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暴落上海株への露骨介入にIMFが引導 習政権の野望「人民元の国際化」遠のく

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暴落上海株への露骨介入にIMFが引導 習政権の野望「人民元の国際化」遠のく

杭州市の証券会社で、「下落」を示す黄緑色の表示の前でうつむく個人投資家(共同)

 5年前の構成通貨の見直し作業では人民元の採用は却下された。今回の見直しでもIMFは理事会で採用の是非を議論するとみられるが、政府が金融市場への過剰な介入をやめるのが事実上の条件になっている。

 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は4月に人民元のSDR組み入れに向け「(金融の)改革を加速する」と強調。人民銀はこれまで、金利や為替相場の自由化に向けた措置を徐々に打ち出してきた。

 しかし、株価暴落に焦った習政権は、先進国では考えられない強引な株の買い支え策を打ち出して馬脚をあらわした。ロイター通信によると、中国証券監督管理委員会は28日には、前日の中国株急落について調査を進めていることを明らかにした。国内メディアの多くは、売買シェアが小さい外国政府や機関投資家などが空売りを仕掛けているという的外れな見解を示している。

 市場関係者は、「中国当局と人民銀行は株安と物価を両にらみしながら、IMFの顔色もうかがわねばならない」と指摘するが、中国市場も人民元も国際標準からほど遠いことは間違いない。

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