(ナレーション)
クローバー都市開発の池上タツヤは大型プロジェクトの候補地として幸多市に目をつけ住民たちに近づくため素性を隠して消防団に入団する。
しかしそこではタツヤの人生を大きく変える事件が待ち構えていた。
(カイト)頑張れ頑張れって口で言うのは簡単だよね。
(比留間)無理なものは無理だからな。
(池上タツヤ)俺は諦めが悪いんだ。
力を貸してほしい。
未来の消防士のために。
これは1人の町を狙う男が町を守るヒーローへと生まれ変わる物語である。
(園児たち)鬼〜!
(安住咲良)誰が鬼よ。
まあ鬼だけど。
捕まえちゃうぞ〜。
ほらほらほら。
ほらほらおぉ〜。
待て待てほらほら…。
未来ちゃん捕まえた!うふふふっ。
痛っ痛っ痛っ…。
(いずみ)咲良先生?
(未来)先生?
(いずみ)先生!?大丈夫ですか?はぁはぁ…。
(恭子)咲良ちゃんが倒れた!?うんうんうんうん。
あっそうなの?うんわかった。
うんじゃあ後で。
はぁ〜。
シズさん。
(日比野)香りだけではなくてこの炎を見るのが好きなんです。
炎ですか。
思い出しますよ確か2年前でしたか。
私が進めていた大型事業に突然他社が名乗りを上げてきたんです。
コンペの席で顔を合わせた相手の中に1人燃えるようなまなざしでプレゼンする男がいたんです。
私が気に入ったのは彼の持つ揺るぎない自信。
何がなんでも勝つというぎらついた情熱。
そのプレゼンもまた綿密な調査に基づいたすばらしいものだった。
結果は惨敗でした。
会社の規模の差ですよ。
君の問題ではない。
むしろ君のプレゼンは見事に伝わったんです。
だから私は買うことを決めた。
池上タツヤという人間を。
ただ気のせいかもしれませんがあのころに見た君の炎の色が今は少し変わっているように思える。
えっ?激しい赤から静かな青へ。
私がですか?期限まで残り1週間。
楽しみにしていますよ。
はい。
いぃ〜うぅ…痛い。
痛い痛い痛い…。
・あららら咲良ちゃんどうしたの?けが?
(いずみ)あっ大丈夫です。
ただの盲腸らしくて。
盲腸?お願いタツヤさんに…。
えっ?私がいない間代わりの分団長をタツヤさんに…。
(エリ)行ってきたわよこないだのおわび。
大変だったんだから。
ほんとに悪かったよ。
ちょっとやらなきゃいけないことがあってさ。
タツヤ最近おかしいんじゃない?えっ?消防団何だか楽しそうにやってるように見えるけど。
そんなわけないだろ。
地主の家族構成仕事趣味必要な交渉材料は…。
(メールマナーモード)全部仕事のためだ。
とにかくあと1週間が勝負なんだ。
「盲腸」?「分団長」。
楽しそうね。
いやこれは…。
どういうことだ。
(鳴海)全く人騒がせだなぁ咲良ちゃんも。
(松山)けど盲腸も侮れませんよ。
(石沢)盲腸だけにもう超びっくり!みたいなねぇ。
(等々力)手術成功して良かったです。
(鳴海)まあね。
(石沢)いやいやいやもう超…。
わからない?
(鳴海)おっ!あの…。
(鳴海)タツヤ君あぁ〜じゃなかった!せぇ〜の…。
(石沢・等々力・松山・鳴海)BDD!はっ?
(石沢)分団長の代理の代理略して…。
(等々力・松山・鳴海)BDD!
(松山)どうですか?じゃなくてどういうことですか?一体。
(鳴海)要するに臨時の分団長ってこと。
ほら咲良ちゃんしばらく入院することになったから。
(石沢)まあその間だけねタツヤ君に代わりをお願いしたいこれがまあ咲良ちゃんの遺言だよ。
死んでません!だから何で俺が?
(松山)それは僕らも知りませんよ。
(鳴海)まあ大げさに受け取らないで。
しばらく団も大した活動はないし名目だけってことでねっ。
お断りします。
仕事が忙しいんです。
(石沢)ネーミングもっとちゃんとしたの考えるから。
いやいやいやそういうことじゃなくてね…。
(恭子)遅れてごめんね〜。
さあ入って入って入って。
(石沢)あららシズさん。
(恭子)スーパーにいたのよ。
それでまた…。
あぁ〜。
(鳴海)あぁ〜ははっお久しぶり〜シズさん。
どうぞ。
(石沢)はいはいどうぞどうぞ。
(鳴海)あっこちらはねBDD分団長…。
いやだから。
(鳴海)ふふふっ。
何にやにやしてんすか。
(鳴海)ふふふふっ。
(シズ)あなた?えっ?
(シズ)おかえりなさいあなた。
ふふっ。
(恭子)あぁ〜はははっ…。
(石沢)はははっ良かったねシズさん。
ふふっ。
認知症?5年前にご主人を亡くされてそれからだんだんと。
時々ふらりと徘徊するようになって。
(恭子)けどシズさんのこんな穏やかな顔久しぶりに見た。
(シズ)ふふっできたわ。
(石沢)おぉ〜上手だなぁシズさん。
(松山)すごい器用ですね。
(シズ)ほらあなた。
あの…。
タツヤ君のこと寅夫さんだと思ってるみたいね。
寅夫さん?亡くなったご主人の名前よ。
蓮見寅夫さん。
(シズ)ふふっ。
俺帰りますね。
ねえ良かったらシズさんちまで送るのつきあってくれないかな?はぁ?いや俺これから用事が…。
ちょっとだけお願いBDD。
(石沢・松山・鳴海)BDD。
BDD。
だからそれも…。
BDD!
(恭子・石沢・等々力・松山・鳴海)BDD!BDD!
(恭子)ここよ。
ここ?
(恭子)今は1人暮らしよ。
身の回りのお世話は訪問の介護士さんがして私も様子を見にきたりしてるんだけど四六時中見てあげることはできないからどうしてもね。
あっ。
恭子さんありがとうございます。
(恭子)後お願いします。
はい。
さあシズさんおうちに入りましょう。
あっ寅夫さんはこれからお仕事があるって。
そう。
いってらっしゃいあなた。
・さあ。
こう言っちゃなんですが老人ホームとかに預けりゃいいじゃないですか。
幸多市にも1つ大きな所あるでしょ。
確か健朗園。
よく知ってるわね。
あっいやその…。
この辺りの老人ホームはどこも定員オーバーなのよ。
幸多市はお年寄りが多い町だからどうにかならないかっていつも思うんだけどね。
はあ。
あっそういえば健朗園って建て替えのうわさがあるみたい。
建て替え?
(榊)わかりましたよタツヤさん。
健朗園の理事長うちの関連企業にホームの改築の相談に来てたみたいです。
けど費用のことでかなりごねてるようでなかなか折り合いがつかないみたいです。
商売人ってことか。
ならむしろ話は早い。
(濱田)それで?池上は今何割方取得してる?もういい。
こっちの交渉を進めろ。
失礼しました仕事の電話で。
・お忙しそうですね。
お誘いして悪かったかしら。
とんでもない光栄です。
ところでどうして私に?最近仕事仲間がつれなくて。
(濱田)そいつの代わりですか。
ばかなやつだなこんな優秀な方を放っておくなんて。
ええ。
池上タツヤっていうんです。
もちろんご存じですよね?なるほど敵情視察ですか。
敵?申し訳ありませんがお話することなど何もありませんよ。
失礼します。
私はべつに彼だけの味方ってわけではありませんよ。
えっ?
(エリ)例えばこちら。
何かあなたのお役に立てるのでは?
(塩川)Yプロジェクトね。
はい。
幸多市の市街地を中心とした大規模な再開発計画です。
目玉となる大型の複合商業施設の一角にこちらの老人ホームを組み込ませていただければと。
もちろん建設費等もクローバー都市開発が全面的に援助させていただきます。
全部そちらが?はい。
具体的なプランですが部屋数は今と同じ100。
各施設内装のグレードを高め…。
いやもう結構です。
こんなにありがたい話はありません。
全面的にお任せします。
はい。
いや〜そうですか。
よろしくお願いします。
(塩川)こちらこそよろしくお願いしますよ。
後は残りの地主との交渉だな。
・
(シズ)ここがあなたのお仕事場?はぁ?もう〜随分散らかってるじゃないですか。
あの何で…。
あっそうだ。
あなたお食事は?お仕事のためにもちゃんと食べなきゃだめですよ。
お片づけしたらすぐに作りますから。
あぁ触らないでください!
(恭子)どこかでタツヤ君の姿見つけてついてきたんだと思う。
勘弁してくださいよ。
思い出すわねあなた。
最初のデート。
はっ?あの…。
(シズ)うふふっ。
私楽しみでおめかししてたんですよ。
なのにあなたはそこの葉月峠に登るって言いだしてしかもどしゃ降りになってもうさんざんだった。
ようやく着いた幸ヶ原小屋のそばでず〜っと雨宿りしてた。
でも雨が引いてそこから町の景色が見渡せて空にはきれいな虹が架かってた。
それからはず〜っとデートはいつもそこ。
もう私全部覚えてるわ。
10回目であなたやっとプロポーズしてくれた。
(シズ・恭子)うふふっ。
あの…。
シズさんの中ではず〜っと時間が止まってるのよ。
昔はねシズさんちゃきちゃきしてて元気な人だったのよ。
私も子供の頃から随分お世話になっていて。
だからどうしても放っておけないの。
あっすいません俺…。
(恭子)ごめんね。
さあシズさん行きましょう。
寅夫さんまだお仕事の続きがあるの。
はい。
(シズ)またデートしましょううふふっ。
はぁ〜。
背中ですか?うん。
タツヤさんの背中何となくあの人に似てる気がしたから。
私がいない間団のことを任せてみようかなって。
理由はそれだけなの。
ふ〜ん。
誰ですか?その背中って。
うん…まあ似てるなんて言ったら2人共絶対嫌な顔しそうだけど。
(白石)中隊長これ見てください。
(合田篤志)ん?大型の台風。
関東を直撃するようです。
水防態勢がかかるだろうから資機材準備しておけ。
了解。
台風?
(鳴海)防災課から連絡が来たんだよ。
勢力が強まってきたから準備するようにって。
(等々力)BDD!仕事の割りふりどうしましょうか?仕事って何を?河川の見回り堤防の見回り田んぼや畑の見回りそれに近所への声かけ。
特に崖崩れの恐れのある家は必ず。
後屋根瓦は大丈夫か危険なものはないかのチェックと対処それから避難場所の確認とかもろもろ。
そんなに?
(等々力)どうしましょう。
いや俺に言われても…。
ていうか話が違う。
(松山)あの風よけのビニールは?
(恭子)知らないわよ。
そういうことは咲良ちゃんに聞いて。
(石沢)いないよ。
こっちも備品がないんだよ。
とにかく探すないなら買う。
(恭子)そんな予算はもうない!だから探すんですか買うんですかどうするんですか。
(石沢)こっちも忙しいんだよいちいち聞かないでくれよ。
何ですかそれ!
(松山)聞かなきゃわかんないでしょ。
(石沢)何だよ。
(鳴海)それぐらい自分で判断しろつってんだよ!
(石沢)そうだよ。
(松山)買っちゃいますからね!全額払ってくださいよ!
(等々力)ちょっと手はだめです。
あの…あのあの!
(石沢)そうだタツヤ君。
市から消防署と打ち合わせするよう指示があったから顔出してくれるかな。
えっ?
(鳴海)うちの場合はいつも咲良ちゃんが行ってたから代わりにねっ。
あぁはい。
(恭子)お願いしま〜す。
(石沢)はいはいよしよし。
えっ消防署?お前が分団長?…の代理の代理らしい。
はっ?とにかく台風が来るらしいからもろもろ準備よろしく。
(白石)いやいやちょっと待って。
準備?何を言ってるんです?いやだから…見回りとか声かけとか。
それらは基本的に消防団の仕事だ。
我々には我々の仕事がある。
えっ?
(白石)水防態勢冠水などの発生しやすいポイントの警戒などだ。
明日は午後から夕方にかけて幸多市全域に台風が直撃する予報が出ている。
お前の地区だけじゃない。
被害があった場合そちらへの出動が困難になることもありうる。
ということはこっちだけでどうにかしろと?頼んだぞ分団長。
石沢さんと等々力君が西地区の声かけ!
(2人)よし!
(鳴海)恭子さんとBDDが東地区!よし!よし。
松山君は僕と危険物の固定作業!よし!全員終わりしだい避難場所の確認!
(恭子・石沢・等々力・松山)よし!ということでせん越ながらご提案させていただきましたがいかがでしょう?BDD。
じゃあそれで。
(鳴海)ありがとうございます!
(恭子)それじゃ行きましょう。
(鳴海・石沢・等々力・松山)よし!あぁ〜。
あぁ〜。
(鳴海)これ固定しといてもらったほうがいいね。
(松山)そうですねちょっと声かけてきますね。
(石沢)あぁどうも消防団です。
どうもすいません。
あっはい。
(石沢)明日の午後にかけて大型の台風が来ますんで。
戸締まりよろしくお願いします。
・あっはいわかりました。
どうもよろしくお願いします。
・ありがとうございます。
(石沢)どうも。
(恭子)おじいちゃん雨が強くなると土砂崩れも心配だから不安だったら連絡ちょうだいね。
ああありがとう。
うんじゃあ失礼します。
あのいちいち声かけて回るんですか?特にこの辺りは1人暮らしのお年寄りが多いから。
シズさん!こんなとこにいたの?勝手に出歩いちゃだめって言ったでしょ?列島を縦断している大型の台風18号は時速40kmの速さで北上しており今後の台風情報に十分な注意が必要です。
大型の台風18号は勢力を更に強め関東一帯には明日午後にかけて接近する見込みです。
台風の中心の気圧は958hPa。
中心付近の…。
はいもしもし。
鹿児島県桜島では52.5…。
榊か?ブチッツーツー…
(不通音)
(回想エリ)幸多市での池上タツヤはその会社で働いてることになってます。
そこで何をしてるんでしょうね〜彼は。
(恭子)あぁタツヤ君。
よいしょよいしょよいしょ。
はっ?
(恭子)お茶入ったよ。
はいお茶入りました。
(石沢)あぁはいはい。
あっすいませんじゃあお気を付けて。
(茂吉)おい。
あっちょっと待って。
(三平)お茶がないぞ!お茶!
(茂吉)まんじゅうどうした?
(等々力)はいただいま。
石沢さん何なんですか?これ。
(石沢)いや1人暮らしのおじいちゃんおばあちゃんたち台風の間ここで避難させることにしようって。
避難所は公民館があるでしょ。
(鳴海)避難勧告も出てないから避難所はまだ開設されてないんだよ。
他にはここしかないじゃん?
(三平)おぉ〜シズさんじゃないか。
(老人たち)おぉ〜!
(三平)我らがアイドル〜!さあさあシズさんこっちに。
おいお前邪魔なんだよ。
何だかお祭りのようですねあなた。
(三平)はっ?あなた?いやあの…。
(石沢)はい十一分団です。
はいはい。
(三平)おいお茶いつまで待たせる!はいただいま。
三丁目の田中さん雨戸が吹き飛びそうだって。
あっ行きます。
(茂吉)おいおいはよささんかい。
(鳴海)他の仕事もありますんで。
(茂吉)あぁそうかい。
そうやって年寄りをほっとく気か。
わしなんか孤独死しろってか?
(等々力)すいません出来ました。
(鳴海)そんなつもりは。
(恭子)ちょっと茂吉さん三平さんも。
大変だって言うから来たけどこんなことですか?
(三平)あっち!殺す気か!すいません!
(石沢)お待ちください。
ねえ田中さんちどうすんの?
(茂吉)まんじゅうどうした?餓死させる気か?
(松山)じゃあすぐ買ってきます。
(恭子)あっありがとう。
行かなくていい。
(松山)えっ?わがまま言いたいだけですよ。
ふだん誰にも相手にされないから。
(茂吉)はぁ?
(三平)おい。
何だ?その態度は。
この若造が年寄りを何だと思ってんだ!そちらこそ何だと思ってんです?ここは老人クラブじゃない。
避難所です。
そちらは避難してきた側。
お茶が欲しいなら自分でいれる。
まんじゅうも必要ない。
おなかがすくならそれも自分で。
炊飯器があるでしょう。
はいこれで詰み終わり。
(茂吉・鳴海)あっ!何年生きてるか知らないけど年寄りを主張するならこんなときこそ模範となる礼節を見せたらどうです?そしたらこっちもそれなりに対応する。
それが嫌なら台風の中ゲートボールでもやってろ。
(石沢)タツヤ君。
あぁ…んんっ!その今はここしかみんなの居場所がないんです。
狭いし居心地が悪いかもしれないですけど協力してください。
はい!あぁあの俺まだ仕事があるんでいいですか?
(鳴海)あぁ〜。
あなた。
(恭子)シズさ〜ん座ってねっ。
座りましょう。
恭子さんあのシズさんのことなんですけど実は昨日も。
えっ?・家にいてください。
ちょっと消防団員さん雨戸の修理はまだ〜?ですから団員が来ますから家にいてください。
・早くしてよ。
もう〜。
はっなるほどね。
・コンコン!
(ノックの音)今度は何だよ。
はい。
えっ?
(シズ)あなた〜。
いやちょっちょちょ…。
(恭子)さっ入ってシズさん。
シズさんゆうべもこの事務所の前にいたらしくて。
タツヤ君がいないと落ち着きがないの。
ずっと見てるわけにもいかないし悪いんだけど台風の間だけシズさんここにいさしてくれないかな?いや俺仕事が。
だから仕事はしてていい。
台風のことは私たちがやるからそのかわりシズさんのことお願い。
う〜ん。
(石沢)こちらは幸多市消防団です。
大型で強い台風が接近しております。
家の周りを片づけ…。
(マナーモード)はい。
えっ今からですか?わかりました。
すぐにお伺いします。
ちょっと仕事があって。
(シズ)えっ?すぐに戻るんで。
キッチンにお茶があります。
喉が渇いたらそれを。
それ以外は触らないでもらえますか?あの大事なものなんで。
はい。
いってらっしゃいあなた。
もうすぐ出来るからちょっと待っててね。
お客さん前もここ来たことあるよね。
でご用件というのは?
(塩川)いやね改築の件なんだけど新しいアイデアがこうどんどん湧いてきて私なりにこれアレンジしてみたんだよ。
拝見します。
部屋数も減らしたんだ。
半分の50でいい。
えっ?そのかわり部屋はど〜んと広く装飾ももっと豪華にして全部屋ホテルのスイートルームみたいに。
それでこそ高級ってもんでしょ?あの…。
1部屋ごとの単価を上げるんだよ。
ほら見なさい。
最後最後ねっ。
結果利益も倍増。
郊外の金持ちが集う高級老人ホームになるはずだ。
郊外?この辺りにそんな金持ってるような年寄りなんていないよ。
まあ今いる入居者にはどっか別の所に入ってもらってだね。
これが商売ってもんでしょ?慈善事業でやってるんじゃないんだよ。
全てお金利益。
そのため。
(塩川)君だってそうでしょ?はいもちろんです。
(塩川)はははっ。
主人ちょっと仕事があるみたいでもうすぐ帰ってきますよ。
近くに寄ったもので突然すいません。
どうぞおかけになって。
お茶でもいれますよ。
はい。
ほんとに忙しそうだなあいつは。
(シズ)散らかっててごめんなさいね。
大事なものだから触るなって言われてるんです。
えっ?
(シズ)あっあの主人が帰ってくるまで何も触らないでくださいね。
はい。
おかえりなさいあなた。
どうでした?お仕事。
まあ順調ですよ。
そうそれは良かった。
ふぅ〜。
どんな部屋に住みたいです?豪華なスイートルーム広いベッド足元はふかふかなじゅうたん出される食事は一流。
医者と看護師が24時間常駐していて何もかも至れり尽くせり。
例えばそんな部屋?今俺が考えることじゃないか。
ここにあったタブレットは?えっ?あの何か触ったんですか?どうしたんです?あなた。
(シズ)あなたお茶でもいれましょうか?ばあさんなんてことしてくれてんだ。
あっそうださっきお客様が…。
データが消えたんだぞ。
あの…。
何も触るなと言っただろ!あの…あの…。
もういいかげんにしてくれ!あなた。
俺はあんたの旦那でも何でもない!あんたの旦那は死んだんだ!それもわからないのか?はぁ〜。
詰め所にいろ。
じいさんたちが相手にしてくれるはずだ。
ゴロゴロ
(雷の音)
(石沢)もうすぐ直撃する。
上流見回りにいこう。
(等々力)了解!行くぞ!
(松山)よし!はぁ〜良かった。
・ゴロゴロ…はいタツヤエンタープライズです。
意外と冷静だな。
濱田?台風で大忙しじゃなかったのか?消防団員さんは。
何?どうやってあの幸多市を攻略してるのかと思ったらまさかそういう手を使っていたとはなぁ。
どうしてお前が?あぁ〜そうだ。
ばあさんに礼言っといてくれ。
えっ?お茶うまかったよ。
(シズ)そうださっきお5RMMが!D。
あれは…。
はい。
タツヤ君?悪いんだけど土のうの設置作業手伝ってくれないかな?土のう?今からそっちにシズさん迎えにいくから。
えっ?ばあさんなら詰め所に。
シズさんこっちにはいないわよ。
えっ!)
(恭子)だってタツヤ君と一緒にいるんでしょ?もしもし?ねえシズさんは?シズさん!ばあさん!シズさん?シズさん。
家にもいない。
どこに行ったのよ。
ばあさん…。
タツヤ君!シズさんがいなくなった?えっ!?
(等々力)シズさんどこに行ったんでしょう…。
お願いします情報集めてください!全員参集したか?
(白石)参集しました。
よし。
行方不明者がいると十一分団から連絡が入った。
いつでも出動できるよう態勢を整えておけ。
(隊員たち)了解!はぁ…ばあさんどこ行ったんだよ。
(シズ)思い出すわねあなた。
最初のデート。
(シズ)幸ヶ原小屋のそばでず〜っと雨宿りしてた。
えっ土砂?はぁはぁ…。
(シズ)それからはず!Aっとデートはいつもそこ。
南地区か。
(白石)この辺りの道は土砂で塞がれてますよ。
(シズ)またデートしましょう。
(石沢)悪ぃ人手が足りねぇんだ。
行こう。
(松山)あぁ〜でも…。
こっちは任しとけ。
行ってこい。
(石沢)おう頼む。
(松山)お願いします。
(三平)シズさんを助けてくれ。
お願いしますお願いします。
大丈夫。
あぁ〜。
はぁはぁ…。
あなた。
ああ。
さっきは悪かった。
俺…。
お仕事はいいの?そんなことはいい。
帰ろう。
雨宿りしましょ?ねえあなた。
あぁ〜。
大丈夫か?しっかりしろ。
あっ…しっかりしろ。
あぁ〜!あっはぁ…。
あぁ〜…。
あぁ〜!あぁ〜…。
くそ!・
(等々力)タツヤさん!
(松山)大丈夫ですか!?
(石沢)今助けるぞ〜!シズさん見つかった!無事よ!
(老人たち)わぁ〜!
(恭子)わぁ〜!あぁ〜!了解です。
救急隊員も現場直近まで到着しました。
おぉ〜そうか。
はぁ〜良かったうん。
はぁ…。
(石沢)後はよろしくお願いします。
(等々力)お願いします。
・ありがとうございました。
タツヤさんも。
俺は大丈夫です。
それよりどうしてここが?
(石沢)恭子さんに聞いたんだよ。
デートしてた思い出の場所だったんだろ?この先確か土砂が。
皆さんが道を?ははっ間に合って良かったよ。
なっはいあぁ〜。
はい。
あの…。
ありがとうございました。
いや何言ってんのはははっ。
BDDのおかげだよ。
(石沢・松山)ははははっ。
(松山)よっBDD!
(石沢)BDD!はははっ。
BDD。
(石沢・松山)ははははっ。
部屋数を増やす?はい今あるホームの倍の部屋数に。
敷地も広いですし可能なはずです。
いや可能かどうかの話じゃないだろ。
高級路線はどうしたの?何だこれは!部屋も格安になってる。
スイートルームはどうした?確かに利益は下がります。
ですがこれなら今いる入居者の方もそのまま入居できますし更に順番を待っているこの町の他のお年寄りの方にも。
はぁ〜?更に言えば私はこの町を1つのモデルケースとしてより大きく防災に強い町を作れればと。
この町の人々には強いつながりがある。
それを大切にするべきだと私は思ったのです。
長期的な視野で見ればこれはより大きな利益を…。
おたくとはここまでのようですな。
理事長。
話にならんよ!待ってください理事長。
シズさんほんとに無事で良かったです。
タツヤ君のおかげよ。
それに咲良ちゃんもね。
えっ?いや私は何も…。
咲良ちゃんの期待どおり立派なBDDだったもの。
BDD?うん。
何ですか?それ。
ははははっ。
はぁ…。
・
(ドアの開閉音)・
(三平)邪魔するぜ!ちょっと…何なんですか?一体。
(三平)それはこっちのせりふだ。
えっ?見してもらったぜこれ。
それ…どうして?
(三平)健朗園に入ってるのがいてな。
こいつがあんたと理事長の話も全部聞いた。
老人ネットワークナメんなよ。
(三平)何プロジェクトか知らねぇけどあんたこの町のことで何かたくらんでるみたいじゃねぇかえぇ?どうなんだこら。
おぉ?
(三平)頼んだぜ。
えっ?
(三平)あんたシズさんを助けてくれたしな。
これやるよ。
んっ。
これは…。
・「BeBrave」
(三平)俺たち1人暮らしの年寄り全員の土地だ。
あんたに任せる。
好きなように使ってくれ。
(茂吉)あんたの作る老人ホームに俺たちは住みたい。
あんたの作る町に住みたいんだよ。
(三平)俺たちの居場所作ってくれよ。
(榊)えっ?それじゃその土地全部タツヤさんに?それって規模でいえば健朗園よりずっとでかいじゃないですか。
防災に強い町ですか。
(松山)夏祭りですよ夏祭り。
(エリ)あなたが咲良さん。
彼を解放してもらえませんか?
(日比野)Yプロジェクト最終候補地は…。
(エリ)これで面倒な消防団ともお別れか。
夏祭りの日を最後にしたいと思います。
タツヤさん今までほんとにありがとうございました。
このドラマをもう1度見たいあなたにお知らせ。
パソコンやスマートフォンなどでご覧いただけます。
詳しくは番組ホームページまで。
2015/07/28(火) 22:00〜22:54
関西テレビ1
HEAT #04[字][デ]【亡き夫を思う老女を救え!台風直撃の中で、決死の救出】
最終候補地決定まで、あと一週間!
幸多市には大型台風が接近し、急きょ咲良の代わりに分団長を任されたタツヤは対策に追われるが、ライバルの濱田が妨害作戦に…。
詳細情報
番組内容
タツヤ(AKIRA)と濱田(田中圭)が競い合う再開発プロジェクトの最終候補地決定まで、期限は残り一週間。タツヤは日比野(稲垣吾郎)から、これまで勝つことだけにこだわってきたタツヤが「今は少し変わっているように思える」と指摘され、焦りを覚える。そしてエリ(菜々緒)もまた、そんなタツヤの変化に気づいていた。
そんな折、咲良(栗山千明)が入院することになり、第十一分団の分団長代理を任されたタツヤは、近所
番組内容2
に住む老人・蓮見シズ(高林由紀子)に出会う。認知症のシズはタツヤを5年前に亡くした夫と思い込み、そばを離れようとしないばかりか、タツヤが経営コンサルタントと素性を偽って借りた事務所にまで押し掛けてきてしまう。
ひとり暮らしのシズを心配する恭子(堀内敬子)から、大規模な老人ホーム「健朗園」が改築を検討していると知ったタツヤは、さっそく理事長のもとへ。建設予定の大型商業施設にホームを移転させる話を持ち
番組内容3
かける。難なく承諾を取りつけ、新たな土地が手に入ったと喜ぶタツヤ。だが同じ頃、濱田に接触したエリが重要な秘密を伝えていようとは知るよしもなく…。
翌日、幸多市に大型台風が接近。第十一分団は危険な場所の見回りや住民への警告などに追われ、分団長代理を渋々引き受けたタツヤもかり出されるが、期限の迫った再開発プロジェクトに夢中で団の仕事に身が入らない。
そんなとき、タツヤの事務所に不審な無言電話が入り…。
出演者
AKIRA
栗山千明
佐藤隆太
田中圭
菜々緒
工藤阿須加
鈴木伸之
吉沢亮
井出卓也
小芝風花
・
堀内敬子
正名僕蔵
菅原大吉
稲垣吾郎
スタッフ
【脚本】
丑尾健太郎
大浦光太
坪田文
【音楽】
菅野祐悟
【主題歌】
EXILE ATSUSHI + AI 「Be Brave」(rhythm zone)
【演出】
小林義則
佐藤源太
【チーフプロデュース】
笠置高弘
【プロデュース】
萩原崇、豊福陽子(関西テレビ)
岩田祐二、柳川由起子(共同テレビ)
【アソシエイトプロデュース】
重松圭一
【制作】
関西テレビ
【制作著作】
共同テレビ
ご案内
【公式HP】
「これまでのあらすじや次回動画、注目のトピックスはこちらでチェック」
http://www.ktv.jp/heat/
【公式Twitter】
「ここでしか見られない舞台裏や最新情報つぶやいています!」
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#HEAT
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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