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慰安婦問題をめぐる自民党提言 最終案の要旨
《事実関係》
朝日新聞が昭和57年に吉田証言を紹介し、平成4年の社説では慰安婦が「挺身(ていしん)隊」の名の下に勧誘、強制連行されたと論じた。5年の河野洋平官房長官談話は「強制連行は確認できない」との認識で作成されたが、河野氏はその後の記者会見で「(強制連行の)事実はあった」と述べた。事実に反する認識を、国際社会に広めた大きな原因になったと言わざるを得ず、重大な問題である。
現在、米国やフィリピン、オランダなどの立法府で慰安婦問題に関する決議が提出、採択され、韓国や米国で慰安婦像や碑が設置されるなど、日本政府の立場と相いれない極めて残念なことが起きている。
《日本の平和国家としての歩み》
戦前から一貫して人権を重んじ、平和を尊ぶ国として歩んできた。戦後は法の支配の実現を目指し、開発途上国の法整備などに積極的に取り組んでいる。現在は、安倍晋三首相のリーダーシップの下、「女性の輝く社会」の構築を目指している。
《求められる対応》
歪曲(わいきょく)された憂うべき状況を一刻も早く除去することが必要だ。(1)事実誤認などへの説明・反論、法的対応(2)国際社会の理解の増進(3)国際交流の枠組みの活用-などの取り組みを政府、関係主体が効果的な形で推進すべきだ。
日本はアジアの平和と発展のために中核的な役割を果たしていかなければならず、人権国家としての歩みを強固なものにし、女性が活躍できる社会を構築していく。国際社会から尊敬や信頼を受ける文化国家を目指すべきだ。