会えた会えた!やった〜!「SWITCHインタビュー達人達」。
本日はご存じさかなクン!なんと5,000種類の魚を見分け500種以上を食べてきた魚博士だ。
サワラちゃんは幅も狭くておなかがキュッと引き締まってるのが分かります。
…と読んだのがサワラの名の始まりと考えられています。
東京海洋大学で教べんを執るかたわら国際機関や官公庁の親善大使など20以上の肩書を持つ。
その名は天皇陛下の口からも…。
さかなクンは2010年天皇陛下も絶賛する大発見に貢献した。
およそ70年前に絶滅したとされていた魚が生きていました。
絶滅種とされていたクニマスが山梨県の西湖で生きているのを京都大学中坊徹次教授らと共に突き止めたのだ。
ニュースは全国を駆け巡った。
東京・築地に姿を現したさかなクン。
早速注目の的に。
ギョギョギョ。
さかなクンに会いたいとやって来たのは本物のタイムスクープハンター歴史学者の磯田道史だ。
会いたいんですよ。
…というのがあの〜あんまり…そういう一つ事に打ち込んでやり続けると大抵は僕もそうかもしれないけどオタクって呼ばれると思うんですけど。
皆さんこんばんは。
こんばんは。
歴史番組「英雄たちの選択」の司会としてもおなじみ。
どんな時代のどんなテーマでもこれほど熱くうれしそうに語る歴史学者はいないだろう。
若い時の家康は自分が食べようと思ってた鯉を台所の番人に食べられただけでなぎなた持ち出して追っかけ回そうと。
結構気が短いので有名だったんですよ。
教科書にはないエピソードを交えつつ歴史の魅力を生き生きと伝える語り口に定評がある。
ベストセラー「武士の家計簿」。
磯田が下級武士の家計簿を発掘読み解いたものだ。
本の内容に基づいて作られた映画も大ヒットを記録した。
多額の借金を抱えお金のやりくりに四苦八苦する武士の姿が共感を呼んだ。
この子のハレの日です。
親としての務め武士の体面が…。
大切なのは体面か?ハハハハハ!そうなんですか。
それは光栄でございます。
こんなにいい男じゃないから僕は。
ハハハハ…そうですか。
う〜ん確かにどことなく似ている?こんにちは!こりゃどうもどうも。
どうも先生初めまして。
さかなクンでございます。
お会いしたかったんです。
いや〜感激です。
こちらこそ。
ありがとうございます。
しかも天気もよくて。
今日は一緒に築地からまず歩きませんか。
はい先生よろしくお願い致します。
早速さかなクンの案内で築地の場外市場を見て回る事に。
築地には数え切れないほど通っているというさかなクン。
すっかり顔になっている。
こんにちは。
どうもお世話になります。
これひょっとして…。
あ〜!ああコブダイ。
コブダイちゃんですね。
これはまた立派な。
珍しい。
(2人)あ〜!ニテンギョキロ。
これはまたきれいなタイさんですね。
これねもうね江戸時代以来からものすごく重要で。
ちょうど30センチぐらいですね。
そうそう。
磯田先生。
マダイと同じく赤い美しい色。
そしてヒレがワ〜ッと。
この美しさ。
お祝いの席にも欠かせないという。
褒め言葉頂きました。
なんとここでもよく似た顔と遭遇!?しゃべりだしたら止まらない2人の「SWITCHインタビュー」。
一体どうなる?これ何ですかね?魚博士と歴史博士が江戸時代の図鑑をのぞいてみたら?まさに今…。
あるんだ〜。
いやひょっとしたら…史上最強オタク対オタクの激突。
Googleってあるじゃないですか。
あれに自分の名前を入れたら次の検索ワードが「磯田道史結婚」だったんですよ。
すてきな女性がみんな検索してくれたんだよって妻に言ったんですよ。
なるほど。
そしたら…ギョギョギョギョギョ。
あっ独魚…独魚なんですか。
つがいじゃないんですか?まだそうなんです。
この日の築地にはさかなクンも驚く珍しい魚がずら〜り。
そして先生こちらがこれな…何のお魚かギョ存じですか?分からん!これはすギョいですよ!ちょっと触れてみていいですか?はいどうぞ。
え〜。
うわ〜深海魚?これ。
でもない?それがそのまま和名にもなってます。
オオカミウオは水族館では人気者ですけど市場にはなかなか入んないですよね。
これはじゃあ今日は相当ラッキーな。
そうです。
私お買い上げ…。
お買い上げさせて頂きたいですね。
これ…このオオカミウオちゃんはですね頑丈な歯と顎の力を使って毛ガニホタテウニなどを食べています。
ほう〜。
もう北海のおいしいものばっかり食べてますので…これで殻を破壊して中が食べれる訳ですね。
そういう訳でギョざいます。
実際は…こんな感じです。
うお〜こちらもすギョい。
磯田先生このお魚はカガミダイといいます。
カガミダイというのは鏡のようにキラキラしたこの体つきからカガミダイですね。
口がビヨンと伸びるんですね。
うおっハハハ。
へえ〜。
こちらは…へえ〜。
普通のカレイじゃないんだ。
これはですねちょっとひっくり返させて頂くとここが先生触って頂くと…。
サメガレイ。
サメガレイといいます。
このカレイは実はですね今から数年前になんと…大変なニュースになったんです。
はあ〜。
風船の残骸と一枚の紙がカレイの体にはり付いているのが発見された。
実はその14年前川崎市の小学1年生の女の子が飛ばした手紙だった。
手紙を書いた女の子は大学2年生になっていた。
ちょっとこういうふうになっちゃうと…これからは?はいちょっと思います。
夜8時。
2人は再び待ち合わせした。
夜だから夜行性の動物っていうのもあるから夜行性の魚ってのもあって僕昔ナマズを飼ってたんですけど…。
さかなクンが夜の水族館を案内したいと言う。
そうなんです先生。
スカイツリーの真下にある水族館。
巨大プールで泳ぐペンギンやスカイツリーの高さにちなんだ634匹のチンアナゴとニシキアナゴが名物だ。
(鳴き声)意外と珍しいんですか鳴いてくれるのは。
何か気まずい顔してる。
あっ本当だ。
大きい!大きいですね。
これはすごいわ。
へえ〜。
お〜。
これは立派な水槽ですね先生。
そうです。
はい。
生まれて初めてウツボが泳いでるとこ見た!海の中でウツボに出会った時…そうですね。
落ち着きが。
さかなクンってふだんもグワ〜ッとかやってるけど水に入ると結構落ち着くんですね。
あらまあ。
「万葉集」で。
「万葉集」にもう出てくるからウナギを食べると元気になるって効果を分かってたんでしょうね。
そういう訳なんですね先生。
既に「万葉集」の時代から「夏痩せによいという鰻を食べなさい」といわれていたんですね。
このヨスジフエダイのしま模様っていうのは「縦じま?横じま?」って聞かれるとどっちと…。
僕は横って言っちゃいますけどね。
実はですねお魚の場合は…ギョギョ!木で作った鯛ですか。
だから鯛がないっていうのは考える事ができないほどの魚ですよね。
ここからは我々スタッフしかふだん入らないスペースですね。
今夜は特別に水族館のバックヤードも見学させてくれる事に。
やっぱりあれですね。
塩作るのにものすごい重さの塩を運んでるっていうけど本当で…この水族館は関東では初となる完全人工海水システムを採用している。
内陸にある水族館の場合海水を運ぶより安上がりで年間を通して水質を一定に保てるメリットがある。
おっ何だか研究室みたい。
ここで今来たばっかりのお魚たちは…このくらい人になれれば大丈夫。
アカハタちゃんたちのデビューは近い。
さかなクンが目ざとく見つけたのは…。
最も渋いというか…非常に分布の限られたお魚なんです。
そんな珍しいものなんですか。
こういうのってどうやって遺伝子で決まってるんだろうな。
これ人工繁殖もここで考えていく訳ですか?
(柿崎)もちろんです。
繁殖…して下さい!こちらは江戸の雅と粋をテーマにした期間限定特設コーナー。
江戸の庶民が愛した金魚が幻想的な雰囲気を醸し出す。
磯田先生は金魚を随分お飼いに…。
1m!?金魚ちゃん1匹に1mの。
それはすギョい!日本で一番の金魚ちゃんのお墓ですね。
じゃあ日本だと古墳時代にはもう改良が始まって何らかの…飼い始めたって事が分かりますよね。
その中国の川で見つかった赤いフナを大切に飼われてそして品種改良された結果さまざまな金魚になっていったといわれています。
それでやっぱり聞きたいのは淡水魚っていう事であれば…ありがとうございます。
あれはもう本当日本史上にさかなクンが残る出来事だと思うんですけれども。
普通に売られてる図鑑には当時はそんなに載ってるもんじゃなかったんですか?世界中でも14個体でしょうか。
貴重な標本の一つを見せて頂いてそれでこうやって絵を描きまして。
その時にですね京都大学の魚類学者の大先生中坊徹次先生が「さかなクンクニマスっていう魚には近い仲間にヒメマスがいるからヒメマスをしっかりと手に入れて見てみるのがいいですよ」という事で。
そのヒメマスを手に入れようとしたんですけどこれがちょうど3月でしたので…そんな中山梨県の西湖の当時組合長さんが…そのお答え頂きまして「とれたら送って頂けますか?」。
「いいですよ」と。
その数日ギョに「さかなクンとれたよ」。
「本当ですか?組合長様!」。
20センチぐらいの小さな箱だったんですが開けてみたら…ひょっとしたらこれだけ黒ずんでるし…。
なるほど!ヒメマスとは考えられないと。
これはそうじゃないかなと思いまして。
やっぱりここでも…何か黒いやつだし産んでる時期からしたら…やっぱり残ってたんですね。
なるほど。
やっぱりあれだね。
自分がこれまで見てきた体験で…そんな事が今までいっぱいあって。
さかなクンの観察力と固定観念にとらわれない発想が世紀の再発見につながったのだ。
これやっぱり魚ファンっていうのはだいぶ小さい頃からやはりあの…されてたんですか?はい私…ちっちゃい時からもうハイハイしてるぐらいから絵を描いてました。
で最初は街を走ってるダンプトラックとかギョミ収集車とかを見るとかっこいいなかわいいなとか思って描いてました。
でもそのうちにだんだん水木しげる先生の描かれる妖怪を見て「ウオ〜ッ!かっこいい妖怪だ。
面白い妖怪だ。
ひょうきんな妖怪だ」ってだんだん水木先生ワールドにはまってって一時期妖怪が大好きになって。
そこからタコを調べてるうちにタコ魚とどんどん好きになっていきまして。
タコオタクだったんです。
ですのであまりにもタコやお魚絵に夢中になり過ぎて…母にこんなに絵や…何度も何度も…。
言われた言われた。
その時磯田先生のお母様は?いやもう…私の母もですね先生…「だったら絵の先生に習わせたらいかがですか」と。
それだとその先生の我流になっちゃうから…伸び伸びとさせてもらいまして。
え〜っと人じゃなくて魚なんでしたっけ?お〜釣れた!ヤバイ釣れちゃいました。
ギョめんなさい!ワオ!失礼しました。
話変わるかもしれないけどイカやタコって僕水族館とかで見てもだいぶ頭がいい動物のような気がするんですよ。
目と目が合うんですよ何か。
会話できるんじゃないかっていう感じなんです。
あれ賢いの?ひょっとして。
賢いです。
やっぱそうなんだ。
海の霊長類といわれてるの?海の霊長類ですね。
まさに…脊椎動物ではヒトそして無脊椎動物ではタコやイカという。
だよね?磯田先生が水族館で目が合われるとおっしゃったように…色を変えたり形を変えたり墨を噴いたりそうやって生き延びるすべを持ってる訳ですね。
さかなクンイタリア・ナポリにタコの知能研究の第一人者を訪ねた事がある。
博士が用意したのは…タコの大好物のカニを入れ蓋をした瓶。
はいお願い致します。
おっ…!ハハハハハ…!来ました!あっ自分のおうちに…抱えてますね。
おっおっ…おお〜!すギョい!タコは更に高度な能力を見せた。
左側のタコは容器の蓋を開けてカニを捕まえる方法を知っている。
一方右側の水槽のタコはそのやり方を知らない。
左側のタコがカニを捕獲する様子を見せると…。
じっと見ている。
捕まえた!見ている。
右側のタコの水槽に同じ容器を入れてみると…。
カニを見てますね。
この固い…。
よっしゃ!お〜!ムーブムーブ!おおっ!やったやった〜!タコには驚くべき学習能力があったのだ。
最近は…そのイカちゃんがちゃんとその鏡に向かってってじっと見つめて「あっこれは敵でも味方でもない自分だ」と…イカの自意識とかってどんなもんなんだろうね?イカの自意識どうなんでしょうね。
今日はこの辺色つけとこうとか今日はこの辺とんがらせ…。
イカナルシズム。
ひょっとしてこれからはやるかもしれませんね先生。
ちなみにイカとタコの墨でちょっと絵を描いたものがあるんですけどイカの墨はですね非常に力強く濃くてですね昔から画材にも使われたという事でしっかりと絵が描けるんですけどタコの墨は水っぽくて淡いですので。
あっこれがイカの墨。
こっちがタコの墨…。
そうなんです。
イカの方がうわてですね。
そうですね。
イカに1本ですね!ところでやっぱり先生…例えば…いっぱいあると思うんですけどちょっと描いたものがあるのでちょっとギョ覧頂ければなと。
こちらはですね「オウオウ」って鳴いたりする魚で。
鳴くんですか?ニベと呼ばれます。
ニベ。
はい。
そうです。
さすが先生!ニベ…あれ何でなんだろう?実はですねこのニベが鳴くメカニズムも…音を出します。
浮き袋がほかのお魚よりもかなり分厚くて頑丈。
そして粘着力もありますので昔は…そういった例えにも使われたそうなんですけど逆に…そんなふうに例えられるようになったと。
そしてボラですね。
ボラも江戸前のお魚の一つですが…もう本当のトドが…あっそうなんだ。
ちょっとですねダジャレっぽく描いてみたんですが。
ふだんあんまり魅力的でないボラが寒い時期になると急に何か魅力があるんだよね。
冬のボラちゃんは洗いにしてもボラ鍋にしても最高でございます。
そして…こちら!あっそんなのあるんですか?あるんです先生。
やっぱりあの平敦盛様と同じようにちょっと。
きれいなね。
一方シックなこの…。
熊谷直実。
熊谷直実様にちなんでこのクマガイウオとですね…海の中の源平合戦に例えられてアツモリウオクマガイウオと名付けられてるんですね。
何か雅でいいですね。
これまたあのいいですよねネーミングが。
平家の貴公子アツモリウオと質実剛健東国の武士クマガイウオ。
う〜ん確かにそんな感じ!さかなクンってやっぱり僕ねふだん朝起きてから夜寝るまでどういうふうに暮らしてるんだろうっていうのは思うんですけど。
あ〜ありがとうございます。
そうですか。
好きな食べ物とか何なんですか?気になる。
刺身とかも好きなんですか?結構。
お刺身煮つけてんぷらも煮魚干物も。
肉も食べるは食べるんでしょ?もちろんです。
さかなクンを焼き肉に連れていくっていうのも何かちょっと僕面白いなと思ったんですけど。
いやあの時々頂くと「おいしいなカルビは!お〜牛タンだ…。
あっ胸焼けしてきた〜」。
あ〜やっぱ魚なんですか。
千葉の館山とかも結構週のうち長い事行ってるんですか?もう帰れる時にはもう館山に帰って…やっぱ朝から行く訳ですか?え?3時半!はい。
僕もね小さい頃ね「今日はお城がテレビに出てるよ」とかね「今日は遺跡に一緒に行くよ」とか言うと目がパチッと開いて…。
何か不思議に開くんだよね。
何なんでしょうね眠くても開くんですよこれが。
なりますよね。
で朝早くから館山にいる時は…。
地元では漁船に乗せて頂いて網あげてお魚選別しておよそ2時間ぐらいで落ち着くんですけどそのあとはですね東京海洋大学の研究施設も館山にありますので館山の研究施設に伺ったりあとはダイビングの師匠がいまして館山のダイビングの師匠に一緒に海に潜らせて頂いたりとれたお魚を調べたり描いたりしているうちにあっという間に夜になってもう…自宅でもお魚三昧。
さかなクンの家の敷地にはフィッシュハウスと称する小さな水族館がある。
20以上の水槽に全国各地から漁師さんたちが送ってくれた魚80種200匹が暮らしている。
さかなクンまさに24時間魚漬け!ある種子どもの時に持っている感動力のようなものを大人の頃まで保持し続けると何か見てるとすごい感動するじゃないですか。
子どもの頃は何か魚見たら「うわ〜!」とか言えるんだけど大人になっていくとだんだんそれが前見たものだったけど…私も小学校の時に「将来は絶対お魚の研究家になりたい」って書いてまさかこうやってつながっていくとは思わなくて…だけどそれは違うような気がしていて…だから必要もないのに試験に突破するからとかいう事で勉強できる人は僕はすごいなと思うんだけど自分はまねができぬから。
そういう何か欲しいものがあるから道具として後に勉強がついてくるという事はちょっとやっぱり僕らの社会一回そこが本来なんだという事はやっぱり押さえておきたいところかなと思いますけどね。
オタクだのどうのというより生き方の問題だろうと思いますね。
後半は舞台をスイッチ。
細かく家計簿をつける事に致します。
映画「武士の家計簿」。
磯田道史の著書が原作だ。
猪山家借用銀締めて6,260匁。
我が猪山家は風前のともし火。
いかがする?我が猪山家の売れるであろうもの全てを売り払います。
全て?磯田が古本屋で見つけた…丹念に読み解くと幕末の武家の苦しい台所事情や家計を立て直すために悪戦苦闘する様子が浮かび上がってきた。
この家では年収の倍の借金を抱えていた。
父上。
これはな五十嵐一門の…。
嫌じゃ嫌じゃ!手放しとうない!母上!死んだ方がまし!猪山家のために!数えで5歳になる嫡男の袴着の祝い。
主人公は本物の鯛の代わりに鯛の絵を膳に並べる。
どういう事だ?本日はこれで。
磯田が実際の家計簿から拾い出したエピソードだ。
馳走になろう。
なっ。
鯛じゃ!鯛じゃ鯛じゃ!鯛じゃ!鯛じゃ鯛じゃ!鯛じゃ!鯛じゃ鯛じゃ!鯛じゃ鯛じゃ!鯛じゃ鯛じゃ!鯛じゃ鯛じゃ!鯛じゃ鯛じゃ!磯田のライフワークの一つが忍者の研究だ。
忍者に関する記録を探し求め全国各地に足を運んでいる。
この日訪ねたのは滋賀県にある甲賀忍者の子孫の家だ。
あ〜こういうふうに…。
こういうふうにしまわれてたんですね。
本当に最近まで気付かなかったんです。
え〜!忍術新法伝術書ですね。
東日本大震災の翌年磯田は城大学の職を辞し浜松の大学に移った。
次なるライフワークに据えたのは震災史。
東海地震の危険に備えるため災害に関する古文書を研究し始めた。
津波の被害に遭った土地に足を運び過去の記録から災害を生き延びるための知恵を学ぼうと努めている。
磯田は言う。
「歴史学は生きている。
我々の命をも守りうる現代に必要な学問である。
必ず次の災害は来る。
その時まで歴史学者として何も行動を起こさなかったらきっと後悔する」。
こちらはですね深川でして松尾芭蕉が住んでいたり…。
磯田がさかなクンを案内したのは下町情緒の残る東京・深川。
江戸幕府を改革した人のお寺があったりお墓があったりする訳ですね。
ここちょっと渡りますよ。
こちらが…。
深川江戸資料館ですね。
ここは江戸時代末期の漁師町をリアルに再現した資料館なのだ。
これは大きいんじゃないかと。
あっ。
これは磯田先生おいしそうなてんぷらでギョざいますね。
コハダもてんぷらにされてたんですね!ここも「魚」って文字2文字あるでしょ。
「魚メ粕」。
それと「魚油」というふうにですね。
…っていうおうちがまずありますよね。
つまり今で言ったら…江戸の頃はお魚社会でいらっしゃったんですね。
こっちへ行きますとまた魚関係あるかな。
あっこれそうかも!おっ先生こちらは?この「むきみ」。
そうそうそうそう。
これ見て下さい。
この長屋はアサリなどの貝をむき身にし売り歩く人の住まいだ。
ちょっとさかなクンに注目してもらいたいのはすっごい…貝だったら…貝の専門業者があると。
逆言うと…昔はそうだったんですね。
白魚は白魚だけを売るというかそういうふうに…社会のね。
職業分類。
今で言ったら「タウンページ」にね例えば…同じように魚を扱う際にもものすごく専門に特化した人たちがいると。
え〜!すギョいですね!火事に弱いんですよ。
このとおり。
もともと磯田の専門は江戸時代の経済史。
こうなると止まりません。
あのね江戸時代があって日本がこんなに後に発展した理由をみんないろんな事言うんですよ。
江戸の人は識字率が高かったからとか江戸時代の人は何かこう法律をよく守ったからだとか中央集権の強い政府が徳川幕府ってのが出来たからだとかいろんな事言いますよ。
でも実は…例えばですよ蒔絵っていって漆塗りのお盆作る時に漆を塗って上に絵を描こうとしたら筆が要るんですよね。
ねじ筆っていう非常に…1ミリの所に何本も線が中に引けるような高性能な筆が必要なの。
ネズミの毛!?ええしかもネズミの毛なんだけど普通のネズミ汚い毛じゃ無理で…一番栄養がよくて毛が傷んでない。
船の中でしか暮らしてないから。
なるほど。
そのネズミを捕まえて…わきの下辺りの毛がいいんですよ。
ギョギョギョ!もう一個は…それを使って蒔絵に金粉をまいてちゃんと作る人がいるっていうので江戸時代の漆器の最高級品は作られる訳ですよ。
日本人の面白さってそれだけやる人っていうのがいっぱいいる。
日本橋の魚河岸のにぎわいを描いた絵図。
タコを売る人巨大なマグロを担いだ2人組もいる。
磯田はさかなクンが大喜びしそうなとっておきの資料を持ってきた。
魚譜っていうのがあるんですよ。
魚譜ですね先生。
これちょっと…江戸の博物学のすばらしさっていうのを見たいんですけど…。
すギョい大胆な絵ですね先生。
これ何ですかね?これは…ウバザメですか!?ウバザメは全長10mから12mほどの記録がありましてここに赤い天狗様のお鼻のようになってます。
実は…あの〜恐らくこの辺りが赤いって事はですね網とかにこすれて多分内出血して赤くなっちゃうんでしょうね。
非常に口がでかくてですね…そうなんですか。
書いてる。
だから「油が二石三斗とれる」って書いてあるのはそのせいなんだ。
肝油がとれる。
間違いなく100%ウバザメですね。
でねこれやっぱり珍しいんで「早速熊本の…」多分殿様でしょうね「熊本の殿様に注進して見届け役人が立ち会った」って書いてあるので…。
すっごい先生!ウバザメは大事件なんですね。
あがってくると。
すギョいですそこまでもう臨場感漂う…。
面白いな。
もっといこうもっといこう…。
これは何?これはかなりのちょっと…。
「ゾウブカというふうに呼んでて本名確かならずだけど…」。
分かりました先生。
背中のヒレがとんがってましてここ1本トゲがついてます。
あります。
このトゲがついてサメに比較的よく似ていて目が比較的大きいんですが…。
ギンザメという…。
ギンザメですか…。
ギンザメの類いがいるんですがギンザメの仲間に…非常に鼻先がよく伸びた仲間がいるんです。
南の海に多産しますのでゾウギンザメかアズマギンザメその仲間だと思います。
じゃあこれはゾウギンザメなんだ。
ゾウギンザメかなと。
それが瀬戸内でとれたってそういう事なんだね。
記録としてもかなり珍しいと思います。
瀬戸内海に入ってくるという事はかなりまれだと思いますので。
そうですか。
「安永8年猪の年9月2日網をとるところの異魚」。
またまた奇怪な魚が出てきましたね。
これは一体…。
あ〜本当だ。
「チョウザメにして」。
やっぱりそうだ。
合ってる。
うれしいですね。
徳島県!?徳島県ですか?チョウザメが徳島で捕まりますかね?鹿児島水族館さんにもいて…昔は北海道や東北の川にも遡上して…。
チョウザメが!?産卵してたそうなんです。
ところが今やもう天然産卵はなくなってしまったんですが…そうなんだ〜。
はい。
そうかもしれませんね。
先生次はこれ…あ〜そうだそうだそうだ。
まさに今…。
付けてみた事ある?あります。
あるんだ〜。
いいな〜。
リュウグウノツカイ触った時手がギンギラギンになってお〜こんななっちゃうんだ〜って。
うれしいですね。
非常に細かい特徴なんですが…これが要するに浅い所にやって来るとあまりの大きさゆえ水面から顔を出して暴れるんですね。
そうすると…それが6本なんです。
数えますと1234ギョ6。
ちゃんと6本なんです。
非常に学術的な観点で描かれてるという。
ちゃんと本数が合ってる。
本数合ってます。
びっくりです。
これやっぱり浜へあがってきたら届け出をしないといけない魚だったみたいでこのぐらいなものが来ると珍しいのちょっと届けてますね。
「ただいままで見当たらり候魚にてはなく届け申し上げます」というふうに書いて裏の庄屋さんが「リュウグウノツカイが来る」と届け出てたみたいですね。
お尋ね魚なんですね。
指名手配魚なんだねこれ。
ねえ。
珍しいとそうなる。
珍しさゆえ。
へえ〜。
大きさって書かれてますでしょうか?えっとね…これは比較的小さい。
恐らくですねここで斜めに切れてるんですがこれ…それ偉い!江戸時代の人気付いてる。
あのねこれはね「尾が切れたるや全かからず」。
あ〜そこまで書かれてるんですか!「だいぶ月がたっていて」…そこまで書かれてるんですか!すっギョい江戸の方々!それで漁師たちが…実はリュウグウノツカイは研究されてる先生が最近こういった事だろうって結論づけられました。
というのはリュウグウノツカイはもともとものすギョい長い魚なんですが…その時にもし尻尾の方をかみつかれた時に…それで自切するという事が分かってきたそうなんです。
なのでストンストンストンって切れるようになってまして…だから大抵は体が3分の1とか5分の1とか結構短くなっちゃってるんです。
ちゃんと把握されてるんですね。
これ読めば…非常に参考になりますね!いやひょっとしたら今のちょっとした図鑑よりも細かいかもしれません。
あ〜そうか。
ないです絶対。
これは貴重ですね。
いや〜面白いですね。
ギョラボギョラボ!ギョラボ!いや〜ワクワクしますね!それ面白いよね。
はい。
いや〜これは楽しみですね。
そこからまた現代の魚類学でも知りえない事がいろいろ分かるかもしれないですね。
分かるよね。
今日実は…。
ギョギョギョギョ!そのうちの一番最初のところを持ってきたんですけど。
これは磯田先生本物ですか?本物なんです本物なんです。
磯田が研究した加賀藩の下級武士猪山家の家計簿。
日々買った物から宴席の献立まで細かく記録されているため食生活についてもよく分かる。
これ見たら…例えばこのページちょっと見て頂きたいんですけど。
古文書をね。
ここ「なまこ」ありますよね。
これ「数の子」ですよね。
数の子!「すし」に「数の子」「しめもの」「なまこ」とある。
これ「鱈」ですよね。
魚に雪。
この日の献立には生鱈に加え小鯛ばい貝いわしと魚介類が豊富に出されている。
それではべんっていうのはこれ向こうの言葉でかまぼこの事だそうです。
金沢の言葉で。
もうちょっとしたらいわしも食べてるんですよね。
だから…ところがそんなに偉い武士じゃないんですよ。
これ会計係の猪山という…高い魚はちなみにどんなお魚が?やっぱり鯛?カツオも?ほとんどここでは出てきませんけど。
やっぱり運ぶのだけでも大変ですよね。
あの〜恐らく…恐らく今のような…なるほど。
下魚になるというそういう事なんですね。
そうですか。
それで昔はカツオは食べちゃいけない。
特に生では食べてはいけないというお触れが出て。
それでもどうしても食べたいという土佐の方々がもう焼き魚と見せかけて…中はもうお刺身の状態で焼き魚の香ばしさとお刺身のおいしさも2度味わえるというすばらしい…僕ねある時ね…おお!どうもたたきじゃないんですよ。
これ何だろうと思ったら…意味してますね。
お〜!酒盗ですか先生!ええ。
酒盗ですね。
いわゆる酒盗。
そこに「カツオのたたき」と書かれてて…塩辛ですけど。
後々まで送らせてますね。
磯田先生この古文書って私など見てもさっぱり読めないんですけどこれ読むコツってあるんでしょうか?え〜っとねまあ一文字一文字じゃなくて…かたまりで!ええ。
あの〜一文字の形を覚えるっていうよりは字の筆の流れを目に焼き付けながらかたまりで…そういう見方をするといいのかもしれない。
なるほど。
アナログの頭。
人間って水っていう字をどんどん崩して書いていってもかなり崩しても水と認識できますよね。
だからそういう頭脳ってどっちかっていうと西洋よりは東洋の頭だと思うんですけどそういう頭を大事にするっていうのかな。
これねこれはもう全部見ちゃったからあれなんですけどね紙と紙がねひっついてるんですよ。
古い150年とか前になると。
それをねペリペリペリペリッて破りながら…破るって壊す訳じゃなくて剥がしながら見ると…なるほど!それを見てそこから…それはね…だから教科書で教えてもらう歴史っていうのは自分たちが見た事も経験した事もない歴史なんですけれども…磯田は歴史まっしぐらの人生を歩んできた。
小学生で時代劇を演じた時の写真。
自ら脚本を書き段ボールで鎧を手作り。
ちなみに秀吉役でした。
中学の時祖母から家に伝わる古文書を見せられる。
図書館でくずし字辞典を借りてきて解読するのに熱中した。
僕なんかもやっぱりあんまり生きやすかったかっていったらそうでもなくてみんなが特に…おじん!若年寄りとか言って。
「何でだ?」って言ったらだって…石仏の拓本。
ギョギョ〜!それでおじんなんですか。
400年前に戦国時代にもうとんでもない人殺しがあった時代にひたすら自分で上手じゃないんだけど石に地蔵を刻んで歩いた人がいてこの文英さんってのは面白いなと。
で石に刻んであるから400年前の人のこのノミ跡っていうのかな。
多分こんな世の中は平和じゃない世の中はいつかおかしい。
地獄に落ちた人は…救いに行くのが地蔵ですから地蔵を刻んで助けてあげようと思った人だったに違いないんです。
墨を上にポンポンポンポンやって…え〜!それで行くんですけど小学校帰ってきて「磯田君休み何してるの?」って。
「石仏を拓本」って言うと「おじん」って言われる訳でね。
これもなかなか大変なんですよ。
「おじん」って。
楽しかったですけどね。
先生おじんって言われた時はどんな心境だったんですか?まあしょうがないよね。
そうか。
じいさんの趣味なんだと思って。
もう一人ぐらい石仏の拓本とる若い小学生がいてくれりゃよかったと思うんだけど。
こういうのやってて…そうなんですよ。
実は先生私小学校の頃から「タコタコ」って言われたり。
タコが大好きだったんで。
もう一日中タコの絵描いたりタコの図鑑をランドセルの中にも入れて授業のギョ分休みとかの時もタコの図鑑読んだりですね。
だけど自分にとっては「タコ」って言われると…そんな感じに捉えてたんで今だったらあれはきっとからかわれてたんだろうなと思うけど。
あんまり気付いてないですよね。
そうですね。
気付いてない。
いや僕何がさかなクンと話してうれしいかっていうとまず…無償ってのは…あっ関係なく。
無償性がある。
あと…楽しいからですよね〜。
その無償の遊戯性は日本語で江戸の言葉でいえば道に楽しむで道楽なんですよ。
なるほど道楽。
この無償の遊戯性を持ってる研究をする人たちっていうのは…楽しいからやるんですよ。
なるほど!そんなところに研究の道は開けないとか…だけど…だんだん思ってくるんですね。
そうね。
でもこれをみんなでこの感動を共有しなきゃもったいないじゃないかという心に変わってくるとそれが何て言うか…今日僕ね実は「先生どこ行くんですか?」って学生たちが言うもんだから「さかなクンと対談に行くんだ」って言ったら…ギョギョギョギョ!オタクサミット?ギョギョ〜!いきなり!えっこれひょっとして…。
かわいいですもんね〜。
お祝いの席にも欠かせないという。
さかなクン似てますよ。
本当ですか?うれしいです!これリュウグウノツカイの使いですね。
あ〜そうだそうだそうだ。
付けてみた事ある?あります。
あるんだ〜。
いいな〜。
いいな〜。
リュウグウノツカイ触った時に手がギンギラギンになってお〜!一緒に魚譜を見るとどうなるかっていう。
ワクワクしますね。
それ面白いよね。
はい。
2015/07/30(木) 00:00〜01:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「さかなクン×磯田道史」[字][再]
さかなクンと本物のタイムスクープハンター磯田道史。超ハイテンションな魚オタクと歴史オタクが出会ったら!?教科書に載ってないマル秘エピソードや新発見が目白押し!
詳細情報
番組内容
古本屋で発掘した古文書を徹底分析、ベストセラー「武士の家計簿」を生み出した磯田。5千種の魚を見分け、絶滅種とされていたクニマスの再発見にも貢献したさかなクン。「どこか似ている」2人が築地市場や夜の水族館、江戸の漁師町を徹底ツアー。怪魚奇魚を記録した古文書を解読すると衝撃の事実が次々判明し!?「子ども時代の感動力」を保持する「究極のオタク」パワー!大人も子どももためになる、夏休み自由研究スペシャル!
出演者
【出演】東京海洋大学 客員准教授…さかなクン,歴史学者…磯田道史,【語り】吉田羊,六角精児
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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