Jリーグ、5万人収容の味スタが毎試合閑散…衰退を招く協会の愚行
7月21日、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が驚きの発表を行った。「Jリーグ 公式サイト」より
実業家で元ライブドア社長の“ホリエモン”こと堀江貴文氏をはじめ、経済界の著名人5人とアドバイザー契約を結ぶというのだ。
堀江氏といえば、これまで多くの分野で規制緩和を訴えてきたが、当のJリーグは徹底的に規制を行ってきた。インターネットメディアやパチンコメーカーの広告出稿を規制してきたのが、その最たる例だろう。
Jリーグを主催する日本サッカー協会は、自分たちのつくってきたルールが変わることを嫌う。そのため、Jリーグの人気が横ばいになると、「2ステージ制に戻す」というように、以前の体制に戻すことしか考えない。柔軟な発想がないため、本当の意味でJリーグの現状が見えていないようにも思える。
例えば、クラブライセンスの施設基準の問題がある。Jリーグ1部(J1)のライセンスを得るためには1万5000人以上、同じくJ2では1万人以上の収容人員があるスタジアムをホームにしなければならない規定がある。
J2の東京ヴェルディを例にすると、2009年以降の平均入場者数は5000~6000人だ。ホームの味の素スタジアムは収容人数約5万人なので、閑散とした中で試合をしている。しかも、味の素スタジアムはサッカー以外のイベントなどにも利用される多目的スタジアムだ。
都内には、国立西が丘サッカー場(収容人数7258人)という、身の丈に合ったサッカー専用スタジアムがあるにもかかわらず、である。西が丘サッカー場は、高校や大学のサッカーで使用されることが多いが、現地で観戦すると、その臨場感に驚く。
ファン心理として、ガラガラのスタジアムに行って応援したいと思う人は珍しいだろう。Jリーグの施設基準はバカげているといわざるを得ない。
現在のJ2の観客数を考えれば、収容人数より「サッカー専用スタジアムであるかどうか」を重視し、新規ファンの獲得をしていくべきではないだろうか。東京ヴェルディの場合、通常の試合は西が丘サッカー場で行い、より集客を見込める試合は味の素スタジアムで行えばいい。
堀江氏は、14年11月に「Soccer Magazine ZONE WEB」のインタビューで、サッカー専用スタジアムの重要性や、試合の放映権をスカパー!が独占していることの弊害、インターネットへの対応の遅れなどの問題を指摘している。それは、多くのサッカーファンが感じていたことでもあるだろう。