさ。
確かにちょっとカクカクしてるというか力が込められすぎて角張ってますね少し私の文字。
文字がやわらくて全体に温かく優しい雰囲気を感じさせます。
ひらがなは全部で46文字。
形を覚える事で美しい文字になり文章を書いた時優しくきれいに見えます。
例えば「あ」は最後の3画目がポイントです。
一度止まってから上に上げてまた止まり大きく曲げてゆっくりと払います。
「い」は1画目のはねは2画目につなげる気持ちで。
2画目は1画目とほぼ平行になるように書きます。
ふぅ…じゃあ書いてみます。
優木さんひらがなのお手本を練習したあとでもう一度書いてみます。
うん。
は〜い。
よくなってると思いますね。
「あ」も最後の画の…クルッと回る所の空間をとるっていう。
「た」は意識しすぎて…。
短くなっちゃった。
下が長すぎるのを意識しすぎると今度上が長くなっちゃった…。
1文字ずつお手本を正確にまねて練習すれば美しい文字に近づけます。
続いては筆ペンでの書き方を学びました。
ふだんはあまり使いませんが慶弔袋に書く時には欠かせません。
優木さん筆ペンを使って一度書いてみました。
しかしどうも美しく仕上がりません。
どうすればうまく書けるのでしょうか。
慶弔袋によく使う文字を書いていきましょう。
こんなの作ってきました。
漢字辞典やお気に入りのパソコンの文字をお手本に文字をなぞって練習します。
次によく使う言葉を中心線を目安に書いていきます。
なるほど。
そして「祝」が…。
「口」の1画目が中心にくるんですね。
文字の練習ができたら慶弔袋に書いてみましょう。
まずは川尾さんのお手本です。
中心が分かるように目印となる線を引いた紙を下に敷きます。
そして水引を置き文字を書く位置を確認しながら書き始めます。
そして上はギリギリには書きません。
少し空けます。
まずここまで書いたらもう一度水引を置いて名前をどこから書いたらいいのかというのをもう一回確認します。
でこれをもう一度横に置きます。
あと注意するのは一番最後の文字ですね。
一番下ギリギリまでこないという事ですね。
バランスが良くなります。
優木さんも書いてみます。
あっちゃんと入ります。
フフッ。
もう気持ち下でもよかったかも!もう気持ち下だったかな〜。
最初に書いてもらったのよりもやっぱり文字の配置のバランス中心線もバシッとそろってるので良い表書きになったと思います。
はいありがとうございます。
そしていよいよ毛筆です。
墨をすって呼吸を整えます。
よ〜っ。
ポン。
まずは基本を学びます。
優木さんが漢字の「永」という字を書きます。
この「永」という漢字昔から「永字八法」って言われていて書道の基本的な筆遣いが8つ含まれてるんです。
へえ〜。
漢字は点と画点画で構成されています。
「永」という字には基本的な点画が8つ含まれています。
それを練習していきます。
まずは点。
私は点を書く時は…てんてんてん。
心の中で「てんてんてん」というふうにして書くとただ押しただけではない点が書けるという。
まず置きます。
下に下がります。
戻します。
中でそういうふうな感じ…。
分かりました。
ふ〜んこうなってたんですね!点も置くだけではなく。
続いて横画です。
まず筆を置いたらこれを「起筆」といいます。
筆を運んでいく「送筆」。
「収筆」。
筆の通る道をちょっと書きますね。
まず45度に筆を置いて筆の弾力を生かして送筆にいきます。
収筆は少し右上に上がり右下に下がり元の左に戻すような感じです。
あと音…「筆の声」って言ってるんですけど。
…というふうに音で表現する事もできるのでそれを頭の中で。
(2人)「とんすーとん」。
とんすーとん。
あっいいですね。
この要領で「永」の字の中にある基本的な点画を練習します。
そしてもう一度「永」の字を書きます。
我ながら全然違う!すごい良くなった!どうですか?やっぱりこの一つ一つの丁寧さというかしっかりした芯がある感じというか…。
めっちゃ「え〜感じ」ですね。
「永」だけに。
フフフフ!美しい文字を目指すなら古典の名品を模写する方法もお勧めです。
この「泉」という文字を模写します。
では今回は私が書いてきました。
中国で古くから行われてきたやり方があります。
まず文字の輪郭を鉛筆でなぞって縁取りをします。
ここくっついてて…。
右払いになります。
あっ!上手。
上手に出来た。
(笑い声)これを筆でなぞっていきます。
自分が思ってた所に意外に線がいってないっていうか…。
やっぱりこうしないと人の文字の形をまねるって案外自分が考えてるのと違うっていう事ですよね。
これはもう覚えないといけないという事ですもんね体で。
毛筆では太筆の他に細字を書く小筆も使います。
手紙やはがきで思いを届ける時にこの小筆を使ってはいかがでしょう。
優木さんが暑中見舞いを書きます。
しかしひらがながどうもうまく書けません。
そこで川尾さんがとっておきの秘けつを教えてくれました。
ひらがなのポイントは書く時に「うふっ」ていう感じで書くんです。
「うふっ」?「うふっ」。
ひらがなの秘けつ「うふっ」。
書き始めは力を入れずに「う」のイメージで軽く入り「ふっ」と力を抜いて終わります。
ぷっくりとした線でやわらかい印象の文字になります。
優木さんも「うふっ」で「い」を書いてみます。
あ〜ちょっと艶っぽい「い」になってきた。
はがきは文字の配置にもポイントがあります。
優木さんは名前の後ろが空きすぎていて文字も小さめです。
こちらは川尾さん。
文字が大きく前後も程よく空いていて全体にバランスよく配置されています。
川尾さんははがきの絵柄も考え文字の配置を考えました。
漢字は四角ひらがなは丸で位置を決めバランスを見ます。
優木さんも絵柄に合わせて文字の配置を考えました。
じゃあ集中して書いてみましょう。
優木さん配置を書いた紙を手元に置いて暑中見舞いを書いていきます。
うん。
う〜ん!いい感じで出来たかなと。
暑中お見舞いが伝わるのはちょっと文字が大きいのとやっぱり名前がちょっと離れてるっていうのでここに空間が出来て余白の美というかね。
文字の配置によって伝わり方が変わるかなっていうので…。
毛筆の基礎が固まったら文字の表現力を広げる…まずは薄めた墨「淡墨」で書くテクニックです。
淡墨の特徴はこのにじみ。
そして交差する線が立体的に見える事です。
まずはすった墨に水を足して淡墨を作ります。
試し書きして好みの墨の濃さに調節します。
じゃあ一度私が三水を書いてみますね。
まず最初の点普通に書いて2つ目を少し時間を置いて。
このくらい。
3画目の払い上げはこんな感じ。
このように…そして立体的に見せたい所は…。
ここで時間を置きます。
まだですまだです…。
で書きます。
ここでまた少し時間を置いて…線が重なる所なのでね。
こういう感じですね。
う〜ん!優木さんも淡墨のテクニックにチャレンジです。
置く。
で少し…。
てんてん。
てん。
おお〜。
次は速く。
シャッシャッ!ハハッ!速すぎてちっちゃくなっちゃった。
…からのいきたいけどまだいかずいきます。
なかなか新しい感覚です。
そして川尾さんがもう一つ別のテクニックを教えてくれるというのですが…。
激しい!ハハハッ。
おお〜!次はしぶき。
しぶきのテクニックです。
これは通常の濃さの墨で行います。
やあ!全然しぶかない!今ちょっと躊躇しましたね。
スピードを出してボンといく。
もう「バカヤロー!」って感じでもいいです。
そうですね。
え〜そんな恋愛してないんです。
結構平和にやってきた方。
恋愛じゃないですって。
よし。
シャッシャッシャッ。
シャッ。
バシャッ。
よっしゃ〜出来た!かっこいい!「波」出来た!なんか新しい自分を見つけられた気がします。
自分のこう奥底に眠る荒々しさ。
(笑い声)レッスンも回を重ね川尾さんからこんな課題が…。
今日は優木さんに書の作品を作ってもらおうと思います。
作品ですか?こちらの色紙に漢字1文字を書いて作品を仕上げて頂こうと思います。
ほほ〜。
ちょっと集大成な感じですね。
はいそうです。
書の基礎とテクニックを学んだ優木さんがいよいよ作品作りに挑みます。
まずは川尾さんに作品を書くところを見せてもらいました。
川尾さんによれば作品を作る時最も意識しなければいけないのがその文字を選ぶ理由。
自分の思いが一番伝わる文字を見つけなければなりません。
優木さんはどの漢字を選びどんな構図とテクニックで書くのでしょうか。
さあいよいよ書く気持ちが固まったようです。
はぁ…。
お疲れさまです。
ありがとうございました。
どうして「遊」っていう文字に?子供ができる前までは仕事がないと不安になるぐらいほんと働いて働いてっていう感じだったんですけど産休育休って取って子供の成長を見守ってると人生に遊びってすっごい大事なんだなっていうのにすごい気付かされて子供と一緒にいろんな所を見たり経験したりする事で自分もすごく刺激を得てる。
「美しい文字で心をつかめ!」。
優木さんの思いを込めた作品が完成しました。
レッスンを今までされてきていかがでしたか?まあ字というのは生活に必要だから書いている。
けれどやっぱりどうせだったら美しく書いてそれこそ人の心をつかみたいし字にはその人の性格だったり内面だったりそういうものが表れてくるなというのをやっぱり感じました。
例えば手紙を送る時も相手の事を思って自分の気持ちを込めて書くっていう事で手書きの文字の重み…それがまた美しかったらもっといいし自分も自信持って書けるし相手にももっと伝わるかなと思いますね。
これからも手書きでいろいろお手紙を書いたりとか気持ちを伝えたりしていきたいなって思いました。
2015/07/28(火) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
趣味どきっ! 美しい文字で 心をつかめ![終]第九回▽美文字へのステップ〜総集編[解][字]
「美しい文字」で心も届ける!タレントの優木まおみさんが京都の書家・川尾朋子さんに「文字を美しく書く秘けつ」を習う。今回はシリーズの総集編。美文字ポイントを凝縮!
詳細情報
番組内容
冠婚葬祭だけでなくビジネスの場でも意外と出番が多い「手書きの文字」。読みやすく洗練された「美しい文字」を書ければ、印象がよくなり、気持ちもしっかり伝わるもの。タレントの優木まおみさんが、京都の書家・川尾朋子さんに「日々役立つ、文字を美しく書く秘けつ」を教えてもらう。今回はシリーズの総集編。「ボールペンで自分の名前」から「毛筆で心を込めた文字ひとつ」まで、「文字を美しく書く」ポイントを凝縮。
出演者
【講師】書家…川尾朋子,【生徒】優木まおみ,【語り】田代杏子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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