花咲舞が黙ってない #4 2015.07.29


(花咲舞)仕事中は私服なので好感を持っていただけるよう常に気を配っています。
モットーは清潔感。
(相馬健)はぁ…。
それからアクセサリーも着けないですね。
走る時に邪魔なんで。
走る?あぁ…たま〜にそういうことがありまして。
なるほど。
他に何かご質問は?いえではロビーに移って写真撮影にしましょうか。
あっはいじゃあもう1回メーク直しして来ます。
清潔感がモットーの花咲舞です。
舞い上がりやがって…。
(シャッター音)
(シャッター音)
(シャッター音)
(広報部員)あの〜花咲さん。
はい。
普通でお願いします。
あっはい。
えっとじゃあ…こういう感じとか?あのな花咲どんなに力入れたってな社内報なんだぞ。
だってこれ全国の支店に配られるんですよ。
あっすいませんじゃあ次は…。
はぁ…。

(シャッター音)
(シャッター音)んっ?んなっ!ゴホっ…。
おはようございます真藤常務!
(真藤毅)おはよう。
あっこれ社内報の撮影なんですねっ。
(児玉)女子行員の特集ページのようですね。
そうなんですたまたま今回私が載ることになっちゃいまして。
最近はなかなか活躍しているようだね。
あっ…あぁはい。
臨店ごときが余計なことを!女性が活躍する企業こそ将来性が見込めるというものだよ。
あっ…ありがとうございます。
行こうか児玉君。
はい。
褒められちゃいました〜。
まったくお前はいいかげん空気を読むってこと覚えろよ!あっじゃあ続きお願いします。
まだ撮んのかよ…。
お願いしま〜す。
(振動音)
(振動音)もしもし。
(芝崎)どこにいるんだ?君達。
どうしたんですか?芝崎次長。
厄介なことが起きちゃったよ。
これから町田支店に行ってもらえないか?えっ?んっ?
(舞:相馬)ストーカー!?そうなんだよ。
町田支店の女子行員が被害に遭ってるらしくて。
ひっどいストーカーなんて最も卑劣で悪質な犯罪ですよ。
世の女性の敵です。
しかしどうして我々が?確かに普通警察ですよね?だろ?いや〜それがそうもいかないらしくてさ。
どういうことですか?あ〜つまりそのストーカー犯が当行の行員かもしれないと。
えっ!?まぁそういうことなんだろうな。
そんな人間がうちの銀行にいるなんて…。
まだそうだと決まったわけじゃないだろ。
もし犯人が行員だったらまずいしできれば内々に解決してほしいそうだ。
「臭いものには蓋」ってことですか。
上の人間が言いそうなことですよね〜。
朝から無駄に血圧上げんなよ。
大体男性社会で働く女子行員がどれだけストレスを抱えているかみんな分かってないんですよ!女性が輝く時代とか言って職場でストーカー被害なんて最低ですよ!まぁ花咲をストーカーしようなんて度胸のある奴はなかなかいないでしょうけどね。
うん怖いもんねうん。
何かおっしゃいましたか?いや何も。
いや何も。

(行員)いらっしゃいませお待たせいたしました。
これでお願いします。
(春日)ストーカーなんてテレビのニュースでしか聞いたことありませんでしたよ!それがこんな身近で起きるとは…。
(小見山)青天の霹靂ですよ。
ホントは本部になんか頼みたくなかったんですがうちの行員が騒ぐからもう仕方なくてね。
お察しします。
しかし本部の臨店班というからどんな人が来るかと思ったら…。
よろしくお願いします。
あの…警察には届けなかったんでしょうか?そんなことしたらうちの恥をさらすようなもんじゃないですか。
何のために君達を呼んだと思ってるんです?本人は同僚を疑ってるようだから表沙汰にはしたくないんだよ。
分かりました。
いや〜それにしても参りましたねぇ。
この忙しい時に!まったくです。
だから私は融資課に女を入れるのは反対だったんですよ!以前ならこんなトラブルは起きなかった。
お言葉をか…。
あとは本人から聞いてください。
くれぐれも大ごとにはしないでくださいよ。
はい。
何なんですか?あの2人。
支店長は事なかれ主義。
融資課長はセクハラ発言。
気持ちは分かるから少し落ち着けって。
被害に遭ってる行員のことなんかな〜んにも考えてないんですよね〜!分かったから声を落とせ!
(美樹)前原です。
2年前からこの支店の融資課に勤務しています。
入行10年目ですか。
大手町支店を皮切りに自由が丘支店融資課に3年。
川崎支店融資課に3年。
優秀なんですね。
いえ。
でも融資課って男性中心の職場ですよね。
女性1人でやりづらくないですか?そんなことは…。
まぁあの上司の下ではご苦労も多いと思いますけど。
(せき払い)何とかやってます。
あの…ストーカー被害に遭われているんですよね?はい。
詳しく聞かせてもらえますか?始まったのは3か月くらい前からです。
着信音もしもし
(美樹の声)最初は無言電話でした。
もしもし?振動音
(美樹の声)週に何度か夜になるとかかって来て。
振動音
(美樹の声)それがようやく収まったと思ったら…。
(美樹の声)今度は帰り道で誰かが後をつけて来るようになったんです。
相手の顔は見てないんですか?いや怖くて見れませんでした。
そうですよね。
でもそれだけじゃなくて…。
他にも何か?実は先週の金曜日マンションの部屋に入られたんです。
えっ!?
(美樹の声)その日はちょっとトラブルがあって帰宅したのが12時すぎだったんですが…。
部屋に入った途端すぐに違和感を感じました。
スリッパが曲がってたんです。
んっ?えっ…それだけですか?気のせいということは…。
相馬さん。
いいえ。
(美樹の声)私家を出る時は必ず玄関のスリッパをそろえて出るんです。
それが習慣なので。
あっそれうちの父もやります。
何か取られたものは?幸い何も取られてませんでした。
アクセサリーも現金も…下着も…。
でも誰かが入ったことは間違いないんです。
本人にしか分からないことってありますよね。
あの…ちょっと待ってください。
部屋の鍵はどうなっていたんですか?掛かっていたんですよね?そこなんです私が同僚を疑ってるのは。
というと…。
(美樹の声)その日家の鍵をなくしてしまったんです。
それで近くに住んでる姉に預けていたスペアキーで入ったんですけど。
今考えるとなくしたんじゃなくて支店の誰かに取られたんじゃないかって…。
それで警察に届けたいと支店長に申し出たんですね?はい。
犯人に心当たりはあるんですか?それは…何とも言えません。
課長にも気のせいじゃないかって言われてますし。
私達は前原さんの味方ですご安心ください。
ここで話したことはどこにも漏らしません。
できるだけ力になります。
ありがとうございます。
多分同じ融資課の誰かだと思うんです。
バッグはいつもデスクの足元に置いてあるんです。
家の鍵を盗めるとしたらそうとしか…。
前原さん以外の融資課は9人か…。
よし早速全員にお話聞きましょうか。
何言ってんの?お前何言ってんの?どうするつもりだよ?「あなたは前原さんのストーカーですか?」って一人一人聞いて回るつもりか?それもそうですね。
はぁ…。
もしこの中に犯人がいるとしたら下手に警戒させるだけだろう。
俺達が臨店だってことも伏せておいたほうがいい。
なるほど。
いい考えがあります。
(和田)人事部?はい。
はい。
現在職場環境向上のため各支店を回ってお話を伺わせてもらってるんです。
今回は融資課の方が対象でして。
そうでしたか。
現在困っていることや不満に思っていることありませんか?いえ特に何も。
融資課内の人間関係などは…。
問題ないです。
小見山課長以下チームワークもよく取れていますし。
それは何よりですね。
(せき払い)見過ぎだ花咲。
アハハハ…。
(北野)人事部には言いたいことがたくさんあります。
えっ?同期はそれなりに出世しているのに何で僕はまだ役席に就いていないんでしょうか?そ…それは…。
えっ…。
不公平じゃないですか!前原さんが紅一点で頑張っているようですが彼女の仕事ぶりはいかがですか?
(古橋)非常に仕事ができる人だと思います。
周りへの気配りもできてますし見ていて勉強になります。
他には?いえ何も。
本当に?
(舞の足を蹴る音)かっ…!あぁ今日はこれで結構です。
お忙しい中ありがとうございました。
失礼します。
(ドアの開閉音)お前さぁ何でもかんでも顔に出すんじゃないよ。
すいませんつい…。
私何度も途中で「あなたがストーカーなんじゃないの?」って出そうになりました。
どうもありがとう出さずにいてくれて。
はぁ…次行くぞ。
はい。
(春日)つまりストーカーらしき怪しい行員はいなかったということですね?はい今日のところは。
まぁ一度面談したくらいでは…。
君もこれで気が済んだでしょ?本部の臨店班まで煩わせて結局何も出なかった。
もうこの件は幕引きでいいね?
(春日)これ以上事を荒立ててもいいことは何もないと思うけど。
(小見山)前原。
支店長はお前のためを思っておっしゃってんだぞ。
はい。
そもそもストーカーなんて思い過ごしじゃないのか?「思い過ごし」って…。
(小見山)よくあるだろ?自意識過剰の女が電車の中で痴漢されたって騒ぐパターンが。
そんな被害妄想に付き合わされる周りの身にもなってみろ。
下手をしたらお前優秀な同僚を犯罪者にするところだったんだぞ。
申し訳ありません。
お言葉を返すようですがそういう言い方は…。
花咲。
(春日)前原君君はこんなことやってる場合じゃないだろう。
今後の処遇について考えたほうがいいんじゃないの?いつまでもここにいられるわけじゃないんだから。
それってどういう…。
(春日)とにかく…この件はこれで終わりです。
はい。
お代わり!はぁ〜。
(花咲幸三)どうした?いつになく荒れてるねぇ。
また何かあったんですか?まぁいろいろと…。
もしやうちの娘がご迷惑を掛けてるんじゃ…?ううんとんでもない。
ご迷惑をお掛けしてるのはこちらのほうです。
そうなんですか?ええ。
あのこれ…うちの名物究極のナス。
美人さん限定特別サービスです。
限定なんですか?ありがとうございます。
お父さんったらキレイな人には弱いんだから。
何だよ悪いか?
(客)幸三さんビール。
あっはい。
ごゆっくりアハっ。
お役に立てなくてすいませんでした。
いえお2人にはホントに感謝してます。
支店長はあんなこと言ってますけど一応調査は続けるつもりですから。
また勝手なことを…。
それにしても今どき小見山課長みたいな男尊女卑の人っているんですね。
今が何時代だと思ってるんですか平成27年ですよっと!もう慣れました。
慣れちゃダメです。
ああいう人には誰かがガツンと言ってやらないと。
お前はいいよなぁ誰に対したって何にもため込まずにガツンと言ってるんだから。
はい?私だって時には言いたいことのみ込んで耐えてますよ。
「時には」っていつだよ?いやさっきだって人知れずこうやって耐えてましたよ。
手のひらに爪が食い込みそうなくらい…。
確かに小見山課長の下でやって行くには忍耐が必要かもしれません。
課長は私が町田支店に配属された時から気に入らなかったみたいなんです。
そうなんですか?何かにつけて目の敵にされてました。
んっ?つまりお前は俺の判断が間違ってたって言いたいのか?いえ私はただ…言い訳をするな!申し訳ありません川崎支店でチヤホヤされてたからいい気になってるんだろうが俺は女だからって甘い顔はしないぞ
(舞の声)ひっどい言い方!昔からあんな感じなんですかねぇ。
先輩から聞いた話では小見山課長同期の女性に出世で遅れを取ったらしいんです。
えっ?多分それが面白くないんじゃないかって。
何ですか?それ。
えっじゃあ前原さんが女性ってだけでキツく当たってるってことですか?人として小さ過ぎますよ!仕方ないんだよ同期の人間はみんな上に行っちまって課長のままなのは自分だけ。
支店長だって見ての通り自分より年下なわけだし卑屈にもなるさ。
だからって…。
あっそういえばさっき気になったんですけど…。
うん。
支店長が言ってた「いつまでもここにいられるわけじゃない」ってあれどういう意味ですか?青山建業ってご存じですか?青山建業…。
あぁ確かこの間倒産した建設会社ですよね。
私そこの融資を担当してたんです。
えっ!あの融資額は?総額で3億。
そのうち回収不能額は2億になります。
2億!?あっ…。
あっちゃ〜。
その責任を取って恐らく次の異動で飛ばされるんじゃないかって。
えっ?そういうことだったんですか…。
「これだから女は」って言われないように人一倍頑張って来たつもりなんですけど。
こんな所でつまずいてしまうなんて。
何かひどくないですか?う〜ん…。
倒産した会社の融資担当だった。
それだけで左遷されるには十分な理由なんだよ。
一度バツがついたらそれで終わりそれが…。
「それが銀行だ」ですよね?そういうこと。
やっぱりおかしいですよその標語。
標語じゃねえから。
いや銀行ってのは大変なんですね。
はいじゃあこれもサービスしちゃおう。
え〜いいんですか?もちろんです。
すみません。
こんなものでよかったらいつでもどうぞ。
フフフ…。
お父さん鼻の下伸びてる。
んっ?あっフフフ…。
おいしそう。

(舞の声)このままストーカー犯が捕まらないことには安心できないですよね。
ええ。
仕事帰りに後をつけられるのってどんな感じなんですか?う〜んどんなって…。
大抵駅からマンションまでの道の途中で気配がして…。
何曜日が多いとかは?あぁ…そう言われるとノー残業デーの水曜日が多いかもしれません。
水曜日っていうと…明日ですね。
お前また変なこと考えてんだろ。
相馬さん張り込みましょう。
(せき込み)張り込むってお前また刑事みたいなことするつもりかよ。
じゃあこのまま放っておくんですか?前原さんこんなに怖がってるのに。
そうじゃないけど…。
相馬さん言いましたよね?できる限り前原さんの力になりますってあの感動的なセリフはウソだったんですか?ウソじゃねえし!じゃあ協力してくださいよ。
いいえそんなご迷惑をお掛けするのは…。
大丈夫です一緒に憎きストーカー犯を捕まえましょう!ありがとうございます。
うん。
はぁ…マジかよ。
(振動音)んっ!はい花咲です。
こちら芝崎配置に就いたどうぞ。
了解しました。
よろしくお願いします。
あのさぁ何で芝崎次長なんか誘ったんだよ。
誘ってないんですけど話したら手伝う!って言って聞かなくて。
(舞の声)芝崎次長子供の頃は刑事になりたかったみたいなんですよ。
(女性)見ちゃダメ。
断れなくて。
来た!前原さんが出て来たこれから尾行して怪しい奴がいないか監視するどうぞ。
了解しました。
あっキャ〜!
(芝崎)あ〜!あぁ…。
あっごめんなさい!何?何なの?ごめんなさいごめんなさい。
信じらんないんだけど。
よいしょはい…。
(芝崎)あれ?ちょっと!
(振動音)花咲です何か動きありましたか?ごめん見失った。
見失った?見失った?ちょっと今手が離せないからあとはそっちで頼む。
えっ…切れちゃいました。
まぁ最初から期待はしてなかったけどな。
(振動音)んっ?あっ。
んっ?前原さんからメールです。
お〜。
今駅に着いたそうです。
うん。
ホントに来ますかねストーカー。
そう都合よく来るもんかね?
(振動音)んっ!またメール。
誰かにつけられてるみたいです。
来た。
行くぞ。

(振動音)お…おいちょっと待てって。
シ〜!
(男)ハァハァ…。
あの〜ちょっといいですか?うっ!わっ!うぅ…。
ん〜〜!待ちなさ〜い!ハァハァ…。
あっ!あぁ〜!ゴミ…。
あっ!もう逃げられませんよ。
んっ?君は確か…。
(美樹)古橋君!?
(小見山)どういうことだ?説明しろ!一体何をやってんだお前は!!ずっと前原さんのことが好きでした。
でも相手にしてもらえなかったんです。
(春日)そんなことが理由になると思ってるのか?厄介なことになったなぁ。
申し訳ありません。
前原さんの後をつけてどうするつもりだったんですか?別にどうするつもりも…。
ただ彼女を見ていたかったんです。
無言電話をかけたのもあなたなんですね?はい。
自分が何をしたのか分かってるんですか?前原さんずっとおびえてたんですよ。
すいません!しかも部屋にまで入るなんて最低ですよ。
えっ?とぼけないでください。
先週の金曜日前原さんのマンションに無断で侵入しましたよね?いえ僕はそんなことしてません。
(小見山)この期に及んで白を切るのか!こんな言い方はしたくありませんが古橋さん警察が調べれば分かることなんですよ。
本当です僕は部屋になんか入ってません信じてください。
古橋!!本当なんです。
(春日)とにかく処分が決まるまで自宅待機。
異存はないですね?はい。
(美樹)そうですか。
わざわざありがとうございました。
あっいえ…。
あの…古橋君は辞めさせられるんでしょうか?それはまだ分かりませんがストーカー行為を認めてしまった時点で銀行員としては大きなバツがついてしまったのは確かです。
あの…そのことなんですけど何か引っ掛かるんですよね。
古橋さんストーカー行為は認めたのにどうして部屋に入ったことは最後まで認めなかったんでしょうか。
本人は認めてないんですか?住居侵入まで認めてしまったら罪がさらに重くなるからに決まってるだろう。
でもあれで否定したら状況悪くなるだけだと思うんですよね。
むしろ全部素直に認めたほうが得策だと思いません?お前な前原さんが余計に不安になるようなこと言うんじゃないよ。
あっすいません私が勝手に思っただけですから。
報告は以上です夜遅くにすいませんでした。
(美樹)ありがとうございます。
失礼します。
こんな時間までお仕事されてたんですか。
(美樹)あぁ…。
青山建業の財務資料です。
青山建業ってもう倒産した会社じゃ…?ええ。
資料の持ち出しはいけないことだと分かってるんですけど本部に移される前にコピーをとったんです。
何のために?実は青山建業が計画倒産したんじゃないかと疑ってまして。
計画倒産?計画倒産?じゃあ銀行を騙してわざと倒産したってことですか?はあ…。
支店長や課長は何て?全く取り合ってくれませんでした。
計画倒産だという証拠はあるんですか?いえまだありませんそれを調べさせてもらいたいんですはぁ…小見山課長どう思います?財務資料は私も目を通しましたがそんなことはないと思いますよ前原の思い過ごしかとそんな…課長がこう言ってるんです問題ないでしょうですが…!お前は2億の損害を出した責任を取りたくないだけなんじゃないのか?違います!
(春日)とにかく青山建業の件は本部の債権回収部に送りますこれは支店長判断ですから君には融資担当者として相応の責任を取ってもらいます何を言っても無駄でした。
それでこっそり財務資料のコピーをとって調べてたってわけですね。
債権回収部が資金の流れを解明してくれるとは思えませんし。
でも私もまだ計画倒産の証拠は見つけられてないんですけど。
ちょっと見せてもらってもいいですか?えっ?あっどうぞ。
あっ相馬さんこう見えて一応昔は優秀な融資マンだったみたいですよ。
「こう見えて」は余計だ。
んっ?ここ破り取られてるみたいなんですけど。
(美樹)あっ!ここに何があったか分かります?あの…あっ目次を作ってあるのでえっと…ちょっと待ってください。
え〜…。
(美樹)あっなくなってるのは振込先リストみたいです。
最後に見たのはいつですか?
(美樹)先週コピーをとった時だと思います。
相馬さんどうしたんですか?この部屋に入ったのは古橋君じゃないかもしれないぞ。
えっ?えっどういうことですか?これはストーカーとは全く別の事件だってことだよ。
つまりこの部屋に入った犯人の目的は前原さんじゃなくこの資料だったってことです。
そいつは前原さんが青山建業の計画倒産を調べてることを知り気付かれないように抜き取ろうとしたんだと思います。
じゃあ部屋に入ったのは青山建業の関係者ってことですか?それはまだ分かりませんが犯人にはどうしても前原さんに振込先リストを見られたくない理由があったってことでしょう。
う〜ん…。
元の資料って本部の債権回収部に送られてますよね?はい。
そいつを見れば何かをつかめるかもしれないな。
調べてみましょう。
うん。
(和田)しかしあの古橋がストーカーとはな。
人は見掛けだけじゃ分かんないよ。
おはようございます。
これですけど何なんですか?あぁちょっと確認したいことがありまして申し訳ありません。
(行員)はぁ…。
はぁ…ないな。
こっちもないです。
どういうことなんだ?振込先リストは町田支店で抜かれたんじゃないでしょうか。
町田支店に青山建業の協力者がいるってことか?はい。
協力者?はい。
町田支店の誰かが犯人とつながってると思うんです。
そんな…。
青山建業の財務資料をあなたが家に持っていることを知っている人間は誰ですか?融資課の人間はみんな知っています。
実は私資料をコピーして調べていることを会議で言ってしまって。
お前誰に断ってそんなことしてるんだ!
(美樹の声)課長にすごく怒られたんです。
じゃあ融資課の誰もが容疑者ってことですか…。
そういうことになるなぁ。
いずれにしてもその協力者は…。
(相馬の声)青山建業の財務資料が本部に移される前に振込先リストを抜き取った。
その後あなたが資料のコピーをとっていたことを知ると気付かれないように部屋の鍵を盗みあなたの部屋に侵入して同じ資料をこっそりと破り取った。
ドアの開閉音信じられません!一体誰が…。
我々はこのまま調査を続けます。
できればこの件ここだけの話にしていただきたいんですが。
分かりました。
相馬さんどうします?取りあえず青山建業に行ってみよう。
社員が誰か残ってるかもしれない。
はい。
協力者?はい町田支店の誰かが犯人とつながってると思うんです
(小見山)前原!何ぼんやりしてる。
すみません。
(小見山)誰のせいで人員が減ったと思ってるんださっさと仕事しろ!はい。
ったく…こっちはいい迷惑だよ。
大体古橋があんなことになったのはお前にも責任があるんじゃないのか?なぁ?はぁ…。
はいそうですか。
分かりました。
どうでした?個別の債権者に資料は渡せないとさ。
まぁ弁護士としてはそう答えるしかないわな。
そうですか〜。
こうなったら地道な方法で行くしかないか。
何か方法があるんですか?ない。
えっ?…こともない。
あの…。
青山建業のここ1年の振込データだ。
もしかしてこれぜ〜んぶチェックするんですか?地道な作業だって言わなかったか?地道にも程がありますよ。
いいか?振込先リストが消えたってことは見られたくない振込先があるってことだ。
そいつはきっとこの中にある。
はぁ…やるっきゃないですね。
怪しい振込先を見つけ出す。
干し草の中から針を見つけるような話だがな。
データベースの中から1つ残らずチェックするぞ。
はい。
あぁ〜…。
はぁ…。
ふぅ〜。
あぁ〜。
あぁ〜。
ふぅ〜…。
(あくび)
(振動音)
(美樹)青山建業の振込先を全部調べたんですか?はい大変でしたけどその分収穫はありました。
1件だけうちのベータベースに登録されていない振込先が見つかったんです。
えっ?その会社について調べたところ町田支店のある人物とつながっていたことが分かりました。
つまり青山建業から町田支店の行員にお金が流れていたんです。
誰なんですか?それを前原さんの前ではっきりさせます。
待っててください。
支店長こちらでご検討いただければ。
あぁありがとうございます。
上がります…?
(春日)ええ。
う〜ん…。
(小見山)これで大丈夫です。
(春日)ええええ分かりました。
失礼します!ど…どうしたんですか?急に。
本日古橋洋一さんの処分が決定しました。
一刻も早くお伝えしようと思いまして。
えっ?ホントなのか?はい。
で処分は?戒告です。
戒告?
(春日)か…戒告ってそれだけですか?異動も伴うとは思いますがご不満ですか?あっいえ…軽くて驚きました。
ちょっと待ってください。
古橋は前原の自宅に忍び込んだんですよ。
刑事事件にならないのが不思議なぐらいだ。
てっきり懲戒解雇かと。
住居侵入の件はもちろん刑事事件にします。
在職のまま警察に差し出すのか?いいえ。
何を言ってるのか意味が分からない。
自分のやったことにちゃんと責任取らせないと他の行員達に示しがつかないだろうが!前原さんの部屋に侵入したのは古橋さんではありません。
何だと?じゃあ誰なんですか?それは…あなたです小見山課長。
デタラメを言うな!何のために俺がそんなことを…。
あなたが青山建業とつながっている証拠を消すためです。
本当ですか?小見山課長。
知らない!私は関係ありません。
私達はこう考えています。
青山建業の倒産は計画的なものだった。
恐らく社長はどこかに資産を隠しているんでしょう。
小見山課長はその事実を知りながらわざとそれを見逃しその見返りにお金を受け取った。
(舞の声)支店にあった青山建業のファイルから振込先リストを抜き取ったのも…。
(舞の声)前原さんの部屋の鍵を盗み出したのも…。
(舞の声)彼女の部屋に忍び込んでリストを破り取ったのも…。
全てあなたがやったことです。
ウソだ!フフっそんなのは全部お前らの想像じゃないか!残念ながら…想像ではありません。
小見山課長がそこまでして見られたくなかった青山建業の振込先リスト。
そこに何があるのか調べさせていただきました。
ブレーン総研というコンサルタント会社ご存じですよね?業務実績はゼロ。
ほとんど実態のない会社です。
そちらに500万円というコンサルタント料が青山建業から振り込まれています。
代表取締役の名前は小見山佐代子さん。
小見山課長あなたの奥様ですよね?この会社に金が流れていることが発覚すれば青山建業との関係が知られてしまう。
だからあなたはどうしても隠ぺいしたかった。
この件については現在本部が徹底的に調べています。
青山建業の社長にも話を聞いていますので全容解明は時間の問題かと。
何てことを…。
(春日)はぁ…。
クソ〜。
(小見山)クソ〜。
クソ〜…。
クソ〜!!お前らなんかに何が分かる!!俺が銀行のために何年尽くして来たと思ってんだ!!
(小見山)文句ひとつ言わずに働いて大口融資だっていくつも取って来たよ!なのに…!いつになったら支店長にしてくれるんだよ!!
(小見山)ちっとも俺を正当に評価しないじゃないか!たかが500万貰ったぐらいで何だ!俺がこの銀行に貢献して来たことに比べたらちっぽけなもんだろう!!お言葉を返すようですが。
「ちっぽけなもの」ではありません。
あなたが東京第一銀行に与えようとした損害は2億を超えます。
そしてそれ以上に銀行にとって一番大切な「信用」に傷を付けるところだったんです。
それを救ったのはあなたが「女だから」という理由だけで排除しようとした前原さんです。
(小見山)黙れ!!黙りません!前原さんはどんな嫌がらせを受けても仕事で結果を出そうと努力しました。
理不尽な出向も言い訳せずに受け入れようとして来ました。
それなのにあなたは部下を指導する立場にありながら取引先の計画倒産に手を貸すなんて…。
そんなの絶対に間違ってます!先程「自分がやったことの責任はちゃんと取らせないと示しがつかない」とおっしゃっていましたがだったら今一番責任を取らなければならないのは小見山課長あなたです!ありがとうございます。

(幸三)「青山建業」?舞?んっ?これってこないだお前達が話してた会社じゃないのか?あっそうだよ。
最近は倒産が多いなまぁうちも人ごとじゃないけど。
うちはお父さんが頑張ってるから大丈夫だよ。
計画倒産か…。
ひどいもんだな。
うん。
で…計画倒産って何だ?んっ?だから計画倒産っていうのは…ちょっと待って。
あっ遅れちゃう…。
また今度話す。
じゃあごちそうさまいってきま〜す。
(幸三)あぁ…いってらっしゃい。
倒産…。
父さん。
頑張ろっと。
よし!
(児玉)真藤常務の進言通り融資課長は懲戒解雇支店長は地方の支店に異動…ということで行内は無事まとまりました。
そうか。
当行の名前に傷が付くという事態も避けられたようだな。
はいさすが真藤常務です。
経営に携わる者としてこういう危機管理には慣れておかないと。
鮮やかなお手並みでした。
フフっ。
前原さん町田支店でそのまま働いてるみたいです。
よかったですね〜。
取りあえずバッテンはつかずに済んだってわけだ。
バッテンどころか大手柄ですよ。
おはよう。
おはようございます。
おはようございます芝崎次長。
(芝崎)これ広報部から貰って来たよ。
出来たてホヤホヤアハハハ。
私が取材受けたやつ。
どれどれ?やった〜!どこだよ?ここ。
小っさ!何でこんな小っちゃいんですか?ハハハ…。
何か急にこのニュースが差し込まれたらしいんだよね。
あっそうなんですか?だって先月なんて見開きですよ!
(芝崎)大きい。
まぁまぁ…次があるって。
ダイチくんに負けるなんて…。
だってこれページ増やせばいいだけの話じゃないですか?結構30分ぐらいしゃべってましたよ。
(芝崎)3行ぐらいだハハハハ!ちょっと待ってください。
何で〜!?2015/07/29(水) 22:00〜23:00
読売テレビ1
花咲舞が黙ってない #4[字][デ]

原作・池井戸潤、主演・杏。東京第一銀行臨店班の花咲舞が、ベテラン行員・相馬健とコンビを組み、銀行で起こる様々な事件を解決していく、痛快オフィスストーリー!

詳細情報
番組内容
町田支店で女性行員・美樹(中越典子)がストーカー被害に遭うという事件が発生する。同僚の行員による犯行の可能性があり、舞(杏)と相馬(上川隆也)は内密に調査することに。だが怪しい人物は見つからず、支店長・春日(山田純大)と融資課長・小見山(渡辺いっけい)は「思い過ごしだ」と、事態を終息させようとする。ストーカー犯を捕まえるため、美樹の帰り道を張り込む舞と相馬。すると、不審な男の姿が現れる…。
出演者

上川隆也
塚地武雅(ドランクドラゴン)
甲本雅裕
大杉漣
生瀬勝久
渡辺いっけい
中越典子
山田純大
長田成哉
原作・脚本
【原作】
「不祥事」(実業之日本社・講談社文庫)「銀行総務特命」(講談社文庫)池井戸潤
【脚本】
横田理恵
監督・演出
【演出】
佐久間紀佳
音楽
菅野祐悟
得田真裕
【主題歌】
「I am a HERO」福山雅治(アミューズ/ユニバーサルJ)
制作
【チーフプロデューサー】
伊藤響
【プロデューサー】
加藤正俊
柳内久仁子
【制作協力】
日テレアックスオン
【製作著作】
日本テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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