(僕蔵)いや〜お疲れさま。
助かったよありがとう。
(実穂)お疲れさま。
(理陽)花火大会の準備ってほんと疲れる。
テント張ったり椅子並べたりさ。
ねっ。
(実穂)数が半端ないよね。
うん。
会場結構人が集まってたね。
(理陽)いたいた。
あっ私一回家帰るからね。
何で?何でって浴衣着るんだもん。
あ〜実穂ちゃんちょっと待って。
その前にさあこれから見る花火の光の色の話しとかない?
(実穂)うん。
それを知っとけば花火をより楽しむ事ができると思うよ。
夜空に輝く花火。
その光と色の演出を科学の力が支えているのだ。
はいお二人に質問です。
はい。
うん。
花火の光の色ってすっごくいろんなのがあるじゃない?
(2人)うん。
あれってどうやって色を出してると思う?どうやってって…考えた事なかったな。
う〜んでも炎色反応と関係してるって聞いた事あるよ。
「炎色反応」?でも花火の色と実際どんなふうに関係してるかっていうのはよく分からないんだけど…。
じゃあさその炎色反応と花火の光の色がどんなふうに関係しているのか実験で確かめてみようか。
できるの?おお!任せなさい。
お〜!フフフフフ…。
よっよっよっ!頭気を付けてね〜。
(理陽)はい。
(実穂)は〜い。
はい!炎色反応の実験に必要なものがこちらに用意されてま〜す。
(2人)はい。
実験にはね金属元素を含んでいる金属化合物を使います。
…ではいこれ。
これがその一つ塩化リチウムという金属化合物です。
(実穂)お〜。
まずはこれをね水に溶かして水溶液にします。
よいっしょ。
(実穂)1杯でいいの?1杯で大丈夫だね。
は〜いここに水を加えます。
よいしょ〜。
こんなもんかな。
(理陽)はい。
これをね溶かしましょう。
いきま〜す。
さあ…はい出来上がり!
(実穂)早い。
フフン。
はい!炎色反応をやる前に…はいこれ。
この部分白金線っていうんだけどねまずこれを炎の中に入れてみます。
(2人)はい。
はい。
よいしょ。
どう?炎の色。
(実穂)炎の色は変わってないね。
(理陽)うん。
…だねえ。
はいでは次に金属元素のリチウムが溶けている水溶液にこの白金線を入れて炎に入れてみます。
はいつけました。
はい取り出します。
はいじゃあいきますよ。
よいしょ〜。
(理陽)おっ赤くなった。
(実穂)ねっ赤いね。
ハハハハハハ。
はいこれが炎色反応。
はい。
つまり炎色反応というのは…今炎が赤くなったでしょ?
(2人)はい。
これは金属元素がリチウムだったから。
(2人)なるほど。
ではほかの金属元素でもやってみましょうか。
(2人)はい!よいしょ。
おったくさんある。
ダダ〜ン!ねっ。
はいこの水溶液並んでおりますけどもどの水溶液にも金属元素が溶かしてあります。
じゃあ…どれからいきましょうかねえ。
じゃあこれからいきますか。
(2人)はい。
はい!取り出します。
はいじゃあいきますよ。
お〜楽しみ。
(実穂)わあ!黄緑色だきれい!
(理陽)すげえ。
(実穂)すごい。
はい!今黄緑色になったのはバリウムという金属元素がこの水溶液に入っていたからなんです。
バリウムって…あっレントゲン撮る時の。
そうそうそうそれそれそれそれ。
もっとほかのも見たい。
ねっ。
じゃあねこの中で唯一色が付いているこれいってみましょうか。
つけまして…。
はいまた一瞬ですからね。
いきますよ〜。
よいしょ〜!
(実穂)うお〜。
(理陽)すげえ。
(実穂)青緑色?うん。
一瞬だったね。
僕蔵さんこの水溶液には何の金属元素が入ってたんですか?はい。
金属元素の銅が入ってました。
(理陽)銅って事は…あっ十円玉。
十円玉ね。
そうそうそれそれそれ…。
これはどれも金属が含まれている化合物。
水に溶かし水溶液にする。
炎の中に入れると炎の色はどのように変化するのだろうか。
それぞれ金属元素特有の色を放つ。
でも一体どうして炎の色が違うのだろうか。
炎色反応と炎の色の関係を光の波長で考えてみようか。
はい。
はい。
これを見て下さい。
(実穂)お〜。
(理陽)おっ。
これはね光の波長と色の関係を表したものなんですけどもそもそも光の色っていうのはね光の波長で決まるんですね。
(理陽)光の波長?そうなの。
例えばこの赤側の光と紫側の光を比べると赤側の光の方が波長が長いんだなあ。
波長が長いってどういう事?う〜んと波長っていうのは波の長さっていうのは分かるよね?はい。
はい。
じゃあこれ見て下さい。
こっちが赤側の光の波長なんだけども…。
ジャンと!これちょっと留めてくれるかな?
(理陽)はい。
はいはいはいはい。
それでここからここまでが1つの波。
そしてね今度紫側。
よいしょ。
はい。
じゃあまた留めて下さい。
はい。
はい!紫側はここからここまでが1つの波。
2つ比べるとどう?
(理陽)赤の波長の方が長い。
ねえ。
光の色によって波長の長さが違うんだね。
そういう事!ねっ。
色によって違うんですなあ。
…なので金属元素ごとに炎の色が違うのはその時炎を発する光つまり光の波長の長さが違うって訳。
(実穂)お〜。
金属が炎の色を変えてるって何か不思議だね。
(実穂)ねえ不思議。
そうだねえ。
だから燃やした時の炎の色からそれがどんな金属元素なのかを炎色反応で確かめる事ができるんだ。
なるほどね。
でも金属元素って実際の花火作りでどんなふうに使われるんだろう。
色を作る金属元素は実際の花火作りでどんなふうに利用されているのか。
ここは花火を作っている工場。
こんにちは〜。
泉川実穂が訪ねた。
迎えてくれたのは…創業は昭和元年。
日本で数少ない国産の玩具花火を製造する会社だ。
早速花火で利用する金属を見せてもらう事にした。
(井上)ここが薬品庫です。
はいここが薬品庫。
そうです。
はい!それじゃあ開けます。
はい!
(実穂)うわ〜すごい!これ全部花火で使われる金属ですか?実際にどんな金属が使われているのかは企業秘密なのだが…。
この工場ではおよそ10種類の金属元素が使われているという。
作るのが難しい色を聞いてみた。
作るのが難しい色は中間色ですね。
中間色っていうと例えばどんな色ですか?紫色です。
紫色。
はい。
(井上)その混ぜるバランスが大変難しいんです。
あ〜そうなんですね。
はい。
花火で使われる金属はほかにもある。
その一つが…マグナリウムはアルミニウムとマグネシウムを混ぜたもの。
花火の光を明るくしたい時に使っているという。
これがマグナリウムの光。
金属元素は花火の色だけではなく明るさも調整しているのだ。
そして花火に欠かせないのがこの音。
(花火が燃える音)花火の音も金属の混ぜ具合一つで変わってくるのだ。
(花火が燃える音)色を作る金属元素。
その利用は花火だけではない。
ここは陶磁器の美術館。
金属元素はこの陶磁器の着色にも使われているという。
美術館には陶芸体験ができる施設も併設されている。
その指導員岩渕さんに話を聞いてみた。
焼き物の着色の一つとして上薬というものが使われていますがその上薬の中に金属が含まれています。
早速上薬の1つを見せてもらう。
この上薬には鉄が含まれているという。
その鉄の量を調整する事で焼き上がりの色も違ってくるそうだ。
上薬の中に金属が入っていると色が付くという事は理解して頂いたと思うんですけどもその鉄だけに限らずなんですがその中に入っている量によっていろいろな色に変化していくという事です。
上薬に鉄を使った陶磁器。
違いは上薬に含まれる鉄の量。
色がこんなにも違ってくるのだ。
花火の色とか陶磁器の色を作り出す秘密って金属だったんだね。
そういう事なんだねえ。
でも僕蔵さん質問。
はい。
金属によって光の色が違うっていうのは波長の長さが違うからだっていうのでよく分かったんだけど赤外線とか紫外線っていうのは目に見えない訳じゃん?でも見えないって言うけど家にある赤外線のこたつ赤色見えるけどな。
ああそうだね。
うんうん。
こたつの赤外線は熱線とも呼ばれていてものを温める作用があるんだけれどもでもねあのこたつの光には可視光線の赤い光が混ぜられているから目には見える訳。
(2人)ふ〜ん。
でもほらテレビとかのリモコン?
(実穂)うん。
あれ目には見えないでしょ。
あっそっかそっか。
うん。
それにね自動ドアとかトイレとか身近な所で赤外線は使われているんです。
更に…はい!
(実穂)えっ何?
(理陽)何?赤外線は宇宙観測にも利用されているのです!一体どんな関係があるのか。
うわ〜おっきい!三井理陽が訪ねたのは宇宙の開発と研究を行う施設…赤外線を使って宇宙を観測している人がここにいるという。
(ノック)失礼します。
こんにちは。
(山村)こんにちは。
迎えてくれたのは山村一誠先生。
山村先生は太陽のように自分自身で輝く星々の将来の姿や星の進化を研究している。
早速先生に質問だ。
赤外線で宇宙観測ができるって聞いたんですけどそれってどういう事なんですか?
(山村)はいじゃあ説明しましょう。
はい。
これは何だか分かりますか?はい。
オリオン座ですよね。
はい。
そうですねオリオン座。
これと同じ場所をですね赤外線で観測したそういう画像があるのでそれを見てみましょう。
(理陽)はい。
(山村)こういうふうに見えます。
(理陽)お〜!
(山村)今度はまず星が見えません。
点点点見えませんね。
そのかわりに全体的にですね赤いもや〜っとしたものが見えます。
この赤いもや。
これは宇宙空間に広がるちりやガスだ。
新しい星を作る材料になる。
赤外線の宇宙観測ではこのちりやガスの温度の高い所低い所が分かる。
そしてこれが宇宙から届く赤外線を観測している人工衛星あかりだ。
でもどうしてちりやガスの温度が分かるのだろうか。
じゃあ実際赤外線で世の中を見ると何が分かるのか何が違うのかっていうのを我々の生活の中のものを実際に見てみましょう。
赤外線カメラを使って見え方の違いを確かめてみよう。
まず最初に理陽君の手のひらを撮影してみると…。
赤外線カメラではこんなふうに映る。
次に2つの器にそれぞれお湯と氷水を用意する。
(理陽)あっ右手が温かくて左手が冷たい…。
手を入れて10秒。
はい手を見せて…赤外線カメラで見てみましょう。
どうですか?うお〜!真っ黒じゃないですか左手。
真っ黒になったのは冷たい水で冷やされた方。
白い方はお湯で温められた方。
つまり白い方は温度が高くて黒い方は温度が低いという事だ。
赤外線で観察するとこんなふうにたとえ…この赤外線写真には白っぽい点のように見える所がある。
そこは周囲より温度が高い所だ。
温度が高い所では星が誕生しているのだ。
2枚の写真を比べてみると赤外線の方にだけしっかりと写っている光がある。
実はこの場所で新しい星が作られているのだ。
星が生まれて成長していく。
はい。
そういう過程を赤外線で観測する事ができる訳です。
こういうデータを積み重ねる事によって我々は宇宙の歴史を明らかにしようとしています。
う〜ん…何かすごいロマンチックですね。
はい。
赤外線をキャッチする事で星の誕生や成長を観測する事ができるのだ。
赤外線で宇宙の観測か〜…。
何かロマンチックだね。
遠くの星空から届く赤外線の光をキャッチってね。
(打ち上げ花火の音)えっ今何時?あっ花火大会始まってる。
…っていうか終わっちゃうよ。
浴衣準備してたのに!急げ〜!あっ電気電気。
炎色反応とは金属元素を含む物質を炎の中に入れるとその金属元素特有の色を示す現象の事。
燃やした時の炎の色からそれがどんな金属元素なのかを炎色反応で確かめる事もできる。
花火の光の色を作り出すのは金属元素だ。
色だけでなく明るさそして音までも金属元素が作り出す。
星を作る材料になるちりやガス。
その温度の高い所低い所が赤外線では見える。
温度が高い所では星が誕生している。
赤外線は宇宙の歴史と進化の解明に利用されているのだ。
2015/07/30(木) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 科学と人間生活「光と色の科学」[字]
科学技術の発展は、どのようなところに生かされているのだろう? 私たちの身の回りにある自然や道具を糸口に、科学の世界を楽しく解き明かしていく。
詳細情報
番組内容
今回は、光と色の関係に注目!「光と色の科学」 (1)炎色反応 (2)色を作る (3)見えない光を利用する
出演者
【出演】正名僕蔵,三井理陽,泉川実穂,【語り】渡辺真砂子
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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