澄み渡る青い海。
ここは…常夏の世界はイルカやクジラなど貴重な野生動物の楽園です。
ここで今前代未聞のプロジェクトが進んでいます。
つぶらな瞳に美しい羽毛。
アホウドリは日本の特別天然記念物です。
地球上に4,000羽しかおらず日本でしか繁殖していません。
絶滅の危機に瀕しています。
実はそのほとんどが活火山の島にいます。
いつ大噴火してもおかしくない危険な島です。
そこで安全な島にアホウドリを引っ越しさせて人の手で育て新たな繁殖地を作ろうとしているんです。
この試み世界で誰もやった事がありません。
あ〜吐いちゃった。
プロジェクトは悪戦苦闘の連続です。
せっかく育てたアホウドリに死の危険が迫ります。
ついに今年初めて繁殖の成功が確認されました!小笠原の大自然に新天地を築こうと挑んだ人とアホウドリ。
8年にわたって密着した驚きと感動の記録です!物語は伊豆諸島に浮かぶ活火山の島鳥島から始まります。
絶滅の危機に瀕したアホウドリのおよそ9割がこの島で子育てをしています。
繁殖地を小笠原の島に移すというアホウドリの移住計画が始まったのは2008年1月。
火山噴火の危機から救おうと国が計画。
長年アホウドリを研究してきた山階鳥類研究所が中心となって進めています。
アホウドリ研究歴25年という佐藤文男さん。
鳥島からアホウドリを運び出す責任者です。
まずはアホウドリの様子を偵察に行きます。
うわ〜怖そう!アホウドリはこの断崖の下で繁殖しています。
いました!斜面に点々と張り付いているのがアホウドリです。
10月から4月の半年間鳥島で過ごして子育てをします。
こちらがヒナ。
丸々と太っていますね。
ヒナをかえすのは毎年1羽だけ。
夫婦で協力して大切に育てます。
夫婦は交代で餌を捕りに海に出ます。
アホウドリは翼を広げるとおよそ2メートル半。
北半球最大の海鳥です。
風を捉えて一日に数百キロは優に飛べます。
この優れた飛行能力で半年ごとに場所を変えて暮らしています。
鳥島にいない半年間アホウドリは5,000キロも離れたアラスカ沖にいます。
夏の間飛び回りながらおなかいっぱい食事をとるんです。
そして秋になると鳥島にやって来て子どもを産み育てます。
このサイクルを一生繰り返すんです。
アホウドリは結婚すると一生相手を変えません。
でも夫婦が一緒に過ごすのは鳥島にいる時だけ。
半年ぶりに再会すると仲よく踊りながら絆を確かめ合います。
草と土を丸く積み上げた所が巣。
毎年同じ場所に作ります。
なんと1メートルたりともずれないんですって。
マイホームの場所には相当こだわりがあるんですね。
しかし鳥島は活発な火山の島です。
これまで十数年周期で火山活動が観測されてきました。
もし子育ての最中に一度でも大噴火が起これば火砕流にのみ込まれアホウドリは一気に絶滅してしまいます。
そこで持ち上がったのが移住計画です。
といっても相手は地球規模で移動する渡り鳥。
生態はまだ謎だらけです。
最もデリケートな繁殖地をほかへ移そうなどという試みは誰もやった事がありません。
さあいよいよ引っ越しの日。
連れていくアホウドリをつかまえに出発します。
頼りは命綱だけです。
アホウドリを驚かさないよう慎重に近づきます。
佐藤さんたちヒナを取り囲みました。
引っ越しさせるのはヒナだけです。
アホウドリは育った場所に戻ってくる習性があると考えられています。
そこで幼いヒナを小笠原諸島に引っ越しさせ人の手で育てます。
ヒナは巣立ったあと親と同じようにアラスカ沖へ向かいそこに3〜4年とどまって成長します。
そして結婚年齢を迎えると小笠原に戻ってきて繁殖を始めるはずです。
生まれた子どもも同じように戻って繁殖してくれれば数は自然と増えていくはず。
こうして小笠原に新たな繁殖地を作ろうという壮大なプロジェクトです。
親は一緒に連れていきません。
すぐに鳥島に逃げ帰ってしまうからです。
かわいそうですがヒナだけを10羽連れていきます。
ヒナはまだ骨が発達していないので暴れると骨折してしまいます。
そこで佐藤さん巣の形に近いザルを使う事にしました。
ザルにピッタリはまればヒナが落ち着くと考えたんです。
ヒナが長時間の移動にどこまで耐えられるかさえ未知数です。
なるべく先を急ぎたいんですが大きな箱はとても不安定。
この崖を上がるだけでも大変なのにヒナはちょっと箱に体をぶつけるだけでケガをするおそれがあります。
箱を揺らさないようそ〜っとそ〜っと進みます。
もう一つ気を付けなければならないのは箱の中の温度です。
直射日光を浴びて箱の中が暑くなるとヒナの命に関わります。
出発から2時間。
ようやくヒナを安全な場所に運び出しました。
ここから小笠原諸島まで350キロ。
ヘリコプターで運びます。
幼い10羽にアホウドリの未来が託されました。
もともとアホウドリは沖縄や小笠原など日本国内の島々に数百万羽はいたといわれています。
ところが明治から昭和にかけて羽毛を取るためそのほとんどが取り尽くされてしまいました。
そして1949年。
ついに絶滅したと見なされたんです。
それから2年後。
鳥島で十数羽のアホウドリが奇跡的に生き残っているのが発見されました。
その後長年の保護活動でなんとか4,000羽まで増えました。
でもそれは一度の大噴火で消え去ってしまう危うい回復なんです。
ヒナを乗せたヘリコプターが伊豆諸島の鳥島を出発しておよそ2時間後。
見えてきたのが新天地小笠原諸島の無人島聟島です。
ここは噴火の心配がありません。
昭和9年ごろまでアホウドリが生息していた記録もあり引っ越し先としてはうってつけです。
ここからは飼育チームの出番です。
ヒナが巣立つまでの4か月間総勢10名がキャンプ生活をしながら親の代わりとなって育てます。
飼育チームのリーダーです。
島の北西部に突き出した岬。
この草原でヒナを育てます。
あれ?もうアホウドリ…?いえいえ。
本物そっくりの模型です。
親がいない中ヒナがさみしがらないようにと出口さんが用意したものです。
鳥島から到着したヒナたち。
見慣れない風景に何だかキョトンとしていますね。
ヒナはそのまま草原に放します。
出口さん野生動物としてのたくましさを保つため自然と同じ状態で育てる事にしたんです。
人の手でアホウドリを育てた事は世界でも例がありません。
全てが手探りでのスタートです。
翌朝。
初めてヒナに餌を与えに行きます。
果たして親の代わりを務める事ができるんでしょうか。
水を与えようとすると鋭いクチバシで…。
つつかれました。
とにかく人を怖がって近づいただけで逃げ出してしまいます。
崖の縁まで行ってしまう事もしばしば。
まずはだっこできない事には水も食事も与えられません。
そこでメンバーの一人があるアイデアを思いつきました。
取り出したのは…毛布です。
これで包み込むようにしてみると…。
親のぬくもりを思い出してくれたのか少しおとなしくなってくれました。
苦労の末やっとの事で水を与える事ができました。
(鳴き声)飼育スタッフは電気も水道もない無人島で簡単な食事をとりながら任務に当たります。
一方ヒナの餌は飛び切り新鮮なイカとトビウオです。
親鳥がヒナに与えているものに倣いました。
親鳥は半分消化したものを吐き戻して与えます。
その状態にできるだけ近づけようと餌はミンチにします。
食べやすいようにできる限り軟らかくします。
ミンチにした餌をヒナに与えるために用意したのがこちら。
ケーキ作りでクリームを絞り出す袋です。
ちょっと乱暴そうに見えますがなんとか食べてもらわないとヒナは死んでしまいます。
ミンチにした餌はなかなか袋から出ません。
時間がかかり過ぎてしまいました。
あ〜吐いちゃった。
ヒナは長時間押さえられると吐いてしまうんです。
そこで取り出したのが建築工事で接着剤を押し出す器具。
無人島ですので少しでも使えそうなものをあれこれ持ってきていたんです。
これを使ってみると…。
短時間で餌を与えられるようになりました。
しかし…。
ヒナの体をちょっと傾けただけで失敗。
やはりなかなか本当の親のようにはいきません。
試行錯誤を繰り返す事1か月。
ヒナは魚を丸ごと食べられるまでに成長しました。
なんとかこのまま無事に育ってほしい。
出口さんたちの親心です。
ヒナを育て始めて4か月が過ぎました。
わあ〜!見違えるほど成長しています。
翼も立派になりました!出口さんたちの子育てはここまではうまくいっているようです。
右足にご注目下さい。
番号のついた赤い足輪です。
育てた10羽全てに取り付け見分けられるようにしたんです。
あっ!体が浮きました!ヒナのいる草原は高さ20メートルの崖の上にあります。
ついに巣立ちました!海に出た直後。
波にのまれてしまいました。
大丈夫でしょうか。
ああよかった。
ヒナは海の上で1週間ほど飛ぶ練習を繰り返し少しずつ飛ぶ力を身につけていきます。
飼育を始めて95日。
一羽も失う事なく10羽全員が無事に巣立ちました。
そして飛ぶ力を身につけてはるか北へと旅立っていきました。
人の手で育てたヒナが本当にふるさとに帰ってくるのか。
その結果が出るのは3年以上も先の事です。
アホウドリの巣立ちが終わると小笠原に夏が訪れます。
体長15メートル以上にもなる…うわ〜!ものすごい数。
ハシナガイルカの大群です。
夏の小笠原は国内でクジラやイルカを間近で見られる絶好のスポットなんです。
夏聟島を飛び立ったヒナたちはどうしているでしょうか。
順調ならアラスカ沖へ来ているはずです。
ヒナが聟島を巣立ってから2年後の2010年夏。
私たちはアラスカ沖のベーリング海に向かいました。
信じられない光景です!海面を覆い尽くすのはたくさんの海鳥です。
その数1,000万羽。
この中に聟島を巣立ったヒナもいるかもしれません。
クジラもやって来ました。
生き物たちはこの海で豊かな食べ物をおなかいっぱいとります。
あっ!アホウドリがいました!数の少ないアホウドリにこの広いベーリング海で出会うのはとても珍しい事です。
ほかの生き物たちに交じって食事を始めました。
この海でひたすら食べて体力をつけます。
この時私たちは目を疑うものを見つけました。
赤い足輪にY10の文字。
そうです!聟島で出口さんが苦労して育てたアホウドリです!この広い海でたった10羽しかいないうちの一羽に出会えるなんてまさに奇跡です。
聟島を飛び立ってから丸2年。
5,000キロも離れた北の海で立派に成長していました。
いや〜本当によかった!再び小笠原の聟島です。
1年目の飼育が順調だったため2年目以降は数を増やし毎年15羽ずつヒナを育てています。
最初に育てたヒナの巣立ちから3年がたちました。
早ければ帰ってきてもおかしくない頃です。
ある日の事。
あっ!上空にアホウドリです!着陸しました!黒っぽい羽毛にピンク色のクチバシ。
アホウドリの若鳥です。
あっ赤い足輪が見えます。
Y01の文字。
最初の年に出口さんが育てたオスでした。
5,000キロも離れたアラスカ沖に3年もいた若鳥がふるさとを忘れずに本当に帰ってきてくれたんです。
うれしい事にその後もヒナが続々と帰ってきてくれました。
「マジで!?」と思っちゃう。
本当にちょっと…。
この年帰ってきたヒナの数は全部で7羽。
これは出口さんの予想をはるかに上回りました。
出口さんは最初に帰ってきたこのY01をイチローと名付けて見守る事にしました。
しかし育てたヒナが帰ってきただけで喜んでいる訳にはいきません。
聟島が繁殖地になるためには5つのステップをクリアしなければなりません。
巣立ちをして帰還をすればその後はいよいよ結婚。
そして子どもを産み更に世代を重ねる事ができて初めて繁殖地の完成となるのです。
果たして帰ってきたイチローたちは結婚相手を見つける事ができるんでしょうか。
出口さんまだまだ気を緩める事はできません。
この年の秋。
ご覧下さい。
イチローが早々に恋人を見つけています。
お相手は7歳ぐらいの大人です。
顔が雪のように白いためユキと名付けられました。
ユキには赤い足輪がありません。
ほかの島出身のアホウドリなんです。
研究者によると北の海から聟島に帰ってくる若鳥と出会い引き連れられてやって来た可能性があるといいます。
アホウドリは育った島に帰ると考えられてきましたが必ずしもそうではない事がユキによって明らかになりました。
アホウドリはすぐには結婚しません。
この年はいわば婚約まで。
翌年島に戻ってきてから結ばれるんです。
1年後の2012年秋。
再びイチローとユキが帰ってきてくれれば結婚そして二世が生まれる可能性があります。
私たちは遠隔操作で観察できる特殊なカメラを開発。
イチローとユキが前の年に寄り添っていた所に置きました。
毎年同じ場所に巣を作る習性が彼らにもあるはずだと考えたんです。
名付けて…小笠原初の繁殖の成功に備えました。
それから2週間後。
アホウドリカメラの前に2羽の鳥がいます。
果たして…。
右の鳥の足にはY01の足輪。
イチローです。
よかった。
2羽とも無事に聟島に帰ってきてくれました。
ちゃんと交尾もして晴れて夫婦になりました。
おめでとう!それからしばらくあと。
ユキのおなかの下に丸いものが見えました。
やりました!卵です!出口さんが育てたアホウドリが初めて産卵に成功したんです。
産卵から間もなくイチローが卵を抱きます。
これからヒナがかえるまでの2か月余り夫婦交代で温めます。
産卵を終えたユキは体力を回復するため食事に出ていきました。
それから間もなく。
一羽の若鳥がイチローに近づいてきました。
Y11の足輪。
イチローの翌年に出口さんが育てたメスです!Y11はイチローに興味深々。
どうやら気があるようです。
ところが追い払われてしまいました。
一度夫婦になると一生相手を変えないアホウドリ。
イチローは言い寄るY11には目もくれずしっかりと卵を守る役割を果たしています。
それから2週間後。
卵を抱くイチローと交代するためにユキが戻ってきた時の事です。
予想外の事態が起こりました。
ユキが体を擦り寄せて交代を促すと…。
なんとイチローがかみついたんです。
夫からの突然の攻撃にユキはぼう然としています。
まさかの交代拒否。
イチローの若さが原因だと出口さんは考えました。
夫婦交代で卵を守るという基本的な習性がまだ身についていないというんです。
これは危機的な状況です。
いずれイチローは空腹で我慢ができなくなるはずです。
その時巣を離れると卵は冷えて死んでしまうからです。
その後もイチローは飲まず食わずで1か月以上も卵を抱き続けました。
雨の日。
ついに倒れ込んでしまいました。
それでも必死に巣の壁を押し固めています。
卵が雨水につからないようにしているんです。
イチローは頑張っているつもりですが気持ちだけが空回り。
1羽では決して子育てはできません。
突然クチバシを開け閉めし始めました。
こうして雨水を飲みせめて喉の渇きを癒やそうとしているんです。
ヒナがかえる予定日までとうとうイチローはユキと交代しませんでした。
出口さん。
ついに行動に出ます。
このままだとイチローの命が危ういためイチローから卵を取って人の手でふ化させる決断をしたんです。
えっ?未受精卵?意外な事に卵は受精していませんでした。
ちゃんと交尾までしていたのになぜなんでしょうか。
卵はもととなる卵細胞がメスの体内で少しずつ大きくなって出来ていきます。
大きくなり始めた頃に精子と出会うと受精します。
しかし今回イチローはユキよりも2週間も遅れて帰ってきました。
そのため交尾のタイミングも遅れました。
この時卵は殻が出来るほど大きくなっていたため受精しなかったと考えられます。
命をつなぐ野生の営みは人間の思いどおりにはいきません。
小笠原初の二世の誕生は翌年以降にお預けです。
移住計画が始まって6年目を迎えた2013年。
イチロー夫婦は2度目の繁殖シーズンも無事に帰ってきてくれました。
しかもイチローの帰りは前の年より1週間も早かったんです。
産卵にも無事成功。
今度こそ受精している可能性が高まりました。
問題はイチローがユキと交代で卵を守れるかどうかです。
あっ!イチローが立ち上がりました。
ユキに卵を託します。
夫婦で協力して卵を守る行動がちゃんと身についていたんです!ところが…。
卵を調べてみるとまたしても未受精卵と分かりました。
イチローの帰りが早まったとはいえ今回も交尾のタイミングが遅すぎたようです。
しかし出口さん。
前の年よりもイチローの帰りが早くなった事で次の年こそうまくいくのではないかと期待しています。
イチロー夫婦はいつも仲よし。
また次の年頑張って!そして迎えた去年の秋。
夫婦はまた戻ってきました。
イチローは6歳。
親として必要な習性は全て身についたはずです。
イチロー夫婦は今回も産卵に成功しました。
悲願の二世誕生はなるんでしょうか。
実はこのころイチロー夫婦は出口さんの期待を一心に背負う存在になっていました。
このプロジェクトでは最初の年に10羽を育てその後4年にわたり毎年15羽ずつ合計70羽のヒナを育てました。
聟島へ帰ってくる数は年々増えると期待されましたが前の年3羽に激減したんです。
更にユキが聟島にやって来たのとは逆に鳥島に行ってしまったものが13羽もいました。
出口さんはイチロー夫婦の二世誕生をすがるような思いで待っていました。
さあそろそろヒナが生まれる頃です。
イチロー夫婦は相変わらず仲よく寄り添っています。
でも…。
あれ?巣とは全然違う場所にいます。
卵を抱く最中に両親ともに巣を離れる事はありえません。
出口さん巣の様子を確かめに行きました。
なんと卵が割れています!どうやら誤って踏んでしまったようです。
こんなに仲がいいのに残念…。
またしてもヒナの誕生はなりませんでした。
さすがの出口さんもがっくりです。
そこへビッグニュースが飛び込んできました。
なんと出口さんが育てたアホウドリが別の所でヒナを誕生させていたんです!場所は聟島のすぐ隣の媒島です。
こちらが誕生したヒナの映像です。
ヒナが生まれたのは去年でした。
地元小笠原の研究者たちが別の鳥の調査中右側のヒナがアホウドリのヒナである事を発見したんです。
しかし親鳥は北の海へと飛び去ったあとだったためこのヒナの親が誰なのか結論は今年に持ち越されていました。
毎年決まった所に巣を作るアホウドリの習性からすると今年親は同じ場所に帰ってくるはずです。
今年。
前の年にヒナを発見した所に行ってみると…。
いましたいました!アホウドリが2羽。
ヒナの親に間違いありません。
その足元には…Y11の足輪。
聟島で出口さんが育てたアホウドリです。
Y11といえば覚えていますか?2012年。
イチローに近づいて振られたあのメスだったんです。
更に落ちていた羽根の遺伝子を調べたところ父親は鳥島出身である事も分かりました。
再び聟島のイチロー夫婦です。
3年連続で繁殖は失敗に終わってしまいましたが新たな希望ももたらしています。
夫婦のそばに鳥島出身の若いアホウドリがよく来るようになったんです。
聟島でヒナをかえそうとするイチロー夫婦の姿が上空を通る鳥島のアホウドリを引き付けているようです。
こうして飛来する鳥が増えれば小笠原が新しいアホウドリの楽園となる日もやって来るはずです。
(鳴き声)世界初のアホウドリ移住計画。
8年にも及ぶ挑戦で見えてきたのは人間の想像をはるかに超えた自然のたくましさでした。
絶滅の縁から復活へ。
世界に例のない移住計画によってアホウドリは小笠原で大きな一歩を踏み出しました。
いつの日かここ小笠原からたくさんのアホウドリが誕生しかつてのように日本の島々を飛び回る日が来るかもしれません。
2015/07/29(水) 00:10〜01:00
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル「小笠原の海にはばたけ〜アホウドリ移住計画〜」[字][再]
特別天然記念物アホウドリ。噴火による絶滅から守ろうと、安全な島にヒナを移住させ、新たな繁殖地を作る計画が進んでいる。念願の2世誕生まで8年、世界初の挑戦に密着。
詳細情報
番組内容
特別天然記念物アホウドリ。日本でしか繁殖しない希少な渡り鳥だ。噴火による絶滅の危機から救おうと、前代未聞の計画が進んでいる。火山島の伊豆諸島・鳥島から、安全な小笠原の聟(むこ)島へヒナを引越しさせ人の手で飼育。そこに新たな繁殖地を作ろうというものだ。前例のない試みは全てが手探り。たび重なる悪戦苦闘の末、ついに2世誕生が確認された。人とアホウドリの挑戦を8年にわたり密着。波乱万丈の命のドラマを描く。
出演者
【語り】風吹ジュン
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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