8グレーテルのかまど「テルマエ・ロマエの“フルーツ牛乳”」 2015.07.29


広〜い空間に雄大な富士山の絵。
大きな湯船につかれば身も心も休まる銭湯。
湯上がりのほてった体でグイッと一本。
つい手に取りたくなるのが冷た〜い瓶入りの飲み物。
その中の一つフルーツ牛乳がある漫画に登場します。
ラテン語で「ローマの公衆浴場」という意味の「テルマエ・ロマエ」。
古代ローマの浴場設計技師が日本にタイムスリップするという奇想天外なストーリー。
主人公のルシウスは銭湯でフルーツ牛乳を口にして感動するのです。
このフルーツ牛乳には実は作者ヤマザキマリさんの子ども時代の思い出がたっぷり詰まっていました。
フルーツ牛乳って私にとっては…飲めば気分爽快。
そしてちょっと懐かしい気持ちになる。
フルーツ牛乳の魅力に迫ります。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末えいが暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
いやこの人何やって…。
これ何フフフフッ!何かすごく楽しそうなんだけど。
こらこら入り込み過ぎだよ。
何?もうかまど。
「何かまど」って始まってるよ!はじ…始まって…。
あ…。
「グレーテルのかまど」へようこそ。
すいません。
いやちょっとこの漫画が面白すぎて入り込み過ぎちゃった。
いや〜涙出るわ。
かまど知らないのこれ!?え?何よ。
これこれ!何でしょう?「テルマエ・ロマエ」知らないの!?ものすごく知ってますよ。
面白いよねそれ。
楽しいよね!あそうだかまど!姉ちゃんもね「テルマエ・ロマエ」はまってるらしくてこんな事書いてるから見て。
そう。
姉ちゃんね最近仕事が立て込んでてちょっと疲れてるみたいでさ。
あ〜それでねお湯につかりたい訳だね。
そう。
何か銭湯ってね温泉とはちょっと違ったさ趣があるじゃない。
気軽に行けるし。
それであの…「アレも飲みたい」のあれはあれよね。
「アレ」?あれでしょう。
そう!あれあれ。
こよいひもとくのは「テルマエ・ロマエ」のフルーツ牛乳。
2012年には映画も公開され大きな話題となりました。
10代の頃から海外で暮らし現在はアメリカ・シカゴ在住。
日本に戻ると銭湯が楽しみだそうで。
ひとっ風呂浴びないと。
この日は映画の撮影が行われた銭湯を訪ねました。
いらっしゃいまし。
あこんにちは〜。
お久しぶりです。
しばらくです。
ありがとうございます。
何かもう番台とね…おかあさんの顔見ただけでホッとします。
古いだけが取り柄で。
いや〜ホント空気感がね入ってきただけでねホントにホッとしますよね。
(土本)何しろ80年以上の建物だからね。
(ヤマザキ)ずっと残っててほしいですね。
子どもの頃から銭湯が大好きだったヤマザキさん。
これ大好き。
家に1台欲しいなこれ。
はあ〜。
ヤマザキさんの銭湯への愛着から生まれ出たのが「テルマエ・ロマエ」でした。
時は古代ローマ。
主人公のルシウスは自らが設計した公衆浴場のアイデアを受け入れてもらえず…風呂の中で悩んでいました。
その時排水溝に吸い込まれてしまい…湯から顔を出すと…日本の銭湯にタイムスリップしていたのです。
見た事もない日本の公衆浴場の文化に圧倒されるルシウス。
そんな彼に老人が差し出したのがフルーツ牛乳。
ルシウスは湯上がりの体にしみいる味に感動を覚えるのです。
実はヤマザキさんもフルーツ牛乳がお好き。
という事はあのルシウスは…。
あれは私ですよね。
私。
あの「美味い」って顔はホントに自分の中でもシミュレーション何度もしてフルーツ牛乳飲んだ時のこの感じっていうのがしみだしてる感じなの。
昭和の日本を舞台にしたヤマザキさんの自伝的漫画「ルミとマヤとその周辺」にもフルーツ牛乳が登場します。
父を早くに亡くした姉妹ルミとマヤ。
母は忙しく2人はお留守番ばかり。
そんな時に姉妹はよく銭湯に通っていました。
そこでよく飲んでいたのがフルーツ牛乳。
実際にヤマザキさんも妹と2人だけで銭湯に出かけていたといいます。
風呂から上がると番台のおばあちゃんが手渡してくれたのがフルーツ牛乳でした。
フルーツ牛乳をポンと渡されてそれを飲むのが習慣みたいになって。
そのおばあちゃんもうちの母がすごく忙しくて大変で父も亡くなって女手一つで子ども2人を育ててるって分かってるんですよ。
分かってるからホントに…ひたむきにすごく私たちをサポートしてくれてた。
フルーツ牛乳って私にとってはホントに銭湯と完全につながってる飲み物でやっぱり優しさを感じる味。
ホッとする味。
ここにいたら寂しく思わなくてもいいのよとか安心して好きなだけお風呂につかればいいじゃないというような気持ちにさせられる。
それがちょっとつながる感じの味覚かな。
寂しかった心をそっと温めてくれた銭湯。
そしてフルーツ牛乳。
それは人の優しさそして人情を思い出させてくれる味だったのです。
ふ〜ん。
何かフルーツ牛乳ってさその味だけじゃなくて銭湯での人との関わりも含めてヤマザキさんの中に残ってるんだろうね。
何かお風呂入ったあとにちょっと寂しい心を癒やしてくれたのがフルーツ牛乳っていうのがすごく分かるわかまど。
あかまど分かるんだ。
何か癒やしの飲み物って感じがいいですね。
今ねフルーツ牛乳は「フルーツオ・レ」とか「フルーツ乳飲料」って名前で売られてるのね。
でもフルーツ牛乳って言葉が何か懐かしいのよねえ。
では味わいのキメテ言って下さい。
お風呂上がりの体を優しく癒やす。
そんなフルーツ牛乳を作ります!まずフルーツの準備からいきますよ。
いいですか?今回はなんとぜいたくに生のフルーツと缶詰を使います。
じゃあフルーツの皮をむいていきましょうか。
実に沿ってそぎ落としたいの。
丸い感じを弧を描くみたいな感じに。
実に沿ってそうそう。
下の方もキュ〜ッて向こう側にキュ〜ッてナイフを入れる感じ。
白いの取ろうか。
白いの取ろう。
薄皮を除いて実だけを取るっていうか白い線の内側に当ててそうそうそう。
こういう事ね。
そうです。
一口大は丁寧だね。
じゃあここでいきましょう。
オキテどうぞ。
え?どういう事これ。
スタート。
これかまどさ何で温めるの?そうなんだね。
はいはい。
ではミキサーに入れていきましょうか。
こんな感じで…砕いて。
いいで〜す!うわフルーツのいい香りだ。
オッケーで〜す。
え?オッケー!10秒オッケー!この何かほのかな温かい色。
ここでオキテどうぞ。
こしていきますよ。
そこの間にくぼみ作りまして。
オワ〜おいしそうだな〜。
こされてる?飲みた〜い。
こんなぜいたくなフルーツ牛乳ないわよ。
液体だけにするみたいな。
いいんじゃないですか。
こんな?これ体にしみそうだね。
いい響き。
(2人)体にしみいる。
いいですね。
それがフルーツ牛乳です。
古代ローマ人が日本の風呂に驚き学ぶ姿を描いた「テルマエ・ロマエ」。
それは海外に長く暮らしていたヤマザキさんだからこそ描く事のできた作品でした。
ヤマザキさんは17歳で画家を目指しイタリアへ留学。
以来シリアポルトガルアメリカなど30年近く海外を拠点に暮らしてきました。
日本に戻る度目に入ってきたのは急速に変化していく風景。
昔はあったはずのご近所とのつきあいや会話が失われている事を感じました。
少なからず誰かと必ずしゃべる機会っていうのはあったはずなので。
お店だってスーパーマーケットとかになる前は入って何が欲しいかって伝えなきゃいけないですよね。
そのためには必ず「こんにちは」って言って「ありがとうございました」って。
世間話をしてっていうのが成立してた。
今はホントにそういう地域が少なくなってきちゃって。
人と人が触れ合う場所昔銭湯はその象徴でした。
知らない人同士でも湯につかり自然と声を掛け合う。
それがヤマザキさんが見てきた当たり前の風景だったのです。
すっぽんぽんで入るんだから何やってる人か分かんないじゃないですか。
その人が。
それでもみんな無防備な状態で一緒の湯船の中につかるっていう…そこに来てやっぱり人っていうものに対する信頼感とか。
帰属するっていうのじゃないけどもねやっぱり人としてのホントに大事なアイデンティティーをその場で確かめられる。
「テルマエ・ロマエ」の第1話ルシウスがタイムスリップしたのはヤマザキさんが過ごした昭和40年代の日本でした。
(ヤマザキ)「フルーツ牛乳飲め」とか服がないって大騒ぎしてる時にサポートしてくれるおじちゃんたち。
あれがすごい描きたかった。
やっぱりそういった部分を忘れてほしくないっていうのとあと忘れてしまった訳じゃなくてやっぱり今の日本人の中にもあるものなんですよそれって。
すごく強く感じるから。
やっぱりそこをグッと引っ張り出して象徴的に見せた方がまたみんな自覚するかなとか。
漫画「テルマエ・ロマエ」には古きよき日本人の心が詰まっていました。
「テルマエ・ロマエ」は奥が深いですね。
ホントだねえ。
ではではフルーツ牛乳を注いでいきましょうか。
はい。
じゃあこれ見て下さい。
牛乳瓶!懐かしい。
すばらしいでしょう?こぼさないように。
それが怖い。
うわっこれですよ。
この色。
牛乳瓶って給食の時はどう?牛乳瓶じゃなかった?給食の時はもちろん牛乳瓶でしたよ。
牛乳係やってたからね。
あホント。
運んでました。
重たかったな。
すごい大変な係じゃないですか。
それがかっこいいところの見せどころみたいなね。
こんな重いもん運んでんだぜみたいな。
で?そこに紙キャップ用意したので蓋して下さい。
懐かしいねこれ。
これどうしたの?かまど。
すごいな。
冷やしてと。
楽しみ楽しみ。
で?これであとは待つだけだね。
でもでもまだ終わりではないです。
何?だってもうフルーツ牛乳出来たでしょ?何かねヤマザキさんがお願いがあるらしいのよ。
ちょっと聞いてくるわ。
え〜?ヘンゼルさんとかまどさんにお願いがございます。
私フルーツ牛乳は大好きなんですけど…なので酸っぱくない果物例えばパパイヤとかマンゴーとかその辺を使った何か風呂上がりに感動を覚えられるようなそんな飲み物を作って頂けないでしょうか。
よろしくお願いします。
分かりました。
じゃじゃヘンゼル頑張って。
任せといて。
このマンゴーとパパイヤを使ってヤマザキさんの要望をかなえます!ではトロピカルなフルーツ牛乳を作りましょうか。
ではミキサーにフルーツを入れてって下さいな。
温めておきましたよ。
ありがとうかまど。
レモン汁。
入れて…。
それだけですごいぜいたく。
そして更にトロピカルにするためのオキテがあるんです。
どうぞ。
ココナツミルクを入れるとコクが出ますね。
そしてとってもリッチな感じになりますので。
ハチミツを入れると更にコクがアップという事で。
15秒ぐらいでいいかな?いいね〜。
(大声で)15秒ぐらいでいいかな?いいね〜。
15秒ね。
これこのままでいいの?いいの。
フルーツの濃厚さを楽しむからこさないの。
こさなくていいんだ。
そのまま冷やしていきたいと思います。
いいな〜。
すごいコクあるわ。
やっぱり。
オーケー!出来ました。
ちょっと一息TeaBreak。
皆さんお風呂上がりに飲みたい物って何?という事で銭湯にやって来たお客さんたちに聞いてみましょう。
毎日銭湯に通っているという85歳のこの方。
2回に分けて飲む。
フムフム。
さすが銭湯の達人。
こちらの方はどうかしら?昔の味のね。
ちょっとしたまろやかな味というかちょっとした感じ?味が好きだよね。
いらっしゃいましたねえ。
ヤマザキさんと同じ。
定番よねえ。
銭湯のお近くにお住まいという女性は?お風呂に来るとコーヒー牛乳っていう感じです。
やっぱり子どもも大人もコーヒー味は大好きよね。
いでたちもバッチリ。
通い詰めて15年のご夫婦は?そうですよね。
たまらないですよね。
ところがおかあさんは…。
実は今回の調査で一番人気だったのはお水。
皆さんそれぞれに飲みたい1杯っていうのがあるんですね。
東京都内の銭湯は昭和40年代に比べ今は1/3以下。
およそ730軒ほどです。
たまには広い湯船にゆ〜っくりつかってお風呂上がりの1杯を堪能するのもいいんじゃない?よし。
よっ。
これで準備オッケー。
すごいね。
ちょっと準備万端ね。
そうだよ。
早く行きたいんだもんだって。
あそうだ。
フルーツ牛乳冷えてるかな?どうでしょうか?どうどう?どう?完璧。
冷え冷えです。
早く姉ちゃん帰ってこないかなあ。
(チャイム)あ!姉ちゃん帰ってきた。
姉ちゃんフルーツ牛乳作っておいたよ!ちょっと早くしないと銭湯が閉まっちゃう。
生の果物をぜいたくに使った手作りのフルーツ牛乳。
瓶に入れて一気に飲み干したい。
そしてマンゴーやパパイヤの食感を残したトロピカルタイプ。
ココナツミルクの香りも豊か。
よ〜く冷やしてお風呂上がりに飲めばまさに極楽。
心も体もリフレッシュする事間違いなしね。
あ〜らヤマザキさん入ってますねえ。
およそ1か月ぶりに帰国したこの日銭湯で英気を養います。
ハア〜ッ。
あ〜いいお湯でした。
ではお風呂上がりにヘンゼル特製のドリンクを飲んで頂きましょう!まずはヤマザキさんリクエストの甘い果物を使ったトロピカルタイプ。
いかがかしら?あ美味い!しみる。
パパイヤの風味がすごくしてパパイヤとマンゴーの南国感が。
続いてはなめらかさにこだわったフルーツ牛乳です。
じゃあちょっと頂きます。
ヤマザキさんいい飲みっぷりね。
おいしい!おいしいです。
缶詰の果物を入れる事によってこういう…懐かしい風味が出るのかな?はあ〜。
喜んでもらえてよかった。
最高だ。
お風呂上がりの1杯を飲んで感じる銭湯のだいご味って何でしょう?町なかの…ワ〜ッて外に行けばみんな慌ただしく日常生活がある中でここでみんな素っ裸になってお湯につかって時間を忘れて出てきてこんな大地の滋養の果物牛乳を飲み癒やされる。
これね絶対ねあるとないじゃ人生違いますよ。
と思うよ私は。
いやだから日本人に生まれてよかったと思いますよ。
日本人に生まれなかったら多分こんな漫画も描いてないしお風呂に対する興味だってそんなに湧いたかどうかも分かんないしね。
よかった。
日々の忙しさを体の芯から癒やしてくれる銭湯。
そして風呂上がりの体にしみいるようなフルーツ牛乳。
それはヤマザキさんの人生になくてはならない大切な味でした。
い〜や〜にしてもいい湯だったな!ホント?ちょっと遅かったんだけど。
え?いやちょっと姉ちゃん待っててさ出てくるの。
遅くなっちゃった。
え!?グレーテルもう帰ってきたよ。
そしてフルーツ牛乳を飲み干してたよ。
じゃあ気を取り直して言って下さいよ。
はい。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?ヤマザキさんの記憶の中に息づいているフルーツ牛乳。
懐かしい思い出を呼び起こしてくれる味がある。
とてもすてきな事だと思います。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
ちょっとフルーツ牛乳から頂きます。
かまど。
ポンッとするやつあるでしょう?懐かしいねこれ!あ…あ〜!今の音!それですそれです。
うわ〜…何か…。
僕が思ってたねフルーツ牛乳とね違かった。
もうちょっとね甘かったんだよね。
でもこれはちゃんとフルーツのやっぱりじかにミキサーでやったから。
ちょっとかまどの方に来てくれない?腰に手を当てて。
はい。
それでグイッといってちょうだい。
そうじゃないと。
牛乳瓶から飲む時は。
それですよ!それぞ銭湯上がりのフルーツ牛乳ですよ。
これ一人でやってたらすごい恥ずかしいねやっぱり。
2015/07/29(水) 10:30〜10:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「テルマエ・ロマエの“フルーツ牛乳”」[字][デ][再]

映画にもなった人気漫画「テルマエ・ロマエ」。古代ローマの浴場技師が現代日本の銭湯へ!そんな物語に登場するのが“フルーツ牛乳”だ!

詳細情報
番組内容
「テルマエ・ロマエ」の作者ヤマザキマリさん。絵の勉強のため17歳で単身イタリアへ渡り、以来海外生活が長い。この作品作りの背景には、故郷日本への思いと、古き良き銭湯への愛着があった。幼い頃によく通ったという銭湯、湯上がりに飲んだ瓶入りの“フルーツ牛乳”の味わいが忘れられないと語る。番組ではヤマザキさんのインタビューを交え懐かしの“フルーツ牛乳”を再現!日本の銭湯文化の魅力と作品に込めた思いに迫る。
出演者
【出演】瀬戸康史,漫画家…ヤマザキマリ,【語り】キムラ緑子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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