(辻純一郎)もうすぐ琵琶湖ですよ。
(原口頼子)そうね…。
わ〜きれいね〜。
あと10kmすよ京都市内まで。
今日はサイコーすね紅葉狩りが。
純一郎さん。
はい。
勘違いしないで。
私はあなたと京都見物に来たわけじゃないの。
はいわかってます。
待ちなさいよ。
あなたがローンの取り立て屋に追われているというから…。
分かってます。
東京脱出できて感謝してます。
師匠には。
その師匠って言うのやめてちょうだい。
どうしたの?あの…オシッコが…。
早く言えばいいのに。
フッフフフ…。
もしもし…。
あ〜…笙子さん。
(笙子)今どこ?あっじゃもうすぐね…うん。
あの…あなたのいつもの部屋リザーブしてあるから。
よかった。
間に合って。
えっ?…パーティーよ。
松泉流のパーティー。
いや〜よパーティーなんて。
私がパーティー嫌いだって知ってるのに。
だってこのホテルの中であるんだから。
家元にねあなたを紹介するって約束しちゃったの。
私の顔を立てると思ってお願いっ。
じゃあご挨拶だけで失礼してもいい?うん。
いい。
じゃあね待ってる。
(司会者)それでは家元よりのご挨拶です。
(拍手)
(服部道子)皆様本日は私どもの発表会にお集まりいただき御礼申しあげます。
恒例となった松泉流秋の発表会も今年で20年目を迎えることになりました。
ここまで順風満帆にこられたのも皆様のお陰と感謝しております。
今年は例年にもましまして私どもの自信作を大広間に展示させていただきました。
どうぞご笑覧くださいませ。
(拍手)
(司会)それでは乾杯をさせていただきます。
乾杯の音頭を代議士の浜中宗佑先生にお願いします。
(浜中)おめでとうございます。
それではご唱和お願いします。
乾杯。
(一同)乾杯。
(拍手)
(司会)ではしばしご歓談を…。
おめでとうございます。
ようこそおおきに…。
ご紹介させていただくわ。
ジュエリーデザイナーの原口頼子さん。
はじめまして。
よろしくお願いいたします。
服部ですようこそお越しくださいました。
お宅の作りはるのは指輪でもネックレスでもほんまに素敵で…。
これ私のいちばんのお気に入りどす。
ご贔屓にしていただきありがとうございます。
頼子さんの作品は一点物なのでうちの店でもとても人気でして。
そらそうどすやろなぁ。
うちの主人と一番弟子の板東です。
(服部誠一)どうも…。
よ〜来てくれはりましたな〜。
(板東忠久)板東です。
よろしゅう…。
はじめまして。
原口です。
(嬌声)北村伊織さん売れっ子なの。
テレビの生花教室に出演してから若い生徒さんが増えて。
伊織さん…ちょっと。
紹介しよう。
東京から来はったジュエリーショップのオーナーの渋海さんとデザイナーの原口さん。
どうも北村です。
はじめまして。
時々テレビで拝見してるわ。
ありがとうございます。
この間コマーシャルにも出たんですわ。
けどほどほどにしとかんとな…。
タレントさんやないねんさかい。
人気が先行して作品は松泉流らしさがないという人も。
この世界って旧態依然なので私なりに変えようと思って。
けど新しけりゃええっちゅうもんとは違うのえ。
松泉流の伝統は守らなあかん思うてます。
けど個性も大切です。
個性ないもんは作品として弱いゆわはったのは先生です。
伊織さん口を謹しまな。
すんまへん。
ちょっと失礼します。
あ〜…食事の支度も整ってますのでさどうぞ。
頂きましょう。
お腹すいちゃった。
あっ…いっ…。
なんやろくなもんしかあらへんな。
あ〜ら。
バッグが開いてますわよ。
あっほんに…。
あっ…おかしっ。
あらへん…お財布があらへん。
財布がない〜っ。
ここに掏摸がいまっせ掏摸が。
あらあれは何かしら?うちの財布やがな。
なんでこんなとこに?
(笑い声)
(絵里)ごめんなさい…。
伊織さんよろしいか?何?ちょっとすんません。
(治美)このホテルのお正月の飾りうちらに手伝わせてえな。
あんたから家元に言うてくれへん…。
恥ずかしないん?同期生の下で使われて。
あんた売れっ子やし。
あきれるわ。
プライドもなんにもあらへん。
人の力あてにせんと自分のウデ磨きよし。
なんやのんあの態度…。
殺したりたいわ。
はい…頼子さん?すんだ?チェックイン…じゃあ私のホテルに車回しといて。
分かりました。
伊織さんっちょっと待たんかいな。
うるさいな。
うちはうちのやり方でやってんにゃから。
そんな勝手許されるか?お前がここまでやってこれたんは誰のおかげや思うてんねや!売れっ子いわれてテレビに出られるのも松泉流の看板あってのことやろ?うちの実力や。
うちは家元の代理やないっ。
口が過ぎるでっ。
ええよ破門しても。
うちは独立してもやっていける。
うちが辞めて困るのはあんたらやないの?マスコミがほんまのこと知ったら驚くやろな…。
待てっ余計なこと言うたら許さんでっ。
洗車しなきゃまずいなこれ。
どうしたの頼子さん捜したわよ。
私人込み嫌いだから。
じゃ家元にご挨拶したらそろそろ部屋に戻りましょう。
あいらしたわ。
道子さん。
あら…。
お花拝見したらそろそろ失礼します。
そうですか…ほんまおおきに。
こちらこそ…。
ごめんなさい…。
えっ?チェーンが切れてるわ。
あっ。
どうしたのかしら?どっかひっかけたんやろか…。
貸してくださる?頼子さんに直していただくから。
落としたりするといけませんし。
ね頼子さん。
チェーンは取り寄せになりそうなので少しお時間をください。
そうですか…。
ほなお願いします。
お預かりいたします。
あっあの〜…。
お花の展示会場はどちらですか?ああの〜準備してますのでお待ちください。
ほんまやってられんなも〜。
ほんま頭にくるな〜伊織には。
みんな伊織さん伊織さんてあれでは家元形なしや。
ちょっと…。
どないした?
(悲鳴)伊織さんが…こっちです。
伊織さん…。
お〜道子…。
誰かっ救急車や救急車。
(貝塚刑事)久しぶりの事件やな。
しっかりやるんやで。
(パトカーのサイレン)この紐で絞められたうえにこれが致命傷やな。
(後藤刑事)ひと突きですね。
男かな〜殺ったんは?
(TVニュース)今日の夕方京都市内のホテルで華道松泉流の北村伊織さんが胸を刺され死亡していたため京都府警は殺人事件とみて捜査しています。
事件当日ホテルでは松泉流20周年記念発表会が開催されていました。
北村さんは首を絞められたうえ胸には花切りバサミが刺さって…。
信じられないわ。
殺人だなんて。
(パトカーのサイレン)リングはプラチナがいいかしら?いちばんショックなのは家元の道子さんでしょうね。
ダイヤが大きすぎるかな〜。
明日様子見に行ったほうがいいかな?お得意様なんだし…。
好きにして…。
あっわるいけどルームサービス頼んで。
お紅茶アールグレイ。
あなたものんきね〜。
私はダージリンにしよう。
面倒なことに巻き込まれたくないのよ〜。
(レポーター)北村伊織さんが亡くなったことで家元にひと言。
(記者)華道界の若手ホープを失った今のご心境は?お願いします!家元はこちらにおりません。
家元は今静養中ですので事件の真相が分かりましたら皆様に報告させていただきます。
家元からひと言お願いします!発表会中止せなしゃあないな。
(インターホン)
(チャイム)純一郎さん?どなた?京都府警捜査一課の貝塚です。
なんでしょう?ちょっといいですか?お手間はとらせまへん。
(山崎五郎)絶対取り立てに行くからな。
おいっちょっと…。
や〜どうも。
こんな所まで逃げてたか。
逃げてませんよ。
そんな頭で逃げられねえんだよ。
ちょっと来い。
もう逃がさねえからな。
北村伊織さんは午後4時から4時半の間に殺されたわけです。
その間あなたはどちらにおられましたか?分かりませ〜ん。
あら…どうぞおすわりになって。
分からないってことはないでしょう。
分からないわよ〜。
4時から4時半にどこにいたなんて。
昨日のことですよ。
あなたここに何時に来ました?えっ?え〜…。
ほらパッとは答えられないでしょう?ハッハハ…かないまへんなフフフ…。
返します。
今月中にはなんとか。
駄目だっ。
今すぐ耳をそろえて返せ。
そんなこといったって。
払えないならなあ親兄弟に肩代わりしてもらう。
明日は?明日は必ず…。
駄目だっ。
信用できねえ。
逃げないっすよ。
じゃホテルの連絡先書きますから。
はいっ。
よ〜しかけてみるぞ…。
あっ。
なんだよっ。
あの〜おしぼり。
こぼしちゃった…。
待て待てっ。
何のまねだ返せっ。
バイバイ!バッカ野郎。
お客様お勘定…。
後ろ後ろっ。
待てっ。
お客様お勘定をお願いします。
分かったよどけっ。
バカ野郎いくらだよっ。
1,155円になります。
1,155円。
1,000円と155円ほらっ。
バカ野郎早く来いこの野郎。
私を疑ってらっしゃるの?いやいやそうやおまへん。
パーティー参加者全員に聞いてます。
優雅ですな〜。
ご婦人一人でスイートでっか。
高こおまっしゃろ?女一人じゃ贅沢だって?いえそういうわけじゃ。
もうよろしいかしら〜?私ちょっと人と約束してるんで。
あら?純一郎さん。
アシスタントです〜。
ほらどうぞ。
は〜失礼します。
誰?刑事さんよ。
昨夜の事件の調査。
ほ〜ら。
ふ〜ん…。
何してるの?えっ?いや…。
ちょっとヤバイことになって。
ヤバイことってな〜に?いや〜…。
絶対うまくいくと思ったのに。
あともうちょいだったのに。
まだまだ未熟すよね〜。
特訓してほしいな〜師匠に。
(ため息)あっ師匠と呼んじゃ駄目だったんだ。
・ごめんやす。
前菜どす。
(女将)おいでやす。
お待ちしておりました。
お久しぶりです。
ほんまにお久しぶりどすな。
ではごゆっくりどうぞ。
ありがとうございます。
緊張しますね。
こういうとこで食ったことねえから。
なんですかこれ?チケット代新幹線の。
これ食べたらすぐ東京に帰りなさい。
私は見境なしに人の物を奪うわけじゃないの。
人の迷惑を省みないような嫌〜な人間を見るとつい指が動くの…。
俺もあの〜つい動いちゃって。
覚えたくて覚えたんじゃないの。
昔女優をやっていた時に映画の役柄で覚えざるを得なかったの。
俺も仕方なく…。
取り立て屋が。
言い訳は聞きたくないっ。
もうしないっすよはい…。
駄目帰りなさい。
だいたいあなたなんで私につきまとうわけ?そばにいたいんすよ頼子さんの。
フッフッフな〜にいってるの。
俺自分がなにをやりたいのか分かんないすよ。
仕事も大学も途中でやめちゃって親にも見放されて…。
自分の生きたい道が分かったら頼子さんの前からいなくなります。
あら今消えて〜。
あ〜…今すか。
もしもし〜原口です。
もしもし。
もしも〜し。
どなた?いたずらすか?「清水の舞台から飛び下りる」って言葉知ってる〜?聞いたことはありますが意味はちょっと。
あなたがやったようなことよ。
フン…ちょうだい。
何すか?車のキー返して。
もうやりません。
信じない。
頼子さん一人じゃ。
余計なお世話。
何か役に立ちたいな〜と。
いらないっ。
じゃあね〜。
あっ。
頼子さんっ。
大丈夫ですか?大丈夫ですか?俺今晩そばにいます。
大丈夫よ。
でもまたいつあの男が…。
ただのイタズラよ。
おやすみ。
(ため息)はいどうぞ。
もしもし…。
もしも〜し。
どうぞ。
ね〜お若かったのに…伊織さん。
え〜これからっちゅう時でしたから。
まだ信じられへん。
あの子が殺されたやなんて。
まだ犯人は?
(誠一)ええ。
恨みを買うような人にはみえなかったけど。
けど同期の生徒たちとは仲がようなかったいうか。
妬む子もいたり…。
あの娘人を見下すちゅうかそういうところあって。
そういう面があったのかしら?犯人はうちの生徒とは違います。
誰かが松泉流を陥れようとやったんです。
うちの躍進を妬んでいる人間はぎょうさんいましたさかい…。
警部ガイ者の司法解剖の結果が出ました。
花切りバサミからは指紋は検出されてません。
刺した後拭き取った可能性も。
刑事さんや。
突然ですが北村伊織さんがつきあっていた男はどなたです?さあ〜知りまへんな〜。
男の人がいたかどうかやなんて。
あんさん知っといやすか?いや〜知らんな。
伊織さんは去年の暮れまで同居されていたとか。
へえ。
それは家族の一員みたいなもんでしたさかい。
家族同然やったらなんか聞いたはりますやろ?仕事の相談はよく聞きましたけどプライベートなことはなんにも。
刑事さんかてお宅のお子さんが誰とつきおうてはるかご存じおへんやろ?いやそれは…。
でそのつきあっていた男が犯人と…?いやそうではなくて伊織さんの解剖結果が出ましてね。
お前言えよな…。
はい。
お腹に子供がおったんですわ。
まあ!?ほんまですか?3か月やったそうです。
えっ!?じゃあその男が伊織さんを?よくある話じゃない?別れ話がこじれてケンカになり結局殺しちゃった。
ケンカ…?ええよ破門するなら破門してうちは独立してもやっていける。
辞めて困るのはあんたらやないの?なんやとっ。
マスコミが本当のこと知ったら驚くやろな。
待て!離してっ。
余計なこと言うたら許さんでっ!板東さんが?相当激しくやり合ってた。
板東って?家元の高弟よ。
高弟?一番弟子…。
はあ。
あの二人きっと何かあるわね。
板東さんが伊織さんをライバル視してたのは知ってたけど。
それはそうと頼子さんを突き落とそうとした男って一体何が狙いだったんですかね?私は恨みを買うようなことは何もしておりません。
もしかしてストーカーだったりして。
えっ?冗談よして…。
まじめに言ってるのよ。
大丈夫ですよ俺がガードするから。
いらない。
自分の身は自分で守るわ。
すみませんお紅茶お願いします。
アールグレイ…はいよろしく。
あら純一郎さんケータイ忘れていったわ。
(チャイム)純一郎さん。
あっ!
(従業員)キャッ!
(チャイム)
(ノック)
(ノック)頼子さん!頼子さん!
(ノック)はいっ。
はっ。
頼子さん!待って!今開ける。
ああ純一郎さん。
しっかりしてくださいっ。
何か盗られたものは?いいえ。
犯人に心当たりは?いいえ。
高価なアクセサリーはいっぱいあるけど盗られたものは何もないわ。
ごめんなさいっ。
頼子さんあなた男に襲われたんですって?大丈夫?ケガない。
このとおりピンピンしてるわ。
犯人は何を狙ってたんですかね?この人かもしれへんな。
べっぴんさんが一人でおるのは危険や。
これ褒めてるのかしら。
つかぬこと伺いますけどあなた京都の方?は?いや出身は違いますけど。
でしょうね。
京都の方はもっと遠回しよね。
とにかく今晩は私が見張ってますさかい。
俺がいますから結構です。
あかん任務や。
禁煙よここは。
でも灰皿が…。
ちょっとっ。
私が決めたの。
洋服に臭いが染みたら買い換えていただくわよ。
分かりました。
今日は退散しますわ。
あんたの身はこの貝塚が責任持って守りまっさかいなんかあったらすぐ連絡してください。
行くぞ。
あの刑事好きになれないっすね。
男のやきもち?何言ってるんですか。
でもよかった無事で…。
何かあったら困っちゃう。
大事なパートナーなのに。
あなたもあまり事件に深入りしないでよ。
そうね。
明日伊織さんの密葬に出たら帰るわ。
そうだ喪服頼んだの見てこなくちゃ。
純君あなた頼子さんを守ってあげてよ。
はあ。
はあだなんて頼りないんだから。
大丈夫よ。
いってらっしゃい。
いってらっしゃい。
何者ですかね頼子さんを襲った犯人は?やはりストーカーすか?こいつよ。
間抜けすね。
財布落としてくなんて。
落とすわけないでしょ。
まさか…。
ちょっとお借りしただけ。
なんで刑事さんに…。
だって私の秘密がバレちゃうでしょ?そうか。
渡してきて刑事さんに。
落ちてましたって。
はい。
何も入ってないですね。
あ名刺だ。
頼子さん。
板東忠久…。
やっぱり…。
君らちょっと中を頼むわ。
あ渋海さん…。
本日はまことにありがとうございました。
どうぞお力をお落しになりませんように。
おおきに。
あの男に間違いないな?はい間違いありません。
お取り込み中すんまへんがちょっと署まで同行願えますか?なんのことでっしゃろ?昨夜ご婦人の部屋に侵入した男がおるんやけどこの人があんたがその部屋を出るの見たいうてますね。
なんかの間違いです。
ほなこの財布はなんや?これ説明してもらいましょか。
お忙しいところありがとうございました。
とにかく葬儀の最中やさかい待っておくれやす。
終わったら話します。
そうかほな待たしてもらうわ。
おおきにご苦労さん送りますな。
あちょっと裏見張っとき。
はい。
どないしたん?なんでもおへん。
ちょっとお願いします。
あの…板東さんは?さあ知りまへんけどなあ?うん。
あんさん疲れたさかい先休ませてもらいます。
ううん。
後藤…板東は?いやこちらには。
ああしもうた。
(踏切の警報音)板東はきっと逃げたんやな。
えらい恥さらしや。
除名やね板東は。
すまんかったな。
ちゃんと見てなかった俺にも責任はある。
警察ざたになったらまたマスコミにたたかれまっせ。
ああ…。
ほんまにもう情けのうてご先祖様に申し訳ないわ。
出かけてこようかしら…。
ダメですよ。
大丈夫よ。
あいつまだ捕まってないんですよ。
殺すつもりなら侵入したとき殺されてるはずでしょ?階段から突き落とそうとしたじゃないですか。
あの人の狙いは私じゃないと思うけど。
(パトカーのサイレン)
(刑事)ご苦労さまです。
どうも貝塚です。
手配されてた車です。
すんまへんな。
おっ!
(テレビ)今日午前9時頃琵琶湖のヨットハーバーで車が沈んでいるとの通報があり滋賀県警が車を引き揚げたところ車内から男性の遺体が発見されました。
この男性は京都市内に住む華道松泉流板東忠久さんと判明。
遺体から「北村伊織には気の毒なことをした。
死んで償いたい」などと北村さん殺害を仄めかす内容の遺書が見つかっており警察では北村伊織さん殺害事件との関連からみて亡くなった板東さんが北村さん殺害を苦にした自殺とみて捜査を続けている模様です。
ただ今より松泉流家元宅で記者会見が始まる模様です。
中継に切り替えます。
この度の一連の事件でわが松泉流の将来を担う優秀な二人を失くしたことはまことに残念です。
間もなく真相は明らかになると思いますがとりあえずは皆さま方におさわがせいたしましたことを深くおわび申し上げます。
純君おはよう。
おはようございます。
頼子さんまだ寝てるの?宝石店に寄った後お寺へ行ってくるって。
えっ?京都へ来て悪いことが続いたからお参りしてくるって。
コーヒーでも飲む?はい。
私一足先に東京へ帰る。
お店が心配だし…頼子さんに伝えておいてくださる?分かりました。
コーヒー2つお願いします。
かしこまりました。
でもよかったですよね。
事件解決して。
結局上にあがれなかった板東さんにとって人気絶頂の伊織さんは邪魔な存在だった。
バカバカしい…男のプライドなんて。
殺さなくてもよかったんだよな。
でも本当に板東さんかしら?ええっ?だってあの二人前から仲悪かったんでしょ?だったらもっと前に何かあっても…。
だからカッとなって殺っちまったんじゃ…。
私は板東さんよりあの人のほうが気になるわ。
あの人って?家元のご主人よ。
あの目がね何考えてるんだか分からない。
それは偏見ですよ。
勘よ…女の勘。
私の勘って当たるのよ。
(店主)相変わらずええデザインですな。
一点物やさかい先生の言い値で売らせていただきます。
ありがとうございます。
よろしゅおまっしゃろ?引き手金具の寄せ集めですけど。
まあすてきですね。
よろしゅおまっしゃろ。
じゃあこれいただくわ。
それも一緒にね。
じゃあ東京へ送ってください。
毎度ご贔屓にありがとうございます。
裏へ回れ早よっ。
(サイレン)やぁどうも。
なにか…?違反はしてませんけれど。
いえ事件が解決したんで報告をと思いましてね。
それはどうもご丁寧に。
これで危険もなくなりました。
それはどうかしら?え?私はあの人が自殺したとは思えないの。
なんですって?なんであの人が私を襲ったのか?なぜ私の部屋に侵入したのか?まだ謎だし事件と何らかの関係があるような気がしてならない。
つまり板東は殺された?それは分からないけどあの人の遺書って自筆でした?いやあのワープロやけど。
あっ車…ちょっとどけてくださる?お前どけほらっ。
けど伊織さん殺したのはあいつに間違いない。
あんたを襲った原因もいずれはっきりさせますわ。
その前にマナーの勉強なさったら?は?吸い殻お拾いになったら?ここは神社の境内よ。
はい。
旦那さんあの…。
なんや。
ちょっとよろしいか?お願いがあるんです。
なんやな?伊織さんがやる予定やったリーガロイヤルホテルと神松寺のお正月のお花うちらに…?なんやて?うちらかて彼女に負けん自信はあります。
お願いします。
もう誰かに?まだ決めてへんけどな。
ほならお願いします。
お願いします。
家元に相談してみんことにはな。
家元はダメいうに決まってます。
そやから旦那さんから…。
無理やな。
なんでですか?あんたらにはまだ任せられへん。
そのうちチャンスがくるさかいウデを磨いとくこっちゃ。
旦那さん。
やっぱりあかんかった。
なんやのん伊織さんにオンブにダッコやったくせに。
あきらめよか。
頭きた…嫌がらせしたろか。
警部こんなものが。
なんや?北村伊織の交際相手は服部誠一や!これ家元の旦那や。
このファックス多分コンビニからですね。
(署員)警部!板東の体内からトリカブトの毒が検出されました。
なんやて?トリカブト?死因は溺死ですが飲んだコーヒーにトリカブトが…。
ほな板東は…。
殺された可能性も。
けど自分で毒を飲んだということも。
この写真…死体の向きを考えると運転席に座っていたのは不自然。
運転席のドアも半ドアでした。
ほな誰かが車を。
そういうことも…。
犯人は死体を助手席に乗せて車ごと沈める直前に飛び降りた。
乗せられた時はまだ生きていたかも…?トリカブトの毒はすぐには死なんようですから。
なるほど…。
服部さん!ちょっとおつきあい願えますか?何ですか?大事な話がありますねん。
さ…ちょっとこっちへ。
間違いありまへん。
あの娘とつきおうてました。
ほな伊織さんのお腹の子供は?へぇ…面目ありまへん。
何で黙ってたんや?ええ?家元に知られるのがイヤやったんか?服部さん…板東は自殺やのうて…殺されたみたいなんや。
えっ!?あんた何か…。
知りまへん…。
私はなんにも知りまへん!おい待て!手荒なことするな!あわてんでええ。
隠しとるな。
えっ?何か隠しとるに違いない…。
ごぶさたしてま〜す。
(住職)あぁ…原口さん。
お久しぶりどす。
あぁ…いつ来てもきれいですね。
あなたも。
は?何度みてもお美しい。
まあ…。
どうぞごゆっくりご覧になってください。
ありがとうございます。
失礼します。
きれいね…。
やっぱりここへ来ると心が落ち着くわ…。
はっ!お帰りなさい。
あ〜びっくりした!笙子さん帰っちゃったよ。
一緒に帰ったんじゃなかったの?帰れないっすよ。
事件がスッキリしないと…。
板東は自殺じゃなくて殺されたらしいですよ。
ええっ!?どうしたんですか?いや…また誰かにつけられてるような気がして…。
マジで?気のせいねきっと…。
引っかかったねぇ。
ちょっと待った!何やねん…。
あんた誰!?何で頼子さんをつけてるの?頼まれただけや。
頼まれた?俺は…こういうもんじゃ。
じゃぁな。
ちょっと待ちなさい!「黒田探偵事務所」…あんた探偵?そうや。
誰に頼まれたの?それは言えへん。
守秘義務があんのや。
あそう…じゃ警察行こうか警察!かまへんで。
仕事やで何も悪いことしてへんがな。
その調査の内容…私に売ってくださらない?何やて?依頼人の倍の調査料でどうかしら?そんなアホな…。
3倍…いや10倍で買うわ。
冗談やろ?依頼された件をすべて出してくれたらね。
そやな…。
600万円でどや?600万円!?お金はすぐ用意するわよ。
ごめんください。
どうも…。
ああどうも。
さどうぞ。
これで全部ですわ。
お金の用意はしてくれはりましたな?はい。
あのすみませんトイレは?え…そっちや。
すみません。
・・ちょっと失礼。
はい黒田です。
これ…拝見してよろしいかしら?ああどうぞ。
もしもし…?あのちょっとね…よく聞こえないんですよ。
調査?30万円からですわ。
あの…どちらさんですか?はい…あのお名前は?ええ…ちょっと待ってください。
はい…。
え〜と…。
はいはい…。
あ…そうですか…。
あぁ…これは結構です。
えっ!?あちょっと後で電話しますわ。
ななにを今更…。
よく偽造書類を買わせられるので…。
偽造?読めば分かるわ。
あんたの優雅な生活も知ってまっせ。
旦那が残してくれた東京の億ションに一人でお住まいだそうですな。
えぇそうよ。
それが何か?これ600万円の価値はありまっせ!信用できないわ。
私の事でも一つ大きな調査漏れがあるし…。
では失礼いたします。
ごめんあそばせ。
あそばせ。
何やねん…。
訳の分からん女や…。
600万円は高すぎたかもなぁ…。
やりましたねさすが師匠!喜ばないで。
依頼人は服部道子よ。
家元が?死んだ伊織さんは家元の旦那さんと深い関係にあったみたい。
ということは伊織さんのお腹にいた子供は旦那との…?え〜と…一昨年から今年の春にかけて金融複数社とヤミ金融から3億円の借金…。
旦那ギャンブルにはまってたんだ…。
そういうことしそうな顔してないんだけどな…。
北村伊織の購入したマンションや外車の保証人が服部誠一になってる…。
旦那…伊織さんに貢いでたんだ。
ということは旦那の服部誠一が伊織さんを…?私も思い当たる事があるの。
ああのぅ…あらどこ行くの?いやちょっと…。
余計なことしちゃダメよ。
何やねん?ずっとつけてたやろ?いや別に…。
待ちいな!何の用やね?お宅ですよね…この写真…。
あんたが伊織さんを…?冗談いうたらあかん!あちょっと!遅くなって申し訳ございません。
いいえ。
気に入ったチェーンがなくて「寺内宝石店」さんから分けていただきました。
いやそうどすか。
寺内さんいうたら京都一の宝石店どすさかい…。
お手数かけてすんまへんどした。
いいえ…。
それより…ちょっと気になってしまって…。
何がどす?そのブレスレットになにか血のようなものが付いていたんですが…。
ええっ!?いやそうどすか…。
まあだから別にどうってことじゃないんですけれど…。
いやあの…ようバラの棘やら笹の葉で切ったりすることがおすさかい…。
家元にひとつお伺いしてもよろしいですか?なんでっしゃろ?トリカブトというのは生け花にも使われるんですか?さぁ?知りまへんな…。
私は使うたことおへんさかい…。
あそうですか…。
ところでおいくらですか?いえいえ結構です。
そういうわけにはいかしまへん。
ついでの仕事ですから。
そうどすか。
ほな今回はお言葉に甘えさせていただいて…。
おおきに。
では私はそろそろ…。
わざわざすんまへんどした。
では失礼いたします。
ご苦労はんどした。
ちょっとおねえさんつきおうてくれへんか?何やナンパかいな…?あぁそうやナンパや。
こちらへ。
警部…このファックス送ったのは弟子のあの子らでした。
何でそんなことをしたんや。
イタズラですわ。
北村伊織の代わりに仕事をくれいうたら服部誠一に断られたみたいで…。
けど服部誠一のことは悪う思っとらんようで彼女らは北村伊織を殺したのは誠一やないと言うとります。
ほな誰や?さあ…?
(チャイム)どうぞ開いてるわよ。
何ですか?頼みって…。
これ警察に届けてきて。
え?ちょっとちょっと見て…。
ほらほらここ…。
何ですか?これ…。
何だと思うん?マジ!?うん。
ちょっと…。
お願いね!行ってきます。
はい…あどうぞ…。
あどうも…。
先程は失礼いたしました。
お礼もせんと東京へお帰ししては申し訳ないさかいお食事でもごちそうさしてもらおうと思いまして…。
いえそんなお気遣いなさらないでください。
明日お帰りになるんでっしゃろ?今晩どうどす?琵琶湖にうちの別荘がありますさかいそこでゆっくりお話するというのもええ思うて用意さしてます。
すぐお迎えにあがりまっさかい。
ではせっかくですから…。
ありがとうございます。
何してるんですか?こんなとこで…。
あの…原口さんは?え?部屋にいませんか?フロントに聞いたら1時間前に出かけはったって…。
頼子さんに何か用ですか?今説明してる暇おまへんのや。
今すぐ原口さんに連絡をとってもらえまへんやろか?はい…。
(電池切れの信号音)あれ?電源ねえや…。
(電池切れの信号音)あ私のをどうぞ。
え〜と…。
あれ?電話番号何番だっけ?090の…57…。
ケータイのアドレスに入ってるから…何番だっけな…。
どうぞ。
はぁ…。
あの…アワビお嫌いどすか?いいえ…。
トリカブトは入っておりませんよね…。
(笑い声)まあ…怖い冗談お言いやすこと。
ほな私のと換えましょか?いえ結構でございます。
(笑い声)どうぞ。
はい。
いただきます。
あぁ…美味しい…。
お口に合うてよろしゅおした。
あ三谷さん。
(三谷)はい。
ここがすんだら帰ってよろしいわ。
後はやりますさかい。
へえおおきに。
ほな失礼いたします。
へえご苦労はんどした。
このブレスレット…何や前のと違うような気がしますねんけど…。
あぁ…磨きに出したから感じが変ったと思われるんです。
ああそうどすか。
(電源が入る音)
(電話の呼び出し音)着信音をオフにしてるみたいですね。
(切れる音)もとを正せば…私に大きな責任があるんです。
大体私は他人が思うてるほどええ人間とは違いますのや。
はい200万円…好きでやってたわけやない。
なんか自分の居場所が欲しかったんやろねえ。
伊織と関係したのもそんな気持からやった。
別にあの娘が好きになったわけじゃないんです。
なんか…あの家から逃げたかったんやろなあ。
だけどあの娘が急に…。
伊織:このマンション買うてほしいんや。
5,000万円…。
なにを言うてんのやな。
うちとつきおうてる事や借金の事家元が知ったら追い出されるんとちゃう?婿養子やもんなあ。
この部屋がいいと思うんやけど…そろそろ私…失礼いたします。
あ待っとくれやす。
何か…?お話したい事がおすねん。
何でしょう?お宅がいちばん知りたいと思うてはる事どす。
はあ?どうぞ。
私のことを…疑うてはりますのやろ?何の事かしら…?「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と言いますわなあ。
「君子危うきに近寄らず」とも申しますわ。
そやけどここまで近づかはった。
ええ度胸してはりますわ。
ハハハおおきに…。
私がやりました…。
伊織さん殺したんは私どす…。
うちの人があの娘に脅されてる事はうすうす気づいてました。
わざと知らん顔してた。
自業自得やと思うて…。
それじゃあどうして伊織さんを…?私家元から離れたいんですわ。
独立して自分は自分のやり方でやっていきたいんです。
松泉流の看板は…貸さしまへんで。
へえうちのお客さんはうちの名前で仕事くれはりますさかい家元の力を借りんでもやっていけます。
あんたっちゅう人は…!うちの人を奪うたあげく私への恩を仇で返そうちゅうわけか!家元には感謝しております。
けど旦那さんを奪うたいうのは違います。
私が奪われたんです!けどもう後悔はしてへんし旦那さんを恨んでもいません。
寂しかったんです旦那さんも…。
家元がもっと旦那さんの方を向いてはったらこんな事には…。
弟子の私がこんな事言うのはなんですけど最近の家元の作品は新鮮やないし魅力がないと思います。
正直いうて今回の発表会も私がおらなんだらこんな大勢は…?なんやて!?ま私は居らんようになりますから旦那さんと仲よ〜に…。
待ちなはれ!なんですの!?やめてください!どないしよ?えらい事してしもうた!?はよはよう行きなはれ。
はよう!はよう!あっ…ああっ!?結局あなたは伊織さんが怖かったのね?え…?ロダンのように弟子が自分を超えていくのを恐れていたのよ。
板東さんも同じ。
仲間に超えられるのが嫌だったのよ。
だから彼を利用して私からブレスレットを奪い返そうとした。
(通話ボタンの音)はいもしもし…もしもし…。
伊織さんを殺した理由は分かったわ。
でもなぜ板東さんまで…?板東を殺すつもりはなかった…。
俺の願いを聞いてくれたら貝になりまっせ。
あんたの願いってなんやのん?3,000万円欲しいんや。
はした金やろ?それから…俺を後継者にしてほしいんや。
なんやて!?問題あらへんやろ?子供おらんし…。
アホな事言わんとき!ほな警察に言うてもええんか?どないするんや!もう待てん…。
待って!待っておくれやす!分かった…。
お金は明日まで待って…。
伊織さんのお葬式ちゃんと終わらさんことには…。
分かった。
明日までやな?あんた…琵琶湖へ行っててくれへん?あとで私も行きますさかい。
ああ…それでここへ呼んでトリカブトを…?
(道子)板東と伊織さんが仲が悪かったことは有名やったさかい…。
あなたは松泉流の看板を守るために自ら大事にしてきた宝物を自らの手で消してしまったんだわ。
私が…。
私が愚かやった…。
(誠一)道子!頼子さん!
(ドアを叩く音)一緒に警察に行きましょう。
刑事さんに何もかも話すのよ。
さあ行きましょう!行かへん!警察なんか行かへん!どうなさるおつもり?いままで気がつかんかったけどよう分かりましたんや。
人って簡単に殺せるんやってことが。
えっ?二人殺るのも三人殺るのも一緒や!バカな事はおよしなさい!そんな事して何になるの?誰も邪魔はさせへん!私を殺したって逃げられやしないわよ!頼子さん!純一郎さん…。
道子!あかん!それ以上罪を重ねたらあかん。
いや!いや!いや…いや!いや〜!
(泣き叫ぶ声)道子!待ちなさい!私に任せてください。
(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)あっ?
(悲鳴)あっ?死なせて…死なせて〜!駄目!死ぬなんていちばん卑怯よ。
生きて罪を償うのよ。
ご主人のためにも…。
どいて!服部道子…殺人および死体遺棄容疑で逮捕する。
あなたのブレスレットに付いてた血痕が北村伊織さんの血液と一致した。
それはレプリカなのよ…。
道子…。
さあ行こか。
あなたはなにもかも知ってたのね。
でも隠し通してた…。
奥さまを愛してるのね。
これからも支えてあげてね。
ご主人は私と一緒に乗っていってください。
さあ…。
あ〜お世話になりました。
お陰で面目が立ちました。
あなたたちのためにやったんじゃないわ。
えっ?結局あなたたちも同じ…。
み〜んな自分の損得でしか物事を考えないのよ。
他人が幸せになっても妬むだけで心から良かったねって思えないのよ。
あぁ〜いつからか私たちは人の幸せを祈ることを忘れてしまったんだわ…。
あっ血が…。
あ…病院に行きましょうか?俺が行きますから。
失礼…。
(パトカーのサイレン)ええ今朝テレビのニュースで見てびっくりしたわよ。
あなたも大変だったわねえ。
うん…。
気をつけて帰ってらっしゃい。
じゃお正月はパリで一緒ね。
うん…。
先運んでおきます。
オペラ楽しみにしてるわ。
は〜いじゃあね〜。
結局もう一泊しましたね。
そうね。
待て〜っ!この野郎!あ払います。
すぐ払え!すぐ払います。
クレジット会社の方…?あんた誰?旅先で偶然知り合っただけ。
この人の借金私が立て替えるから借用書くださる?いいよ。
払ってくれさえすりゃ。
おいくら…?50万円…。
はい50万円。
(山崎)運のいい野郎だ。
では…。
イテテテ!あらごめんあそばせ。
さ行きましょうか?はい。
イテテ…痛てえなあまったく!ちょっと待てっ!何か…?返せ!えっ?金盗ったろ?何の事かしら?分かってんだよ。
今掏ったろ?アハハハハ…。
あ原口さん。
あ〜ら刑事さん…。
もうお帰りですか?はい。
刑事さんこの女掏摸だ!はあ?俺のポケットから50万円掏りやがった。
まあ何をおっしゃるの。
どうぞごらんになって。
はいどうぞごらんになって。
はいコートも…。
ないな…。
こんなはずねえんだがなあ?言いがかりもはなはだしいわ!ちゃんと元どおりにしてくださる?
(山崎)ああ。
では失礼いたします。
純一郎さん行きましょう。
はい。
おかしいなあ〜?あんたの勘違いや。
あんなべっぴんさんが掏摸のわけないやろう〜。
いやおかしい。
やっぱりおかしい!いや危ねえ〜。
あっすげえなあ〜。
これが見抜けないようじゃまだまだ修業が足りないわねえ。
手ほどきしてくれません?ダメ!この指は悪い人にしか動かないの。
純一郎さん…先に東京に帰っててくださらない?えっ?私…もうちょっとのんびりしていく。
マジすか…?大原で降ろして。
東京に帰らなくていいんですか?明日のことは考えないようにしてるの。
2015/07/29(水) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
佐野洋サスペンス「優雅な悪事2 京都・華道家元連続殺人」[字]
元女優で現在は宝石デザイナーが、華道界を舞台にした殺人事件に巻き込まれる。
詳細情報
番組内容
元女優にして華麗なスリの腕を持つジュエリーデザイナー・原口頼子は、彼女を師匠と慕う純一郎とともに京都を訪れ、すでに京都入りしているジュエリーショップのオーナー・渋海笙子とともに、華道松泉流の20周年記念パーティーに出席する。家元の服部道子は、頼子のデザインしたジュエリーを贔屓にしており、この日も一番のお気に入りというブレスレットをしていた。
番組内容続き
道子の夫・誠一と、一番弟子の坂東を紹介された頼子たちの背後で、賑やかな笑い声が上がる。一同が振り向くと、テレビでも引っ張りだこの売れっ子華道家・北村伊織が輪の中心にいた。松泉流のホープと言われる伊織を紹介される頼子たちだったが、伝統を重んじる道子と坂東に対し、新しい個性を主張する伊織の発言はトゲトゲしく、気まずい空気が流れる…。
出演者
原口頼子…岩下志麻
辻純一郎…金子賢
渋海笙子…岸田今日子
服部道子…野川由美子
服部誠一…西田健
北村伊織…西條三恵
坂東忠久…谷口高史
貝塚刑事…篠井英介
山崎五郎…六平直政
黒田伸一…ベンガル ほか
原作脚本
【原作】佐野洋
【脚本】関根俊夫
監督・演出
【監督】松本明
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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