「ららら♪クラシック」先週に引き続き今週もいつものスタジオを飛び出して埼玉県越谷市からお送りしています。
先週に引き続き今週も石田衣良さんに代わりまして私アナウンサーの青井実が司会を務めさせて頂きます。
よろしくお願いいたします。
(拍手)そして今週もこのお二人におつきあい頂きましょう。
クリス松村さん森口博子さんです。
(一同)よろしくお願いします。
さて今回の公開収録はテーマがですね……という事でお届けしております。
今週はですね名曲の中に隠されたユーモアというのを読み解いていきたいと思っています。
それでは早速最初の曲を聴いて頂きますが今週もすばらしい演奏で番組を引き立てて頂きましょう。
東京フィルハーモニー交響楽団と指揮者の山下一史さんです。
よろしくお願いします。
(拍手)さあ最初の曲ですが……という曲をお聴き頂きますがクリスさんご存じですか?「かめ」?「動物の謝肉祭」?ちょっと分かりません。
山下さんこの「かめ」どんな特徴があるんでしょうか?これ実はですね…
(クリス)えっ!?
(山下)お聴きになったら必ず皆さんどこかで聴いた事ある節が出てくるんですけれどもよ〜く聴いておいて頂ければ絶対分かると思いますよ。
分かりました。
それではお聴き頂きましょう。
サン・サーンスの「動物の謝肉祭」から「かめ」。
何の曲のパロディーか分かりました?運動会のかけっこの時によく流れるあの曲です。
(拍手)分かりました!この曲だったんですか?「天国と地獄」!あれをゆっくりゆっくり…。
ゆっくりやったんだ?チャーンチャチャチャチャ…の所を。
だから速い人向けが「天国と地獄」のそのままで遅い人向けがさっきの演奏。
「かめ」ですから。
そうなんですよ。
なるほど〜!今聴いて頂きましたのはオッフェンバックの序曲「天国と地獄」からの抜粋ですが加羽沢さん一流のこのクラシックの作曲家こんな他の曲をパロディーにするようなユニークな事ってするんですね。
そうなんです。
遊び心満載ですよね。
とてもユーモアたっぷりの作品になっています。
しかもねここがちょっとサン・サーンスらしいんですけれども…自分で作っておきながら。
(クリス)禁止。
これはたまたまパーティーのために書いただけであって皆の者が演奏してはならぬと。
(森口クリス)なるほど〜!すごい深い!プライドが許さない。
こういうのを聞くと面白いですねほんとにね。
2週にわたってユーモアな作品をいろいろと見てまいりましたが最後は番組でもおなじみ加羽沢さんのあの楽曲解説のコーナーをやって頂こうと思います。
今回解説して下さる曲は…。
こちらです。
もっと聴きたいという感じですがさあどんな印象でしたか?なんか勇ましくて「行くぞ〜!負けるな〜!」みたいなそんなイメージが湧いてきました。
この曲…この年号1812年どういう年か説明しますと時の皇帝ナポレオン率いるフランス軍をロシア軍が撃破した戦争の年なんですね。
ナポレオン軍は大軍を引き連れてロシアに攻め入るんですがロシアの「冬将軍」と言われる冬の極寒の厳しさに行く手を阻まれてしまって大きな犠牲を払い遠征は失敗に終わったというそんな年なんですね。
このチャイコフスキーの「1812年」はロシア側から見た戦争で音楽でこの戦争を描こうという作品になっています。
という事でこんなボードをご用意しました。
来た!題して…
(拍手)すごい!パネルまで作って頂いて。
ひと言で言うとねこの曲はロシア対フランス。
そして最後にはロシアが勝つというストーリーです。
これ上から一曲になってるって事ですか?これ全部で一曲なんですけれどもストーリー仕立てになっていますので。
(クリス)分かりやすい。
では一番上から見ていきましょう。
この曲冒頭にロシア正教の聖歌が出てきます。
ちょっと聴いてみましょう。
なんかこう送り出されるあの切な〜い感じも…。
まさに聖歌って感じ。
そうですね。
実際にあるロシア正教の聖歌から取られたメロディーなんですが戦争を前にしてね人々が平和を祈っているような美しいメロディーでしたね。
それをチェロとビオラという非常に人間の声に近い楽器で演奏している部分ですね。
さあ次に紹介するのがロシア軍の行進と言われる部分をまずは見ていきます。
なんかかっこいい。
さっきちらっと聴いたんですがあのメロディーがロシア軍のテーマ曲になっていますので覚えておいて頂きたいと思います。
勇ましい姿このメロディーに込められている部分ですね。
そしてロシア対フランスという事で今度はナポレオン軍が接近してくるこんなメロディーで登場します。
分かった。
すばらしい!今のはねほんとにフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」のメロディーなんですけれどもこのロシアとフランスを表した2つのメロディーというのが曲の中に何度も戦うように交差してきますこのあと。
バトルがそれで繰り広げられる。
今どういう情勢なのかこのメロディーを使って表現されていますのでこの2つのメロディーをよ〜く覚えておいて頂きたいと思います。
そしてこの「1812年」冒頭も聖歌で始まっていましたけれども戦いの曲だけではないんです。
中盤ではロシア民謡風のメロディーが登場します。
というふうにね戦いが繰り広げられながらもその陰で平和を祈っていたりそして懐かしさもあり子供たちが遊んでいる様子にも聴こえるようないろんな世界があるというのがこの曲の特徴ですね。
1812年のいろんな場面がもう既にちりばめられてる。
先ほどね青井さんの説明にもあったように真冬のロシアこちらナポレオンさんも「う〜!寒いよ〜!」っていうように「冬将軍」と言われる厳しい寒さでだんだん勢力が弱まっていくんですね。
フランスがどんどんやられていく様子に感じられるのがこちらです。
(森口)息途絶えた感じがします。
揺らぎながら揺らぎながら止まりましたね。
こう落ちていくんでしょ?どんどんどんどん。
下降の一途をたどっていくんです。
(クリス)うわあ悲しい。
まさに嵐。
だんだん下降しながら音がゆっくりしてでも音色は増幅していくようなこの複雑な感じというのがまさにフランス軍の勢力が弱まる様子というのがここだけじゃないんです。
実は今のはほんの一瞬でこの前にももっともっとこの下降形が続いていますのでそういうところも想像しながら是非聴いて頂きたい。
そして…。
クライマックスはロシアの勝利の音楽なんです。
勝利の鐘の音それから祝砲ともいうべき大きな大砲が何発も放たれますのでここも是非注目して頂きたいと思います。
という事で「1812年」の構図を見てきましたがこの全体の構図を見るだけで…例えばフランス国歌のパロディーを入れてみたりとか。
この時代の複雑さというものを彼の音楽的センスとユーモアとそういうものを全部ミックスしてさまざまな要素が複雑に絡み合っておりますのでいろんな情景を想像しながら是非聴いて頂きたいと思います。
(拍手)どうもありがとうございました。
いかがでしたか?「戦争が終わってよかった!平和になってよかった!」って最後の大砲の時にチャイコフスキーのメッセージがドーンって届きました。
この迫力メッセージ本当に大きなものがありましたね。
さあ2週にわたってですね「ユーモアでYOUMOREクラシック」と題してお届けしてまいりましたが改めてお二人いかがでしたか?このクラシックを通じて学ばせて頂きました。
そして「ららら♪クラシック」ってやっぱり楽しいですね。
全部が入ってきます。
(クリス)ほんとに楽しい。
(拍手)いろんなものとの融合もね今回見れたんですごく楽しかったし無限大だと思うクラシックのこれからっていうのが。
そういう感じがすごくしました。
ありがとうございます。
クリスさん森口さんも最後までありがとうございました。
(森口クリス)ありがとうございました。
(拍手)青井さんはちなみにいかがでしたか?「ららら♪クラシック」初体験。
言葉遣い悪いですけど…
(笑いと拍手)さあそして加羽沢さんもふだんの「ららら♪クラシック」では聴けないようなユーモアな曲もありましたけれどもいかがでしたか?今日は。
ほんとにね改めて作曲家の視野の広さというか視点の鋭さというのを感じましたしそれからやっぱり作曲家ってみんなチャーミングなんだなっていうユーモアのセンスというのも含めて感動しました。
ありがとうございます。
本当にありがとうございました。
(拍手)「ららら♪クラシック」来週もすてきな名曲を皆さんにお届けしたいと思います。
次週も是非お楽しみに。
それではさようなら!
(拍手)2015/07/30(木) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「ユーモアでYOU MOREクラシック 越谷市公開収録2」[字][再]
先週に引き続き埼玉県越谷市での公開収録の模様をお届け!今週は名曲の中に隠されたユーモアを読み解いていく!チャイコフスキー「1812年」ほか
詳細情報
番組内容
今回はいつものスタジオを飛び出して埼玉県越谷市からお送りします!「ユーモアでYOU MOREクラシック」と題し、ユーモアに焦点をあててクラシックの魅力を2週にわたってお届け。今週は名曲の中に隠されたユーモアを読み解いていきます!サン・サーンスはあの有名なクラシックをパロディーにしていた!?チャイコフスキーの「1812年」は実はユーモアたっぷり!?作曲家の美濃さんが大解剖!
出演者
【ゲスト】クリス松村,森口博子,【出演】指揮者…山下一史,管弦楽…東京フィルハーモニー交響楽団,【司会】加羽沢美濃,青井実,【語り】服部伴蔵門
ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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