<TPP>新薬データ保護「12年」の米とぎりぎりの交渉
毎日新聞 7月30日(木)20時43分配信
◇閣僚会合 知的財産など難航分野を協議
【ラハイナ(米ハワイ州)松倉佑輔、清水憲司】環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の閣僚会合は29日、知的財産など難航分野を協議した。新薬の開発に関わるデータの保護期間を巡る溝が埋まっておらず、会合最終日の31日に向け、ぎりぎりの交渉が続きそうだ。
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甘利明TPP担当相は29日、記者団に対し知的財産分野の交渉について「あと2日で間に合うかどうか、まだ何とも言えない」と述べ、厳しい表情をのぞかせた。交渉が難航しているのは、新薬のデータ保護期間を巡り、「12年」を主張する米国と、「5年」を求める豪州・新興国それぞれが国内に譲れない利害関係を抱えているためだ。
米国は、製薬企業が新薬開発にかけた投資を回収するのに十分な期間が必要だと訴える。TPP推進の野党共和党も妥協を認めない姿勢だ。TPP交渉が大筋合意にこぎ着けても、発効には米議会による承認が必要。共和党の支持を得て承認を万全にするためにも、保護期間を長くしたい。
豪州やニュージーランドにとっては、保護期間の長さは政府財政に直結する問題だ。長すぎると、安価な後発医薬品(ジェネリック)の開発が進みにくくなり、医療費削減にマイナスに働く。豪州のロブ貿易相は29日、米メディアの取材に「12年のような長期は得策ではない」と強調。米製薬企業に利益を確保させるとしても、「5年で十分」との考えも示した。
新興国は、医薬品を手ごろな値段で入手できるかという深刻な問題を抱える。医薬品が高くなって医療を受けにくくなれば、世論の反発が強まるのは必至だ。「多くの国が5年未満を求めており、譲歩するつもりはない」(交渉関係者)とみられている。
こうした中、日本は双方を取り持とうと、間を取って「8年」を提案。しかし、甘利氏は29日、「現時点では(歩み寄りの兆しは)感じられない」と指摘した。
合意を目指す米国が最終的に「10年未満」まで譲歩するとの見方が強いが、それでも大きな隔たりが残る。12カ国の閣僚は29日夜、約2時間半にわたって会食しながら膝詰めの交渉を続けたほか、30日の全体会合でも新薬データ問題を討議する予定だ。保護期間を巡る対立が、交渉全体の成否を左右する状況になっている。
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