よろず占い処 陰陽屋へようこそ #03 2015.07.29


(槙原)久しぶりだな。
ふふっ会いたかったぜヨシアキ〜!
(沢崎瞬太)ヨシアキ?
(槙原)えっ?どういうことだよ祥明。
(安倍祥明)俺の本名だ。
安倍祥明と書いて祥明と読む。
えぇ〜本名だったのかよ。
(槙原)かれこれ5年ぶりぐらいか。
心配してずっと捜してたんだぞ。
でも元気そうで良かった。
(江美子)あの〜あなたは?あぁ槙原秀行です。
国立の実家がヨシアキの家の隣でこいつとは幼なじみなんです。
(6人)えぇ〜?俺はお前のこと幼なじみだなんて思ったこともないけどな。
ははははっ相変わらず冷たいな〜。
お坊ちゃま育ちで本ばっかし読んでたお前に昔柔道を教えてやったのを忘れたのか?祥明ってお坊ちゃまだったの?ああもともとこいつの家は代々…。
秀行!えっ?ちょっと来い。
(槙原)何だよ?
(槙原)何だよおい。
(みどり)へぇ〜陰陽屋さんって国立のお坊ちゃまだったんだ。
やっぱりね〜どこか品があると思ってたのよ。
そうかな?外面はいいけど性根は腐ってるからなあいつ。
でもどうしてわざわざ王子でお店出したりしたのかしら。
さあ。
おとうさんご飯。
おとうさん。
(沢崎)あぁごめん。
今ちょっと手が離せないからさ先食べてて。
母さんいいの?最近ずっとプラモデルばっかじゃん。
(みどり)うん…まあなかなかお仕事も決まらないみたいだし今はしかたないわよ。
あっ食べよっか。
うん。
(みどり)は〜いいただきます。
(佐伯)只野先生のクラスの沢崎瞬太君のことなんですが陰陽屋というお店でアルバイトしているそうですね。
(只野路子)はあ。
まあ高校生ですしアルバイトくらいは。
でもその陰陽屋というお店は女性客を相手にした占いのお店で店長は元ホストだそうですね。
はい。
確かに。
一度確認してきてもらえますか?えっ?そのお店での仕事が生徒にふさわしいのかどうか只野先生のその目で確認してきてみてください。
はい。
というわけで陰陽屋の業務内容を私が見極めることになりました。
もしぼったくりのいんちき占い店であれば瞬太君のバイトは認めることができなくなりますのであしからず。
えっ?それは受け入れられないな。
雑用係がいなくなると面倒が増える。
まさか雑用係とかいってこき使ってるんじゃ?まあ割と人使いは荒いけど。
はっは〜んわかった!瞬太君が授業中いっつも居眠りばっかりしちゃうのはそれが原因だったのね?あっ…いやそれは。
うん?そもそも先生の授業できつね君が爆睡してしまうのは授業が面白くないからじゃないのか?何ですって?私はあなたと違って熱意と誠意を持ってきちんとした授業をしています!どうせ白いチョークばかり使って難しい化学式をずらずらと書いてるだけだろ?板書の色使いぐらい工夫したらどうだ?何を根拠に?白ばっか。
退屈な授業をして給料をもらってるほうがよっぽど俺はぼったくりだと思うけどね。
祥明もうやめろ!先生の授業は退屈じゃない。
瞬太君…。
俺は退屈だと思う前にもう寝てんだよ。
とにかくあなたみたいな人に生徒は任せられません。
瞬太君行こう!でも…。
あっ!
(槙原)あぁ…。
大丈夫ですか?あぁすいません。
(槙原)おうヨシアキ。
何だ?もう来るなと言っただろ。
ヨシアキ?
(槙原)あの〜あなたは?俺の担任の只野路子先生。
あぁ…。
先生この人は祥明の幼なじみの槙原さん。
こんにちは…。
あれ?もしかしてヨシアキが何か失礼なことでも言いましたか?こいつ昔から口は悪いんですけど根っこはそんなに悪いやつじゃないんで許してやってください。
優しいんですね。
あの人と違って。
えっ?どうしたの?あぁ…いや。
女の人からヨシアキと比べて褒められたことなんて初めてだったもんですから。
で?そちらの女性は?
(槙原)あぁ彼女宮内夏央さん。
バイト先の後輩なんだ。
(夏央)はじめまして。
(槙原)彼女今大変なことになってるらしくて相談に乗ってあげてくれないかなと思って。
夏央さん陰陽屋へようこそ。
私はこの店のあるじで安倍祥明と申します。
どうぞこちらへ。
完全にホストじゃない。
それではご相談の内容をお聞かせ願えますか?捜してほしいんです。
祖母の遺言状を。
遺言状。

(夏央)ひとつきほど前祖母が病気で亡くなったんです。
群馬の山奥なんですけど裏山とか畑とか広い土地を持っていてそれで遺産相続のために親族が集められました。
弁護士さんがおばあちゃんの遺言状を預かっていたんです。
(回想弁護士)ではこれより|!森田喜美代様の遺言をお伝えいたします。
(弁護士)「子供達へ本当の遺言状は私の一番大切なモノの中にしまってあります」。
「探して下さい。
本物の遺言状を探し出せた親族に全財産を譲ります」。
「但しもしも私の死後十月二十七日の午後五時迄に誰も遺言状を見付けられなかったら遺産は全て慈善団体に寄付します」。
(夏央)まさかの展開でした。
でもこれで全員に遺産を独占するチャンスが巡ってきたんです。
その日以来親族総出で遺言状捜しが始まりました。
(伸郎)どけ!*
(麻子)お7;ちゃん。
(律子)あんたKvっ;Rなんだからね0zっ9 ̄んでなさいよ!*
(夏央)でもまだ見つからないんです。
期限は今度の日曜までです。
その日の17時までに遺言状が見つからなかったら…。
遺産が寄付されて多少は世界が平和になるかもしれませんね。
(夏央)おばあちゃんの遺産を欲しがるなんて褒められたことじゃないのはわかってます。
でも私の母は末っ子で上の4人からいろいろ言われて心労で倒れてしまって…。
あんな人たちに遺産を取られるかもしれないと思ったら私何だか悔しくて。
お願いします。
一緒に群馬に行って遺言状を捜してもらえませんか?私より私立探偵にでも依頼なさったほうが良いのでは?
(夏央)探偵は伯父さんたちが雇いました。
でも見つからなかったんです。
それで槙原さんが。
(槙原)頼むお前なら何とか力になれんだろ。
お断りします。
できない仕事を引き受けるわけにはいきません。
遺産は1億円はあるはずです。
もし見つけてくれたらそれなりの謝礼もお支払いできるんですけど。
ほうほうほうそうですね。
うせもの捜しは昔から陰陽師の仕事でしたし。
何とかお力になれるかもしれません。
本当ですか?はぁ〜。
わかりました群馬へ参りましょう。
ありがとうございます。
あぁ〜!何なのよあの元ホスト。
ここにいるぞ。
(内藤)おいあいつに何かやったのか?べつに何も。
べつに何もとか言ってるあなたの存在自体がやなんです。
ていうか何であなたもいるんですか?いやそれは只野先生がこちらにお住まいだと聞きまして。
住んでるから何なんです?いやそれは…しゃ!
(江美子)あのTシャツ男路子先生にほの字ってやつ?
(高坂)ですね。
(千鶴)いいのかい?源さん。
大事な孫を取られちゃっても。
(槙原)すいません先生と同じ油揚げ頂けますか?先生とおそろいみたいな。
はははっ。
ほらよっ。
(槙原)あぁどうも。
にら?だけ?風呂。
ふふ…風呂?源次郎さんビールお代わりいいですか?
(内藤)おう。
はいよ。
ありがとうございます。
源次郎さんはどう思います?さっきの遺言状の話。
えっ?まあ大切なものってのはえてしてものじゃねぇことが多いからな。
じゃあどこに隠したんですかね?そいつはわからねぇがう〜ん…わざわざ隠したってことは見つけてほしいってことだろ?はぁ〜あ。
どうした?柄にもなくため息なんてよ。
私ってさ教師に向いてないのかな?えっ?面白い授業はできないし生徒は寝ちゃうし。
やっぱりひとに教えるより自分で研究してるほうが向いてるのかも。
さあ…。
でもよ大学で研究ばかりやっていた頃よりがむしゃらに走り回ってひととぶつかり合っている今のお前のほうが俺は好きだけどな。
おじいちゃん。
・先生!路子先生!日曜日先生も群馬に来なよ。
どうせ暇なんだろ?失礼な。
私だって休日ぐらい誰かと…。
きつね君の仕事ぶり見るんだろ?あっついでに車の運転頼む。
免許持ってるみたいだし。
えっ何でそのこと…。
さっき源次郎さんに聞いた。
じゃよろしく。
あっいやちょっとあっ…。

(岡島)はぁ〜デートしてぇ〜!口紅ってさいくらぐらいするのかな?
(史尋)口紅?
(岡島)えっ?沢崎お前まさか…。
くんくんくん!くんくん!おっ。
おっ。

(一同)三井さん。
(岡島)お前まさか三井さんにプレゼントするんじゃ…。
違うよ母さんだよ。
マザコンかよ。
誕生日か何か?ううん結婚記念日。
はぁ?何で親の結婚記念日子供が祝うんだよ。
うち父さんが失業中で母さんが仕事に行ってるだろ。
毎日一生懸命口紅を筆でほじって塗ってんだよね。
でもお金がな〜。
そうだ1億円があった!
(みどり)ないねぇ。
(みどり)じゃあいってきま〜す。
今日は夜には戻るから。
(沢崎)う…うん。
何で私が…。
(夏央)陰陽屋さん遠くまでありがとうございます。
夏央さんのためならどこへでも。
寝てただけのくせに。
随分と立派な家ですね。
おじいちゃんは早くに亡くなっておばあちゃんはみんなが出ていったあとここで1人で野菜や果物を作りながら暮らしてたんです。
こんな山奥に1人で…。
寂しかったろうね。
みんなおばあちゃんのことなんてほったらかしでここ数年間誰も帰ってなかったんですけど1カ月前に病気で倒れて遺産目当てで急に集まりだして。
ひどい。
私もその1人なんでひとのこと言えないんですけど…。
今日も最終日なのでみんな必死に遺言状を捜してます。
(芳郎)夏央ちゃんそいつらは誰だい?こちらは陰陽師の安倍祥明さんです。

(市子)まあ!陰陽師ですって!
(律子)神頼みならぬ陰陽師頼みってこと?
(芳郎)そこまで金が欲しいかね。
(伸郎)まっいいさ。
お手並み拝見さしていただこうじゃないか。
ボーンボーン…何だよこれ。
(夏央)ここ1カ月間伯父さんと伯母さんたちが捜し回って…。
おばあちゃんの家だったのにひどいね。
夏央さんあんな人たちに遺産を譲る必要なんてないですよ。
私たちで絶対見つけましょうねっ!そうだよ俺も協力する。
ありがとうございます。
でもどうしようどこから手ぇ付ければいいんだ?何か見落としてるものがあるはずよ。
もしかしたらこの数字何か意味があるのかもしれない。
そうかな?全ての現象には理由があるの。
素数…これ全部素数だわ!もしかしたら素因数分解を使ったRSA暗号かもしれない。
解ける私なら解ける。
化学でこの謎を解いてみせる!こんなシーンどっかで見たことある。
それ全部大安だろ。
大体80過ぎたばあさんが難しい暗号なんて知ってるわけないだろう。
闇雲に捜しても間に合いません。
注目すべきはおばあ様の残した言葉です。
本物の遺言状は一番大切なものにしまってある。
そう書いてあったんですよね?ええ。
蔵だ。
80過ぎのおばあさんなら一番大事なものは蔵に隠しておくはずです。
行きましょう!はい。
化学関係ないじゃん。
放っておけ。
手分けして捜したほうが効率的だ。
(明美)あぁ〜そうね〜うんうんお大事にね。
あぁ〜どうしよ。
(みどり)どうしたんですか?今アキちゃんからでね食あたりでどうしても夜勤出られないって。
生卵だって生卵。
(みどり)あぁ…じゃあ私残りますよ。
何言ってんの。
みどりさん今日結婚記念日って言ってたじゃない。
(みどり)いいですよそんなの。
(明美)だめよそういうのは大事にしなくちゃ。
なあ祥明。
俺が遺言状見つけたらさボーナスくれないか?母さんに口紅買ってあげたいんだけど。
いいだろうお前が見つけたらな。
本当か?よ〜し絶対俺が見つけてみせる!
(律子)ここにはないわよ。
あっグラスなら私が。
えっ?どうぞ。
あっ。
はぁ〜な…何よ。
1つ教えていただきたいのですがこれは?
(律子)あぁ〜これは多分子供の頃使った誕生日ケーキのろうそくね。
兄弟が5人もいたからしょっちゅうお祝いしてたし使い回したんでしょ。
ご兄弟そろってお祝いとは随分仲が良かったんですね。
そんなことはないわよ。
(伸郎)これも!Aらい!*お7;ちゃんずるいぞ!*
(律子)いつも買っていたバースデーケーキのいちごが6個だったから5人兄弟で必ず取り合いのけんかになってたわ。
昔からみんながめつくて仲悪かったのよ。
どうした?きつね君。
先生が。
えっ?・誰か〜助けてくださ〜い!・誰か〜!お願い開けて〜。
先生大丈夫?あぁ〜良かった!これが挟まってたんだ。
誰がこんなこと。
(伸郎)あぁ〜あ。
陰陽師なんて呼んだもんだから母のたたりにでも遭ったんじゃないかい?
(芳郎)そうそうけがする前に帰ったほうがいいよふふふっ。
いい大人が…恥ずかしくないんですか?実に大人らしい行動じゃないか。
貪欲であさましく平気でうそをつく。
それが真の大人というものだ。
何とかしろよ祥明。
こんなやつらに遺産渡したくないだろう!
(律子)あら何かやってくれるのかしら?
(市子)見せてもらいましょうよ陰陽師の力。
わかりました。
では口寄せで直接亡くなった喜美代さんに遺言状の隠し場所を伺ってまいりましょう。
(一同)口寄せ?古来より行なわれている呪術ですよ。
死者の霊魂を自らにひょういさせることによって亡くなった方の意思を知ることができる。
皆さんが捜している遺言状のありかも直接喜美代さんに聞けばいいというわけです。
(市子)そんなことできるわけないじゃないの!
(律子)そうよやれるもんならやってみなさいよ。
その前に身を清めなければなりません。
(伸郎)身を清めるって…。
近くの温泉にでも行ってまいります。
車借りるよ。
えっ免許持ってたんですか?おや?なぜこんなものが…。
(律子)キャットフード?はっ!そうか…猫だわ。
おばあさんは猫を飼ってたんだわ。
孤独なおばあさんは猫が唯一の家族だった。
つまり一番大切なものは猫よ。
そういえば赤い首輪をした猫を何度か見ました。
猫ちゃん出ておいで〜。
猫ちゃ〜ん。
くんくんくん!猫ちゃん出ておいで〜。
こっちだ猫のにおいがする。
・ニャ〜!
(夏央)あっいた!あっ。
あっ。
あっ。
(伸郎)あっいた!
(市子)待ちなさいよ!
(芳郎)邪魔だよ!
(市子)あぁ〜もうちょっと!猫ちゃ〜ん!こっちこっち。
ニャ〜!!
(芳郎)痛てててっ!ニャ〜オ!俺が捕まえたぞ〜!ニャ〜!あっ…。
やった!これが本物の遺言状。
遺産は俺が…。
(市子)何よそれ。
迷い猫になったときの連絡先じゃない。
ボーン…
(芳郎)はぁ…何なんだこのむなしさは。
(律子)そういえばあの陰陽師遅いわね。
逃げたんじゃないの?
(市子)ちょっとあなた連れてきなさいよ!あっ…。
(市子)早く!はい!はぁはぁはぁ…。
何で私がこんな目に。
はぁはぁ…。
・いらっしゃ〜い。
あぁ…。
えっ…混浴?失礼いたしま〜す。
・ヤヨイさんは随分恋多き人生だったようですね。
(ヤヨイ)何言ってんだいやだよあんた〜。
ちょっと何やってるんですか?ご覧のとおりお清めの儀式を。
仕事サボってるだけでしょ。
早く戻りますよ。
ここにいるお嬢様たちに聞いたところ昔喜美代さんは子供たちとどこかにタイムカプセルを埋めたそうだ。
えっ?タイムカプセル?うん。
じゃあもしかしたらその中に遺言状が?早く戻って伝えろ。
時間がないから協力して捜せよ。
わっわかりました!はぁはぁはぁ…。
車取り返せば良かった。
(伸郎)タイムカプセルだと?・ボーンボーンボーンあぁ〜時間がない。
(律子)確かどっかの木の下に埋めたんじゃ…。
(伸郎)あぁ〜行くよ!おっ?
(芳郎)はぁはぁ…よいしょっ…。
やった〜!あっ!
(伸郎)あぁ〜!
(芳郎)あっちょっとやめろよ!やめろよ!
(芳郎)あれ?あれ?ないじゃん。
(芳郎)何がタイムカプセルだよ。
(律子)こんな泥だらけになって。
(伸郎)あんたのせいでまた無駄骨だ!私?早くあのいんちき陰陽師連れてらっしゃいよ!早く〜!はい。
はぁはぁはぁ…。
あっ。
こ…こんなとこで何やってんですか?遺言状捜しに疲れたので甘いものを。
はぁ…みんなあなたの指示で頑張ってるんですよ。
もう時間がありません戻りましょ。
無駄だ。
今から行ってももう間に合わない。
はぁ…信じらんない。
いいかげんで無責任でちゃらんぽらんでめんどくさがり屋で自分では何にもやんない。
悪口また増えたな。
やっぱりあなた最低ですね。
もう勝手にしてください!路子さん花束です。
見ればわかるか。
これ僕の気持ちです!あっ…。
あっこれは…。
(槙原)あっおじい様。
只野先生は?・
(戸の開閉音)
(珠希)路子さんならいませんよ。
えっ?陰陽屋さんと出かけました。
いやでもあいつは今日群馬で仕事じゃ…。
そうらしいですね。
陰陽師の仕事に教師の路子さんがついていくなんておかしいと思いません?まさかあの2人は…う〜ん!あぁ〜!はぁはぁはぁ…。
祥明は?
(夏央)そんな…。
あんな人に頼るより自分たちで頑張りましょう。
(律子)よっ!
(伸郎)てやっ!あぁ〜。
くんくん!くんくん!くんくん!ボーンボーン…あぁ…。
(伸郎)終わった〜。
(律子)何だったのよこの1カ月は。
いや〜すみません遅くなりました。
陰陽屋さんこんな時間まで何してたんですか?口寄せの儀式ですよ。
亡くなった喜美代さんに遺言状のありかを聞いていました。
何のんきなこと言ってんだ!もう時間切れだよ。
ケーキを買っていたら遅くなってしまってね。
皆さんお疲れでしょう。
いかがですか?甘いものでも。
(伸郎)ばかにしてんのか!
(律子)何が口寄せよ!何もできないくせに!温泉に入ったり甘いもの食べたり結局あなたは遺言状なんて捜すつもりなんてなかったんですね!
(市子)弁護士さん。
こんにちは皆さんおそろいですね。
(芳郎)わかってますよ。
私たちは誰も遺言状を見つけることはできなかった。
母の財産は寄付されるんでしょ。
いえ私が確認したところ遺言状は既に誰かに発見されていました。
(4人)えっ?
(伸郎)誰だよ?誰が見つけたんだよ!もしかしたら夏央ちゃん?違います。
兄さんでしょ。
俺じゃねぇよ。
(伸郎)誰だ!遺言状を持ってるの!いいかげん白状しろ!私ですけど何か?
(弁護士)ちょっといいですか?間違いありません本物の遺言状です。
えっ?どうして?言ったじゃないですか。
喜美代さんに聞いたと。
(律子)そんな〜。
(市子)まさか本当にお母さんと話したの?ほうほうほうこれはこれは。
(伸郎)な…何だよ。
喜美代さんがたいへんご立腹でしたのでもしやと思いましたがいやはやこれまでとは。
喜美代さんは一族郎党呪いまくってますよ。
(市子)はぁ…ばかなこと言ってんじゃないわよ。
(芳郎)その遺言状はどこにあったんです?
(伸郎)どこにあったんだ!言え!いいんですかね?そんな口のきき方で。
あん?この遺言状は私が見つけたのですよ。
つまり誰に遺言状を託すかは私の自由ということですよね?えっじゃあ遺産の行方は…。
祥明が握ってるってこと?
(律子)ははははっまあすいませんうちのばかな兄が失礼なことを。
うふふふっ。
(市子)あの〜どこにあったのか教えていただければ。
ケーキ屋さんです。
(市子)ケーキ屋さん?ケーキ屋?忘れたんですか?今日が喜美代さんの誕生日だってこと。
(律子)あぁ…。
(市子)そういえば…。
お金に目がくらみ欲望に取りつかれ大切なお母さんの誕生日を忘れるとは呪われてるとしか言いようがありませんね。
誰も遺産を受け取る権利はありません。
(芳郎・伸郎・律子・市子)えっ?遺言状にはこう記されていました。
「私の誕生日を祝ってくれたあなたに全ての遺産を譲ります」と。
(伸郎)どういうことだ?
(弁護士)喜美代さんは自分のために誕生日ケーキを買いにきてくれる人がいたらこれを渡すようにと村の洋菓子店に遺言状を託されていたのです。
(市子・律子・伸郎・芳郎)はぁ?長年5人の子供たちから見放されていた喜美代さんは誕生日の今日遺言状捜しよりも自分のことを気にかけてくれた子供に遺産を残そうと決めたのでしょう。
子供たちと誕生日ケーキを食べた記憶は彼女にとって宝物だったのでしょうね。
つまり喜美代さんは一番大切な思い出の中に遺言状を隠しておいたのですよ。
(夏央)さっきタイムカプセルの中にもこれがありました。
(律子)あぁ…。
(伸郎)そういえばいちごが6個で残り1つを狙って5人でよくけんかしたな。
(喜美代)ほ!Aら0l8}ずつCgNIくJ,けなさい。
(律子・芳郎)やった!A。
(喜美代)麻子はお母さん取ってあげようね。
はいはいはい。
はいどうぞ〜。
(律子)おJlさんは?)べないの!)
(喜美代)おJlさんいいからみんなでお?)べ。
いつかあんたたちが大人になったらおなかいっぱい食べさせてね。
(市子・律子)うん。
(麻子・伸郎・芳郎)うん!*うん。
食べなさいほら。
愚かな子供たちに遺産をどうしてほしかったのか私の想像どおりならば喜美代さんはこの誕生日ケーキに最後のメッセージを残してると思いますよ。
(律子)最後のメッセージ?どうぞお確かめください。

(夏央)いちごの数。
どうやら呪いは解けたようですね。
このメッセージを受け取ったあなた方がどうされるかは…。
お任せいたします。

(伸郎)とりあえず片づけるか。
(律子)そうね。
お母さんきれい好きだったから。
(夏央)私も手伝うね。
(市子)うん。
(伸郎)どっから片づけっかな。
ふっ。
また寝てるし。
あぁ〜あ。
俺遺言状見つけらんなかったな。
どうしたの?実は今日両親の結婚記念日でさ。
遺言状見つけたらボーナスもらって母さんにプレゼント買おうと思ってたんだ。
そっか。
あっじゃあケーキ買って帰ろうよ。
先生のおごり。
(店員)こんな感じで。
うんOK。
(店員)はい。
でも喜美代さんいちごを5つにするなんて粋だよね。
ねぇ〜。
みんなで平等に分けろだなんてすてきなメッセージよね。
(店員)あぁ〜それなら占い師さんに言われて。
えっ?もともと6個だったんですけど占い師さんに5つにしてくれって言われてそうしたんですよ。

(内藤)こりゃいい下仁田ねぎだな。
ちょうど村の市場で売ってたのでお土産に。
ほんとに観光を楽しんでたんですね。
ああいい村だった。
はぁ〜。
でもどうやって遺言状の場所わかったんですか?言っただろ?喜美代さんの声を聞いたって。
えっまさか陰陽屋さんほんとにそんなことが?喜美代さんの声は本人からじゃなくても聞けるだろ?これって…。
あの温泉施設の回数券さ。
家にあったから喜美代さんが通ってたと思ったんだ。
行ってみたら案の定友達がいろいろ教えてくれたよ。
喜美ちゃんほんとに怒ってたよね。
子供たちがちっとも会いにこないって。
それはひどい話ですね。
それで遺言状を隠したんだって。
まあおちゃめな人だったから子供たちに最後のなぞなぞを残したのかもしれないね。
そこでケーキ屋に遺言状が隠してあることを聞いたんだ。
でも勝手に遺言状持ってきちゃまずかったんじゃないですか?もちろん時間ぎりぎりまで待ったよ。
でも誰も来なかったから俺が遺言状を手に入れたってわけさ。
すみません。
(店員)はい。
森田喜美代さんのバースデーケーキを注文できますか?あぁ〜良かった〜。
いやこのまま誰も取りにこなかったらどうしようと思ってたんですよ。
ありがとうございます。
あっそのケーキいちごは5つにしてもらえますか?
(店員)あっはい。
それって喜美代さんの遺志に反することですよね。
そもそも誰も誕生日に気付かなかったんですから遺言状を渡す必要なんてなかったんじゃないですか?死んだ人間の気持ちばかり大事にして何になる?大切なのは残された人間だろ。
あの遺言状によって兄弟が悔い改めるならそれでいいんじゃないか?まあそうですけど。
きっと亡くなった喜美代さんも喜んでるはずさ。
だってあの遺言状の意味は大切な思い出を忘れないでほしいってことなんだから。
ねぇ源次郎さん。
(内藤)まっ親ってものはないくつになっても子供に苦労させられるもんよ。
ふっ。
自分は娘と縁切ってるくせに。
うるせぇ。
あぁ〜瞬太君のお母さん喜んでくれたかな。
瞬太がどうした?今日ご両親の結婚記念日なんだって。
あの家は心配いらねぇ。
ほっよっ。
おぉ〜うまそう。
いただきます。
うっめぇ〜!はははっ。
路子お前ここ何か付いてるぞ。
えっ?何?虫?えっちょっと…ちょっと取ってくださいよ。
どれ?あのな…。
あぁおぉ〜うわっ。
気持ち悪ぃ。
えぇ〜!取ってください!早く!早く!早く!ちょっと待って動くな動くな。
ちょっと取ってます?真剣に。
うん取った。
1個取った。
2個あるんですか?・早く。
もうちゃんと取ってください!早く!取る取る取る。
あれ?どこ行った?・えっ?・おぉ〜うわっ!瞬ちゃん。
ありがとう。
うん。
はい。
えっ?俺からも。
父さんこれ。
あぁプラモデルをねネットオークションに出してみたらいくつか売れたんだよ。
それで何とかお金をためて。
みどりちゃんいつもお仕事お疲れさま。
ありがとう。
これからはさなるべく俺がご飯作るようにするから。
あっ…ははっ。
食べよっか。
うん。
(沢崎)さあお茶も入ったよ。
紅茶にしましたよ紅茶ね。
ケーキだからね。
瞬ちゃんこれ取って。
あのお店で働くことによって瞬太君は学校で学べない貴重な体験をしてると思います。
(佐伯)元ホストだという店長さんは?あの人は…口は悪いし見た目もうさんくさいんですけど。
けど?意外と信頼できる人だと思います。
あのこれからも私が責任を持って仕事の様子とかチェックしますから瞬太君のバイト認めてもらえないでしょうか?わかりました。
先生がそこまでおっしゃるなら。
ありがとうございます。
あっ後あの佐伯先生あの新しいチョークを注文したいんですけど。
これです7色のやつ。
黒板をカラフルにしてみようかと思いまして。
おぉ〜。
・「ココロ空モヨウ」祥明これお土産。
おう。
母さんがお裾分け持ってけって。
昨日はありがとうございました。
結局遺産は均等に分けることになりました。
それは良かった。
それこそおばあ様の願っていたことだと思いますよ。
それと遅くなりましたけどこれはお礼です。
私だけじゃなくて伯父さんたちも陰陽屋さんにお礼がしたいって言って聞かなくて。
そうですか。
ではありがたく。
本当にありがとうございました。
(夏央)ありがとうございました。
まさか仕事の成功報酬を増やすために遺産を分配したんじゃないですよね?もしもし。
あっこんにちは。
そんなわけないだろ。
これは予想外の善意。
いや亡くなった喜美代さんからのプレゼントかもしれないな。
亡くなった人の思いまで利用するなんて。
やっぱりあなた最低ですね。
あっ祥明。
槙原さんから。

(ドアの開閉音)何の用だ?夏央さんの件ならもう解決したぞ。
(槙原)そのことじゃない。
シュウイチロウさんまた入院したみたいだ。
なあヨシアキみんな心配してんだ。
そろそろちゃんと家継いだらどうなんだ?お前に言われる筋合いはない。
でもなお前…。
プッ
(不通音)んっ。
ありがと。
どうしたの?ううん大丈夫。
2015/07/29(水) 02:10〜03:12
関西テレビ1
よろず占い処 陰陽屋へようこそ #03[再][字]

「見つけたら1億円!?消えた遺言状のナゾ」
錦戸亮 倉科カナ 知念侑李 杉良太郎

詳細情報
番組内容
『上海亭』を陥れた犯人だと勘違いして、商店街のメンバーが陰陽屋に連れてきたのは、祥明(錦戸亮)の幼なじみ・槙原(駿河太郎)だった。祥明の正体を明かそうとする槙原をなぜか必死で制する祥明。すると翌日、槙原は再び陰陽屋へやって来て、バイト先の後輩・宮内夏央(波瑠)の相談に乗ってやってほしいと持ちかける。ひと月ほど前に亡くなった祖母の遺言状を探してほしいというのだ。最初は興味のなさそうな祥明だったが、
番組内容2
広い田畑を持ち、一人暮らしをしていた祖母の遺産が相当なものだと聞くや、がぜんやる気を見せる。弁護士が発表した祖母の遺言は、『“本物の遺言状”は一番大切なものの中にある。探し出した親族に全財産を譲る』というもの。期日までに見つけられなければ、遺産はすべて慈善団体へ寄付されるらしい。夏央の叔父・叔母らは、遺産を独り占めしようと血まなこになって遺言状を探しているという。
番組内容3
遺言状の期日当日。祥明と瞬太(知念侑李)とともに、路子(倉科カナ)もなぜか、祥明の口車に乗せられ、群馬へ向かうことに。祖母の家は既に遺産目当ての親族らが荒らしており、それでも遺言状はまだ見つかっていないという。路子と瞬太は必死で探し始めるが、祥明はなぜか、「身を清める」と言ってのこのこと温泉に出かけてしまう。時間は刻一刻と過ぎる中、果たして遺言状は見つかるのか?祖母が遺した言葉の本当の意味とは…?
出演者
錦戸 亮(関ジャニ∞) 
倉科カナ 
知念侑李(Hey! Say! JUMP) 
柏木由紀(AKB48) 
駿河太郎 
 ・ 
宮川一朗太 
濱田マリ 
ふせえり 
見栄晴 
 ・ 
南野陽子 
 / 
杉良太郎

<3話登場人物> 
波瑠
スタッフ
【原作】
天野頌子「よろず占い処 陰陽屋シリーズ」(ポプラ社刊)
【脚本】
黒岩 勉
【音楽】
井筒昭雄
【主題歌】
関ジャニ∞「ココロ空モヨウ」(テイチクエンタテインメント)
【プロデュース】
豊福陽子(関西テレビ) 
稲田秀樹(共同テレビ) 
小林 宙(共同テレビ) 
【演出】
土方政人(共同テレビ) 
【制作】
関西テレビ 
【制作著作】
共同テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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