めざせ!2020年のパラリンピアン「安西飛呂×朝原宣治」 2015.07.28


パラリンピックをめざす若きアスリートにオリンピアンが本気になってぶつかるドキュメント。
今回のネクストエイジは両目に障害のあるランナー…得意の800mでは日本人選手として初めて1分台の扉をこじあけた。
大きな野心を胸に秘めトレーニングに励む毎日。
しかし今厚い壁が立ちふさがる。
そんな安西に力を貸すのは…日本男子トラック種目で史上初となる銅メダルをもたらした短距離界のパイオニアだ。
いかに速く走るか。
シンプルだからこそ奥は深い。
感覚を極限まで研ぎ澄ましぶつかり合う2人。
その先につかむ一筋の光とは?潮田さんパラリンピックってどんな印象持たれてます?テレビではもちろん見た事あるんですけどその時の衝撃が今でも忘れられなくて…。
本当にすごかったんですよ。
さっきVにもありましたけどすごい走りですよね。
そうですね。
何かちょっとだけ見た感じでは結構突き詰めるととことん行くタイプなのかななんて思ったんですけど…。
今日は負けず嫌いの回ですかね。
そうかもしれないですね。
基本的にねアスリート全般何でこの人たちこんなに負けず嫌いなんだろうっていうぐらい…。
負けず嫌い度を競う大会ぐらいの。
その集まりですからね。
今年高校3年生になった安西。
おはようございます。
ある大会にエントリーしていた。
左目は見えない。
僅かな視力が残る右目でメンバーリストの名前を確認する。
実はこの大会視覚に障害のある選手は安西しかいない。
えっ?健常者の大会だった…。
レース前の心境を尋ねると…。
謙虚。
しかしスタートラインに立つと表情は一変。
障害は関係ない。
(スタートの合図の音)力強いですね。
うん。
見事自己ベストで優勝を飾った。
見られると燃えるタイプ。
ここで安西は父直樹さんと毎日4時間練習に励んでいる。
家に帰ってもフォームをチェック。
陸上の事が頭から離れる事はない。
すっごい細かいね。
細かいですね。
視野が狭いためフォームの全体像を捉える事は難しい。
しかし直樹さんはそれが息子の武器だと言う。
3人兄弟の末っ子の安西。
生まれた時から両目に障害があったが不自由だと感じる事はなかったと言う。
自然の中で鍛えた脚力。
特に持久走で安西に勝てるクラスメートはいなかった。
へえ〜!へえ〜!すごい。
すごいね。
本格的に陸上競技に打ち込み始めたのは15歳の時。
スタミナを武器に中距離種目で頭角を現すと1年後には国際大会にも出場。
そして今年5月視覚障害者の世界大会で800mの日本新記録を樹立した。
速く走るためなら努力を惜しむ事はない。
大学の論文を研究したり時にはパラパラ漫画を参考にしたり…。
常識にもとらわれない。
試行錯誤を重ねながら走りに磨きをかけてきた。
自分でこうやって…。
すごいですね。
すごい!お父様の言葉でちょっとあったのが視野が狭いからこそ集中して観察記憶できるみたいな話もされてましたけどこれすごいあるかもしれないですね。
私たちも試合をしてる時に集中力が分散してくるとやっぱ視野がボワ〜ッて広くなってしまってなかなか戻ってこなくなる時があるんですけどそういう時はあえてガットの中心を見たりとかして一回視野を狭くするんですね。
そういった意味では視野が狭い分集中して見れる部分ってあるのかなっていうのは思いましたね。
実際に安西君の目にはどのように周囲が見えているのか検査の数値を基に再現した映像があるのでちょっと見てみましょう。
え〜!え〜!これは見えないね。
見えないですね。
これで走る。
いざ走れって言われても怖いですよね。
メチャクチャ怖いよね。
その安西君がめざすパラリンピック。
ロンドンパラリンピックの時キャッチコピーが実はあったんです。
「超人に会いに行こう」です。
一緒に?そうです一緒に。
伴走して走ってますよね。
お〜すごい!何で普通にできるんだろう。
うわっすごい。
視覚に障害があるとは思えないですね。
ポイントポイントで見ると絶対に私たち健常者以上の能力があるじゃないですか。
だからまさしく本当に超人っていう言葉がピッタリだなって私は思いましたね。
そんなスーパーヒューマンをめざす安西君。
新たな可能性を求めて挑戦を始めました。
パラリンピックはもちろんオリンピック出場も見据える安西。
しかし世界と戦うためにはまだまだスピードが足りない。
めざすのは加速力の向上。
一時的に短距離に転向しスタートダッシュの練習を始めた。
思うように体が動かない。
すごい体に耳を傾けてるというか…感じがしますね。
そうですね。
がむしゃらに速さを求めるあまりこれまで大事にしてきた走りの感覚を失いかけていた。
もがいてんだ。
そんな悩める安西に力を貸そうと立ち上がったのは…日本人離れした爆発的な加速力を武器に400mリレーで銅メダルを獲得したスプリント界のパイオニアだ。
パラリンピアンとも交流があり刺激を受けているという朝原。
今回の出会いも楽しみにしていた。
長年世界と渡り合ってきた朝原が最も大事にしてきたのは走りの感覚。
感覚をつづった当時のノート。
「骨盤の真ん中でスライドさせるイメージ」。
「重心が前に進んでいる感覚」。
スタートからゴールまでいかに速く体を移動させるか徹底的に追究した。
そしてたどりついたのは限界まで無駄をそぎ落としたシンプルな走りだった。
その感覚を安西にも伝えたい。
しかし朝原が来た事に安西は全く気付かない。
どれくらい見えないのか。
恐る恐る声をかけてみた。
オリンピアンの突然の登場にも全く動じない安西。
朝原は率直な疑問を投げかけた。
難しいんだね共有するのが。
一体どんな世界なのか。
安西の検査データを基に視覚の状態を再現したゴーグルで体感する。
うわっ怖。
怖。
怖い。
いや〜絶対これ難しいよ。
(朝原)視野に委ねるとメチャクチャ怖いです。
非常に動きにくいというかつかみにくいですね。
それだったら…2週間後指導を翌日に控えた朝原を訪ねた。
生まれた時から視覚に障害のある安西にどう向き合うのか。
感覚を伝える事ってそもそも難しい。
打つ感覚とか…って感覚でしかないから。
そうだよね。
しかもその感覚を伝えるだけでも難しいのに見える範囲が限られている安西君を指導するっていうのは俺が私が一回やってみるからこれ見てこのあとやってねっていったような感じでってあるじゃないですか。
でもそれができないからこれどうやって…。
そうですよね。
困りましたね。
相変わらずマイペース。
そのリズムを崩さないように朝原は走る前の基本動作から始める事にした。
求めたのはシンプルな動き。
単純だからこそ課題が明確になると考えていた。
浮かび上がってきたのは上半身のブレ。
特に肩や腕などに無駄な動きがあった。
提案したのは上半身を壁のように固めて進むイメージ。
体に軸を通す感覚だ。
そうそうそう。
もうちょっと上げて徐々に走りましょう。
軸がしっかりすれば地面を蹴った反動をそのまま推進力へと変える事ができるはず。
朝原のねらいだ。
しかしシンプルな感覚だからこそ伝えるのは難しい。
視覚に障害のある安西に手本は示せない。
分かりやすい言葉とボディータッチを繰り返す。
きっかけをつかんでもらおうと次は実戦に近いスタート練習。
一瞬の動きを捉えるためにハイスピードカメラをスタンバイ。
ポイントはやはり体の軸。
そうだね。
俺たちが見てても分かるね。
軸の起点となる腰に手をあてがう。
はいよ〜いゴー。
安西も感覚をつかもうとスタートダッシュを何本も繰り返す。
必死だね安西君も。
手応えをつかんだ朝原。
安西との感覚の差を埋めようと映像で確認する。
(朝原)これ最後のやつね。
最初は体の軸が前に折れ肩は後ろに引っ張られていた。
それに対し指導後は軸がほぼまっすくで肩は固定。
地面の反発を推進力に変える事ができていた。
でも自分でねそれがつかめないと。
求められるものは体現できていた。
しかし肝心の感覚がついてこない。
いや苦しいVTRだね。
本当そうですね。
うん。
はい位置に着いて…。
(朝原)よ〜い。
(スタートの合図の音)
(朝原)お〜イイ感じではあった。
この日の集大成となったスタート。
安西は朝原が伝えたかったシンプルな動きをようやく体と感覚で捉えた。
ただ純粋にシンプルに。
2人で共有した時間の先には新たな世界が広がっている。
最後飛呂君がイイ感じって言った時のうれしさたまんないですね。
本当に走る事が大好きで速く走れる事がもう楽しくてしかたがないっていうのはそれこそ本当一番シンプルな気持ちですよね。
まさに原点。
最初からやっぱり超人だった人はいなくてひたむきにとことん努力できた人がスーパーヒューマンになれるんじゃないかなとは思いますよね。
番組では今後もパラリンピックをめざすネクストエイジを紹介していきます。
お楽しみに!2015/07/28(火) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
めざせ!2020年のパラリンピアン「安西飛呂×朝原宣治」[解][字]

パラリンピックで金メダルを目指す逸材、陸上の安西飛呂(17・視覚障害)。800mの日本記録保持者は五輪銅の朝原宣治と感覚をぶつけあいながら究極の走りを目指す

詳細情報
番組内容
パラリンピックを目指すネクストエイジ、陸上の安西飛呂(17・視覚障害)。競技を本格的に始めてわずか2年ながら、800mで視覚に障害のある日本人として初めて1分台の扉をこじ開けた。すでに世界5位の実力を持つ安西だが、パラリンピックでの金を目指すための課題は前半の加速力。その安西に力を貸すのは、北京五輪銅の朝原宣治。スプリント界のパイオニアは何を伝えるのか。感覚をぶつけあいながら目指す究極の走りとは。
出演者
【司会】北川悠仁,【ゲスト】潮田玲子,【出演】北京五輪リレー銅メダル…朝原宣治,【語り】山上智

ジャンル :
スポーツ – オリンピック・国際大会
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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